忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「スウィング・オブ・ザ・デッド」観ました

 | ホラー/パニック  Comment(0) 

スウィング・オブ・ザ・デッド
原題:THE BATTERY
製作:アメリカ’2012 100分
監督:ジェレミー・ガードナー
ジャンル:★ホラー/ドラマ

【あらすじ】ゾンビが蔓る終末世界。元野球選手のベニーとミッキーは、車で移動しながらキャンプ生活を続けていた。点々と移動する生活にうんざりしていたミッキーだったが、あるとき拾ったトランシーバーからアーニーという女性の声が聞こえてきて…。

これはすごく好きです!
ゾンビやグロ描写がほとんどないのにもかかわらず、絶望的で切なくなる青春ロードムービーなんですよ。ゾンビものでロードムービーというと「ゾンビランド」が思い浮かびますが、あれと比べると超低予算映画なのでグロ描写はほとんどありません。それでも絶望感は断然こちらが上でした。
好きな人はすごく好きだと思います。ぜんぶ説明されるより、描かないことで想像力を掻き立てられるタイプの作品が好きな人にはお勧めですね。

男ふたりが、ゾンビだらけになった世界で旅をしているところから物語は始まります。
髭男のベンは、現実主義者で行動的でタフな男なのに対して、ミッキーはロマンチストで一人じゃ何もできないヘタレ。ゾンビと遭遇してもベンがバットで退治するのをそっと見守るだけだし、その癖、文句ばかりでベンに当たり散らします。
でもベンは、そんなミッキーにキレるわけでもなく、見捨てることもなく、癇癪を起した子供を見守る父親のように接しているんですよね~。

ここでミッキーにイラっとする人も多いかもしれませんが、そんなダメダメなミッキーがいるからこそ、彼の心配をすることでベンは色々な不安から目をそらすことができます。
こんな風になってしまった世界で唯一信頼できる相手が「バッテリー(原題です)」であるミッキーで、ベンにとってもかけがえのない存在だからこそ、ミッキーの子供っぽい言動も我慢できる…どころか、楽しんでいるようにも。
野球っぽい要素はたまにキャッチボールをするくらいなのに、彼らが元野球選手だという設定がいきてました。

この世界で一番注意しなければならないのが”他人”だということは、無線から聞こえてきた女性の声の警戒する態度からもわかります。
彼女に興味を抱くミッキーに対し、彼女が属しているコミュニティは厳しい規律によって安定を保っているようで、関わらないでほしいと冷たく言い放ちます。
他にも、車を奪われそうになるエピソードもあり、ゾンビが少ないのどかな前半が嘘のように緊張感が増してきます。

その後の展開はもう静かながら絶望的で、あまり動きのない映像にもかかわらず心臓がギュッと縮まるような感じがしました。バカ騒ぎをしているくだりが切なくて、二人の神経が削られていくのが見て取れます。
とくに、車内の長回しのシーンは見ていて泣きそうになるくらいで、ベンが初めて見せる動揺が印象的です。バッサリ見せない演出も効いてました。

そしてラスト、ベンが無線に向かって放つ言葉…彼の強い決意が、不思議とこの作品の後味を悲しくも清々しいものにしています。
最近は走るゾンビや運動能力が異常に発達した化け物のようなゾンビが多いですが、のろのろで弱くて知能も低いからこそ、物語が盛り上がる場合もあるんだと教えてくれました。
今年の肝試し企画最後の作品がこれでよかったです♪

B00OUKWQMG スウィング・オブ・ザ・デッド [DVD]

■ Comment

名前
タイトル
URL
本文
非公開コメント

■ Trackback

この記事のトラックバックURL
トラックバック一覧