忘却エンドロール

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映画「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」観ました

 | ドラマ  Comment(6) 

ヘルプ ~心がつなぐストーリー~
原題:THE HELP
製作:アメリカ’2011
監督:テイト・テイラー
原作:キャスリン・ストケット
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】1960年代のアメリカ南部、ミシシッピ州ジャクソン。作家志望のスキーターは大学卒業後、なんとか地元新聞社でコラム代筆の仕事にありつく。その後、ヒリーをはじめとする高校時代の親友たちに招かれるが、彼らが黒人メイド(ヘルプ)を当然のように差別しているのを見て…。

この時代の人種差別を扱った作品は、惨たらしくて後に引く作品が多いけど、こちらはコミカルに軽くかわしながらジャブを繰り出していく感じでしょうか。
まあ、後半にスキーターとメイドたちがやったことは「そんな上手くいくわけねーだろ(完璧に上手くいったわけじゃないけど)」としか思えませんでしたが、重苦しくてインパクトがあればいいというわけでもないですし、入りやすく考えさせるこの作品は映画としてよくできていると思えました。

とくに、黒人が病原菌をもってると考える白人たちが、平気で黒人の作った料理を食べ、子供を任せるバカらしさは、差別の根底にあるのが”感情”だけなのだと伝わってきます。
同時に、ヒリーの元彼と結婚した、お色気たっぷりだけど善良な(おそらく出身が南部外の)シーリアに対しても仲間外れにしている様子が描かれるのも上手い。
誰かを自分より下の存在として押さえつけておけるなら、理由なんてなんでもいいんですよね。

ただ、ヒリーは最後まで変わったりしないものの、終盤に(真の主役である)エイビリーンに『嘘と脅しばかり…なんて罪深い人。疲れませんか、ヒリー様。疲れません?』と面と向かって言われたシーンで、自分の弱さゆえの歪みを自覚はしてるんですよね。涙を流すほど痛いところを突かれて、それでも生き方を変えられない(そもそも、この地域では女性の生き方さえ決めつけられていて、彼女自身、抑圧されているひとり)。
何気に彼女の存在が一番考えさせる役どころで、女優さんの演技もあって光ってました(「ヒア アフター」では料理教室で出会う女性メラニーを演じていたブライス・ダラス・ハワードさん)。

これは私の想像でしかないけど、黒人の中にはミニーの暴力亭主みたいなのもいるわけで、もしかしたらヒリーは、小さい頃に母親が気付かないところで怖い目にあったのかもしれません。それが睨まれた程度の些細な出来事でも、何かあればまっ先に黒人が疑われて凶悪犯に仕立てあげられる時代ですから、さまざまな理由で黒人に対する恐怖心を膨らませていた(しかも自覚してない)人は多いのかも…と思いました。

全体的に創作部分であるスターキーのエピソードはどうも嘘くさく感じてしまったけど、実話部分であるメイドさんたちの細かなエピソードは面白かったり感動したりと見応えあります。
とくに、エイビリーンと幼いお嬢さんとのやりとり(お嬢さんはやさしい子、~賢い子、~大切な子)や、ミニーとシーリアの友情は心に残りました。
チョコパイはやりすぎだけどね(笑)

ちなみにタイトルのヘルプの意味は、黒人メイドが”ヘルプ”と呼ばれていたことと、彼女たちが心の中で「ヘルプ!」と助けを求めているのをかけてるんでしょうね。

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■ Comment

こんばんわ 宵乃さん♪

TB&コメントありがとうございました。

本作を1年半位前に鑑賞しましたが、内容はけっこう覚えております。^^
この時代の人種差別ものは兎角重く暗くなりがちですが、これはそれほど重く無くユーモアも効いていたので軽めの気持ちで見られました=3

女優陣の演技対決もミモノですね☆
2015/08/04 (Tue) 21:53  mia☆mia  

年間マイベスト第4位

エマちゃんがかわいくて! その他女優陣も魅力的で。
ファッションもきれいで彩りが華やかでしたよね。
2012年の年間マイベストで4位にしてました! あと、我が家の映画賞で「アンサンブル演技賞」も!
2015/08/04 (Tue) 23:26  ボー編集〕  

No title

こんばんは

>差別の根底にあるのが”感情”だけなのだ
そうなのでしょうね
ヒリーを筆頭に、あの時代抑圧されていたのは黒人たちだけというわけでもないのでしょう
こういう生き方をしなければならない、というか、そう
親から教育されてきた。
そういう背景もあっての、ヒリーのあの涙だったのかなと。
主人公のように黒人家政婦と仲が良い…なんてのは、
はた珍しいケースなんでしょうね
この作品、黒人肯定の視点で描かれているので
とても観やすく、南部の黒人否定も案外と軽くみていられるのが、良かった所です
ブライス・ダラス・ハワードさんは好きな女優さんですが、この映画で格がまたひとつあがった感じでした
対照的なふわふわジェシカ・チャスティンも良かったです!
2015/08/05 (Wed) 01:55  maki編集〕  

>mia☆miaさん

いらっしゃいませ。
1年半前でもけっこう覚えてますか~。人種差別を扱っていて、観やすく、印象にも残る作品はそうないから、それだけでも意義のある作品ということですね。

> 女優陣の演技対決もミモノですね☆

個性的で華やかでした♪
とくにヒリー役の女優さんが印象に残ったので、彼女の他の出演作も観てみたいです。
コメントありがとうございました。
2015/08/05 (Wed) 07:13  宵乃〔編集〕  

>ボーさん

> エマちゃんがかわいくて! その他女優陣も魅力的で。
> ファッションもきれいで彩りが華やかでしたよね。

カーリーヘアが似合ってました♪
そうそう、あの時代の鮮やかな色彩のファッションも素敵でしたよね。南部のきらめく緑に映えてました。

> 2012年の年間マイベストで4位にしてました! あと、我が家の映画賞で「アンサンブル演技賞」も!

おぉ、アンサンブル演技賞ですか。女優陣の個性光るこの作品にはピッタリの賞ですね!
ホント、観やすくて考えさせられて、多くの人に観てもらいたい作品でした。
コメントありがとうございます♪
2015/08/05 (Wed) 07:17  宵乃〔編集〕  

>makiさん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!

> こういう生き方をしなければならない、というか、そう
> 親から教育されてきた。
> そういう背景もあっての、ヒリーのあの涙だったのかなと。

重くならないのに、こうやって迫害する側の心情も上手に描いていて、本当に鑑賞者に考えさせるのが上手い作品でしたよね~。今まで人種差別といえば重々しくてインパクトある作品ばかりに出会っていたので、こういう見せ方もあるんだと新鮮に感じました。

> ブライス・ダラス・ハワードさんは好きな女優さんですが、この映画で格がまたひとつあがった感じでした
> 対照的なふわふわジェシカ・チャスティンも良かったです!

この二人はホント素晴らしかったですよね。
出ている女優さんは全員よかったけど、この二人がとくに印象に残りました。
彼女達のでている作品をもっと観てみたいです♪
2015/08/05 (Wed) 07:25  宵乃〔編集〕  
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