社会派 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ナイロビの蜂」観ました

 | 社会派  Comment(10) 
Tag:イギリス

ナイロビの蜂
製作:イギリス’05
原題:THE CONSTANT GARDENER
監督:フェルナンド・メイレレス
原作:ジョン・ル・カレ
ジャンル:★ミステリー/ドラマ

【あらすじ】ケニアのナイロビ。ガーデニングが趣味の英国外務省一等書記官ジャスティンには、アフリカで精力的に救援活動を続ける妻テッサがいた。彼女の活動には深く関わらない彼だったが、ある日、彼女が何者かに殺されて…。

居間の大きいテレビで画面が揺れる作品を観たのは初めてだったようで、酔いまくって二日にわけて観ました。しかも内容が重いし、誰も信じられないし…。彼がテッサと話すシーンと、子供たちの笑顔のシーンでだけ温かみというものを感じて、最後まで観られた気がします。
テッサがちょっと無謀すぎて(妊娠中なのに…)感情移入できませんが、そんな彼女を理解しようと追い求めるジャスティン目線のテッサは美しいんですよね(本当に妊娠してたんだ!)。スーツ姿で事なかれ主義を貫いてきたジャスティンが、汚れたシャツでアフリカを飛び回るのも素敵。彼と彼の深い愛を堪能できた作品でした。
利益のためなら人の命なんて顧みない企業のやり方については、ほんとうにありそうで恐ろしくなってしまいます。一方では、黙って自ら飛行機を降りて主人公を見送る少年もいたりして、人間の心ってこうも違いがでてしまうものなんだとつくづく悲しくなりました。
ラストのジャスティンの行動は賛否両論ありそうですが、わたし的にはあれは彼の”選択”というわけではなく、彼女のこころを辿る旅の終着点があの湖だっただけという気がしたので受け入れられました。

ちなみに原題は”誠実な園芸家”とか”いつも庭弄りをしているひと”というような意味。自分の事(庭)以外には無関心な人々(ジャスティン)を指しているようです。
また邦題の方は、蜂がトレードマークのスリービーズ社と、相手を刺して命を落とすミツバチのように、命がけで告発しようとしたテッサたちを指しているんでしょうか。印象的だし、なかなかいい邦題だと思います。

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映画「ディープエンド・オブ・オーシャン」観た

 | 社会派  Comment(12) 

ディープエンド・オブ・オーシャン
製作:アメリカ’99
原題:THE DEEP END OF THE OCEAN
監督:ウール・グロスバード
原作:ジャクリン・ミチャード
ジャンル:★ドラマ

1988年、ウィスコシンシン州。写真家ベスは幼い息子ヴィンセントとベンを連れ、高校の同窓会に出席する。だが、目を離した隙に三歳のベンがいなくなってしまった。必死の捜索もむなしく、手がかりも掴めぬまま9年が経ち…。

子供を誘拐された母親の苦悩が全面に出ているけれど、この作品の中心は兄弟の絆。ラストまで本心を表に出さず、黙って静かに主張し続ける兄ヴィンセントに泣かされました。
彼の出ているシーンは少ない方だし、出ていてもあまり話しません。ただ、両親をみる時の寂しそうな目、自分が手を離したせいだと誰にも言えず独りで苦しむ彼の表情。その寂しさの裏返しである反抗的な態度が、雄弁に彼の心情を語っているんですよね。
そして、もうひとり末の妹がいるんですが、彼女にいたってはただ画面の隅に存在するだけ。末っ子の方が観たら、彼女の扱われ方にも涙してしまうかもしれません。
この二人の描かれ方は、そのまま両親の関心の薄さを表しているようでした。

後半、ある偶然から思いもよらなかった事実が判明します。
誰かが幸せになろうとすれば誰かが辛い思いをする。彼らの気持が痛いほどわかるから切ない…!
強引に幸せな家族を取り戻そうとする夫を見て、やっと冷静さを取り戻したベスの決断。わずかな記憶から絆を実感し、受け入れてみようとするサム(ベン)の決断。そして、不安な表情なヴィンセントの告白。終盤は涙なしには観られません。
「ずっといるのか?」というヴィンセントの問いに、サム(ベン)が「わからない」と正直に答えたことに、これからの両家族の関係に希望が持てました。

序盤から感情を揺さぶられるシーンが幾つもあり涙をこらえるのが大変でしたが、ところどころ感動が途切れる感じがあって、心の機微を丁寧に描いているとは言い難いかも?(15分カット版ですが)
タイトルは「深い海の底」。原作の邦題「青く深く沈んで」のほうがぐっと来ます。
ちなみに、終盤に「アイ・アム・サム」でわたしが引っかかってしまった一人夜歩きと同じシーンがあったりしますが、年齢や場所や見守るひとの立場とかわたし的にはぎりぎり納得できる範囲でした。

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映画「そして、私たちは愛に帰る」観た

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Tag:ドイツ トルコ

そして、私たちは愛に帰る
製作:ドイツ/トルコ’07
原題:AUF DER ANDEREN SEITE
監督:ファティ・アキン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】ドイツ、ブレーメン。定年を迎え、同じトルコ出身の娼婦イェテルを囲い孤独を紛らわすアリ。息子ネジャットは戸惑うが、彼女がトルコにいる娘アイテンのために頑張っていると知り、好感を抱く。一方、アイテンは政治活動に身を投じており…。

BSで何度かオンエアしていたけれど、重そうなのでずっとスルーしていた作品。先日、例の93分の映画枠でオンエアがあり、吹替えだったらということで鑑賞しました。
ドイツとトルコ、二つの国にまたがった、すれ違う三組の親子の死と愛と再生のドラマです。登場人物はわがままだったり、冷たかったりと共感しづらいし、すれ違い展開も強引なくらい。でも、遠く離れて暮していても、心が離れてしまっても、死によって引き裂かれても、愛によって繋がっているんだなぁと強く感じさせる作品でした。
物語の発端となる2つの死。そのおおもとの原因とも言える、ドイツにおけるトルコ人移民問題と、トルコに対するEUへの加盟論争などの社会情勢については、ぼんやり「そんな事があったのか」というくらいにしかわかりませんでした。
でも、娘の死のきっかけとなったアイテンを、娘の想いに応えるように赦し、救おうとしたスザンヌ。そして、軽蔑に値することをしてしまった父のなかに、深い愛情と孤独をみつけ、迎えに行くネジャット(冒頭はこのシーンから始まる)の”愛”。言葉にすれば簡単なんだけども、そこにたどり着くまでには絶望や悲しみ、怒りがあって、それを乗り越えてやっと迎えた心の平安なんですよ。
ネジャットが浜辺で父の帰りを待つラストに、温かく優しい気持ちになりました。
ちなみに、原題を直訳すると「向こう側に」、英語題の意味は第三章のタイトル「天国のほとりで」です。

映画「永遠(とわ)の語らい」感想

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Tag:ポルトガル フランス イタリア

永遠(とわ)の語らい
製作:ポルトガル/フランス/イタリア’03
原題:UM FILME FALADO(仏語:UN FILM PARLE/英語:A TALKING PICTURE)
監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】2001年7月、地中海。歴史学教授のローザは、遺跡めぐりをしながら7歳の娘マリアに人類の歴史を教えていた。そんなある日、2人はアメリカ人船長に船内での夕食の席に招かれる。そこでは3人の女性がそれぞれ母国語で語り合い…。

この作品はよくわからなかったですね。
9・11を意識してるんだろうという事はわかるんですけど、なんか数コマの風刺漫画をびろーんと伸ばしたような感じでわたしは面白いとは思えませんでした。
まず、親子の遺跡めぐりが描かれる第一パート。せっかくいろいろな遺跡を映しているのに、まるで絵葉書のように固定された映像でストレスが溜まります(神父の”三位一体”のお話は興味深かった)。母親は本でしか見たことのない場所を実際に見たくて来たのに、遠くから眺めて娘に昔話(終わったこと)のように話して聞かせるだけだし、娘の方も素直にそれを聞いて「あれは何?」「どうしてそうなるの?」と優等生のように質問するばかり。あまり感情移入させたくないのか…。その割には少女と犬が戯れてるシーンあったけど?

そして、三人の女性と船長が夕食の席で会話する第二パート。フランス人・イタリア人・ギリシャ人の女性たちと、ポーランド系アメリカ人 (アメリカではポーランド人を馬鹿にするポーリッシュ・ジョークというのがあるそうです) の船長がそれぞれ母国語で会話。それ自体は面白かったのだけど、話の内容はあるようなないような…わたしがわからなかっただけかもしれませんが。
そこに、ポルトガル人の親子が加わり、彼らだけ母国語ではなく英語を話すことに。こういう意味ありげなところは、ポルトガルやそれぞれの国の関係に詳しければもっと面白かったのかも。

ラスト、置いてきぼり(衝撃的ともいう)の第三パート。何と言ったらいいのか…暴力の歴史は今でも続いているということでしょうか?
マルコヴィッチさんの顔がインパクト抜群。少女に贈ったアラブ人形のことは知らないまま、放心してるしかないという感じでした。
ちなみに原題はどれも”語る映画”。邦題もなかなかですね。
深読みできる方にはたまらない作品かもしれません。

映画「評決」観ました

 | 社会派  Comment(2) 
Tag:シドニー・ルメット

評決
製作:アメリカ’82
原題:THE VERDICT
監督:シドニー・ルメット
原作:バリー・リード
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】他人の葬儀に紛れ込み仕事を探す、落ちぶれた弁護士ギャルビン。友人に金になりそうな依頼を回してもらうが、医療ミスで植物状態の女性を目の当たりにしたことで熱意を取り戻す。だが、相手は背後にカトリック教会を控える病院で…。

以前録画ミスして、今回やっと観る事ができました。
ポール・ニューマンが素敵。やっぱ男は皺だよね!!
…それはさておき、内容もまさしく法廷モノという感じで見ごたえがありました。法廷モノ好きならこれは外せません。
冒頭では酷いありさまだったギャルビンが、示談金をたくさん引き出そうと、被害者の痛ましい写真を撮っている時にふと気付きます。”自分は一体なにをしてるんだ”と。
酔いから覚めたように、かつて正義を求めていた頃の熱意を、目に生気を取り戻していく様子にぐいぐい引き込まれました。とくに、バーで出会った女性ローラに理想を語った時の目がほんと可愛い。キラッキラしてて。
それでいて、相手の強引なやり方にうろたえて「もうダメだ」と簡単に挫けそうになることも…。まともに闘うのは久しぶりで、味方も少ない彼の揺れ動く心理。人間味があってよかったです。
また、彼の突然の変化に戸惑いつつ、どんな時も見捨てることなく力を貸してくれる弁護士仲間ミッキーと、弱気のギャルビンに喝を入れるカッコイイ女ローラ。自分の意見を聞かない生意気なギャルビンを目の敵にする憎たらしい判事もいい味だしてました。

行き詰まり、もう手立てがないと思いかけた時、名探偵のように逆転のチャンスを掴むくだりはぐっときます。完全にかつての自分を取り戻したギャルビンの最終弁論…思わず聞き入りました。
ギャルビンが悪人じゃなくてホントよかったなぁとしみじみ思ってしまう、やや複雑な結果でしたが、映画としては文句なし!
電話のベルが鳴り響くラストが深い余韻を残します。

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「旅立ちの時」観ました

映画「パピヨン」観ました

パピヨン
製作:フランス’73
原題:PAPILLON
監督:フランクリン・J・シャフナー
原作:アンリ・シャリエール
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】胸に蝶の刺青をしている事からパピヨンと呼ばれる男がいた。無実の罪で南米仏領ギアナの監獄へ送られてくる途中、国防債権偽造でフランス中を混乱させたドガと出会う。彼は、脱走費用の工面と引き換えに彼の命を守ると約束し…。

ドガとパピヨンの友情が素晴らしかったです。
こんなことがなければ友情どころか話すこともなかったんじゃないかと思われる二人なんですが、不思議なくらい息がぴったりで一緒にいるのが当たり前のようにみえてくるんですよね。壊れた眼鏡を手に「縁にレンズをあわせるんじゃなく、レンズに縁をあわせよう」と言って直してしまう、柔和なドガだからこそかもしれません。
その友情の真価が問われた独房のエピソード。危険を冒しココナッツを差し入れるドガ。食事量を減らされてもドガの名前を言わないパピヨン。ふたりの絆に涙が。
また、虫を食べてでも生き残ろうとする生への執着、暗闇の中でぎらぎらと光る眼、夢の中で「人生を無駄にした罪で有罪」と言わたときの表情…マックイーンの鬼気迫る演技はさすがでした。
でもでも、当初パピヨンを演じるのはチャールズ・ブロンソンの予定だったんだとか!!
マックイーンの演技は素晴らしかったけれど、それでもブロンソンのパピヨンも見てみたかった…。

二度目の脱走はドガがあまり出てこなくてつまらなかったです。部落で過ごすシーンもよくわからなかったし(脱走自体が夢?とか思ってしまった)、やはり二人の友情あってこその作品だと思いました。
ラスト、悪魔島での生活に慣れて意外と気楽にやってるドガと、不屈の精神で自由を求めるパピヨンの対比にしみじみ。泳ぎ去る彼を見送るドガのなんとも言えない表情が印象的でした。
それにしても、最後の水中の人影は何とかならなかったのか…。

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映画「タハーン ~ロバと少年~」観ました

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Tag:インド

タハーン ~ロバと少年~
製作:インド’08
原題:TAHAAN: A BOY WITH A GRENADE
監督:サントーシュ・シヴァン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】カシミール地方。家族やロバのビールバルと共に暮していた8歳の少年タハーン。3年前から父親が行方不明だったが、父がくれたロバがいつも一緒だった。そんなある日、借金返済のためビールバルが売られてしまい…。

後半は嫌な汗をかく展開なんですが、ラストで予想外に感動してしまって一気に大好きになった作品です。
舞台は紛争中のインド北西部カシミール地方ということで、最初からきな臭さが漂ってきました。ちょっと村はずれに行けば銃声が聞こえてくるし、廃墟と化した町だってでてきます。
そんな中、幼いながら強く優しい心をもつ少年タハーンが、父親とのつながりでもある親友のロバを取り戻そうと奮闘するお話です。
前半は、だいたいロバの新しい持ち主である商人ダールに付いてまわるんですが、コイツがけっこう嫌な奴でした。仕事を手伝う青年ザファルの扱いが酷いんですよ。彼が質問に答えようとまごつくたび、”お前は馬鹿だから聞くだけ無駄だ”という態度で遮るので、私自身話すのがとろいのもあってムカついてしまいました。根はいい人だとわかっていても、約束は破るし、嫌な気分になることもしばしば…。

→以下ネタバレ注意!

映画「わが街」観ました

 | 社会派  Comment(2) 
Tag:ローレンス・カスダン

わが街
製作:アメリカ’91
原題:GRAND CANYON
監督:ローレンス・カスダン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】ロサンゼルス。人生に焦りを感じ始めていた弁護士マックは、ある日、黒人地区で車がエンストし、危険なところをレッカー車の運転手サイモンに助けられる。一方、マックの妻クレアは捨て子を見つけて家に連れ帰り…。

たしかフジテレビで深夜に放送していたのを期待せずに観たんですが、これがなかなかの拾い物でした。犯罪がはびこるロサンゼルスを舞台に、6人の男女の人生の転機を描く群像ドラマです。人との繋がりという普遍的なテーマをさりげなく描いていました。

危ないところを助けてもらったマックは、心残りをつくりたくないという想いでサイモンに感謝の気持ちを伝えようとします。彼の妹の家が銃撃された(!)と聞けばいいアパートを紹介し、ふとした思い付きから知り合いの女性を紹介してみたりも。その一方で、よけいなお節介だったかもしれないと、どこまで踏み込んでいいものか悩んでいるんですよね。
これはわたしもしょっちゅう悩むことなので共感できました。相手がまだ会って間もない命の恩人ならなおさら不安でしょう。
そんな時、妻が拾った赤ん坊(通報済み)を養子にしたいと言い出します。ちょっとした”善意”もためらっていた彼に、ばばーんと人生に関わる決断をしてみせたわけです。
「起きてしまった事を無かった事にはできないように、一度できた人との縁は消せないのよ」と言うクレアが素敵でした。
バイオレンス映画監督のデイビスが、物盗りに脚を撃たれて考え方が変わったり変わらなかったりというエピソードも人間らしくて面白かったです。彼が引き合いにだした「サリヴァンの旅」という作品もいつか観てみたいと思いました。

マックとサイモンの人種を超えた友情、彼らと子供(甥も)との親子の愛情、そしてちょっとしたきっかけから始まった恋。それらが静かにじっくりと描かれています。中盤、マックの夢のシーンからクレアの夢に切り替わる演出も良かった!
原題はグランドキャニオンで、ラストに雄大な風景が迎えてくれます。

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映画「暗黒街のふたり」観ました

 | 社会派  Comment(14) 
Tag:ジョゼ・ジョヴァンニ フランス

暗黒街のふたり
製作:フランス’73
原題:DEUX HOMMES DANS LA VILLE
監督:ジョゼ・ジョヴァンニ
ジャンル:★ドラマ/犯罪

【あらすじ】銀行強盗を計画したリーダーとして懲役12年の刑を受けたジーノ。彼の社会復帰を願う保護監察司ジェルマンの力添えで出所した彼は、妻のためにも真面目に第二の人生を歩み始める。だが、彼の更生を疑うゴワトロー警部と再会し…。

実にやるせない作品でした。
本気で人生をやり直そうと頑張るジーノを踏みにじるように、不運や世間の冷たい目、そして悪意と無関心が彼を追い詰めていきます。
とくに酷いのがゴワトロー警部。彼は優越感を得るためにこの仕事をしてるんでしょうね。だから、自分がぶちこんだ犯罪者が、自分よりいい生活をしているなんて許せない
あらゆる手段でジーノを刑務所に送り返そうとする姿は、ジーノを知っている側にとって腹立たしいものでしかありません。(根拠はないけどマザコンっぽいし、立ってるだけで不気味!)

もちろん、彼を信じて家族や息子のように想ってくれている人もいました。彼が心から反省していると知っているジェルマンはもちろん、その家族や、仕事をくれたおじさんなどです。
彼らの存在にジーノがどれだけ救われたことか!
彼らを見ていて、自分だったら前科のある者を偏見を持たずに見られるだろうかと考えてしまいました。きっと、無関心によって彼を死刑にしてしまった陪審員たちと、同じ結論を出してしまうんでしょうね…。
ゴワトロー警部のような存在が現れないため、誤った判決を下さないため、わたしたち国民が制度に関心を持ち、目を光らせている事が大事だと思いました。

また、この作品では”残酷なギロチン刑”を批判しているんだけど、見せしめのために使わないのなら死刑囚を苦しませないギロチン刑(あと日本の絞首刑も)は残酷とも言い難い気がしました。死刑そのものが残酷と言うならわかるけどね。
原題の意味は「街のふたり」、邦題は”暗黒街”にしたせいで内容を誤解されそうです。

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映画「誰も知らない」を観終わりました

 | 社会派  Comment(8) 
Tag:日本

誰も知らない
製作:日本’04
監督:是枝裕和
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】安アパートに引っ越してきた母親けい子と息子の明。だが、実際には他に京子、茂、ゆきの3人の子供がおり、家を追い出されないよう嘘を付いたのだった。やがて、新しい恋人ができた母親はわずかなお金を残し家を出て行き…。

トランクが怖くなりました。
飛行機の音、サンダルの音、公衆電話のコインが落ちる音が耳から離れません。
最後までよそ見をする事も出来ず、終盤は息をするのも一苦労。
タイトルが胸に突き刺さるようです…。
観終わってから、題材になった「巣鴨子供置き去り事件」の事を知って愕然としました。
一生忘れない作品になりそうです。

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ふと頭をよぎる映画「ただいま」

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Tag:中国 イタリア

ただいま
製作:中国・イタリア’99
原題:過年回家
監督:チャン・ユアン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】16歳の時、些細な事をきっかけに義理の姉を殺してしまったタウ・ラン。17年後、出所を控えた彼女は旧正月に一時帰宅を許されるが、すでに家は取り壊されていた。女性教育主任シャオジェは両親の家を一緒に探し始める。

気が付くとこの作品について考えている事が多いのに、最近になって「あれ、タイトルなんだっけ?」となって焦りました。とりあえず、観た映画のあらすじ等をまとめてある記録を調べたがみつからず(記録漏れ…)、結局googleさんのお世話になることに。大筋を覚えていたのでなんとか見つかりました。よかった~。
そんなわけで、ネタバレありの感想いってみたいと思います。

家に置いてあった5元をくすね、ばれそうになってタウ・ランの枕の下に隠した父親の連れ子シャオチン。母親にも義父にも信じてもらえなかったタウ・ランは、問い詰めても笑って白を切る義姉を怒りのあまり側にあった棒で殴ってしまうのでした。
たった5元のせいで青春時代を刑務所で過ごす事になってしまった彼女。…些細な事から起こった悲劇にやるせない思いがします。17年後、他の囚人たちが迎えに来た家族と再会を喜ぶ横で、ひとりたたずむ彼女の姿も切ない。

そんな彼女を見かねて声をかけたのが、帰郷しようとしていた教育主任シャオジエでした。
両親は自分が戻る事を望んでいないと落ち込むタウ・ランを励まし、屋台で食事を奢り、歩き疲れ辺りが真っ暗になっても家まで送り届けようとします。やっとアパートを見つけても、怖気づいて部屋に入れない彼女と一緒に訪ねてあげたり、上手く話せない両親と彼女の間で気を使ったりと、最後までつきあってくれるんですよね。自分の仕事に誇りをもち、最後まで見届けようとするプロ意識もあったでしょうが、家族との時間を削ってまで彼女に付き合うシャオジエが素敵です。

そして、17年の歳月を乗り越え、親子の絆を取り戻すラストには涙が…。
しかしその一方で、どうにも納得できないという感情もわきあがりました。タウ・ランが「あの5元は私が盗りました」と涙ながらに謝罪し、父親は「もういいんだ。たった5元のために…」というようなことを言って一言も謝らないんですよ!?
儒教では「親の言う事は絶対」というのはわかるんですけど、そのために”5元を盗んだ”と嘘を付かなければいけないのか。子供を平等に扱わなかった両親は悪くないのかと、その頃のわたしは憤慨してしまいました。
まあ、その”憤慨”があったお陰で、こんなにも記憶に残る作品になったんですけどね。

映画「ジュリア」観た

 | 社会派  Comment(7) 

ジュリア
製作:アメリカ’77
原題:JULIA
監督:フレッド・ジンネマン
原作:リリアン・ヘルマン
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】姉妹のように仲良しの幼馴染ジュリアとリリアン。だが、やがてジュリアは反ナチ運動に加わり姿を消した。リリーが劇作家として成功したある日、ジュリアから5万ドルを届けて欲しいと頼まれ、彼女は危険を覚悟してベルリンに向かう。

わりと私好みの作品だと思って観ていたんですが、何故か終わってみると感動が薄かったというか、印象に残っていないというか…。途中で気が散ることでもあったのか、自分でも不思議です。

とはいえ、いちばんの見せ場である5万ドル運びの部分はスリル感たっぷりで、リリーと一緒になって疑心暗鬼になってました。ただすれ違っただけで怪しく見えてしまったりして。彼女の緊迫した表情も良かったです。
再会の喜びもつかの間、ジュリアに帰るよう言われ、溢れそうになる言葉を飲み込むようにして出口に向かうシーンも切なかった。
でも、その後の娘探しがあっさりすぎてよくわからなかったんですよね。なんでいなくなったの?
手がかりもつかめないという無力感を描いていたのかもしれないけれど、もう少し詳しく描いてほしかったです。
今回はいまひとつピンとこなかったので、いつかまた再見したいと思いました。

2010/4/10 追記
思いのほか早く再放送されたので、再見してみました。
なんというか、まだ記憶に新しすぎて新たな感動とかは無かったです。ただ、前回5万ドル運びのくだりまで楽しめたのに、終盤になって気が散った理由がわかりました。突然入る回想シーンの、義妹がどうのと言ってる男に『イラッ』としてしまったようです。なんでその回想が始まったのか忘れてしまうくらい気に障る男でした。
好奇心旺盛な友人夫妻といい、彼といい、リリーの周りには下世話なひとも多いみたいですね。ジュリアやダッシュを特別に思うのもわかる気がします。

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映画「暴力脱獄」観ました

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暴力脱獄
製作:アメリカ’67
原題:COOL HAND LUKE
監督:スチュアート・ローゼンバーグ
原作:ドン・ピアース
ジャンル:★ドラマ/アクション

【あらすじ】パーキングメーターを壊し2年くらったルーク。規則だらけの刑務所で、やがて彼は退屈しきった囚人たちの人気者となっていく。賭けで騒いでいたある日、母親が亡くなったという知らせが届いた。看守は脱獄予防で彼を閉じ込め…。

今まで観た監獄ものに比べると、ずいぶんと気楽な雰囲気ただよう出だしでした。
冒頭で黙々と主人公が何か回しているので、すでに刑務所で労働しているのかと思いきや、酔ってパーキングメーターを壊していただけだし。刑務所も看守も囚人も、そこまで酷そうには見えません。労働中によそ見(色っぽいお姉ちゃんが泡まみれで洗車)をしていても、注意すらされませんでした。…寡黙なサングラス男は怖いけどね。
しかし、ルークがリーダー・ドラッグラインに認められてから、囚人たちが彼を祭り上げ、所長や看守の権威を脅かします。そして、彼らは脱獄の恐れがあるという理由で彼を懲罰室に閉じ込め、彼の反骨精神に火をつけてしまうんですね。
それから何度も繰り返される脱獄は、犬に優しくないけど(笑)痛快でした。でも、今まで甘い顔(?)を見せていた看守が、穴を掘って埋めるのを延々と繰り返させ、ついにルークが屈してしまうシーンはとても辛いです。
あと、作中にはキリスト教的な暗喩がいくつかあり、賭けでゆで卵50個食べて横たわるルークの姿がキリストを模しているのは、私でもわかるほど。その意味するところはよくわからないけれど、囚人たちがルークを放って勝手にはしゃいでいるのがすごく寂しかった…。

ちなみに原題は、ハッタリでポーカーに勝ったルークが、その手を”いい手(COOL HAND)と”言ったことから仲間につけられたあだ名。邦題は、インパクトはあるものの”暴力”が誰によるものなのかはっきりしない微妙なものになってます。わたし的には、断然原題が好きです。

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映画「みなさん、さようなら」観ました

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Tag:カナダ フランス

みなさん、さようなら
製作:フランス・カナダ’03
原題:(仏)LES INVASIONS BARBARES(加)THE BARBARIAN INVASIONS
監督:ドゥニ・アルカン
ジャンル:★ドラマ/コメディ

【あらすじ】父親の病状悪化の連絡を受け、カナダ・モントリオールに帰ってきたセバスチャン。愛人をつくり家族を苦しめてきた父親レミを嫌い、彼はロンドンで証券ディーラーとして働いていた。だが、末期ガンで死にかけている父を前にして…。

社会主義の父親は、主義に反するからアメリカでの治療を断りました。
でも、資本主義の息子は、父親を苦しませたくないから金で幸せな最期を演出しようとします。
快適な病室、ヘロイン、父親のかつての教え子、美人マッサージ師。金で集めても虚しいものもあるけど、父親を想う気持ちは本物です。
ヘロイン入手と使用のため、父親の元愛人の娘で麻薬常用者のナタリーに「父の分と君の分の(ヘロインの)金を払う」と言ったときは『悪魔かこいつ!?』と思ったけど、レミとの出会いは彼女のためにもなったので結果オーライ。というか、彼女の再生の物語だと思うのです、これは。
また、母親や(自主的に)集まった父親の友達や愛人たちが「このエロジジイ」とふざけあう様子は、死を間近にしているとは思えないほど明るく幸せそうでした。(下ネタと知的な会話は聞いていても楽しい)
それに、自由気ままに太平洋を航海中の娘は、帰ってこれなかったものの溢れんばかりの愛情をビデオレターに込めて送ってきます。
きっと、どれが欠けてもダメだったし、どれも欠けることなく揃っていた彼は幸せ者だと思います。
最後に息子と抱き合い、「お前のような息子を育ててくれ」と言葉をかけるシーンに涙が溢れ出しました。
唯一気に入らなかったのは、ダサい邦題。原題の意味は”蛮族の侵入”です。

TV映画「レスティング・プレイス/安息の地」観た

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レスティング・プレイス/安息の地
製作:アメリカ’86
原題:RESTING PLACE
監督:ジョン・コーティ
ジャンル:★ドラマ

1972年、南部の田舎町ロックヴィル。戦死した若き黒人中尉ジョンソンの棺とともに、遺族支援士官レアードが町へやってきた。だが、いざ埋葬という時になって、町の墓地は白人専用だと拒否されてしまう。遺族の固い決意に答え、彼はジョンソンが名誉の戦死だったと伝えるため、部下たちの話を聞くが…。

人種差別問題から見えてくる人間の強さと弱さを描いた作品。
辛い闘いになると分かっていても息子を故郷に埋葬しようとする、両親の揺るぎない決意を湛えた瞳が印象的でした。
彼らのために出来る限りの事をしようと動いたはずが、部下たちの口裏を合わせたような返答に疑惑を抱く展開も良かったです。真実を突き止めることが遺族を傷つけるのではないか、というレアードの苦悩がひしひしと伝わってきました。
ただ、予算の問題があったのか大部分が対話シーンで構成されており、映像的には物足りなかったかも。せめて、戦場での真実が明かされるところで、回想シーンを入れてほしかった…。
淡々と描かれる人々の心の有様、そしてずしりと響く言葉が胸に残る作品だったと思います。

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映画「ツォツィ」観ました

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Tag:南アフリカ イギリス

ツォツィ
製作:南アフリカ/イギリス’05
原題:TSOTSI
監督:ギャヴィン・フッド
原作:アソル・フガード
ジャンル:★ドラマ/犯罪

【あらすじ】南アフリカ、旧黒人居住区ソウェトのスラム街。不良を意味する”ツォツィ”を名乗り、仲間と暴力や窃盗、殺人までも行う青年がいた。ある日、女性からBMWを奪った彼は、後部座席に生後数ヵ月の赤ん坊を見つける。

以前BS2で録画失敗したけれど、BSジャパンでやってくれたので夜更かしして観ました。デジタル放送はまだ録画環境を整えてないんですよね…。
感想としては、観てよかった!!
”親の愛情を求める”という人間として当たり前の欲求。それを満たす事が出来なかった主人公の心の叫びが、ストレートに胸に響きました。
とくに素晴らしいのが、女性が赤ん坊に乳を与えるのを見つめる彼の表情。その前に、銃を突きつけて赤ん坊に乳を与えろと脅す経緯があるんですが、それまでの険しい表情が嘘のように、穏やかで幸福に満ち溢れた表情をするんですよね。
それはまるで、病気だからと母親に触れる事も許されなかった(間違った知識&蔑みからくる父親の横暴)幼い頃の自分を、今、目の前で幸せそうにしている赤ん坊に置き換えているようでした。
彼女を見る目も、”女”として見ているというよりは、”母親(もしくは聖母)”として見ていて、彼女と一緒にいる彼はどこか幼い子供を彷彿とさせます。
また、ガラスで作ったモビールを見て「割れたガラスに金をとるのか」と問うツォツィに、「ガラスだけじゃない、色と光があるわ」と返す彼女とのやりとりには、私もハッとさせられました。ほかにも心を揺さぶられるようなセリフがたくさんあり、南アフリカのストリート・ミュージックもドラマを盛り上げます。

それまでのツォツィの行いは酷いものですが、それでも「彼にチャンスを!」と願わずにはいられない、そんな再生の希望を描いた物語だったと思います。

映画「黄金の腕」観ました

 | 社会派  Comment(2) 
Tag:オットー・プレミンジャー

黄金の腕
製作:アメリカ’55
原題:THE MAN WITH THE GOLDEN ARM
監督:オットー・プレミンジャー
原作:ネルソン・アルグレン
ジャンル:★ドラマ/サスペンス

【あらすじ】麻薬中毒で半年の療養所生活を終えたフランキー。彼はドラマーとして人生をやり直そうとするが、ディーラーの腕を買う胴元や売人ルイ、彼を繋ぎ止めるため立てない振りをする妻ゾシュらが邪魔をする。彼の味方は愛人モリーだけだった。

「黄金の腕」というタイトルやドラマーを目指している事から、裕次郎的な青春ドラマなのかと思いきや、薬物依存症を取り上げた真面目な社会派ドラマでした。タイトルはディーラーのほうにかかってるんですね。
なんでも、当時タブーだった”麻薬”を題材にしたせいで検閲に引っかかったとか。薬物乱用に対する注意を喚起する内容だと思うんですが、何がどうタブーなのかよく分かりません。マフィアの圧力でもあったんでしょうか?

それはさておき、この作品を観て一番に思い出したのがアルコール依存症を扱った「失われた週末」です。酒と麻薬じゃレベルが違う気がしてたんですが、当事者にしてみればどちらでもさして変わらない事に気付きました。いちど嵌ってしまえば、独りでその地獄から抜け出すことはできないんですよね。
ですが、周りの人間に支えられていた「失われた週末」とは違い、こちらは悪意を持った人間たちが、一度は立ち直った彼を追いつめていきます。

中でも強烈なのが彼の妻ゾシュ。
登場シーンでは”半年振りの夫の帰りに喜ぶ健気な妻”といった様子でしたが、彼がドラマーになると言い出した途端に表情を曇らせます。彼女にとって堅気かどうかに意味などなく、”今まで通り”であることが重要でした。
その理由は、夫の浮気に気付き”立てない振り”を続ける彼女にとって、一番大切なのが現状維持だからなんですよね。たぶん。
ですから、麻薬に対しても、「お金を持っていかれるのは困るけど…」程度の関心しかありませんし、逮捕や入院で離れ離れになる可能性があることなんて(今のところ)頭にありません。
彼女の頭にあったのは、「とにかく今まで通りにしていれば、夫が愛人と去ることはない」ということだけだったように思えます。
こうやって書いてみるとずいぶん自分勝手な女に見えますが、元はといえば主人公が悪いんですよね。飲酒運転で彼女に重傷を負わせ、覚悟も無いのに結婚し、彼女と向き合えず愛人をつくり、そのうえ麻薬に手を出して…。きっと、ディーラーになったのも、イカサマをする様になったのも、悪い仲間とつるんでいて”なんとなく”だったんじゃないでしょうか?
彼の弱さに振り回されてあんなふうになってしまったかと思うと、彼女が少し哀れに思えます。

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映画「プレイス・イン・ザ・ハート」観ました

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プレイス・イン・ザ・ハート
製作:アメリカ’84
原題:PLACES IN THE HEART
監督:ロバート・ベントン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】30年代アメリカ南部。酔っ払いの黒人に保安官である夫を殺され、銀行には返済か家の売却かを迫られるエドナ。ふたりの子供とこの家で暮らしたい彼女は、流れ者の黒人モーゼスの言葉で綿花栽培を決意する。目が見えないウィルの下宿も決まり、彼らは様々な困難を乗り越えながら収穫の日を迎える。

家族を守ろうとするエドナのひたむきな姿に感動しました。
そして、仕方なく一緒に暮らし始めたモーゼスとウィルが、いつの間にか”家族”に溶けこみかけがえのない存在になっていくのも良かったです。
とくに、竜巻が近づき家も危ないという時、盲目のウィルがエドナの娘の名を必死に呼びながら家の中を探すシーンでは涙がこみ上げてきました。
もちろんモーゼスの活躍や子供たちの成長にも感動したんですが、わたしの中ではウィルがいちばん印象に残ったようです。エドナに文句を言いにきた彼がふとした拍子にお湯に触れ、彼女が入浴中だと気付きおろおろと部屋を出るシーンはわたしのお気に入りです。

―夫の死、借金、竜巻、差別。
次々降りかかる困難に家族で立ち向かう…。
定番ですが、じんわり心に染みる素敵な映画だったと思います。

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映画「イヴの総て」観ました

 | 社会派  Comment(6) 

イヴの総て
製作:アメリカ’50
原題:ALL ABOUT EVE
監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ
原作:メリー・オア
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】アメリカ演劇界最高の賞を最年少で手にしたイヴ。大物舞台女優マーゴの親友で劇作家の妻カレンは、イヴがここまでのし上がった経緯を思い返す。それは8ヶ月前の事、彼女は芝居のたびに現れるイヴをマーゴに引き合わせたのだった。

*ネタバレ注意!*
いやぁ、すっかりイヴに騙されてしまいました。怖いですね、女って。
あんなに控えめで健気に見えた女性が、マーゴは用済みとばかりにその恋人で人気演出家のビルに言い寄った時の豹変振り!!
傍から見てあんなに怖いのに、言い寄られたほうはどう思うか…彼女は考えなかったんでしょうかね?
若くて美人で才能のある女に言い寄られるのはどんな男性でも嬉しいでしょうけど、今まで猫被ってたことモロバレだと嫌悪感を抱くひとのほうが多い気がします。第一、それで落ちる相手はろくな男じゃないと思うし。
…実際この後、彼女は痛い目をみるわけですが。

それにしても、それをきっぱり断ったビルは恰好良かった。そんな彼に心底愛されているマーゴも幸せ者です。40代(女優さんは42歳)とは思えないほどの美しさと、あの愛嬌ある性格にはビルでなくとも惹かれました。
イヴのおかげで二人が結ばれたと考えるとちょっと複雑な気分ですね。

映画「怒りの葡萄」観ました

 | 社会派  Comment(4) 
Tag:ジョン・フォード

怒りの葡萄
製作:アメリカ’40
原題:THE GRAPES OF WRATH
監督:ジョン・フォード
原作:ジョン・スタインベック
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】仮釈放で4年ぶりにオクラホマの農場へ帰ったトムは、砂嵐と農場主による立ち退き命令で家族とカリフォルニアへ旅立つ。やっとの事で仕事を見つけるトムたちだったが、賃金カット反対ストの首謀者ケイシーが殺され…。

全体的に暗い雰囲気が付き纏うものの、仮釈放のトムを温かく迎える家族にホッとさせられます。仮釈放だと何度も言っているのに、脱獄だと信じて誇ってさえいるのにはちょっと笑えました。この家族が特別仲良しなのか、時代による違いなのかはわかりませんが、現代の日本だったらこの反応はありえないだろうな~という感じです。
その仲良し家族が、土壇場で残ると言い出した祖父を咳止めシロップで眠らせ(眠り薬にもなるの!?)、ぼろいトラックに大荷物と大家族を乗せて故郷を捨てるシーンも、なぜか絶望は感じないんですよね。この家族なら大丈夫だろうと思える力強さがあります。
しかし、十数人いた大家族が、ひとり、またひとりといなくなり、トラックの荷台が広くなっていくのは切なかったです。おそらく先に故郷を旅立った他の家族たちも、彼らと同じ様に辛い別れを経験しているんでしょうね…。
こんな辛い旅のなかで印象に残っているのは、ウエイトレスが1個5セントの飴を2個で1セントと言って売り、それを見ていた客がお釣りを受け取らず去っていくシーンです。ちょっとした優しさなんですが、彼らの苦難を見てきたらその”ちょっと”のありがたさが身に染みます。
ハッピーエンドというわけではない終り方も、家族の強い絆や人々の見せた優しさのおかげで希望を持つことができたと思います。

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映画「波止場」観ました

 | 社会派  Comment(4) 
Tag:エリア・カザン

波止場
製作:アメリカ’54
原題:ON THE WATERFRONT
監督:エリア・カザン
原作:バッド・シュールバーグ
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】波止場を不当に仕切るボスに反抗し殺されてしまったジョーイ。それを知らず呼び出すのに協力したテリーは、反感を覚えながら保身のため大人しく従っていた。しかし、ジョーイの妹イディや神父が危険をかえりみず犯人さがしを始め…。

力強いラストが素晴らしいとか、主演のマーロン・ブランドがカッコイイとか、書くべき事は他にある気もするんですが、とりあえず今はハトを殺した少年の事で頭が一杯です。
まず、殺す意味が分からないし。
証言を”密告”と呼び、テリーを”裏切り者”扱いする大人たちを見て、憧れの対象で無くなった事を"裏切り”ととったんだろうという事は想像できます。
でも、ハトは関係ないじゃん!?君も世話してたジャン!!?
あいつの大切なものを奪ってやろうという残酷な気持ちに支配されてしまったんでしょうか。何羽殺しても気が済まなかった…というか、自分が恐ろしいことをしていると気付けなかった事が不思議です。
まあ、子供は残酷なものだし、育った環境によっては動物を殺すことにあまり抵抗ないのかもしれませんが。
…ともあれ、テリーの大切なものを奪ったことには違いありませんし、この後、態度を180度変えてしまった大人たちを見て、彼はどう思ったんでしょう?

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映画「失われた週末」観た

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Tag:ビリー・ワイルダー

失われた週末
遠近法のページ検索しちゃったよ。
製作:アメリカ’45
原題:THE LOST WEEKEND
監督:ビリー・ワイルダー
原作:チャールズ・ジャクソン
ジャンル:★ドラマ/サスペンス

【あらすじ】週末を田舎で過ごすことになった売れない作家ドン。しかし、直前になって予定を遅らせ、心配する兄と恋人を歌劇に送り出した。実は彼は重度のアルコール依存症で、この隙に酒を確保し馴染みの酒場で一杯引っかけようと考えるが…。

わたしは酒を飲むと胃痛に襲われるのでアルコール依存症とは無縁だと思っていたんですが、身近な人がこうならないように気をつけるのも大切ですね。あのお兄さんやヘレンのように温かな気持ちで辛抱強く支えるなんて、私にはとても出来ませんし。焦点の合わない目で酒を求める主人公をみたら、身近な人がこんな風になったら、と怖くなりました。
また、嫌々ながら結局酒を注いでしまう酒場の主人に、最初は無責任だと感じてしまったんですが、最後までみて取り上げればいいってもんじゃないという事がわかりました。禁酒法の時代に依存症患者が急増したように、ダメって言われると欲しくなるのが人間。酒場の主人だけあって、そこら辺を理解した上での行動だったんですね。しかも、最後には捨てたタイプライターまで拾ってきてくれて…なんていい人なんだ。
重いテーマながら、登場人物の優しさに胸が温かくなる作品でした。

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映画「天国と地獄(1963)」観ました

 | 社会派  Comment(2) 
Tag:黒澤明 日本

天国と地獄(1963)
製作:日本’63
監督:黒澤明
原作:エド・マクベイン
ジャンル:★サスペンス/ドラマ

【あらすじ】次期株主総会で社長らを出し抜くため全財産をつぎ込んだ権藤専務。しかしその矢先、自分の息子と間違えられ運転手の息子が誘拐されてしまう。三千万という多額の身代金を要求され、権藤は子供を見捨てるか破産かを迫られる。

キングの身代金?、87分署シリーズって何?という状態だったんですが、この映画を観て読みたくなりました。今まで観た黒澤作品の中でいちばん好きかも知れません。(いや、「椿三十郎」があったか…)
前半の密室劇の重厚さ! 苦悩する権藤はもちろん周囲の人物の心理も巧みに描かれていて、画面から目が離せません。そして、後半の捜査風景は興味深く、犯人を追い詰めてゆく様子を夢中でみてました。
それにしても、この映画を観て誘拐を企てた人間がいるというのが残念です。しかし、それをきっかけに誘拐罪に対する刑が見直されたのも事実なんですよね。改善されただけまし…なんでしょうか。

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映画「チャイナ・シンドローム」観ました

 | 社会派  Comment(4) 
Tag:ジェームズ・ブリッジス

チャイナ・シンドローム
向日葵で放射能汚染浄化
製作:アメリカ’79
原題:THE CHINA SYNDROME
監督:ジェームズ・ブリッジス
ジャンル:★サスペンス/ドラマ

【あらすじ】原発の取材に来ていたキンバリーとリチャードは、建物の揺れと技師たちが怯える様子を目撃する。特ダネに興奮する彼らだったが、上からの圧力でフィルムはお蔵入りする事に。その頃、発電所の技師ジャックは原発の欠陥を発見していた。

最初から最後まで固唾を呑んで見守っていました。
「1日でどれだけの損失だと思っているんだ!」の一言で、手抜き検査→運転再開となってしまう恐ろしさ。
あそこの技術者の中に、ちゃんとした知識を持った人が何人いたのか?
外部の人間が調査しなくても済むということ自体信じられません。
すぐ側にある危険に気付かない振りをして、利益を優先してしまう人間が恐ろしく見えてくる作品でした。

ちなみにタイトルのチャイナ・シンドロームとは、原発がメルトダウンを起こしたら地面を溶かし地球の裏側の中国まで貫通するというアメリカンジョークから来たそうです。この映画の影響で、~シンドロームという言葉が一般的になったとか。
また、映画公開の12日後にスリーマイル島原子力発電所事故が起き、世界を震撼させたことでも有名です。ハッピーエンドとバッドエンドの二種類ありますが、時期的なものもあったのかハッピーエンド版が広まったとかなんとか…。(間違いだったかも)

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映画「揺れる大地」感想

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揺れる大地
製作:イタリア’48
原題:LA TERRA TREMA -EPISODIO DEL MARE-
監督:ルキノ・ビスコンティ
ジャンル:★ドラマ

シチリア島の貧しい漁村トレッツァ。そこで代々漁師をする家の長男トーニは、魚を安く買い叩く仲買人から独立しようと皆に呼びかける。リスクを恐れる村人に手本を見せるため行動に移すが、その矢先に大時化(おおしけ)に見舞われ船を失ってしまう。

くらげとほうれん草の和え物を食べていたら、ふとエチゼンクラゲ大量発生を思い出し、漁獲高激減してるんだから今まであまり食べなかったものを獲ればいいのに…。とか考えているうちにちょっと前に観たこの映画を思い出しました。
あまりに報われない終わり方だったので観た後どんよりしてしまったんですが、今思い返すといい映画だったんですよね。リアルで力強くて、シチリアに行けば彼らに会えるんじゃないかという気さえします。
本来なら三部作になる予定だったらしく、最後のトーニの真っ直ぐな瞳はそれを示していたのかと納得しました。
続きを見ることができなくてとても残念です。

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映画「静かなる決闘」観ました

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Tag:黒澤明 日本

静かなる決闘
製作:日本’49
監督:黒澤明
原作:菊田一夫
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】1944年、野戦病院で働く若き医師・藤崎は、手術中のミスで患者から梅毒をうつされる。二年後、恋人との婚約を破棄し、誰にも打ち明けず医者として人々を救うことに専念する藤崎。秘かに治療薬を注射し続けるが効果は見られず…。

黒澤監督の作品は、難聴ぎみの私にはハードルが高く途中で挫折する事も多いんですが、これは観始めてすぐに引き込まれ最後まで一気に観れました。
不治の病”梅毒”と独りで闘う主人公の苦悩が随所ににじみ出ていて、何故自分がこんな目に遭わなければならないのかと、感情を吐露する場面には心揺さぶられます。
また、彼が本音を話すことが出来た唯一のひとである、堕胎を望んでいた見習い看護婦の描き方も良かったです。最初は主人公にたいして反感を抱いていたのに、すべてを知って生き方を変えてゆきます。妙に間延びしたしゃべり方も、彼女らしさが出てて好感が持てました。
そして、病気と向き合おうとせず結婚までしてしまった”あの患者”。主人公の忠告を無視して欲望のままに行動した”つけ”が、最後に哀しいかたちで訪れます。
とてもわかりやすい内容なので、学校とかでみせても良いんじゃないかな…。

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映画「マッド・シティ」観ました

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マッド・シティ
製作:アメリカ’97
原題:MAD CITY
監督:コスタ=ガヴラス
ジャンル:★サスペンス/ドラマ

地方局に飛ばされたニュース記者マックスは、取材に来ていた歴史博物館で事件に遭遇する。銃を持ち解雇を抗議しに来たサムが、誤射で人を撃ってしまったのだ。独占取材のチャンスに喜ぶ彼だったが…。

今回観た映画は篭城物なんですが、この作品は犯人ではなくマスメディアに焦点を当てています。
地方局に飛ばされたやり手取材記者マックスが、銃で人を脅す場面に遭遇し陰から生中継を始めます。
こいつが酷い男で、外にいた相棒のカメラマン・ローリーがけが人を助けに来た時、どうしてカメラを持ってこなかったのかと怒ったり、人を誤射して途方に暮れる犯人サムに、警察に何か要求しろと焚き付けたりするんですよ。
でも、サムと話をするうちに、彼の中の良心が目覚めていきます。たまに馬鹿をやってしまうけど、本当はこころ優しく陽気な人柄であるサムを、なんとか助けようと奮闘するようになります。
しかしそれとは対照的に、本社から来た[報道=ビジネス]志向のアンカーマンの影響で、優しかったローリーは冷徹なリポーターに変貌してゆきます。彼女の最後のセリフは、まさにマスメディアに潜む「怪物」そのものだったと思います。
とてもやるせない終わり方なので後味は悪いですが、事実を伝えるはずのマスメディアが事実を操作してしまう怖さについて考えさせられました。
ニュースを見るときは気を付けないと…。

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映画「マネー・ゲーム」観ました

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マネー・ゲーム
見どころは電話越しの演技。
耳寄り情報はドア(引き出し)を閉めて個室(机の下)で。

製作:アメリカ’00
原題:BOILER ROOM
監督:ベン・ヤンガー
ジャンル:★ドラマ/サスペンス

大学を中退し闇カジノを経営していたセスは、それが判事である父にばれ怒りを買ってしまう。そこへ羽振りのいい友人が現れ、株ブローカーにならないかと誘いをかける。父親の信頼を取り戻したい彼は、面接を受け採用されるが…。

この前観た「ウォール街」と同じで株ブローカーを題材にしていたので観てみたんですが、それを意識したシーンが幾つかあって面白かったです。たとえば「ウォール街」では父親に「物を造る仕事をしろ」と説教されるシーンがありますが、こちらではしょっぱなから「オレは物を造るより、手っ取り早く金を稼ぎたい」とか言ってますし、ブローカー仲間で「ウォール街」を見ながらセリフ・タイミングを完璧に覚えている事を競い合ったりしてます。(しかもめちゃくちゃ楽しそうに)
また、主人公のファザコンっぷりはあっちの主人公をはるかに上回っていて、父親に認められようと必死になる彼の姿は、さながら親鳥について回るひな鳥のようで可愛いです。いちおうジャンルにサスペンスと書いてありますが、父子のドラマと主人公の成長の方がメインだった気がします。
ただ、終わり方がかなりあっけないのが難点。主人公以外がどうなったのか一切触れずに終わってしまうので、想像力で補うしかないんですよ。
…うーん、おしい。

映画「カッコーの巣の上で」観ました

 | 社会派  Comment(6) 
Tag:ミロス・フォアマン

カッコーの巣の上で
ひと足さきに生まれ、他の卵を蹴落とすカッコーの絵。
製作:アメリカ’75
原題:ONE FLEW OVER THE CUCKOOS NEST
監督:ミロス・フォアマン
原作:ケン・キージー
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】精神異常かどうか判断するため、州立精神療養所に送られた囚人マクマーフィ。瞬く間に患者達と打ち解けた彼は、規則ばかり押し付け患者の自由を奪う看護師たちに皆で対抗する。

とても考えさせられる映画でした。
理解力の乏しい私には、まずタイトルからして謎でしたから。カッコーは他の鳥に子育てを任せるのんだし「じゃあ、カッコーの巣なんてないじゃないか」と思ったんですよね。
で、私なりに一生懸命考えたところ、「カッコーの巣」は「カッコーに乗っ取られた巣」つまり「あるべき姿を失った場所=あの病院(管理社会?)」ってゆう事かなぁ、と。
極端に言うと「カッコー=婦長」
う~ん、これでいいのかなぁ…ちと不安。後でレビューを読み漁って勉強しておきます。
難しい事はわからない私ですが、あの病院でいちばん人の心(欲望とか)を理解していたマクマーフィと、自分の殻に閉じこもっていたチーフとの友情には感動しました。悲劇的な最期でしたが、きっと彼の心は自由になれたでしょう。これで、あの負けず嫌い婦長も少しは変わってくれればいいんですけど…。

<追記:2008/2/10>

タイトルの意味を調べました。原題は「ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST」となりますが、英語のカッコー「cuckoo」には「愚かな、気の狂った」という意味があり、「a cuckoo's nest 」は精神病院の蔑称だそうです。ついでに「cuckoo in the nest」という慣用句もあり、意味は(親子関係を乱す)侵入者…この映画で言えばマクマーフィですね。
解釈の仕方は人それぞれなんでしょうが、カッコーの雛が別の鳥の巣にいる事を疑問に思わず受け入れている様を「愚か」だと称してるようなので、あの病院に疑問を抱かず受け入れている患者達が「カッコー」だと考える人が多いみたいです。(チーフは巣立ちを迎えたんですね。)
いやぁ、普段こんな事調べないんで勉強になりました。オマケに「ロボトミー」という言葉も覚えたし…世界は知らないことばかりだなぁ。

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