忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「まぼろしの市街戦」観ました

 | 戦争  Comment(9) 
Tag:イギリス フランス

まぼろしの市街戦
製作:フランス/イギリス’67
原題:(仏)LE ROI DU COEUR(英)KING OF HEARTS
監督:フィリップ・ド・ブロカ
ジャンル:★コメディ/戦争

【あらすじ】第一次世界大戦下フランス。英軍を街ごと爆破するため、独軍は街に時限爆弾を仕掛けた。フランス語が堪能な伝令兵プランピックが爆弾撤去に向かうが、街は避難した住人の代わりに逃げ出した精神病患者で溢れていて…。

爆薬の知識も持たない通信兵が決死の覚悟で任務につくが、街は病院から抜け出した患者たちが思い思いの”役”を演じて、愉快で楽しいまぼろしの日常をつくりあげていた…というお話。
敵兵の目を誤魔化すため”ハートの王”と名乗り患者を装ったことや、病棟の鍵の閉め忘れで始まったことなのに、主人公は街の人々が患者だとしばらく気付きません。彼らに”ハートの王”に祭り上げられて初めて気付くんですが、すでに間違った伝令を送ったあと。そのせいで、このファンタスティックな空間に軍人たちが入り込んできます。

サーカスの動物たちが歩き回り、患者たちは好きな自分になって遊び、ハートの王の婚約者は綱渡りで会いにくる…。そんな夢の世界の”王”であり、殺伐とした世界の”軍人”でもある主人公は、しだいに患者たちの側に溶け込み、”外の世界”がいかに狂っているかに気付きます。
主人公と街の外に逃げるのを拒むシーンや、フランス軍の到着をみて”たっぷり遊んだからもう帰ろう”と病院へ戻っていくシーンはなんとも物悲しく、楽しく優しさに包まれたカーニバルが終わってしまったのだと痛感させられました。
ラストの主人公の決断にはほっとするものの、そこにしか救いがないというのが切ないです。

B00I8GR6SCまぼろしの市街戦 [DVD]

■ Comment

録画してたのを、ようやく昨日観ました!
もっと古い時代の、それもストレートで実録系の反戦映画だと勝手に思い込んでいたのですが、あまりにアバンギャルドな内容で、(いい意味で)びっくりしました。患者たちの"住民プレイ"、シュールでしたね~。

そうそう、私もAnother HTML-lint gatewayでチェックしましたよ~。昔、仕事でちょくちょく利用してたのですが、宵野さんの記事読むまで、このサイトの存在をすっかり忘れてました。思い出させていただいて、ありがとうございました~。
2009/08/25 (Tue) 18:53  mardigras  

Re: タイトルなし

こんにちは。
この作品は何も知らずに観ると驚きますよね~。
こんな反戦映画があったのか、と衝撃を受けました。
あのシュールさはクセになりそう。

> そうそう、私もAnother HTML-lint gatewayでチェックしましたよ~。

あ、チェックしましたか。
あれって、直し始めるとなかなかやめられなくなりますよね(笑)
お役に立てたようで嬉しいです。
2009/08/26 (Wed) 10:18  宵野  

こんばんは!

この映画、大好きです。
でも、本音を素直に言えば、ロッカリアさんの所でした吹き替え談義そのまま、
昔、民放で放映した吹き替え版が一番面白かったと思います。
その理由を書くと長くなるので、TBさせて下さいね。(汗)
この作品のDVDは「大陸横断超特急」と違い、吹き替え版で見ても日本語、仏語の入れ替わりが激しくないので、再見する時が有ったらDVDで日本語版にして観る事をお薦めします。

あと、もう一つ。
この作品、フランス本国版とアメリカ上映版とラストが違うんです。
米版は、修道院詰所のチャイムが鳴り、修道女、椅子から立ち上がる→表に出て「オゥ~ララ!?」→門扉の所に立ってるブランピックを後ろから全景で捉え、修道女が門へ飛んで来るのが見える。
そこでENDなんです。
米版には公爵の能書き台詞はカットされてます、昔の民放吹き替え版も米版を使いました。(そもそも、これフランスじゃヒットしなくて、アメリカでヒットして見直された作品なんです)
でも、‘70年代、日本の名画座を巡っていたのは仏版。
僕は、断然、米版支持派です。
普段は比較的、ハリウッドよりヨーロッパ派なんですけど。
2012/05/26 (Sat) 00:36  鉦鼓亭編集〕  

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ!
この作品は類似作品なんてないだろうなぁと思える、独特の魅力がありますよね。

> でも、本音を素直に言えば、ロッカリアさんの所でした吹き替え談義そのまま、
> 昔、民放で放映した吹き替え版が一番面白かったと思います。

民放もなかなかいい仕事します。テレビ東京の午後のロードショーは、TV版の古い吹替え作品も結構オンエアしているので(全部93分に編集されてるけど 笑)、今度リクエストしてみようかな。エアチェック優先の生活なので、DVDは企画の時くらいしか観ないんですよ、アハハ。

> この作品、フランス本国版とアメリカ上映版とラストが違うんです。
> 米版には公爵の能書き台詞はカットされてます、昔の民放吹き替え版も米版を使いました。(そもそも、これフランスじゃヒットしなくて、アメリカでヒットして見直された作品なんです)

お~、ヨーロッパ派の鉦鼓亭さんが支持するアメリカ上映版ですか!
最近は完全版が一番だという風潮があるのか、NHKなどでも長い方があれば必ずそちらをオンエアしてますよね。短いのが好きなら自分で編集しろってことでしょうか?
ディレクターズカットとか、民放が放送枠に合わせたら思いがけずとか、そっちの方が面白い場合も多いのに!
2012/05/26 (Sat) 10:05  宵乃〔編集〕  

No title

イラスト、街並みか~と思ってよく見たら
綱渡りしているコクリコちゃんが!
あのシーンも好きです♪

>愉快で楽しいまぼろしの日常をつくりあげていた
ホントにみんな楽しそうでしたよね。
後から来た兵隊さんも自分が見ているものは幻だと思って
お酒をあおったり、仲間に殴ってもらったりしてましたね。

>”外の世界”がいかに狂っているか
街の外に出ようとしないのも最後に帰っていくのも
外の世界がどうなってるか、きちんとわかっているからなんですよね。
狂人・・・と思われていても
本当は物事の本質を見極めている人々なのかもしれませんね。
2013/09/20 (Fri) 12:36  マミイ編集〕  

こんばんは☆

今日の記事の画像、凄いですね~!!!
楽しく魅せて(見せて)頂きました☆
あのまま拡大することはできないんですよね~残念!

*****************

この映画、お知り合いになって一番最初にお話ししたような記憶があります。
どこか別の記事で、しかも非公開でコメントさせて頂いたように覚えています・笑。

今回、マミイさんのお陰で再見しました♪
イラスト、綱渡りの引きのシーンですね!
すっごく細かく丁寧で、あの薄い黄色がきいていますよ~☆
素晴らしい!

>そんな夢の世界の”王”であり、殺伐とした世界の”軍人”でもある主人公は、しだいに患者たちの側に溶け込み、”外の世界”がいかに狂っているかに気付きます。

そして私たち鑑賞者にも、それを強く突き付けるのですよね・・・。

>主人公と街の外に逃げるのを拒むシーンや、

これはかなり「このヒト達、もしかして、かなり分かっているんだな~???」と、鑑賞者がハッと気付くシーンですよね~! 今回胸が痛みました。

>イギリス軍の到着をみて”たっぷり遊んだからもう帰ろう”と病院へ戻っていくシーンはなんとも物悲しく、楽しく優しさに包まれたカーニバルが終わってしまったのだと痛感させられました。

到着したのはフランス軍です。
イギリス軍はドイツ軍と鉢合わせして・・・それも花束の受け渡しで気付くという・・・全滅しました。

こちらのシーンについては、私はあんまり物悲しくなかったです。かえって、もとの場所に帰れるなんて このご時世(戦争中)幸せなのでは?と思ってしまいました☆

>ラストの主人公の決断にはほっとするものの、そこにしか救いがないというのが切ないです。

そうですね~人間は懲りずに戦争をし続けますので・・・。この映画はすっごく皮肉がきいていましたね。アラン・ベイツの一世一代の演技(オーバー?)だったように思います☆


.
2013/09/20 (Fri) 20:07  miri〔編集〕  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013/09/20 (Fri) 20:08    

>マミイさん

> イラスト、街並みか~と思ってよく見たら
> 綱渡りしているコクリコちゃんが!
> あのシーンも好きです♪

このシーンで彼女の可愛さにキュンとしました♪
メルヘンな雰囲気のある良いシーンでしたね。

> ホントにみんな楽しそうでしたよね。
> 後から来た兵隊さんも自分が見ているものは幻だと思って
> お酒をあおったり、仲間に殴ってもらったりしてましたね。

主人公みたいに馴染んでしまうのは珍しいのかな?
正気に戻ろうと思ってしまう人も、一人で迷い込んでいれば違ったかも。

> 街の外に出ようとしないのも最後に帰っていくのも
> 外の世界がどうなってるか、きちんとわかっているからなんですよね。
> 狂人・・・と思われていても
> 本当は物事の本質を見極めている人々なのかもしれませんね。

そうですよね、自分をまともだと思っている人のほうが狂っているという皮肉が効いていました。
ほわほわした印象の作品ですが、芯はしっかりしているというか、けっこうグサリとくる作品でしたね。
多くの人に観てもらいたいです!
2013/09/21 (Sat) 10:47  宵乃  

>miriさん

いらっしゃいませ!
アニメgifも見て下さってありがとうございます。
[ctrl]キー+ホイール上回転で拡大表示できるんじゃないかな?
粗が見えてしまうかもしれないけど(笑)

> この映画、お知り合いになって一番最初にお話ししたような記憶があります。
> どこか別の記事で、しかも非公開でコメントさせて頂いたように覚えています・笑。

素晴らしい記憶力!パチパチパチ
私たちにとって記念すべき作品がこちらで嬉しいです♪
転載記事も読み返してみました。懐かしいなぁ~。
返信の通り、miriさんがたくさんの記事にコメントを下さって、今ではこんなに仲良しに…しみじみ。ありがとうございます!

> 今回、マミイさんのお陰で再見しました♪

映画ブログを始めてから、新たな見方に気付くだけでなく、お互い刺激しあって良い再見の機会を得られますよね~。

> イラスト、綱渡りの引きのシーンですね!
> すっごく細かく丁寧で、あの薄い黄色がきいていますよ~☆

ありがとうございます。ホント、印象的な黄色でした。マミイさんが教えて下さった花の名前に込められた平和への願いが、彼女の黄色い衣装からも感じられます。

> これはかなり「このヒト達、もしかして、かなり分かっているんだな~???」と、鑑賞者がハッと気付くシーンですよね~! 今回胸が痛みました。

ここにくるまでは、やっぱり鑑賞者も”狂ってる”のは彼らだと思って見ていますもんね~。その認識が一気に覆される衝撃は、心に深く刻まれました。

> 到着したのはフランス軍です。
> イギリス軍はドイツ軍と鉢合わせして・・・それも花束の受け渡しで気付くという・・・全滅しました。

失礼いたしました。直しておきますね。
教えて頂きありがとうございます!

> こちらのシーンについては、私はあんまり物悲しくなかったです。かえって、もとの場所に帰れるなんて このご時世(戦争中)幸せなのでは?と思ってしまいました☆

よく覚えてませんが、鑑賞者の目線でこう感じたような気がします。
お祭りが終わって、自分は取り残されたみたいな。

> この映画はすっごく皮肉がきいていましたね。アラン・ベイツの一世一代の演技(オーバー?)だったように思います☆

反戦映画で一番好きです!
アラン・ベイツの出演作はよく知らないですが、画像検索するとこの作品の彼だけ雰囲気違いますね~。いきいきしてました。
2013/09/21 (Sat) 11:35  宵乃〔編集〕  
名前
タイトル
URL
本文
非公開コメント

■ Trackback

この記事のトラックバックURL
トラックバック一覧
「まぼろしの市街戦」&広川太一郎
 広川太一郎>思えば罪な人でもあります。  「お熱いのがお好き」(B・ワイルダー 1959年)  「グレート・レース」(B・エドワーズ 1965年)  「まぼろしの市街戦」  「大陸横断超特急」 (A・ヒラー 1976年)  他にも色々あるんだろけど、取敢えず記...
セピア色の映画手帳|2012-05-26 00:37
まぼろしの市街戦
2010年1月31日(金) LD まぼろしの市街戦 [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店メディア: DVD ジャン・ポール・ベルモンド主演の単純コメディでお馴染みのフィリップ・ド・ブロカ監督。 が本作は、アレハンドロ・ホドロフスキーほどでないが、謎映画。カルト認定だろ
ダイターンクラッシュ!!|2010-02-01 01:35