忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「黄金(1948)」観ました

 | サスペンス  Comment(8) 
Tag:ジョン・ヒューストン

黄金(1948)
製作:アメリカ’48
原題:THE TREASURE OF THE SIERRA MADRE
監督:ジョン・ヒューストン
原作:B・トレイヴン
ジャンル:★ドラマ/サスペンス

【あらすじ】1920年代のメキシコ。職もなくうらぶれたアメリカ人ドブズと相棒カーティン。ふたりは老山師ハワードから聞いた金鉱掘りの話に飛びつく。偶然当てた宝くじの賞金を元手に、3人は金が眠っているといわれるシェラ・マドレの山へ向かうが…。

仲間割れが起こるから金鉱掘りはひとりでやるもんだ、と言いつつ予算の都合上3人でやって、案の定仲間割れする話。
とにかく最初からテンポがよく、なおかつ中身がぎっしりで最後まで飽きずに観れました。
とくに、猜疑心の塊のようになっていくドブズの心理描写がいいですね。荒んだ生活を送っていた頃は、物乞いで”手と金”しか見ておらず、3連続で同じアメリカ人(ジョン・ヒューストン)に声をかけていたとわかり情けない思いをしたり。やっと仕事にありつけたと思ったらカモられ、相手をぶちのめしてきっちり自分の給料ぶん奪っていったり。落ちぶれていても良心はあったのに、砂金が手に入ってからの変貌振りが恐ろしい。”周りはすべて敵”というぎらぎらした目や、良心の呵責で苦しむ姿など真に迫ってました。
また、監督の父親ウォルター・ヒューストン演じるハワードも、茶目っ気のある頼れるじいちゃんという感じでよかったです。医者のような事までできるとわかったときには驚いてしまったけれど、周りを信用させてしまう何かがあるんですよね。
他にも、途中参加のコーディは予想外の退場だったし、山師と山賊と軍隊の三すくみも面白かったです。

最後はむなしくなりそうなところを、ハワードの底抜けに明るい笑い声によって救われました。
後味のいいピカレスク・ロマンだったと思います。

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■ Comment

黄金

BS2から録画して、妻と一緒に見ました。
見応えありましたよ~!
「カサブランカ」と違ってあまりカッコ良くないボギー。
後半で仲間を疑って銃で撃つ場面なんて憎らしくなり、「こいつが死んで欲しい!」と思いました。ボギー、名演です!
「俺に4分の1分け前をくれ。」と言う男。彼も鬱陶しく思いましたが、射殺されて彼の妻からの手紙が読まれる場面はホロリと来ました。それがラストに生かされます。
ドンデン返しのラスト。ハワードの大笑い。それに付き合って仕方なく笑う男。却って爽やかなラストでした。
「90%までうまく行ったのに最後に台無し」ジョン・ヒューストン監督お得意の題材ですよね。
2010/10/26 (Tue) 19:26  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

いらっしゃいませ!
ご夫婦で映画鑑賞、素敵ですね~。

> 「カサブランカ」と違ってあまりカッコ良くないボギー。
> 後半で仲間を疑って銃で撃つ場面なんて憎らしくなり、「こいつが死んで欲しい!」と思いました。ボギー、名演です!

ほんとに憎たらしい役でしたよね。いつものダンディな紳士はどこへいったのか?
さすが名優という感じでした。

> 「俺に4分の1分け前をくれ。」と言う男。彼も鬱陶しく思いましたが、射殺されて彼の妻からの手紙が読まれる場面はホロリと来ました。それがラストに生かされます。

そうなんですよね~。中盤にはすっかり彼らの成功を願っているので、途中からやってきたこの男の鬱陶しい事! それからこんなふうに転がっていくとは、思いもよらなかったです。

> ドンデン返しのラスト。ハワードの大笑い。それに付き合って仕方なく笑う男。却って爽やかなラストでした。

びっくりするほど気持ちのいいラストでした。ジョン・ヒューストン監督の十八番だったんですね~、納得です!
2010/10/27 (Wed) 11:13  宵乃  

こんばんは。
『黄金』、いいですねー。

最後、どうなるんだろう?って
思いながら

>最後はむなしくなりそうなところを、ハワードの底抜けに明るい笑い声によって救われました。

改めて、宵乃さんの記事で
この笑い声の重要性に気がついた気がします。

これがなかったら
本当に、作品自体の印象がだいぶ変わってしまって
こんなに後世、評価されていない
気もします(笑)

あと
>医者のような事までできるとわかったときには驚いてしまったけれど

同感です。

思わず、「何でも、できすぎやろ」ってつっこんだことを思い出しました。
2010/10/28 (Thu) 22:18  きみやす  

>きみやすさん

いらっしゃいませ。
古い作品をよくご存知ですよね~!
わたしはBS2で映画を観るようになってから知った作品ばかりで、きみやすさんがコメントにいらっしゃる度に「さすが!」と思ってます。

> これがなかったら
> 本当に、作品自体の印象がだいぶ変わってしまって
> こんなに後世、評価されていない
> 気もします(笑)

それまでの苦労や犠牲を知っているから、こうやって笑い飛ばして前に進み始める姿をみると、人間ってすごいなぁと素直に思えます。あの流れでこんな気持ちよく終わらせられるなんて、ほんと凄い作品ですよね。

> 思わず、「何でも、できすぎやろ」ってつっこんだことを思い出しました。

能ある鷹は爪をかくすっていうけれど、彼の爪は鷲並でした(笑)
でも、お礼をするためには拉致も辞さないという村人も、本性を隠してましたね~。怖い怖い!
2010/10/29 (Fri) 11:09  宵乃  

いまさらながら

ハンフリー・ボガートの「違った」魅力に気がついたような気がします。この映画今回初めて見たんですけど、ボガートといえばもちろん圧倒的な存在感を示した「カサブランカ」ですよね。それとハードボイルドの探偵を演じた「マルタの鷹」、「三つ数えろ」なんかもうまくはまっていたという記憶があります(昔見ただけだけど)。でもというか、だからというか、その後の作品、オスカーに輝いたんだろうけど、「アフリカの女王」や「サブリナ」なんかをみると、ジェームズ・ディーンがまっとうな正直者の役を演じられないように、彼もタフで感情を抑えた役しかできないのかと思っていました。だから実質3作で終わってしまったJ.ディーンのように彼もカサブランカで終わった方がよかったのではないかと。それくらいリックは格好よかったですからね。でもこの映画は小心者が富を手にして揺れる感情を見事に演じていて、ちょっと意外でした。宵乃さんが取り上げてくれていなかったらこの作品は見なかったかもしれません。ありがとうございました。
2010/11/21 (Sun) 21:26  BBJJC  

>BBJJCさん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!

> タフで感情を抑えた役しかできないのかと思っていました。だから実質3作で終わってしまったJ.ディーンのように彼もカサブランカで終わった方がよかったのではないかと。

ハンフリー・ボガートといえば渋い二枚目の紳士というイメージ。「カサブランカ」は昔みたきりなんでよく覚えてませんが、やはり彼の代表作なんですよね。機会があったら再見してみようと思います。

> でもこの映画は小心者が富を手にして揺れる感情を見事に演じていて、ちょっと意外でした。宵乃さんが取り上げてくれていなかったらこの作品は見なかったかもしれません。ありがとうございました。

喜んで頂けてわたしも嬉しいです♪
やはり自分の好きな作品はみんなに知ってほしいという気持ちがありますからね~。
小心者のボガートといえば「ケイン号の叛乱」も素晴らしい演技を見せてくれます。もうご存知かもしれませんが、未見でしたらぜひ!
2010/11/22 (Mon) 13:34  宵乃  

こんにちは☆

秋に見逃して、2月にムービープラスでオンエアしたのを、やっと見ました。半年掛かった!!!

>とにかく最初からテンポがよく、なおかつ中身がぎっしりで最後まで飽きずに観れました

ひと言で言うと、こういう作品でしたね~さっすが☆
この監督の今まで見た他の数作品の中では「王になろうとした男」と同じ匂いがしました。
あと、全然別の最近見た映画に雰囲気が似ていて、間違えそうで困りました。

でも、ハワードのキャラが立っていて、特に良かったです♪
最後が湿っぽくなっては、作品全部がおじゃんになるところでしたね!
やっと見て、ホッとしました。(こういうのがまだ何本もある・・・汗)

ところで佐々木倫子さんって「おたんこナース」の人なんですね!
その漫画は一時期大好きで、買ってまで読んでいます。絵が似ていると思い調べました。
でも代表作は、宵乃さんのご紹介作で、機会があれば、と思いました。

あと昨夜の「シャーロック」は録画しましたが、当分見られそうにありません。
また鑑賞後に参りますね~♪
2011/08/23 (Tue) 16:22  miri  

>miriさん

着実に消化していってますね~(一方で増えてるのかもしれませんが 笑)、わたしは最近録画のストックがなくなってしまって映画日照りが続いてます。

> この監督の今まで見た他の数作品の中では「王になろうとした男」と同じ匂いがしました。
> あと、全然別の最近見た映画に雰囲気が似ていて、間違えそうで困りました。

「王になろうとした男」はタイトルは知っていたけど、これの監督さんだったんですね!
機会があったら是非観てみたいです。
似た雰囲気の別の作品というと、こういう疑心暗鬼になっていくタイプの作品でしょうか。人間の弱い部分を描くのに、こういうテーマは普遍のものかもしれません。

> でも、ハワードのキャラが立っていて、特に良かったです♪
> 最後が湿っぽくなっては、作品全部がおじゃんになるところでしたね!

そうそう!ハワードがいてこその、あの爽やかなラストでした。
やっぱり、おじいちゃんキャラ大好きです♪

> ところで佐々木倫子さんって「おたんこナース」の人なんですね!
> その漫画は一時期大好きで、買ってまで読んでいます。絵が似ていると思い調べました。

わたしはそちらが未読なんですよ~。全六巻なら探してみようかな。
絵が似ている・・・わたしのイラストとですか?それならマジで嬉しいです!
少女漫画風の絵柄は慣れてなくて、結構練習したので。

> あと昨夜の「シャーロック」は録画しましたが、当分見られそうにありません。
> また鑑賞後に参りますね~♪

それなら、ある程度まとめてみた方がいいかもしれません。まだキャラが定まってない感じがするので・・・。
レストレード警部は案外お気に入りです。
2011/08/24 (Wed) 10:03  宵乃  
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