忘却エンドロール

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映画「さよなら子供たち」観ました

 | 戦争  Comment(6) 
Tag:フランス 西ドイツ

さよなら子供たち
原題:AU REVOIR LES ENFANTS
製作:フランス・西ドイツ’87
監督:ルイ・マル
ジャンル:★ドラマ/戦争

【あらすじ】1944年、ナチス占領時代のフランス。パリからカトリック寄宿学校に疎開している12歳の少年ジュリアンの学校に、ジャン・ボネという少年が転入してくる。ジャンはなかなか級友たちと馴染もうとしなかったが、次第にジュリアンに心を開き始め…。

観ていて「ルシアンの青春」を思い出したけど、同じ監督の作品だったのか…。どういう気持ちで「ルシアン~」を撮ったんだろう。戦争さえなければ…という感じかな?
「さよなら~」の中では、生きていくためにゲシュタポに密告する人が描かれていて、ジュリアンは怒りを覚えるものの、たぶん憎んではいません。心のどこかで「生きていくためには仕方ない」という彼らの気持ちを否定できないんだと思います。…だって、誰だって貧困やゲシュタポは怖いもの。
森で迷子になった時は、ドイツ兵が学校まで送りとどけてくれたエピソードもあり、きっと戦争がなければ、みんな善き隣人だということを実感していたんでしょう。

しかし、終盤のゲシュタポのおじさんの怖いこと!
一瞬で生徒の中から真実を知るジュリアンを見つけ出し、不安を煽ってボロを出すように仕向けるんですよね。背中を向けているのに、ジュリアンがついボネの方を見てしまったのを見逃さない!
彼の中では「自分のせいで」とわだかまりが残っただろうけど、あれは仕方ないよ…。相手はプロだもん。

ラストの別れには胸が張り裂けそうになりました。ピアノ連弾や「チャップリンの移民」を笑顔で(終盤は物語に没頭して)観ていたシーンなど、幸せなふたりの様子が目に浮かんで、涙せずにはいられません。
静かに涙を流しながら、決してボネから目を離すことができない…。無言で手を振るジュリアンと、扉の前でじっと彼を見つめるボネ…。
冒頭で「ママと別れて疎開するなんて嫌だ」と、おでこのキスマークも気にせず今生の別れのように涙してたジュリアンが体験した、本当の別れ。
「この日のことは死ぬまで忘れないだろう」というモノローグに、この作品を撮らずにはいられなかった監督の心情がうかがえます。

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■ Comment

こんにちは☆

もう3年も経つのでうすらぼやけていますが、
この監督にしてはたいへんに良い作品で、覚えている点も多いです☆

・・・あのときは
>「さよなら子供たち」はいかにも重そうなのでスルーしました。
と書かれていたけど、お薦めしておいて良かったかな???

>…だって、誰だって貧困やゲシュタポは怖いもの。
>きっと戦争がなければ、みんな善き隣人だということを実感していたんでしょう。
>あれは仕方ないよ…。相手はプロだもん。

本当にね・・・最近ナチス関連の映画をけっこう見ていて、同じ事を強く思っています。 あのときドイツや周辺国で生きていた「ユダヤ人ではない人間」だったら、自分は何が出来たのかな?と思うと、もう何も言えないし、書けないですネ。。。

>ラストの別れには胸が張り裂けそうになりました。
>静かに涙を流しながら、決してボネから目を離すことができない…。無言で手を振るジュリアンと、扉の前でじっと彼を見つめるボネ…。

最終盤は本当に静かな描写でしたね・・・その前までの男の子の友情や寄宿舎生活はいまも昔も変わらないと思うのにね・・・その二人の表情のよく分かるイラストが素晴らしいです! 白黒で大正解☆ 

>「この日のことは死ぬまで忘れないだろう」というモノローグに、この作品を撮らずにはいられなかった監督の心情がうかがえます。

12歳のこころに刻みつけられたこと、こうして多くの人に公開できて本当に良かったですネ♪


.
2015/09/09 (Wed) 09:35  miri編集〕  

>miriさん

いらっしゃいませ!
以前コメントしてからもう3年も経ってるんですね…!
オススメしていただいて本当に良かったです。ありがとうございます♪
後で伺おうと思ってたのに、ついゲームに気をとられてこんな時間になってしまいました(汗)

> 最近ナチス関連の映画をけっこう見ていて、同じ事を強く思っています。 あのときドイツや周辺国で生きていた「ユダヤ人ではない人間」だったら、自分は何が出来たのかな?と思うと、もう何も言えないし、書けないですネ。。。

映画などで描かれる”英雄”のような人はごく一部で、ほとんどの人が”自分や身内のことしか考えられない”状態になると思うと、やはり密告した人たちの事も悪く言えないですよね…。
実際にその場にいないとわからないことは多そうです。

> 最終盤は本当に静かな描写でしたね・・・その前までの男の子の友情や寄宿舎生活はいまも昔も変わらないと思うのにね・・・その二人の表情のよく分かるイラストが素晴らしいです! 白黒で大正解☆ 

ホントに寄宿舎での生活や二人の交流がとても自然で普通なので、よけいにラストにそれが壊されてしまったことが重くのしかかってきました。イラストのシーンまではあんなに楽しそうだったのに…(涙)

> 12歳のこころに刻みつけられたこと、こうして多くの人に公開できて本当に良かったですネ♪

本当にそう思います。
この作品を撮るために映画監督になったのかも、と思えました。
2015/09/09 (Wed) 15:42  宵乃〔編集〕  

No title

去年、レンタルで4回くらい観たんですが、忙しいのと考えがまとまらなくて記事にしなかった、と思っていたらツイッターのつぶやきを残していました。

>観ていて「ルシアンの青春」を思い出したけど・・・

僕は、あの密告した料理番の少年がルシアンのモデルではないかと思いましたが、どうなんでしょ。

>「チャップリンの移民」を笑顔で(終盤は物語に没頭して)観ていたシーン

自由の女神が映った時のボネの表情がアップになって、自由の国アメリカへのあこがれがあったんではないかと感じて、ジーンとしましたね。
2015/09/09 (Wed) 21:33  十瑠  

>十瑠さん

いらっしゃいませ!
十瑠さんのお好きな作品だったんですか。私もこの作品は感想をまとめるのに苦労しました。

> 僕は、あの密告した料理番の少年がルシアンのモデルではないかと思いましたが、どうなんでしょ。

あぁ!確かにそう考えるとしっくりきます。
忘れられない記憶の中で、あの少年もかなりの部分を占めていたでしょうし、彼のことも映画として形にせずにはいられなかったんでしょうね。

> 自由の女神が映った時のボネの表情がアップになって、自由の国アメリカへのあこがれがあったんではないかと感じて、ジーンとしましたね。

そうなんですよね、自由の女神を見つめる表情も印象的でした。
イラストはそのシーンと迷ったんですよ。
今回初めて観た作品でしたが、これからも何年かごとに再見したくなるかもしれません。
2015/09/10 (Thu) 08:31  宵乃〔編集〕  

こんばんは

コメントありがとうございました

ジュリアンがついチラッとボネをみてしまったのは仕方がない事ですよね…ハッとしたんでしょうしね…
ゲシュタポひいてはナチスドイツの恐ろしさというか
本当の意味でのユダヤ狩りの恐ろしさは、
まだ子供に理解するのは難しかったろうと思います
前に違う映画でみましたが、同じユダヤ人でさえ
収容所での出来事を「嘘でしょう?」と信じずにいる人たちだっていたんですから…。
校長の台詞が痛烈に胸に響く、監督が撮らずにはいられなかったのではというのもわかるような気がする作品でした
皆が笑った(チャップリンの映画で)シーンもあるので
尚更、「知っている」我々はつらいですよね…
2017/02/12 (Sun) 18:52  maki  

>makiさん

いらっしゃいませ。
本当に、ナチスドイツの恐ろしさや子供すら巻き込まれる戦争の残酷さなど、ひしひしと感じられる作品でした。

> 同じユダヤ人でさえ
> 収容所での出来事を「嘘でしょう?」と信じずにいる人たちだっていたんですから…。

その目で見なければ想像もつかないような地獄ですもんね…。
密告してしまった側の人たちも、戦後それを知って苦しんだと思います。

> 皆が笑った(チャップリンの映画で)シーンもあるので
> 尚更、「知っている」我々はつらいですよね…

彼らがどんな目に遭ったのか…想像しただけで辛くなります。
監督は辛く悲しい想い出を伝えると同時に、みんなを笑顔にした(チャップリンの)映画のすばらしさも伝えたかったのかもしれませんね。
2017/02/13 (Mon) 12:42  宵乃〔編集〕  
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さよなら子供たち
【概略】 1944年1月。休暇から寄宿舎へと戻ったジュリアンのクラスに、ジャンという転入生がやってくる。成績優秀なジャンはなかなか級友たちと馴染もうとしなかったが、読書という趣味を通して、次第にジュリアンに心を開きはじめる。そんなある日、好奇心からジャンのロッカーを盗み見たジュリアンは、ジャンの秘密を知ってしまう……。 ドラマ 1944年、ドイツ占領下のフランスで12歳の少...
いやいやえん|2017-02-12 18:45
「さよなら子供たち」に関するツイート集
レンタルで観た「さよなら子供たち」。さて紹介記事を書こうと思ったら時間が取れなくなりそうになって。なので、ツイッターでのつぶやきを転載します。イイ映画でした。
テアトル十瑠|2015-09-09 21:22