忘却エンドロール

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映画「ブレス」感想

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Tag:韓国

ブレス2007
原題:BREATH
製作:韓国’07
監督:キム・ギドク
ジャンル:★ファンタジー/ドラマ

【あらすじ】刑の執行が間近となり、絶望から手作りのナイフで喉を突いて自殺を図った死刑囚チャン・ジン。彼は声だけを失って再び刑務所に戻されるが、そこには彼を愛する若い囚人がいるだけだ。一方、夫の浮気を知り打ちひしがれていた主婦ヨンは、ニュースでチャンの事を知り衝動的に刑務所へ行き…。

gyaoで鑑賞。好き嫌いがハッキリ分かれるので、間違っても人には勧められない作品ですね(笑)
ジャンルをファンタジーにしたけど、不思議な出来事というよりは変な人の変な行動がまかり通ってるという意味でファンタジーです。
描かれてないところをあれこれ想像して補うのが好きな人には楽しい作品かも。
なんせヒロインがイカレ女だし、家事も育児も一時的に放り出したりするので、ヒロイン目線で観たら拒絶反応出そうです。

→以下、ネタバレ注意!

でも、個人的にすごく好きなんだな~。
というのも、この作品の真の主人公は観察者なんですよ。
満たされない思いを抱えた主婦と絶望する死刑囚の面会を、モニター越しに観察する保安課長(監督自身が演じてます)が変態チックでいいんです。
彼の見せ方も良くて、面会室が映るモニターに薄っすら反射して見えるめがねのオッサンと、面会時間の終了を知らせたりカメラを切り替える時の手しか映りません。
その謎の保安課長が、ヒロインを気に入ったのか特例で面会を許し、個室で直接会えるように計らい、彼女のやりたいようにやらせるんですよ。
このイカレ女が次に何をするのか、死刑囚の男が翻弄された果てにどうなるのか、自分が許してやるからやってみろと言わんばかりです。
そんな彼の視点からこのふたりを観ると、なんだかニヤニヤが止まらないんです(悪趣味!笑)

二人の出会いから妙な雰囲気があって、見知らぬ面会人にポカーンとしていた死刑囚に、突然「5分間死んだ事があるの」と自分が幼い頃の臨死体験を話し始め、彼もそれに引き込まれていくんですよね。
ヒロインの地味で疲れきった主婦という役作りも完璧だし、声が出ない死刑囚の表情の演技も素晴らしかったです。
仕切りの声を通すための小さい穴から彼女の髪を一本抜き、愛おしそうに手触りを確かめたり匂いをかいだりするシーンでは、「飢餓海峡」の彼女を思い出しました。
しまいにゃ彼に想いを寄せるゲイの青年に髪の毛を盗られそうになって飲み込むし(笑)
このゲイの青年の怖~い嫉妬も、この動きの少ない物語の中で良いアクセントになってたと思います。
彼も喋らないのは愛する男が喋れなくなったから?

で、彼女の次の行動が斜め上をいっていてもう笑うしかありません。彼に四季を感じさせてあげようとしてるらしいものの、春の歌を踊りながら歌いだした時は、ぜったい保安課長も笑ってたね!一緒に踊ってたし!(笑)
二人がキスしようとする寸前にブザーを鳴らしたり、思いっきり職権乱用で暇つぶししてます。
あと、秋をプレゼントした時、夫にバレて車で連れ帰されるんだけど、彼女が秋の演出に使った風景が夫と出会った場所で、それを夫に指摘されて運転を邪魔して軽い事故を起こすシーン…彼女はどういう気持ちでそんなことしたんだろう。シートベルトをしてなかった彼女だけ怪我してるし…。

終盤の狂気じみたキスは観る人それぞれの解釈があっていいと思います。
私的には、5分死んだ時の思い出を”快感”だと言っていた彼女にとって、あの出来事は生の素晴らしさを思い出させてくれる生まれ変わりの儀式みたいなものだったのかなと。
四季というのも、春から始まって冬になり、その後にまた”再生”の春がやってくるという事で、これから死ぬ彼に来世を信じさせたかったとか。(少なくとも最後に抵抗しなかったのはこの出来事の影響だと思う)
でも、基本的には彼のためとかではなく、自分の衝動に従っているだけだと割り切っていたように感じました。
浮気夫もやや可哀相になるくらい懲らしめられたし、面会の時しか笑顔を見せなかった彼女が、すべてをやり終えて家族と笑顔で過ごしてる姿はまるで魔女のよう(笑)
インパクトある作品でした。

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