忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「山の郵便配達」観ました

 | 家族  Comment(12) 
Tag:中国

山の郵便配達
製作:中国’99
原題:那山 那人 那狗
監督:フォ・ジェンチイ
原作:ポン・ヂェンミン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】1980年初頭の中国・湖南省西部の山間地帯。足を悪くした父親に代わり、息子が郵便配達の仕事を引き継ぐ。それは、一度の配達に2泊3日を要する過酷な道のり。父親は愛犬”次男坊”を連れ、息子とともに最後の仕事へと出発する。

これは素晴らしかったです。即、永久保存決定でした。
父と息子の旅、いいですよ~。一緒に過ごせなかった時間が、すれ違った想いが、旅を通じてみるみる埋まっていくのが伝わってきます。
言葉は少なくても、父親が長年続けてきたことの意味はわかるんです。たった3日の旅だけど、手紙を届けた相手の笑顔、それを一番に考えている父親の行動をみれば、一目瞭然。
この仕事を本気でやりたいというわけでもなかった息子が、父のように人々の想いを届けたいと思うようになる過程。そして、今まで父親らしいことをしてやれず「父さん」とも呼んでもらえなかった父親が、本当の意味で父親になっていく様子。それが、実にあたたかい目線で描かれていました。
美しい山の風景、心洗われるような笑顔、可愛い”次男坊”。すべてが調和していて、深い余韻を残します。
ちなみに、原題の意味は”あの山、あの人、あの犬”です。

すごく落ち込む内容の番組を見てしまって、少しでも気分を変えようと私的「癒し映画」NO.1に輝くこの作品を再見しました。
う~ん、やっぱり”大自然の緑、ロードムービー、親子の絆、可愛くて賢いわんこ”など、心が癒される要素のみをぶちこんだようなこの作品の癒しパワーは半端ないです。
それでいて押しつけがましさを感じないんですよ。もう自分の一部のように懐かしく感じる作品です。

感想はだいたい初見と変わらないものの、一つ違ったのは、彼は父と旅をする前から尊敬する父の仕事を本気でやりたかったのかもということ。ほとんど一緒に過ごせなかった父と息子の距離は、遠いようで案外近かったんだと、父親を出迎えた時(年齢別)の短い回想シーンから伝わってきました。
旅の始めは何を話したらいいのか戸惑っていた二人が、少しづつ少しづつ素直になっていって、今までほとんど話せなかったのが嘘のように自然な父子の姿に変わっていくのがもうね(涙)

とくに、冷たい川を渡る時、彼が足の悪い父を背負ってゆっくり渡るシーンは泣けました。父親を背負えるようになったら一人前だと聞いた子供の頃は、背の高い父を背負えるか不安に思っていたのに、今はちゃんと背負って川を渡っている自分がいる。
そして、背負われている父も、幼い息子を肩車していた頃を思い出しながら、その成長に涙し、そして息子の存在を確かめるように頭に顔を埋めるんです。セリフもモノローグもないけど、「立派になったなぁ…!」という声が聞こえてきそうでした。
終盤になって、今度は息子がこれから村で暮らす父親に処世術を伝授するシーンも面白かったです。もうすっかり仲良し親子だよ♪

そして、不在である母親のこともしっかり描かれていました。彼はほとんど”お母さんと二人暮らし”の状態だったので、やはり傍にいなくても想っているんですよ。仕事に出かけた父を心配していたように、今自分のことを考えているだろうかとか、山里の娘さんと良い雰囲気になっても、結婚したら母さんのように故郷を想い続けるから…と思っていたり。

ラスト、息子の背中と、それを追っていく次男坊を誇らしげに見送るお父さんの表情も素晴らしい。このお父さんを演じた方の存在感が、この作品に厚みを与えていたと思います。
93分の中で、驚くほど家族愛が込められていました。

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■ Comment

好きな映画でした

イラストがとても素敵です!

>美しい山の風景、心洗われるような笑顔、可愛い”次男坊”。すべてが調和していて、深い余韻を残します。

私が観たのは10年前でした。
我が家の次男が高校入学当時、学校で映画観賞させられたのですが、感激しなかった次男にがっかりきたのを思い出しましたよ(*^_^*)。押し付けがましく感じたのかしらね~。

再見したい映画です。
最近DVDで観た『フローズン・リバー』は良い映画でした。宵乃さんの感想を聞きたいですね。
2011/04/27 (Wed) 14:48  bamboo〔編集〕  

>bambooさん

こちらにもコメントありがとうございます!
学校で観たんですか、いい学校ですね~。

> 感激しなかった次男にがっかりきたのを思い出しましたよ(*^_^*)。押し付けがましく感じたのかしらね~。

あはは、今観せたらまた違う反応があるかもしれませんよ。機会があったら10年ぶりに親子で観てみては?

> 最近DVDで観た『フローズン・リバー』は良い映画でした。宵乃さんの感想を聞きたいですね。

『フローズン・リバー』ですか、どこかで感想を読んだ気がします。これも女性が主人公の話ですよね。
覚えておきます!
あと、「シリアの花嫁」録画しました。今は忙しくてなかなか観る時間が取れませんが、観終わったら感想書きま~す。
2011/04/28 (Thu) 09:52  宵乃  

目の不自由なお祖母ちゃん

もう5年も前に観た映画でした。
宵乃さんほど観劇はしませんでしたが、イイ映画だと思います。
盲目のお祖母ちゃんのエピソードで泣けました。
2011/04/30 (Sat) 14:07  十瑠編集〕  

>十瑠さん

いらっしゃいませ、コメント&TBありがとうございます。

> 盲目のお祖母ちゃんのエピソードで泣けました。

あれはよかったですよね。父親の優しさが(息子にも)伝わるエピソードだったと思います。
わたしは親子の絆とかに弱くて、この作品はかなりツボでした。犬も可愛いし!
2011/05/01 (Sun) 10:00  宵乃  

こんばんは☆

先日鑑賞しました☆

>父と息子の旅、いいですよ~。
>一緒に過ごせなかった時間が、すれ違った想いが、旅を通じてみるみる埋まっていくのが伝わってきます。
>美しい山の風景、心洗われるような笑顔、可愛い”次男坊”。すべてが調和していて、深い余韻を残します。

宵乃さんの書かれた通りですね~。
イラストは「来るぞ来るぞ」と思って見ていたので、きっちり1ショットで止めて
じーっと堪能させてもらいました。素晴らしいイラストです♪

私の感想は・・・懐かしい風景、懐かしい音楽、懐かしい人情、
私が幼かったころの日本・・・昭和40年代?

全然そんなところで育っていないし、そんな人情も知らないくせに、なぜかそう思い、惹かれる作品。
人情の中身、お互いの気持ちだよね、結局。

こんな感じでした☆

今夜「コズミックフロント ホーキング博士の宇宙」で、
タイムマシン、タイムトラベルの話があるそうで録画しています。
また機会があればタイムトラベル、お話しましょうね~♪
2011/09/06 (Tue) 22:20  miri  

>miriさん

ご覧になったんですね~!
中国の作品は滅多に観ないということなので、こうしてコメントをもらえるとは思ってもみませんでした。嬉しいです♪

> イラストは「来るぞ来るぞ」と思って見ていたので、きっちり1ショットで止めて
> じーっと堪能させてもらいました。素晴らしいイラストです♪

ありがとうございます。どこを切り取っても美しい風景でしたが、旅でたくさんのものを得たことが伝わってくる”家路”にしてみました。彼らの目にもこの夕焼け空が焼きついているんだろうなぁ!

> 私の感想は・・・懐かしい風景、懐かしい音楽、懐かしい人情、
> 全然そんなところで育っていないし、そんな人情も知らないくせに、なぜかそう思い、惹かれる作品。

わたしも懐かしさがこみ上げてきましたよ~。人間は本来、ああいうものに惹かれるようにできてるのかもしれませんね。乾いた心に温かい気持が染みわたるような作品でした。

> 今夜「コズミックフロント ホーキング博士の宇宙」で、
> タイムマシン、タイムトラベルの話があるそうで録画しています。
> また機会があればタイムトラベル、お話しましょうね~♪

そうですね!わたしも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を見直そうかと思っていたところです。
「コズミックフロント」は知らないので、どのタイプか教えてくださいね♪
2011/09/07 (Wed) 07:27  宵乃  

おはようございます☆

昨日は舌足らずでした・・・。
この作品は昨年ムービープラスで録画してとうとう見ずに削除したのですが、
宵乃さんの記事をチラッと拝見して、中国映画だけど評判も良いし・・・と
気になっていたのです。

できればムービープラスで再放送を見たかったのですが、BS民放でのオンエアを録画しました。
それでも見るまで時間がかかりました・・・やはりアジアモノは苦手で・・・。

>人間は本来、ああいうものに惹かれるようにできてるのかもしれませんね

仰る通りです!
そう、この映画はアジアモノではなく・・・まるで昔の邦画のようでしたね!
宵乃さんの「ペーパームーン」への想いと重なる、素晴らしい作品でしたね!

************************************

ところで「コズミック・フロント」とは映画ではなく、宇宙を中心としたBSNHK(プレミアム)の
科学情報番組で毎週録画して見ています。(教育番組のサイエンスゼロの豪華版のような番組です)

毎週火曜日の22時~で、大変に質の良い番組で、今までも宇宙の事やマヤの暦、
たくさん学ばせてもらいました。昨日の番組は、今日見るつもりです。

あと宵乃さんの記事にあった「サマータイムマシンブルース」が日本映画専門チャンネルでオンエアして
録画したのでこちらも見てみます。 またタイムトラベルのお話出来たら楽しいですね☆
2011/09/07 (Wed) 08:34  miri  

>miriさん

わたしの記事をきっかけにこの作品を観ていただけて、とても嬉しいです!
苦手なのにありがとうございました。

> そう、この映画はアジアモノではなく・・・まるで昔の邦画のようでしたね!
> 宵乃さんの「ペーパームーン」への想いと重なる、素晴らしい作品でしたね!

そうですよね~、場所も時代も人種も関係なく、誰もが”感じる”作品だと思いました。こういう作品との出会いを求めて、映画鑑賞を続けているのかもなぁ。

> ところで「コズミック・フロント」とは映画ではなく、宇宙を中心としたBSNHK(プレミアム)の
> 科学情報番組で毎週録画して見ています。(教育番組のサイエンスゼロの豪華版のような番組です)

あ~、なんか聞いたタイトルだと思ったら、情報番組でしたか。そういう番組は子供の頃から大好きだったんですが、最近は時間がとれなくて(映画に費やしていて 笑)観てませんでした。今度からチェックしてみようかな。

「サマータイムマシンブルース」も面白いですよね。タイムトラベルものを沢山観たくなってきました!
2011/09/07 (Wed) 09:58  宵乃  

No title

こんばんは。

これは良い作品でした。
と言っても、すっかり内容は忘れていますが・・・。

最初はなんだか他人行儀のようだった二人が、帰ってくるころには本当の親子になっていた、みたいな感じは記憶していましたが。

それと、あの娘さん、父親が息子の嫁にどうかと、前から目を付けていたんでしたよね?
違いましたっけ・・・。

何にせよ、誰にも勧めたくなる一本ですね!
2016/06/12 (Sun) 20:38  バニーマン  

>バニーマンさん

良い作品ですよね~!!!
私も再見するまで内容はすっかり忘れていましたが、懐かしくてあったかい雰囲気は印象通りで「これだよこれ~!」と嬉しくなりました。

> 最初はなんだか他人行儀のようだった二人が、帰ってくるころには本当の親子になっていた、みたいな感じは記憶していましたが。

そうですそうです。ロードムービーの定番ではあるものの、仙人が住んでいそうな山々と、お父さんや次男坊(わんこ)は彼らだからこその魅力でした♪

> それと、あの娘さん、父親が息子の嫁にどうかと、前から目を付けていたんでしたよね?

はい、合ってます!
きっと奥さんと自分のなれそめを思い出しながら、息子にも自分たちのような素敵な出会いをと思ってたんでしょうね。

> 何にせよ、誰にも勧めたくなる一本ですね!

一度ブログDEロードショーで観たいなぁと思いつつ、我慢できずに一人で再見してしまったという(笑)
中国映画で一番のおススメかも!
この作品についてお話しできて嬉しかったです。コメントありがとうございました♪
2016/06/13 (Mon) 16:37  宵乃〔編集〕  

No title

 宵乃さん、こんばんは
 本年も宜しくお願い致します!

押しつけがましさを感じないんですよ
>この作品で一番良かったのは、この感覚かもしれません。

セリフもモノローグもないけど、「立派になったなぁ…!」という声が聞こえてきそうでした
>全編通じて父親の表情一つ一つで言いたい事、感じた事が解る、素晴しい演技と演出だったと思いました。

今回の僕の記事は普段に比べて随分短いのですが、良かった。
宵乃さんが僕の感じた事の殆ど全てを書いてくれていました。(汗)
2017/01/04 (Wed) 23:21  鉦鼓亭〔編集〕  

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ、こちらこそ今年もよろしくお願いします。
そしてそして、この作品を好きな仲間が増えて嬉しいです!!
私のマイベストともいえる作品なので、もっともっといろんな人に見てほしいといつも願ってます。なので、鉦鼓亭さんに見て頂けて本当に嬉しいですよ~。

> 全編通じて父親の表情一つ一つで言いたい事、感じた事が解る、素晴しい演技と演出だったと思いました。

そうそう!あのお父さんの表情が雄弁に語っていて…。川を渡るシーンは今でも目に浮かびます。

> 今回の僕の記事は普段に比べて随分短いのですが、良かった。
> 宵乃さんが僕の感じた事の殆ど全てを書いてくれていました。(汗)

そうでしたか~。わたしもたぶん、いつか再見してもこれ以上は出てこないと思います(笑)
この時はホント、いつも以上にすらすら言葉が出てきました。
コメント本当にありがとうございました♪
2017/01/05 (Thu) 12:12  宵乃〔編集〕  
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