忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「青いパパイヤの香り」観た

 | 青春  com(2) 
Tag:フランス ベトナム 

青いパパイヤの香り
製作:フランス・ベトナム’93
原題:L'ODEUR DE LA PAPAYE VERTE
監督:トラン・アン・ユン
ジャンル:★青春/ドラマ

【あらすじ】サイゴンのある資産家の家に奉公人としてきた10歳の少女ムイ。そこには優しい女主人と根無し草の旦那、3人の息子たちに、孫娘を失ってから祈り続けるお婆さんがいた。ムイは先輩女中に教えられ、一家の雑事を懸命にこなしていく。

少女時代のムイが超絶可愛いですね~。エキゾチックな魅力あふれる箱庭的空間で、彼女が成長していく様子をまったり観察するような気持ちになってしまいました。彼女が庭の生き物や自然の変化を眺めて微笑んでいたみたいに。
虫といえば、奉公先の坊ちゃん(兄)が、アリに蝋を垂らしたり残酷な事をしていて、「泥の河」を思い出しました。どちらも父親の不在が原因みたいで、お兄ちゃんとしては立派なんだけど不安定な一面も。
その弟くんは、ムイにいじわるばかり。気になってちょっかいかけてるのかと思っていたら、どうやら母親を取られると思った様子。母親の気持ちを敏感に読み取っていたんですね。

どことなく悲哀ただよう中、言葉ではなく映像で語ってくれます。とくに女主人とのエピソードは、深い愛情と寂しさ、優しさと温もりが画面からあふれ出てくるようでした。お婆さんとストーカーお爺さんも、ここまでくると泣ける。
ただ、大人になったムイは見たくなかったです、あの女優さんが少女時代のムイと結びつきません。それに雇い主と結ばれるとか、婚約者から(故意ではなく)奪う展開もちょっと…。作風のせいだろうけど、婚約者の振り方も最悪でした。ひたすら無視するなんて!
狙っての事かもしれませんが、ムイがこの男と幸せになれるとはとても思えず(戦争の事もあるし)、あの女主人のように薄幸な人生を送るんだろうなと暗い気持ちで観終えました。
でも、子供時代だけなら何度でも観たい、静かで美しい作品です。

■ Comment

泥の河

正に小栗監督の映画(泥の河)の世界と重なりました。蟻に蝋を垂らすシーンと蟹に火を放つシーンのもつ不思議な残酷の美学!子ども時代の忘却の光景…。映画Foujita で小栗監督はフランスでParis時代の異邦人・画家Foujitaを撮ったがトランアンユン監督はベトナムのサイゴンをParis郊外のstudioで再現したー。共に寡作な監督だが、窮めて寡黙でミステリアスな作風で小津安二郎監督作品へのオマージュでも一致している。(青いパパイヤ)には、小津監督の映画(お早う)の屁の訓練中の男の子の無邪気さがあり、(Foujita
)には小津映画(秋刀魚の味)の軍艦マーチに当たる戦争画がー。
2016/03/20 (Sun) 11:41  PineWood〔編集〕  

>PineWoodさん

はじめまして、ようこそいらっしゃいました♪
懐かしい記事にコメントありがとうございます。

この作品と「泥の河」のシーンが似ているという意見に賛同して下さる方がいて嬉しいです。
私の場合はたまたま鑑賞時期が近かったので思いついただけでしたが、PineWoodさんのコメントのおかげでそれ以上の共通点があったと知ることができました。
ふたりともフランスに縁があって、小津監督へのオマージュを捧げていたんですね。勉強になります!

トラン・アン・ユン監督の作品は「シクロ」も観たことがあって、いつか再見したいと思っていたんです。もし機会があったら、今度はそういう点にも注意しながら見てみますね♪
2016/03/21 (Mon) 11:24  宵乃〔編集〕  
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