忘却エンドロール

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映画「バベットの晩餐会」再見

 | ドラマ  Comment(2) 
Tag:デンマーク

バベットの晩餐会(再見)
原題:BABETTES GASTEBUD
製作:デンマーク’87
監督:ガブリエル・アクセル
原作:カレン・ブリクセン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】19世紀後半、デンマークの海辺の小さな村。亡き牧師の父の後を継ぎ、村のために尽くしていた敬虔なプロテスタントである老姉妹マチーネとフィリパ。そこに、一人のフランス人女性バベットが現れる。かつてフィリパに恋した男の助けで亡命してきた彼女は、ここに置いてほしいと頼み…。

またもやGyaoで視聴。ネタバレ注意。
淡々とした雰囲気は記憶どおりだけど、親しみやすさも感じる心地よい空気が全編に漂ってました。
姉妹に恋する男のエピソードはすっかり忘れてましたよ~。割と諦めの早い軍人と、積極的すぎてセクハラ扱いされそうなオペラ歌手…さすがパリっ子!
でも、一時の恋じゃなかった事がバベットに託した手紙から伝わってきて好感でした。亡命したバベットを頼むという内容と同じくらい、フィリパへの想いが綴られてたからね。
しかも、それを姉妹にバベットの前で声に出して読まれてしまうという(笑)
軍人も失恋をバネに軍務に打ち込み、立派な将軍になるも、マチーネがいない人生に虚しさを覚えていたり。奥さんはもう亡くなったんだろうか?

一方、結構覚えていた”料理にビビりながら将軍の真似をして食べる村人みんな”の様子や、”晩餐会で素直に感嘆をもらす将軍を華麗にスルーする村人”は相変らず面白かったです。
でも、それ以上に料理に込められたバベットの想い、姉妹への感謝の念に感動しました。
年老いて死を意識するようになった信者たちが、不安のあまり信仰を忘れかけてケンカばかりしていたのに、バベットがその心を解きほぐすんですよ。
この世界の素晴らしさを思い出せば、自然と恐れも消えるんでしょうね。
ここら辺の宗教的な感覚は初見ではまったくわかってなかったので見て良かったです。

ただ、晩餐会に望む彼らが口にした「カナの婚礼を思い出せ」という言葉の意味はわかりませんでした。カナの婚礼といえばルーブルにある絵画と、水がぶどう酒になったエピソードくらいしか…。
贅沢な食事を前に「魂を危険に晒している」とか、「舌はお祈りを唱えるためだけに使いましょう」とか言っていた彼ら的に、カナの婚礼はどういう意味をもってるんでしょう?

わからないところもありましたが、この作品で一番いいたかっただろう最後のバベットのセリフが心に染みました。
『貧しい芸術家はいません』
誰かを感動させる、幸せにするという事が、彼女の人生を豊かにしている…。その前に姉妹(?)が言っていた「天国に持っていけるのは、人に与えたものだけ」というセリフが思い出されます。
この晩餐会は、カトリックとプロテスタントの宗派の違いを乗り越えた上に、バベットが全てを失ったというプロレタリア革命への反逆というか…。彼女が狙われたのは、彼女の料理が贅沢の象徴のようなものだったからだろうし違った、逆でした。お客さんだった貴族などを敵に回したから処刑されそうになったんですね。つまり、前から彼女の料理に対する姿勢はお金とは関係ない”誰かを幸せにする”という一点にあったという事の証明にもなったんだろうなぁと。で、証明の必要もなかったと。…失礼しました!
というわけで、発見もあり初見よりももっとこの作品が好きになりました。再見できて本当によかったです♪

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お気に入り映画「バベットの晩餐会」
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■ Comment

こんばんは☆

イラスト、素晴らしいです~!
記事読んで再見して、そのうえ、ラストシーンと分かりつつ、イラストをガン見するために早送りでもう一度再生しました(笑)。
でも、マジ、画面と同じに伝わってきました~♪

>でも、一時の恋じゃなかった事がバベットに託した手紙から伝わってきて好感でした。亡命したバベットを頼むという内容と同じくらい、フィリパへの想いが綴られてたからね。
>軍人も失恋をバネに軍務に打ち込み、立派な将軍になるも、マチーネがいない人生に虚しさを覚えていたり。奥さんはもう亡くなったんだろうか?

まぁふた組とも、この世的に結ばれなかったからこそ、良いところだけを覚えていて、本当に純粋に(あの村の空気と同じように美しく)想い出に出来たからこそ、その後の事があったのではないでしょうか?

オペラ歌手さんは会いに来なくても心でいつも思っているのだと思うし、将軍さんも(奥さんのことは分かりませんが)心ではいつも隣にいたということだと、私には自然と思えます。

>一方、結構覚えていた”料理にビビりながら将軍の真似をして食べる村人みんな”の様子や、”晩餐会で素直に感嘆をもらす将軍を華麗にスルーする村人”は相変らず面白かったです。

これがね~初見時はヒヤヒヤして(自分がそこに居るかのようにおびえて見て)いたので、今回ゆっくりと観察して、笑えて楽しかったです☆

>でも、それ以上に料理に込められたバベットの想い、姉妹への感謝の念に感動しました。

本当にそう思います。家族も職業もなくし、自身の生命さえも危険だった・・・それまでに何の縁もなかった人が受け入れてくれた、それは普通の生活をしている日本人にはなかなか心底からは理解しにくいほどの感謝の念のように思います。

>年老いて死を意識するようになった信者たちが、不安のあまり信仰を忘れかけてケンカばかりしていたのに、バベットがその心を解きほぐすんですよ。
>この世界の素晴らしさを思い出せば、自然と恐れも消えるんでしょうね。
>ここら辺の宗教的な感覚は初見ではまったくわかってなかったので見て良かったです。

全部、最終的には神につながる道だと、再確認しました。

>カナの婚礼はどういう意味をもってるんでしょう?

私も分かりませんが「とにかく何か言わねば」的な?感覚かも???

>『貧しい芸術家はいません』
>誰かを感動させる、幸せにするという事が、彼女の人生を豊かにしている…。

本当に素晴らしいですね~♪

>その前に姉妹(?)が言っていた「天国に持っていけるのは、人に与えたものだけ」というセリフが思い出されます。

姉妹が言っていたのではなく、姉妹が言われたように思いますが・・・
あのような寒村で、貧しく食べるのもやっとの生活の毎日・・・このセリフは私たちに「反省とこれからへの考え」を、優しく与えてくれますよね・・・。

>この晩餐会は、カトリックとプロテスタントの宗派の違いを乗り越えた上に、バベットが全てを失ったという・・・以下・・・

まぁ難しく考えなくても・・・「人が人を受け入れること」この映画を見た誰もが、お金もツールもなくても(今後)出来る事があると思えるのではないでしょうか?

本当に素晴らしい作品で、再見の機会を有難うございました。
初見時がボロいVHSで映像が良くなかったので、イマジカの標準画質でも すっごく美しいと思えました♪
長々すみませんでした~。


.
2014/04/07 (Mon) 19:45  miri〔編集〕  

>miriさん

> 記事読んで再見して、そのうえ、ラストシーンと分かりつつ、イラストをガン見するために早送りでもう一度再生しました(笑)。
> でも、マジ、画面と同じに伝わってきました~♪

ありがとうございます!!
「追想」と似たような構図だったと後から気付いて焦ってたんですが、そう言って頂けてホッとしました。あのバベットの表情、素晴らしいですよね。

> まぁふた組とも、この世的に結ばれなかったからこそ、良いところだけを覚えていて、本当に純粋に(あの村の空気と同じように美しく)想い出に出来たからこそ、その後の事があったのではないでしょうか?

そうそう、叶わなかったからこその美しい思い出ですよね(笑)
それでもすぐに忘れてしまう人は多いと思うので、それだけその一瞬の恋に本気だったんだろうなぁと好感もてました。
将軍さんはちょっと奥さんが可哀相ですが、誰かを想い続けるってロマンティックですよね~。

> これがね~初見時はヒヤヒヤして(自分がそこに居るかのようにおびえて見て)いたので、今回ゆっくりと観察して、笑えて楽しかったです☆

フランス料理って意外とグロいですよね。わたしもアレを目の前にしたら、あの村の出身じゃなくてもビビッてたと思います。
傍から見てる分には面白いんだよなぁ(笑)

> 本当にそう思います。家族も職業もなくし、自身の生命さえも危険だった・・・それまでに何の縁もなかった人が受け入れてくれた、それは普通の生活をしている日本人にはなかなか心底からは理解しにくいほどの感謝の念のように思います。

普通だったら、バベットのような才能溢れる人があの村に閉じこもってしまうなんて才能の無駄遣いなんて思ってしまいそうなところですが、広い世界に認めてもらったり華やかな世界で活躍する事だけが才能の使い道ではないという事がわかりました。
この村は、バベットが心から誰かのためにと料理できる一番の居場所なんでしょうね~。

> >カナの婚礼はどういう意味をもってるんでしょう?
> 私も分かりませんが「とにかく何か言わねば」的な?感覚かも???

カナの婚礼とプロテスタントについても色々調べてみたんですが、やっぱりわからなかったです…。だれか詳しい人がいないかなぁ。

> 姉妹が言っていたのではなく、姉妹が言われたように思いますが・・・
> あのような寒村で、貧しく食べるのもやっとの生活の毎日・・・このセリフは私たちに「反省とこれからへの考え」を、優しく与えてくれますよね・・・。

あ、姉妹のセリフじゃなかったんですね。
ハッとさせられる一言でした。

> まぁ難しく考えなくても・・・「人が人を受け入れること」この映画を見た誰もが、お金もツールもなくても(今後)出来る事があると思えるのではないでしょうか?

革命の説明がなかったのでそこら辺は物足りなかったです。
大事なことは伝わるんですけど、わたしみたいに勘違いしてしまうのもどうかと思うし…。「皇后と同じで国を追われた」と言っていたので、てっきり革命を起こされた側にバベットがいるんだと思ってしまいました。デンマークではわかって当然なのかな?

> 本当に素晴らしい作品で、再見の機会を有難うございました。
> 初見時がボロいVHSで映像が良くなかったので、イマジカの標準画質でも すっごく美しいと思えました♪

いえいえ、こちらこそお話できて嬉しかったです。
録画版での再見のきっかけになったようで、記事にしたかいがありました。
ありがとうございます♪
2014/04/08 (Tue) 08:02  宵乃〔編集〕  
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バベットの晩餐会
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