忘却エンドロール

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映画「告発のとき」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(4) 
Tag:ポール・ハギス

告発のとき
原題:IN THE VALLEY OF ELAH
製作:アメリカ’07
監督:ポール・ハギス
ジャンル:サスペンス/ドラマ

【あらすじ】2004年11月1日、元軍警察のハンクのもとに、イラクから帰還した息子マイクが行方不明だとの連絡が入る。彼は息子の行方を捜すため、基地のあるフォート・ラッドへ向かい、独自に捜査を始めるが…。

邦題から法廷モノと勘違いして観てしまったものの、反戦のメッセージがずしりと響いてきて、ぐいぐい引き込まれました。
邦題は、イラク戦争を続けるアメリカを告発する作品という意味では合ってるけども、作中で語られる、旧約聖書のダビデとゴリアテの逸話の舞台「エラの谷」を意味する原題の方が誤解がなくていいかも。
その物語を気に入った女刑事の息子が「なぜ王様は戦うのを許したの?まだ子供なのに」というセリフが痛烈。

でも、一番印象に残ったのは、主人公の奥さんでした。事件の捜査に没頭する夫に放っておかれ、息子の荷物さえ触るなと命じられて、家でひとり過ごしていた彼女。終盤、帰ってきた夫との会話シーンもありません。
それなのに一度電話の向こうで大泣きした以降は、怖いくらい静かで、夫が帰ってきたことも気にとめてないように見えるんですよね。
…日常生活を普通に送りつつも、心は別の場所…悲しみの暗い沼の底にしずんでしまったようで、そんな様子に胸が締め付けられました。
一方、息子の死の原因を探って黙々と情報を集める夫も、彼なりに悲しみを乗り越えようとしているのが伝わってきます。一時は「どうして一緒にいてやらないのか」と思ってしまいましたが、二人にはそれぞれ悲しみと向き合う時間が必要だったのかも。

ただ、ちょっと気になった事がいくつかあって…
1)イラク戦争は、ベトナム帰還兵である主人公が衝撃を受けるほどの闇を抱えていたのか。(主人公はイラク戦争の酷さをまったく想像できなかったのか)
2)軍上層部はどの時点から事件の真相を知っていて、どこまで関与していたのか。
3)青年が自殺した理由は、良心の呵責か、女刑事に責めらたからか、それとも殺されたのか。息子の腕時計をポケットに入れたのは誰か。
4)どんな手がかりでもほしい時に、息子が生前送った荷物をどうして確認しようとしなかったのか。

まあ、2と3は実際の事件を基にしてるんだから、真実は闇の中という事なんでしょう(はっきり描かなかったのは疑ってるから?)。4は麻薬でも入っていたらと思うと怖くて確認できなかったのかな?
1は主人公が直接ベトナム戦争の惨さを目にしなかったとしても、聞いて知ってたはずですよね。知っていても、イラク戦争はそこまで酷いわけがないと思っていたという事でしょうか?
つまり、主人公はイラク戦争を支持していた懲りないアメリカ人の代表?
彼が逆さまの星条旗を掲げるラストが心に重くのしかかります。

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■ Comment

こんばんは☆

少し前にオンエアがあって、やっと見ました☆
宵乃さんのイラストが気になっていたのです。

あのシーン・・・辛いですね・・・
とても静かなあの時間を、上手に再現(表現)なさっていると思います☆

>反戦のメッセージがずしりと響いてきて、ぐいぐい引き込まれました。

ちょっと全体的に穴があったように思いますが、反戦のメッセージはたしかに重くグイグイ迫ってきました。

>女刑事の息子が「なぜ王様は戦うのを許したの?まだ子供なのに」というセリフが痛烈。

これね・・・最後らへんでもう誰もがこの映画に対して ちょっと安心していた時に、グサーッときますよね♪ これこそ「脚本の勝利」でしょうね~?

>でも、一番印象に残ったのは、主人公の奥さんでした。

このヒトの事は、別の場所でまたお話したいと思います☆

>ただ、ちょっと気になった事がいくつかあって…

私が一番腑に落ちないのは、帰国後何故両親に連絡しなかったのか?という点です。まぁ精神的におかしかったのでしょうけど・・・

>まあ、2と3は実際の事件を基にしてるんだから、真実は闇の中という事なんでしょう(はっきり描かなかったのは疑ってるから?)。

これは同じように感じています。
ちょっと「脚本的に」やり方が汚いように思ったりして。。。

>4は麻薬でも入っていたらと思うと怖くて確認できなかったのかな?

これはそうだと思います。

>1は主人公が直接ベトナム戦争の惨さを目にしなかったとしても、聞いて知ってたはずですよね。・・・以下・・・

これは、よく分かりませんが、やはり時代が進んでいる分、戦争そのものは酷くなっていて、相手もそれなりになっていて、どちらの人間自体もそうなっているということではないかな~?と思います。
「プライベート・ライアン」を見た直後なので、戦争にも時代の反映があるように思えてならないです・・・。

>つまり、主人公はイラク戦争を支持していた懲りないアメリカ人の代表?

監督さんが「クラッシュ」の方なので、きっと深い意味があるのでしょうね~。
私にはよく分かりませんが、能面のようなお顔が、宵乃さんの書かれた通りなのかも?と思わせます。。。

>彼が逆さまの星条旗を掲げるラストが心に重くのしかかります。

いろんな意味で後味の良くない作品ですが、その象徴なのかもしれませんね?
国旗を上げる係の人が外国出身のようで「どうでも良いわ」的な感じが寂しかったです。


.
2013/09/16 (Mon) 19:20  miri〔編集〕  

>miriさん

> あのシーン・・・辛いですね・・・
> とても静かなあの時間を、上手に再現(表現)なさっていると思います☆

イラストからこの作品に興味を持ってくださったという事で嬉しいです。
本当に辛いシーンでした。自分で描いたのに、見たらグサッとくる感じで、別のシーンにしておけばよかったと思ってたところです。

> これね・・・最後らへんでもう誰もがこの映画に対して ちょっと安心していた時に、グサーッときますよね♪ これこそ「脚本の勝利」でしょうね~?

そうそう…油断してたから思いの他くらいました。
子供の素朴な視点が真理を突くものですよね。

> 私が一番腑に落ちないのは、帰国後何故両親に連絡しなかったのか?という点です。まぁ精神的におかしかったのでしょうけど・・・

う~ん、やはり限界が来ていた時の電話でのやりとりのせいじゃないでしょうか。父親ですら何もわかっておらず、今の自分を見て失望するか、同情するか、それとも気づかず理想の息子扱いするのか…どれも耐えられないと思って逃げてしまったような気がします。

> >真実は闇の中という事なんでしょう
> これは同じように感じています。
> ちょっと「脚本的に」やり方が汚いように思ったりして。。。

ここは、かなりもやもやするところでしたよね。
もう少しはっきり問題提起してもよかったと思います。

> これは、よく分かりませんが~

あ、すみません。1の書き方が悪かったですね。(記事に書き加えておきます)
主人公はベトナム戦争を経験しているのに、なぜイラク戦争に息子を行かせたのか…。つまり、イラク戦争の酷さをまったく想像できなかったのか、聞いて初めて衝撃を受けるほど鈍いのか?ということです。

> 「プライベート・ライアン」を見た直後なので、戦争にも時代の反映があるように思えてならないです・・・。

そうですね…それらを伝えるためにも戦争映画はそれぞれの戦争ごとに作られるべきだと思います。できれば増えてほしくはないですが。

> いろんな意味で後味の良くない作品ですが、その象徴なのかもしれませんね?
> 国旗を上げる係の人が外国出身のようで「どうでも良いわ」的な感じが寂しかったです。

わたしも思いました。温度差がはっきり伝わってくるシーンです。
彼のような無関心な外国人にも知ってもらいたいということなのかな?
コメントありがとうございました。
2013/09/17 (Tue) 09:52  宵乃〔編集〕  

こんにちは☆

>う~ん、やはり限界が来ていた時の電話でのやりとりのせいじゃないでしょうか。・・・どれも耐えられないと思って逃げてしまったような気がします。

あ、そうですね~そういうご説明でしたらわかりやすいです。
あの電話のやり取りは、私的には、夢で見たのか、現実なのか、よく分からなかったです(恥)。

> 主人公はベトナム戦争を経験しているのに、なぜイラク戦争に息子を行かせたのか…。つまり、イラク戦争の酷さをまったく想像できなかったのか、聞いて初めて衝撃を受けるほど鈍いのか?ということです。

そういうことでしたか・・・
その件は、お母さんの事にも関わってくるので、19日にあちらでお話していただければ幸いです☆

>わたしも思いました。温度差がはっきり伝わってくるシーンです。
>彼のような無関心な外国人にも知ってもらいたいということなのかな?

彼も自分の祖国なら必死になるのにね・・・地球は1つって、幻でしょうか?寂しいです・・・。

************************

「ヒアアフター」主演が好きなので見たいんです~♪
いいなぁ~私も早く見たい☆

「キャデラック・レコード~」6月のオンエアで見ました。
おっしゃる通りの作品でしたね~。

しかし、お金を持つと、人間、どうして「遊ぶ」んでしょうね~???
といってそう嫌な作品でも なかったです。
やはり事実をもとにしていて、音楽が良いからだと思います♪


.
2013/09/17 (Tue) 15:43  miri〔編集〕  

>miriさん

いらっしゃいませ!
あの電話でのやり取りって、そんなに抽象的に描かれてましたっけ?
夢の可能性は考えなかったです。

> その件は、お母さんの事にも関わってくるので、19日にあちらでお話していただければ幸いです☆

明日を楽しみにお待ちしてますね。
あと「白雪姫」は記事にする事にしたので、申し訳ないけど次の次の更新くらいまでコメントお待ち下さいね~。

> 彼も自分の祖国なら必死になるのにね・・・地球は1つって、幻でしょうか?寂しいです・・・。

ですよね…。
ただ、本当に国境がなくなって戦争がなくなった世界ってどんなだろう?と想像したら、ちょっと怖かったです。それって今と同じ人間なのかなとか思っちゃって…。

> ************************
>
> 「ヒアアフター」主演が好きなので見たいんです~♪
> いいなぁ~私も早く見たい☆

地味だけど、なかなかの良作でした。フィーリングが合えば、かなり感動するかも。
冒頭が怖いけど、機会があったらがんばって挑戦してみてください♪

> 「キャデラック・レコード~」
> しかし、お金を持つと、人間、どうして「遊ぶ」んでしょうね~???
> といってそう嫌な作品でも なかったです。
> やはり事実をもとにしていて、音楽が良いからだと思います♪

そうそう、嫌というほどでもないけど、特別印象に残る作品でもないという感じで。
お金があると遊んでしまうのは、それだけお金目当てで誘惑してくる人が多いという事かもしれません。
世知辛い世の中ですね…。
主演の方は結構好きだし、たくさん音楽を聴けたのはよかったです。
2013/09/18 (Wed) 12:11  宵乃〔編集〕  
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