忘却エンドロール

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映画「椿三十郎(1962)」観ました

 | 時代劇  Comment(16) 
Tag:黒澤明 山本周五郎 日本

椿三十郎(1962)
製作:日本’62
監督:黒澤明
原作:山本周五郎
ジャンル:★時代劇/アクション/ドラマ

上役の不正を暴こうと意気込む若侍9人。彼らの話を横で聞いていた浪人は、嵌められたことにも気付いていない彼らを放っておけず、助っ人を申し出る。

いやぁ、時代劇ってこんなに笑えるものだったんですね。西部劇と同じく食わず嫌い状態だったんですが、挑戦してみて良かったです。なんせ、そこらのコメディ映画よりよっぽど笑えましたから。
まずは9人の若侍。これが”忠告を聞かず、先走って問題を起こす”という、安いアニメの主人公(成長期)タイプなんですよね。それが9人もいるから、助っ人である浪人の苦労も9倍です(笑)
次に、彼らを(精神的な意味で)別次元から見守る奥方と娘さん。
「まあ、風情があっていいですわね~」
「そうですわね~、お母様}
という風に、彼女達が話し始めた途端まるでスローモーションに。
彼女たちの情にほだされた捕虜の男も、いきなり押入れからでてきて、しれっとした顔で意見を述べたかと思ったら、そそくさと押入れに戻っていく…シュールです。

こんな感じで大爆笑だったんですが、もちろん面白いのは「笑い」の部分だけじゃありません。
弱い者を守るためとは言え平然と人を切ってきた浪人が、奥方の言葉に感化され、なるべく殺さずに済ませたいと思い始めるんですよ。こういう心情を垣間見せたことで、浪人を身近に感じられたように思います。
最後の哀愁漂わせた背中といい、私好みの主人公がこんな所にいたとは…時代劇恐るべし!!

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■ Comment

三十朗の後姿は必見です

こんばんは!

「まあ、風情があっていいですわね~」
  「そうですわね~、お母様」 >このシーンで「や」をなぞってる三十朗も爆笑なんですけど、それをハラハラしながら見てる加山、田中、土屋、新人が、また可笑しい。
特に田中邦衛の情けない顔が好き!!(笑)
(この時の4人を見てると、このシーン、演技力のリトマス試験紙みたい、土屋、田中>加山、新人)

菊井屋敷での30人斬り大立ち回りの後、4人の若侍達が三十朗にぶん殴られるんだけど、最初に殴られる土屋嘉男さんが余り映ってない。
「夜食事件」直後で三船さんが怒り心頭、かなり本気で殴ったらしいけど、土屋さん、あれじゃ、まるで殴られ損。(涙)
2012/06/15 (Fri) 23:52  鉦鼓亭編集〕  

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!
三十郎の後姿は痺れますよね。まさに男の背中って感じです。
それが、あの奥方&お嬢様の前では借りてきた猫状態(笑)

> それをハラハラしながら見てる加山、田中、土屋、新人が、また可笑しい。
> 特に田中邦衛の情けない顔が好き!!(笑)

私たちは他人事だから大笑いできるけど、実際にあんな状況を目の当たりにしたらどうしたらいいかわかりませんよね~。
情けない顔をさせたら邦衛さんの右に出る者はいません!

> 「夜食事件」直後で三船さんが怒り心頭、かなり本気で殴ったらしいけど、土屋さん、あれじゃ、まるで殴られ損。(涙)

夜食事件?夜食で何かもめたんでしょうか。
それが原因で本番中に本気で殴られるなんて、さすがに可哀そうですね。せめて映してあげて!
2012/06/16 (Sat) 09:56  宵乃〔編集〕  

夜食事件

「ラーメン事件」、「チャーシューメン事件」とも。

夜、いよいよ本番という段になって、カメラ位置変更。
黒澤さん望遠でパンフォーカスでマルチカメラだから、カメラが少しでも動くと照明、録音は大騒動、大移動。
また延々と時間が掛かり、ついに深夜。
その間、4人の若侍達は完全に忘れ去られて縛られたまま。
苦痛に耐えかねた土屋嘉男さんが、
「誰か、縄を解いてくれ~~!」
黒澤さん、
「ゴメン、ゴメン、つい、こっちに夢中になっちゃって」
「酷いですよ、埋め合わせに、監督、何か奢って下さい!」
で、暫くしたら4人分のチャーシューメンの出前が。
土屋さん、半分冗談で言ったんだけど、こうなったら食べるしかない。
それを、腹を減らした100人近くのスタッフ、エキストラ(三十朗も)がジッと見詰めてる・・・。
で、本番。(笑)

撮影終了後、珍しく監督室へ三船が乗り込んで来て、
「監督、ああいう事をしてもらっては困ります、示しがつきません。俳優、スタッフ、エキストラ、みんなで映画作ってるんです、みんな、腹減ったのを我慢して仕事してるんです、だから・・・これからは絶対にしないで下さい!」
翌日、監督が土屋さんに、
「俺、昨日、三船に怒られちゃったよ」
だったとか。

※土屋さんによると、チャーシューメンは三船さんの大好物だそうです。
(三船さんはロケの時など、スタッフに混じって重い照明を担いだり、後片付けの手伝いをする人で、いつも気配り目配りしてる超真面目人間なんです、但し、酒が入っちゃうと人格が変わる酒乱、東宝の役者さん達は口を揃えるように「酒さえ入らなければ、あんな、いい人居ないんですけどねェ」(笑))
2012/06/16 (Sat) 15:20  鉦鼓亭編集〕  

Re: 夜食事件

わざわざ書いて下さってありがとうございます!
こんなエピソードがあったんですか~。書き方が上手いから、状況を思い浮かべて、ついわらっちゃいました。
本気で殴られたのはちょっと可哀そうですけど、三船さんが怒る気持ちもわかりますね~。みんな頑張ってるんですもんね。

> それを、腹を減らした100人近くのスタッフ、エキストラ(三十朗も)がジッと見詰めてる・・・。
> で、本番。(笑)

黒澤監督も、せめて奢るタイミングを考えてくれれば…(笑)

> (三船さんはロケの時など、スタッフに混じって重い照明を担いだり、後片付けの手伝いをする人で、いつも気配り目配りしてる超真面目人間なんです、但し、酒が入っちゃうと人格が変わる酒乱、東宝の役者さん達は口を揃えるように「酒さえ入らなければ、あんな、いい人居ないんですけどねェ」(笑))

本当にすごい俳優さんです!
酒乱は怖いけど、飲ませなきゃ良いわけだし、素晴らしい俳優である事には変わらないですね~。
2012/06/17 (Sun) 14:01  宵乃〔編集〕  

スッキリとした、良いイラストです☆

>次に、彼らを(精神的な意味で)別次元から見守る奥方と娘さん。

この方たち、面白かったですね~。
全体的に面白かったです、この映画☆
コメントさせて頂いていなかったようで、失礼いたしました~♪
2013/05/02 (Thu) 07:43  miri〔編集〕  

>miriさん

いつもイラストチェックして下さってありがとうございます♪

> この方たち、面白かったですね~。
> 全体的に面白かったです、この映画☆

あの二人がいることで、一気に和やかな印象になってますよね。
殺伐としすぎてないところが私好みでよかったです!
2013/05/02 (Thu) 10:49  宵乃〔編集〕  

初めて観ました。

>時代劇ってこんなに笑えるものだったんですね

そういう捉え方もありますね。
若い9人の侍。見ていて危なっかしい感じでした。
「仕方ねえなあ・・・。」って言う表情で助ける三十郎。

椿の花を水に流す。それが合図。
あの場面は美しかったです。
その場面はスピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」でオマージュとして使われていましたね。
2014/01/20 (Mon) 06:33  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

> 若い9人の侍。見ていて危なっかしい感じでした。
> 「仕方ねえなあ・・・。」って言う表情で助ける三十郎。

この感じが「用心棒」と比べてほのぼのしていて楽しかったです♪
同じ主人公とは思えないと思って観ていたら、後半はやっぱり彼だとわかる鋭さがあって、そのメリハリもいいですよね~。

> 椿の花を水に流す。それが合図。
> あの場面は美しかったです。
> その場面はスピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」でオマージュとして使われていましたね。

そうだったんですか!
さすが世界のクロサワです。一度見たきりですが、そのシーンは今でも目に浮かびます。本当に美しいシーンでした。
2014/01/20 (Mon) 11:01  宵乃〔編集〕  

恥ずかしながら・・・・。

>この感じが「用心棒」と比べてほのぼのしていて

「用心棒」はまだ見た事がないんですよ・・・(苦笑)。
クリント・イーストウッド主演「荒野の用心棒」は見た事があるのですが・・・。この映画を見た後に「用心棒」の続編がだと知りました。情けない・・・・。
それと数年前に「隠し砦の三悪人」を見て、つい最近この「椿三十郎」を見た事に関して映画好きの友人に「それじゃあ順番が逆だよ!」と笑われてしまいました!まあ気を取り直して黒澤映画をいろいろ見て行きたいです。

>さすが世界のクロサワです。

欧米の映画監督達に様々な影響を与えた黒澤明監督はすごいです!

宵乃さんのイラスト。九人の若い侍達が落ち着きがなくてバタバタしている間に三十郎は居眠りをする余裕を見せる。その雰囲気が見事に描かれていますよ!さすが宵乃さん!
2014/01/21 (Tue) 07:19  間諜X72〔編集〕  

Re: 恥ずかしながら・・・・。

> 「用心棒」はまだ見た事がないんですよ・・・(苦笑)。
> クリント・イーストウッド主演「荒野の用心棒」は見た事があるのですが・・・。

いえいえ、黒澤監督の作品はどれも有名だし、「荒野の用心棒」も有名だから、順番はそう上手くいかないのが普通ですよ~。わたしも「七人の侍」の前に「荒野の七人」を観たりしてました(笑)

> それと数年前に「隠し砦の三悪人」を見て、つい最近この「椿三十郎」を見た事に関して映画好きの友人に「それじゃあ順番が逆だよ!」と笑われてしまいました!まあ気を取り直して黒澤映画をいろいろ見て行きたいです。

映画通のご友人なんですね。
黒澤監督の作品はしょっちゅうオンエアがありますから、焦らずひとつひとつ観ていけばいいと思いますよ。
本当に面白い作品は、観る順番に関係なく面白い!(キッパリ!)

> 九人の若い侍達が落ち着きがなくてバタバタしている間に三十郎は居眠りをする余裕を見せる。その雰囲気が見事に描かれていますよ!

ありがとうございます♪
この大人の余裕に痺れます。
静と動のコントラストも効いてましたね。
2014/01/21 (Tue) 14:21  宵乃〔編集〕  

ご馳走と握り飯

>わたしも「七人の侍」の前に「荒野の七人」を観たりしてました(笑)

僕も全く同じです(笑)。

>この大人の余裕に痺れます。

「腹が減っては戦は出来ぬと言うだろ?」
暫くしてから女性達がご馳走を用意する。食べるかと思ったら、箸で摘んで元に戻す。
僕は「ああ・・・。勿体無い!」と思いましたが、その後謀略が始まる。「それどころじゃない。」って感じですよね(笑)。

もっと前の場面で三十郎が握り飯を食べる場面の方が旨そうに見えました。

>黒澤監督の作品はしょっちゅうオンエアがありますから、焦らずひとつひとつ観ていけばいいと思いますよ。
>本当に面白い作品は、観る順番に関係なく面白い!(キッパリ!)

そうですよね。ありがとうございます!
2014/01/23 (Thu) 08:04  間諜X72〔編集〕  

Re: ご馳走と握り飯

> 僕は「ああ・・・。勿体無い!」と思いましたが、その後謀略が始まる。「それどころじゃない。」って感じですよね(笑)。

食事のシーンひとつとってもきちんと意味があって、物語に緊張感をもたらしていました。さすが黒澤監督!

> もっと前の場面で三十郎が握り飯を食べる場面の方が旨そうに見えました。

そのシーンはよく覚えてないけれど、想像に容易いです(笑)
握り飯って、日本人の心になんかこう訴えるものがありますよね~。

コメントありがとうございました♪
2014/01/24 (Fri) 07:31  宵乃〔編集〕  

若大将シリーズ?

この映画の後半。若い侍達の集団。
若大将シリーズ(1961年~1968年)の面子(加山雄三、田中邦衛、江原達怡)が一斉に「やったあーっ!」と飛び上がって喜ぶ。まさに若大将シリーズの一場面みたいで笑いました。黒澤監督がそれを意識して撮ったかどうかはわかりませんが・・・・。

>食事のシーンひとつとってもきちんと意味があって、物語に緊張感をもたらしていました。さすが黒澤監督!

そうです!台詞がなくても我々にいろいろ考えさせるものがあります。
2014/01/26 (Sun) 10:19  間諜X72〔編集〕  

Re: 若大将シリーズ?

> 若大将シリーズ(1961年~1968年)の面子(加山雄三、田中邦衛、江原達怡)が一斉に「やったあーっ!」と飛び上がって喜ぶ。まさに若大将シリーズの一場面みたいで笑いました。黒澤監督がそれを意識して撮ったかどうかはわかりませんが・・・・。

若大将シリーズは観た事ありませんが、タイトルは聞いた事があります。有名な作品なら、意識していた可能性は大いにありそうですね。
今度オンエアあったら観てみようかな。

> そうです!台詞がなくても我々にいろいろ考えさせるものがあります。

やはり映画は映像でわからせるものですものね~。
観終わって、それぞれの解釈を話し合えるのも映画の醍醐味ですね♪
2014/01/26 (Sun) 14:01  宵乃〔編集〕  

昨夜「用心棒」を観ました。

すごく良かったです!「荒野の用心棒」を以前見た事があるのでストーリーは知っていましたが、最後までハラハラしながら見ていました。

>この感じが「用心棒」と比べてほのぼのしていて楽しかったです♪

それぞれ良さがありますよね!
2014/02/05 (Wed) 20:13  間諜X72〔編集〕  

Re: 昨夜「用心棒」を観ました。

> すごく良かったです!「荒野の用心棒」を以前見た事があるのでストーリーは知っていましたが、最後までハラハラしながら見ていました。

さっそくご覧になられましたか!
楽しまれたようでよかったです。
リメイクの後に観ても楽しめるのが黒澤作品のすごいところですね~。
わたしはちょっとあの雰囲気が苦手なんですが、好きな人にはたまらない作品だと思います♪
2014/02/06 (Thu) 12:04  宵乃〔編集〕  
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