忘却エンドロール

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映画「八甲田山」再見

 | 歴史・実録ドラマ  Comment(11) 
Tag:新田次郎 日本

八甲田山再見
製作:日本’77
監督:森谷司郎
原作:新田次郎
ジャンル:★伝記/ドラマ

【あらすじ】明治34年末、日露戦争を目前にして陸軍は寒地訓練の不足を痛感していた。ロシア軍と戦うためには雪中行軍をし、兵士たちに雪と寒さの厳しさを教えなければならない。そして、生きては帰れぬ冬の八甲田山が訓練地に選ばれ…。

ホラーじゃないけど怖い作品です。
前に観たのがTVカット版で、完全版が見たくてBSシネマにリクエストを送ってたのと、最近観たアニメにこれのオマージュがあったっぽいのと、長くてなかなか再見できないと思ってたら肝試し企画が始まったので再見しました(多い!)
やはりすごい作品です。突然発狂して服を脱ぎ出す辺りから、冬山の恐ろしさに背筋が寒くなってきました。
辛いながらも着実に行軍を続ける徳島一行と、ピクニック気分からこの世の地獄絵図に変わり果てていく神田一行。バタバタと人が倒れ、発狂し、絶望に染まっていく様は何度見ても恐ろしいし、そんな状況だからこそ春や夏の美しく懐かしい風景に想いを馳せてしまう人間のたくましさに圧倒されます。これが出来ない人から発狂していったんだろうね…。
徳島一行の案内人への敬意には相変わらず惚れたし、完全版だからか、意外と後半になっても神田一行の士気はかろうじて残っているのがわかって、素直に軍人すげぇと思いました。
サバイバルサスペンス作品とか、ここまでの状況に陥ったらほんの一部以外はばらばらになってしまうのが定番だし。ちゃんと命令聞いて上官を引きずって歩くとかすごいよ!
また、遠く離れていても、弟の最期の声がはっきりと聞こえたくだりや、亡き神田と語るシーン、そして「もっと早く来ていれば…!」という無念の想いには涙ボロボロ。
本気で後悔して反省して耐え切れなくて自害する上官の姿にも複雑な思いがしました。生き残った人も凍傷で手足切断したという話だし…。
この作品を本当に八甲田山まで行って撮影したというのは凄いけど、イカレてるとつくづく思います(汗)
あと、アニメで使われていた軍歌「雪の進軍」も改めて聞くと歌詞が悲惨で、それがこの映画にぴったりだった事に気付きました。
再見できてよかったです。

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■ Comment

雪の進軍

>突然発狂して服を脱ぎ出す辺りから、冬山の恐ろしさに背筋が寒くなってきました。

同感です。演じたのは原田君事さんと言う役者です。
一度検索してみて下さい。

>軍歌「雪の進軍」も改めて聞くと歌詞が悲惨で、それがこの映画にぴったりだった事に気付きました。

「馬は斃れる捨ててもおけずここは何処ぞ皆敵の国」と言う部分が印象的です。
最後の方でも歌われますよね。兵隊達の中には加藤健一さんもいます。
「♪馬は斃れる捨ててもおけず」の直後に三國連太郎さんが演じる山田少佐が拳銃で・・・。本当にショッキングな場面でした。
2013/11/10 (Sun) 09:46  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
あのシーンは、原田君事さんの一世一代の大勝負だったんですか~。
さすがの気迫です!

> 「♪馬は斃れる捨ててもおけず」の直後に三國連太郎さんが演じる山田少佐が拳銃で・・・。本当にショッキングな場面でした。

本当になんともいえない衝撃のラストでしたね。ズーンと胸に重くのしかかるようでした。晴れ渡る雪原の美しさと、あの歌との対比が、このシーンをさらに印象深いものにしていたと思います…。
2013/11/10 (Sun) 15:46  宵乃〔編集〕  

こんにちは☆

やっと全部通してちゃんと見ました。
記事は初見も再見も読ませて頂きました。
それぞれのイラストが、宵乃さんの感想とリンクしていて、思いが伝わってきましたよ~♪

私が今までで一番長くチラ見したのが(多分8~10年くらい前だと思います)
>突然発狂して服を脱ぎ出す辺りから
>お別れの時の「案内人殿に敬礼!」はマジで痺れました。
このあたりでした。
なので、それが始まる前のまぁまともな部分を見られて良かったです。

>女の子の案内人について歩いていた時、振り返りつつ先導する彼女の微笑みが、天使か女神の加護のように感じたんじゃないかな?

しかしこの部分は、秋吉久美子が役得で(笑)。
一児の母の役柄ですし(笑)。

>自然の恐ろしさ、それを舐めている人間(についていく)の恐ろしさがありありと描かれていて、
>バタバタと人が倒れ、発狂し、絶望に染まっていく様は何度見ても恐ろしいし、
>そんな状況だからこそ春や夏の美しく懐かしい風景に想いを馳せてしまう人間のたくましさに圧倒されます。
>外と後半になっても神田一行の士気はかろうじて残っているのがわかって、素直に軍人すげぇと思いました。
>ここまでの状況に陥ったらほんの一部以外はばらばらになってしまうのが定番だし。ちゃんと命令聞いて上官を引きずって歩くとかすごいよ!

宵乃さんの書かれたとおりの映画だと思います。
役柄的には、まぁ「明治の大日本帝国軍人」ですのでね・・・。

あと、時折入る、彼ら数人の脳裏にある、この国の四季の美しさ・田畑の進み具合や人々の想い・村や町の行事や子供らしい記憶・・・「日本人とは。。。」と思わされました。

>弟の最期の声がはっきりと聞こえたくだりや、亡き神田と語るシーン、そして「もっと早く来ていれば…!」という無念の想いには涙ボロボロ。

このあたりね・・・時代を問わずに・・・涙。

>本気で後悔して反省して耐え切れなくて自害する上官の姿にも複雑な思いがしました。生き残った人も凍傷で手足切断したという話だし…。

三國さんや緒形さんの使われ方が、結構陳腐だったけど、この作品ならではの感じもちろんあって、胸に来ましたね~。

>この作品を本当に八甲田山まで行って撮影したというのは凄いけど、イカレてるとつくづく思います(汗)

監督が監督ですので・・・こだわったのでしょうね~仕方ないです・・・。

>軍歌「雪の進軍」も改めて聞くと歌詞が悲惨で、

まぁ何回も書きますが、帝国軍人の歌う歌ですし、それが軍隊というもののように思いました。

>完全版が見たくてBSシネマにリクエストを送ってた

宵乃さんのお陰でオンエアがあったのでしょう。有難うございました☆


.
2014/01/04 (Sat) 13:28  miri〔編集〕  

>miriさん

> それぞれのイラストが、宵乃さんの感想とリンクしていて、思いが伝わってきましたよ~♪

ありがとうございます♪
少年の顔が上手くいかなかったのが心残りですけど、どちらもあの地獄のような世界で人間らしさを感じるシーンで印象に残りました。

> 私が今までで一番長くチラ見したのが(多分8~10年くらい前だと思います)~

うわぁ、怖い部分ばっかり観てたんですね。一度観たらそうそう忘れられない作品ですし、再見に気力を要する作品ですから、ちらっと見ただけでおなか一杯になりそうです。

> しかしこの部分は、秋吉久美子が役得で(笑)。
> 一児の母の役柄ですし(笑)。

ホント、あの中では何十倍も輝いて見えます(笑)
”明治の大日本帝国軍人”との対比というか、彼女の存在のおかげで長い作品もメリハリができて見やすくなってました。

> あと、時折入る、彼ら数人の脳裏にある、この国の四季の美しさ・田畑の進み具合や人々の想い・村や町の行事や子供らしい記憶・・・「日本人とは。。。」と思わされました。

私たちではほぼ一生体験しないような状況の彼らに、この瞬間、一気に感情移入できるようになりますよね~。これらのシーンがないと、とても最後まで観られません!

> 三國さんや緒形さんの使われ方が、結構陳腐だったけど、この作品ならではの感じもちろんあって、胸に来ましたね~。

ある意味、安心感のある役どころでした。それもこの作品には必要だったのかもしれません。
miriさんとこの作品についてお話できて嬉しかったです。再見ご苦労様でした!
2014/01/05 (Sun) 10:34  宵乃〔編集〕  

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2016/02/13 (Sat) 19:08    

>非公開コメントの方へ

撮影時の貴重なお話ありがとうございました!
本当に”命を張った演技”でしたよね。一度見たら忘れられないシーンです。あのシーンがあるからこそ、八甲田山の、自然の恐ろしさが伝わってきたと思います。
HPも読ませていただきますね。
コメントありがとうございます♪
2016/02/14 (Sun) 11:40  宵乃〔編集〕  

八甲田山の思い出

今頃気づいて返事を書くのは変ですが、2013/11/10 宵乃(編集)のコーナ-に一世一代の大勝負だったんですかと書いてありましたHPでは、丹波企画の小林プロデュサ-に書いていただいた文章を乗っけていますが、今、考えますと売れない役者だったので(結局、最後まで売れませんでしたが)生活は楽ではなかったし長男が生まれて3ヶ月、役は青森の第五連隊でソリ隊の先頭でフードを被って行進はしているカットばかりでどこにいるのか分からない、そこでこの前に書いた監督さんからの死ぬカットはフードを取って坊主頭を生かして雪の中へ飛び込む芝居をしないかと言う話がきたので一か八かの勝負をしましたが、体感温度零下30度だと、耐えられるのが5分位しか持たない、現場についていた山岳隊の人は止めたほうがいいと言っていましたが、そこは男の子(大人でした)半分英雄気取りでやりました。只、もし死んだら女房殿に子供を残して死んだといって恨まれる、プログラムに書いてあるように撮影の前夜、℡をかけ「ひょっとして明日死ぬかもしれない、もし死んだら子供が大きくなった時に、お前の親父はおっちょこちょいで調子に乗って死んだと言ってくれ」と言いました。撮影が終わって家に帰って、女房殿に酔っぱらって、冗談で電話をしてきたのかと思っていたら、本当にやったと言って叱られました。子供は今39歳になって2人の子供の親です、人生はおもしろいですね、あの時フンドシ一つになっていなかったら、今こんな文章を書けなかったんです。
2016/02/23 (Tue) 21:05  原田君事編集〕  

>原田君事さん

いらっしゃいませ、再びのお出ましありがとうございます♪
「一世一代の大勝負だったんですか!」と書いた時は、まさかご本人からコメントを頂けると思ってませんでしたよ。コメント欄まで読んで下さって嬉しいです。

> 先頭でフードを被って行進しているカットばかりでどこにいるのか分からない

撮影とはいえ、あんな場所でどこにいるのかもわからない状態が続くと恐ろしいし、もどかしいでしょうね。
どんな形であれ、変化を求める気持ちはわかるような気もします。

> 現場についていた山岳隊の人は止めたほうがいいと言っていましたが、そこは男の子(大人でした)半分英雄気取りでやりました。

体感温度零下30度…考えただけで凍えそうです!
英雄気取りですか~、クラスに一人はいるタイプですね。男性は集団の中にいると、一人が先陣を切って周りを引っ張っていこうとするよう本能にインプットされてるのかも。

> 「ひょっとして明日死ぬかもしれない、もし死んだら子供が大きくなった時に、お前の親父はおっちょこちょいで調子に乗って死んだと言ってくれ」と言いました。

その電話を受け取った奥さんが、冗談だと思った気持ちもわかります(汗)
それは叱られますよね~。愛です。無事に帰ってこられて本当に良かった!
息子さんも今は2児の父ですか。お孫さんにも君事さんの武勇伝を聞かせていることでしょうね。

> 人生はおもしろいですね、あの時フンドシ一つになっていなかったら、今こんな文章を書けなかったんです。

君事さんがガムシャラに頑張ってきたからこそだと思いますよ。
楽しいお話を聞かせて下さり、本当にありがとうございました♪
2016/02/24 (Wed) 08:22  宵乃〔編集〕  

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2016/04/21 (Thu) 19:42    

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2016/04/22 (Fri) 09:19    

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2017/03/23 (Thu) 20:10    
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