忘却エンドロール

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映画「ルシアンの青春」観た

 | 戦争  Comment(2) 
Tag:フランス イタリア 西ドイツ

ルシアンの青春
ルシアンがやたらと鳥を絞めてた…。
製作:フランス/イタリア/西ドイツ’73
原題:LACOMBE LUCIEN
監督:ルイ・マル
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】狩りの上手い17歳のルシアンは、レジスタンスに憧れ志願するが断られる。ひょんな事からゲシュタポと知り合った彼は、何気なく情報を洩らしてしまい彼らの仲間に。しだいに心を失うルシアンだったが、美しいユダヤの少女と出会い…。

*ネタバレ注意!*
あらすじを読むとまるで、戦争ですさんだルシアンの心が、ユダヤ人の少女との交流で人間味を取り戻していく物語なのかと想像してしまいますが(売り文句もそんな感じです)、実際に観てみるとぜんぜん違う印象を受けました。
成り行きでゲシュタポの手先となり、すぐその冷酷さに馴染んでしまったルシアンは、ユダヤ人の少女フランスに一目惚れし、当然のように”権力”を振りかざして彼女に近づきます。つまり、「彼女に会わせないと連行するぞ。」と彼女の父親を脅したわけです。
そして彼女の方も、彼を利用して家族で外国に逃げようと考えたのか、同情を引いて彼と肉体関係を結びます。
でも、ルシアンはそのことに全く気付いてません。
父親を銃で脅しておいて何言ってんだって感じですが、本気で彼女の愛を得られたと信じて疑ってなかったように見えました。
フランスの父親が「あなたを憎みきれない」と言ったのも、こういう「恋は盲目」的なところがあったからでしょうか?
結局この父親、娘の本心を打ち明けることなく収容所へ連行されてしまいます。あからさまな自滅行為だったので、たぶん娘の目を覚まさせたかったんだと思います。
その後、逃避行が始まるんですが、ここに来てやっとルシアンが表情を見せ始めます。

二人に訪れたほんのわずかな穏やかな時間。
本当の恋人同士のようにはしゃぐ二人と、ふと彼女が見せた”殺意”
思いとどまったのは”依存”のためなのか、それとも”愛”に気付いてしまったからなのか…。

この一瞬があるために、後の彼らの運命を考えると物悲しいです。
彼女の愛がルシアンを変えた訳ではないけれど、確かにタイトルの通り”ルシアンの青春”を描いた作品でした。

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「さよなら子供たち」観ました
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■ Comment

>ルシアンがやたらと鳥を絞めてた・・・。

まぁ田舎の子ですから(笑)。
食料も不足していたので、鳥やウサギが手っとり早かったのでは?

>実際に観てみるとぜんぜん違う印象を受けました。

あの あらすじは、全然違いますよね~。

>でも、ルシアンはそのことに全く気付いてません。
>本気で彼女の愛を得られたと信じて疑ってなかったように見えました。

田舎の純朴な少年でしたので、
恋愛も経験なく、人間関係の結び方も下手でしたからね・・・。

>あからさまな自滅行為だったので、たぶん娘の目を覚まさせたかったんだと思います。

う~ん、それだけではなかったと思いますが、その理由も大きかったと思います。
戦争そのものに「倦み疲れた」のではなかったでしょうか?

この時点でフランスの田舎に住むユダヤ人が
普通に生活しているのも、史実なのかどうか分かりませんが・・・。

>二人に訪れたほんのわずかな穏やかな時間。

その時の笑顔が、切なかったですね。。。
戦争の時代でなければね。。。

でも元々母親が悪いんですよね
(心配だとか後半でフランスの父親に対抗して口では言ったけど)
ルシアン本人にはココに(再婚した夫の手前)居て欲しくないと
ハッキリと言いましたからね。

しかも再婚ではなく、内縁。
夫はドイツ軍の捕虜ですからね、生きているし。
「お父さんが帰った時が楽しみだ」と、ルシアンは言っていたし・・・。

>本当の恋人同士のようにはしゃぐ二人と、ふと彼女が見せた”殺意”

鈍感で、分からなかったのです・・・(恥)。

>彼女の愛がルシアンを変えた訳ではないけれど、確かにタイトルの通り”ルシアンの青春”を描いた作品でした。

この監督の割には良い作品でしたね~。
2012/12/11 (Tue) 18:26  miri〔編集〕  

>miriさん

いらっしゃいませ!
あはは、なんでにわとりを描こうと思ったんだろう(笑)
確か最初の方で絞めてたんですよね?
最後まで観るとルシアンが幼くて残酷なところがある印象になるから、それを暗示してるように思えたのかな?

> 田舎の純朴な少年でしたので、
> 恋愛も経験なく、人間関係の結び方も下手でしたからね・・・。

戦争がなければごく普通の恋をして、普通の大人になっていたんでしょうね…。戦争は多くの人に傷を残すけれど、やはり子供への影響は計り知れないです。

> う~ん、それだけではなかったと思いますが、その理由も大きかったと思います。
> 戦争そのものに「倦み疲れた」のではなかったでしょうか?

はっきりとは思い出せませんが、確かに未来への希望が残っていれば取らなかった手段です。もう耐えられなかったんですね…。

> でも元々母親が悪いんですよね・・・
> 夫はドイツ軍の捕虜ですからね、生きているし。

そこら辺は完全に記憶から消えてました。どこか見逃していたのかもしれない。
こんな時代に、自分のことしか考えられない母親だったんですね…。本当に酷いです。

> 鈍感で、分からなかったのです・・・(恥)。

いえいえ、ほんの一瞬なので。急に表情が消えて怖かったような気がします。
「五月のミル」の監督でしたか~。機会があれば再見したいです!
2012/12/12 (Wed) 07:31  宵乃〔編集〕  
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