2015年08月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ラブド・ワンズ」観た

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Tag:オーストラリア

ラブド・ワンズ
原題:THE LOVED ONES
製作:オーストラリア’09
監督:ショーン・バーン
ジャンル:★ホラー

【あらすじ】オーストラリアの小さな町に暮らす高校生のブレントは、交通事故で父親を亡くしたショックをまだ引きずっていた。そんな時、冴えない同級生ローラからプロムに誘われる。恋人がいるからと当然のように断ったブレントだったが…。

<ネタバレあり>
こんなほのぼのイラストだけど、きもだめし企画の5本目のホラー作品です。
何気にかなり狂ったシーンなんですよ!
グロというより痛々しく、血はたくさん出てるものの犯人のズレた思考回路の方が怖い作品。
この作品の面白いところは、イケメンなブレント君と冴えない友人(名前は忘れた…)それぞれの、まったく違うプロムナイトが並行して描かれるところですね。
キチガイ親子に誘拐されて血みどろになっていくブレント君と、またとないチャンスで童貞卒業できそうな友人Aの対比がもう!!可哀想すぎて泣ける!(笑)
しかもこの友人、”○○してると殺される”というホラーのお約束にけっこう抵触してるので、この二人がどうなるのか結構ハラハラ。
ホッとしたところを、またブレント君パートで恐怖のどん底に落とされる緩急の付け方も上手いです。

また、「ミザリー」系監禁ホラーかと思いきや…な展開には思いっきり心を鷲掴みにされてしまいました。
ホラーのなかでも監禁系や拷問系はあんまり好きじゃなかったのに、この犯人の狂い方がちょっといじらしいというか…それでいて思いっきり被害者のブレント君に同情できて最後まで目が離せないんですよね。
ここからは完全にネタバレなので、未見の方は知らずに観た方がいいと思います。

この愛が重い系ヒロイン(犯人)のローラちゃん、最初はプロムに誘ったブレント君を無理やり誘拐してラブラブするのが目的かと思われたんですが、実はブレント君なんて端から眼中にありませんでした。
それじゃあ何が目的かと言うと、溺愛する娘のために自宅でささやかなプロムパーティーを開こうと、何から何まで準備してくれたパパの気を引くためなんですね〜。
むしろパパもローラのムチムチバディに目が釘付け状態で(嫌われるのがまだ一線は越えてないっぽい)、今の関係からステップアップするためのきっかけというか、前戯みたいなものなんですよ。

このパパがローラに負けないくらい、いやそれ以上にイカれていて、実はローラのママもブレント君と同じ被害者。ローラは大好きなパパの気を引くためにパパと同じことをやっているわけです。
ただ、彼女がそうなってしまったのも、考えてみればロボトミー手術をされた母親がまともに子育てできるわけもなく、キチガイな父親の愛情のみを受けて育ったためで、ある意味可哀想な子なんですよね。
でも、一番可哀想なのは、間違いなくそんなことのために利用されたブレント君や被害者、そしてその遺族たち。終盤の反撃は思わず応援してしまいました。
…まあ、遺族の女の子がホント最後まで救われないので、見終わってスッキリとはいきませんでしたが、オーストラリア産ホラーも侮れないです!

映画「ブラインド」観ました

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Tag:韓国

ブラインド(2011)
原題:BLIND
製作:韓国’2011
監督:アン・サンフン
ジャンル:★スリラー/ドラマ

【あらすじ】警察学校に通うスアは、自分のミスで弟分を亡くした上に視力を失う。3年後、視覚障害者として盲導犬スルギと暮らしていた彼女は、一人で外出した時に、乗っていたタクシーが人を轢いたと気付く。だが、警察に通報しても目が見えないスアの”目撃証言”を聞こうともしなくて…。

肝試し企画3作目はこちら。
<ネタバレあり>よくできたスリラーだけど、犬好きは観ない方がいいかも!
これは面白かったです。「暗くなるまで待って」へのオマージュもありつつ、現代らしい小道具の使い方が上手くて。
「暗くなるまで待って」では、か弱いヒロインが機転を利かせ、限られた空間の中で犯人と対峙するわけですが、こちらのヒロインは護身術程度は使える元警察学校生。しかも、健気な盲導犬と文明の利器がついてるので、行動範囲も広いです。
制限が少ない分、緊張感が薄れそうですが、いつどこから犯人が襲ってくるかわからない恐怖と、増える犠牲者。ヒロインと犯人が一対一になるシーンも多く、ギリギリのところを知恵と勇気で乗り切るという展開には手に汗握ります。
とくに上手いと思ったのは、夜の地下鉄で犯人と二人きりになってしまったスアを、もう一人の目撃者ギソプがスマホで誘導するくだり。その前に、ギソプの「盲人にフルHDのスマホを売りつけるなんて」というようなセリフもあり、伏線を丁寧に張って回収していくところも気持ちいい。

あと、スアがどんな感じで空間認識しているのか、映画ならではの映像表現がよかったです。
知っている場所だったら過去の記憶と重ね合わせて、知らない場所なら視覚以外の感覚をフルに発揮して、ぼやぁっとした霧のようなイメージがだんだんと形になっていくというような演出。
後天的に視覚障害者になったヒロインだけども、天性のものか努力のたまものか、見えなくても見える人よりさまざまなことに気付くという設定があり、この演出のおかげもあって走って逃げるようなシーンでも説得力が増してました。

また、彼女を支える盲導犬スルギ(知恵の意)も素晴らしかったです。
いつでもちょこんと側にいて、彼女の生活をサポートするだけでなく、心も支えているんですよね。傷ついたスアにとっては大切な家族であり、日常生活を送るには欠かせないパートナーでもあります。
そして、この作品にとってもスアの内面を表すのに欠かせない存在でした。
一人で外出するエピソードなんかは自分の能力を過信しているのが伝わってくるし、スルギの一番の見せ場では彼女自身がそのことに気付き、自分の無力さを思い知らされます。

この作品はスリラーとして良く出来ているけれど、彼女がトラウマを克服し成長していくのを描いたドラマとしてもしっかり掘り下げられており、見応えあります。
「目が見えないことは障害じゃない。本当の障害は心の中にある」という孤児院の院長のセリフも効いていているし、弟を重ねてギソプを守ろうと必死になる姿に涙腺が…。
彼との交流もあって、諦めずに夢を追うと決める流れも爽やかでした。
ただ、いい味出してたチョ刑事があんなことになるとは…。サイコパスな犯人の強さと凶悪さを際立たせる役割だったのかな。演技が良かっただけに残念です。

一言映画感想(8/17~8/26)

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肝試し企画でホラーいっぱい観てます。意外とニコ生公式のホラーが面白くて観すぎた。今月末までにぜんぶ記事にできるかな?

8/26「道化死てるぜ!」
タイトルの通り、作品自体が道化を演じているようなB級ホラーコメディ。最初からB級目指してるので、包丁の置き方や先生の髪型にも「可笑しいだろっ!(笑)」と笑ってツッコミ入れられる人向けです。頻繁に笑いどころを用意してるし、ゴアシーンは作り物感を出しつつ気持ち悪く仕上げてます。エンドロールのNG集もとても楽しそうで後味爽やか………猫を殺さなければな!!!
8/25「パリ、テキサス」
テキサスの風景と親子の交流は心惹かれるものがあるんだけど、主人公の男が結局最後まで自分の思った通りにしか行動してなくて、周りの人が傷ついてもお構いなし(後悔はする)なのがちょっと…。こんなお兄ちゃん、放っておけばよかったねと思ってしまった。これは義妹が裁判起こしてもいいと思うよ!
8/25「ひゃくはち」
Gyaoで鑑賞。甲子園や球児に思い入れがある人なら、台詞や演技が微妙でも楽しめるかも。棚ぼたでも背番号がもらえて嬉しいという等身大のお話。個人的には、主役ふたりが仲良すぎで気持ち悪かった。タイトルは、煩悩とボールの縫い目の数をかけてます。
8/24「トールマン」
途中までは引き込まれたんだけど、最後はちょっと犯罪を正当化する雰囲気で、かつての大英帝国みたいな傲慢さを感じました。まあ、良いか悪いか結論は出してないんだけども。とりあえず主人公の女医が、まるでランボーのごとく子供を捜して”トールマン”と追いかけっこするくだりは面白かったし、二転三転して「え、どういうこと!?」と頭がパニックになる感じも楽しかった。ラストの女の子のモノローグが切ないね。
8/22「ムカデ人間」
続編の後に観たら、なんとお上品なことか…。むしろロマンティックにすら感じてしまった。感覚がおかしくなってるよ!医者としての技術は一流なんだろうけど、変態趣味のせいで変にバカな博士がいい味出してた。手術の説明のシュールさ(笑)あと、日本人俳優が出てるので、日本語(関西弁?)に癒される。でも、あのタイミングで諦めるなよ~。
8/21「八月の狂詩曲(ラプソディー)」
小学生の頃すぐ近くに住んでいた子が出演していて、黒澤監督作品でリチャード・ギアと共演とかすげぇなと驚いたり。そういえば「夢」にも出演してた。知り合いではないけど、テレビに映るたびに母が騒いでたので印象に残ってる。映画の内容はストレートで観る人を選びそう。そして、子供らのデニム率が高い。ラストが力強かった。
8/20「大巨獣ガッパ」
主人公たちがアホなうえにクズすぎて、のうのうと生き残ってるのがイラつく。お前らのせいで何人死んだと思ってるんだよ。何が「犠牲はあったが得るものもあった」だ、盗人猛々しい…。
8/19「日本のいちばん長い日(1967)」
ダメだ、軍人の早口でまくし立てる喋り方が聞き取れず、タイトルが出た時(20分くらい)にはすでにうんざり。その後はさっぱり集中できないから5倍速くらいで観たけど、目ん玉ひん剥いて喋る軍人役の人がすごかったなぁ。演じてるうちに頭おかしくならないだろうか。
8/18「肉弾」
江分利満氏の優雅な生活」みたいなどこかマンガっぽいコミカルな演出で、セリフに独特のリズムがあって比較的観やすかった。でも、終盤飽きたから20分くらい短かったらよかったな。しかし、主人公が21歳で子年、女の子が卯年生まれだから8歳差で13歳ってことだよね。時代なんだろうけど、早すぎると出産時のリスクが高くなるから、どうも受け付けない。
8/17「ムカデ人間2」
一生観ないつもりだったけど、ニコ生でやってたからコメントつきならみれるかなぁと挑戦。…後悔しました。グロが久しぶりなのもあるけど、とにかく頭おかしくて悪趣味で気分悪い。主役の人がはまり役で、ところどころ可愛く見えてくるのも(自分が)怖い。主役は喋らず最後まで引っ張ったのはすごいかも。

映画「2000人の狂人」観た

 | ホラー/パニック  Comment(4) 

2000人の狂人
原題:TWO THOUSAND MANIACS!(2000 MANIACS)
製作:アメリカ’64
監督:ハーシェル・ゴードン・ルイス
ジャンル:★ホラー

【あらすじ】南部の小さな町プレザント・ヴァレー。車に乗って流れ着いた6人の旅行者が、百年祭の主賓として歓迎される。祭は2日間かけて盛大に行われ、滞在費や食事の費用もぜんぶ町が持つという。先を急いでいた教師のトムは断ろうとするが、住人たちに強引に引き止められ…。

<ややネタバレあり>
肝試し第3弾はスプラッタ映画のさきがけと言われるこの作品。
いやぁ、なんか憎めない作品でした!
ホラー映画にありがちな設定なんだけど、底抜けの明るさと、狂人たちがふと見せる”虚しさ”のコントラストが素晴らしい。
2000人は盛りすぎだけど、画面に映る30人くらいの住人たちのなかにも、復讐に満足してるひともいれば、冷めてしまう人もいるんですよ。計画してる時は楽しかったのに、やってみたらなんかスカッとしないぞ?みたいな(笑)
たぶん、この”記念すべき日”に、お祭り騒ぎをすること自体が復讐なんですよね。『あの程度のことで、俺たちはへこたれねーぜ!』という気概を感じました。

スプラッタのさきがけというだけあって、そういう描写は現代のものと比べるとまだ大人しい方で、あっても血糊感丸出しだからグロさはあまり感じなかったです(個人差あり)。いちばん痛々しかったのは、最初のナイフと樽のくだりかな。
むしろ、お祭り騒ぎで楽しそうに処刑の準備する住人たちが不気味であり、愉快でもあります。
色仕掛けとか、「主役が来なきゃバーベキューが始められませんよ(ニヤニヤ)」とか、電話交換手による罠とか、みんな笑顔で協力し合ってます。真っ黒こげのバーベキューを放置して歌い踊りまくってるし!
それに、実行委員のふたりがいい味出してるんですよ。祭を盛り上げようと大張りきりで、子供がいたずらを考えるみたいにワクワクしながら処刑ショーを考えたんだろうなぁと容易に想像がつきます。

普通は登場人物がバカだとスリルがなくなってしまいますが、主人公は結構機転がきくし、狂人たちは底意地が悪く、賢いかと思えば天然かよというマヌケさもあって、それが絶妙なバランスに。
大人たちの行動をまったく疑問に思わず残酷なこと(にゃんこが…)をしている子供も、キャンディーや車の誘惑には弱かったりと、素朴な一面があってほのぼのしてしまいます。
とくに底なし沼の件は大笑いで、オチがこれかよ!っていう驚きに、なんかもうすべて許せてしまいそう(笑)
『ヒィーーーーーーヤハァ!』という掛け声が印象的なBGMも好き♪
6人にこだわる理由がよくわからなかったものの、とても満足できるB級ホラー映画でした。
グロ描写が強化されてるリメイク「2001人の狂宴」もいつか観てみようかな?

映画「世界の果ての通学路」観ました

 | ドキュメンタリー  Comment(1) 
Tag:フランス

世界の果ての通学路
原題:SUR LE CHEMIN DE L'ECOLE
   :ON THE WAY TO SCHOOL
製作:フランス’2012
監督:パスカル・プリッソン
ジャンル:★ドキュメンタリー

【あらすじ】危険な道のりを毎日何時間もかけて学校に通う子どもたちの通学風景に密着した教育ドキュメンタリー。世界の過酷な通学路4つを紹介し、それでも学校に通い続ける子どもたちと家族の想い、そして教育の意義を見つめていく。

想像してたよりはるかに危険でビックリしました。
毎日がアドベンチャーでロードムービー。映画を何本も作れるレベルです。
週に何日通ってるのか知らないけど、10歳前後の兄妹がサバンナを15km小走りで通うとか…。2時間かけて水とカバンと木の棒をもって通う様子は、本気で冒険の旅に出てるようにしか見えません。
途中、象の群やキリンの群がいたら遠回りしていかなければいけないし、とくに象は何人も通学中の子供が襲われてるらしく、うっかり出くわせば命に関わります。
撮影中も一度出くわして、必死に逃げて岩陰に身を潜めるという状況に。
象が去った後、泣きじゃくる妹にサボテンの実をみつけ、それを食べたらにっこり笑って、ふたりで「天の神さま、地の神さま~♪」と歌うシーンが印象的でした。
学校に行くだけでこの大冒険、日本で暮らしている私たちには想像もつかない世界です。

また、馬に二人乗りして登校する兄妹や、険しい山道を毎週(寄宿学校に)通う女の子、歩けないお兄ちゃんのボロ車椅子を押して通学する3兄弟など、”通学”というより”試練”みたいな道のりをゆく彼らに驚かされました。
それでも頑張って通うのは、勉強することで自分の夢を実現できると信じているからなんですよね。家族とともに貧しい暮らしから抜け出すためでもあるし、学校で学ぶことが希望の鍵なんです。
家族にとっては子供たちが希望で、教育ママのように押し付けるのではなく、夢や希望を信じる心を育てつつ子供たちを支えているのが伝わってきました。

印象に残ったのは、寄宿学校に通う女の子が鶏を1羽手提げ袋に入れていて、たまごを食べるのか、それとも授業料?と思ってたら、大量のお菓子と交換したところ(笑)
一週間かけて、友達と交換したりしながら食べるのかなぁ。どこの国でも女の子はスウィーツが大好きですね!

あと、車椅子のお兄ちゃんを押して、道なき道を行く弟二人が健気でねぇ。「急げ、遅刻するぞ」とか「道が悪いから倒すなよ」とか声を掛けてるだけのお兄ちゃんを大変慕っています。
タイヤを直してもらっている時(修理代は?)も、兄は末っ子はおしゃべりし、しっかり者の次男だけがお店の人の相手をしてる。(その後、末っ子と一緒にタイヤを直せるようになっているところはさすが!)
そんなお兄ちゃんだけども、勉強して将来は立派な医者になると決めていて、痛いのを我慢してストレッチや歩行練習をしています。
障害を前世の悪行の結果だと考える人が多いインドですが、そんな彼の頑張る姿を見ているから、みんな応援してくれるんですよね。

やらせっぽいところもあったものの、学ぶことの大切さや、自分がどれだけ恵まれているか気付かせてくれる作品でした。

映画「ダーク・ウォーター」観た

 | ホラー/パニック  Comment(4) 

ダーク・ウォーター
原題:DARK WATER
製作:アメリカ’04
監督:ウォルター・サレス
原作:鈴木光司
ジャンル:ホラー/サスペンス

【あらすじ】離婚調停中のダリアは、5歳の娘セシリアの親権をめぐって元夫と争っていた。娘と一緒に暮らすため、NYのルーズベルト島にある薄汚く不気味だが安いアパートを見つける。母娘ふたりの新生活が始まるが、寝室の天井にある黒い染みが日に日に大きくなり、黒い水までしたたり落ちてくるようになり…。

きも試し参加第二弾ということで「仄暗い水の底から」のリメイクを再見してみました。
とりあえず、邦画と比べると怖さはかなり薄れてましたね~。といっても、「仄暗~」はかなり前に観たのであまり覚えてませんが、ジャパニーズ・ホラーの十八番であるジメジメ感や不気味さでやっぱり見劣りしてると思います。

ただ、元からこのハリウッド版はホラーより母子愛を中心にしているようで、母親に棄てられたトラウマを抱えながら、必死に娘のよき母になろうと頑張るダリアの様子が健気です。
あんなアパートさっさと引っ越せよとも思いますが、なまじ意思が強いから、親権を得るために耐えねば…と我慢してしまうんですよ。父親が(彼女からみて)信頼ゼロの浮気野郎なのでなおさら。
何より、娘のセシリアちゃんが可愛い。とっても素直な(思ったことはハッキリ言う)お母さん想いの子供らしい子供で、守ってあげたくなります。
転校初日の朝に、髪を結いつつ挨拶の練習をする母子の姿に胸キュン!
そんな彼らの幸せがずっと続いて欲しいと思うからこそ、アパートで起こる不気味な出来事や、いかにも怪しい管理人などの不安要素にハラハラしてしまいました。

クライマックスは、娘を想う母の選択に感動する場面なのかもしれないけど、個人的にはもっとやれることを全部試してからにしてほしかったですね。せっかく強化ガラスにヒビが入ったのに、そこで諦めるの!?みたいな。
オリジナル版に比べて強い母だった気がするので、ここは違和感ありました。たぶんオリジナルの方が納得できる展開だったと思う…。
ただ、その後のエレベーターのシーンはハリウッド映画らしくて良かったです。
口が上手くて、契約のためなら通行人まで利用する大家とか、面倒ごとを避けることしか頭にない管理人など、霊より利己的な人間が怖い作品でした…。

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一言映画感想(7/20~8/11)

 | まとめ感想  Comment(8) 

ホラー映画もぼちぼち観てるけど、記事にしたいと思うほどのものに当たらないなぁ。まだ暑くてやる気が出ない!

8/11「キャスパー」
全体的にコミカルで可愛いんだけども(とくにクリスティナ・リッチがキュート)、物語を進めるためだけに簡単に人を死なせて生き返らせるのは…。命の扱い、軽すぎ!悪役の二人組みや、意地悪なクラスメイトも影が薄いし。ホロリとするところもあったんだけどね。
8/10「ゾンビ・ウォー101」
GyaOで9月6日まで。素人がつくったみたいなチープなゾンビ映画だけど、おふざけかと思いきや真面目だったり、ヒャーハーだったり後半は意外と楽しめないこともない。とくに改造車と弟の扱いが(笑)感染源に接触(摂取or噛まれる)した2秒後ぐらいにはゾンビになってしまうスピード感も割といい。
8/6「パロウッド ハリー・ポッター」
Gyaoで10月5日まで。出だしのところ、初めてまともに笑えた!(慣れ?)まあ、その後はハリポタ最終章を観てないからよくわからなかったし、相変わらずグダグダだったけどね…。
8/5「マリリン・モンロー 瞳の中の秘密」
GyaOで9月4日まで。日記の「自分を信じてる」という言葉が自分に言い聞かせてるみたいで痛々しい。私も劣等感の塊みたいな人間なので、そういう部分は共感。赤い口紅のマリリンのイメージは苦手だけど、このドキュメンタリーで彼女自身のことは以前よりもっと好きに。マリリンを真正面から丁寧に描いた作品。でも、故人の言葉を朗読する俳優たちを映像的に強調しすぎてて、ちょっとうざかった。
7/31「リトル・フォレスト 秋」
GyaOで夏・秋編をやってたので、未見の秋編を観て過去記事に追記しました。
7/30「パイレーツ・ロック」
なんかノリが合わなかったなぁ。ラジオにそこまで思い出ないので、彼らの情熱とか何をやってるのかとかイマイチ伝わってこない。酷い女に騙されたDJの「苦しい時に音楽に救われた。だから音楽のために死ねる」にはグッと来た。
7/22「遠すぎた橋」
良く出来た映画っぽいけど、やはり軍服だと顔が見分けられない!観終わってからキャストを確認したら「みんなどこに出てたの!?」状態だったし…。戦闘シーンは相変わらず何も感じなくって、戦争ってホント虚しいなぁとしか思わなかった。一人で仲間を拾ってきて、医者を脅して診させるくだりや、一般人の命や生活が脅かされる描写が印象的。
7/20「スーパーヒーロー ムービー!! -最'笑'超人列伝-」
「スパイダーマン」のパロディでトンボに噛まれて超人になるお話。すごくくだらないし不謹慎なネタも満載だけど、ちょっと笑えた。「スパークス」の直後だったからな…。
7/20「スパークス」
ヒーロー映画特集でやってたんだけど、子供向け枠だと思われるのになぜこんな作品を…。ヒーローものとは言い難い内容だし、久しぶりにぐったりするほどつまらなかった。
7/20 トイ・ストーリー トゥーン「レックスはお風呂の王様」
とくに面白くはないんだけど、お風呂でフィーバーしてる様子は派手で、楽しんでCGを作ってるのが伝わってきました。

映画「コンテイジョン」観ました

コンテイジョン
原題:CONTAGION
製作:アメリカ’2011
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
ジャンル:★サスペンス/パニック

【あらすじ】香港から帰国した女性が2日後に急死した。同じような事例が世界各地で相次ぎ、WHOや疾病予防管理センター(CDC)は、ワクチン開発や感染ルートの解明に奔走する。そんな中、フリー・ジャーナリスト、アランはブログで情報を発信し…。

パニックものですが、怖そうだから肝試し企画用に録っておいた作品を鑑賞。
実際、いつこんな規模のパンデミックが起こるかわからないので、かなり背筋がゾクっとする内容でした。
パンデミックだけではなく、人々の間で恐怖が広まり、暴動や流言、強盗、殺人などのパニックに発展していく様子も静かに描かれています。宣伝文句の「【恐怖】は、ウイルスより早く感染する。」がピッタリ!

でも、そんな人間のエゴを浮き彫りにするタイプの作品の中でも、この作品は人間の醜さより”愛”寄りのエゴを描いているので、あんまり絶望的な気分にならないんですよね。
わかりやすいのが”多くの人を守るためにやむをえない対処”を行っているエリスが、自分の愛する人だけは特別扱いしてしまうエピソード。同じ立場なら誰でもやってしまうだろう行動ですが、彼はその後に一つの償いをします。
黙っていてくれた掃除夫に対する義理と、自分と同じ大切な人を想う気持ち、そして部下が死んだのに、自分はリスクを冒すことなく命令だけしていたという罪悪感もあったでしょう。
掃除夫と握手するシーンではホロリとしました。

また、序盤で悲劇に見舞われた父親ミッチの、がむしゃらに娘を守る姿も印象に残ります。
感染の可能性があれば娘の彼氏だって家に入れないし、こっそり会おうとすれば問答無用で追い払う。
でも、この状況が彼を頑固オヤジにしてしまっただけで、本当は誰よりも娘の幸せを願っているんですよね。彼氏にウイルスの危険がなくなったとわかれば、すぐさま娘のために粋なプレゼントを用意してしまう素敵なお父さんでした。

彼については、他にも「それで妻とはいつ話せますか?」と聞き返すシーンは彼の動揺がひしひしと伝わってきたし、自分を責める娘に「それは違う。お前に何もなくて本当によかった」と必死に伝えるシーン、娘が笑顔を取り戻しホッとしたところで、やっと悲しみが押し寄せてくるシーンなど、心に残る場面がたくさんあります。
群像劇ということで一人ひとりに割ける時間は少なめなんですが、行間を読ませるのが上手いというか、スムーズに登場人物たちの気持ちを追うことができました。

あと、細かいところでリアルなんですよね。
(医療費が高く)家で治そうという人が多くて感染拡大に繋がるところや、クリスマス商戦が近いからといって市民への注意喚起が遅れてしまうのがいかにもアメリカらしい…。
ひとりものすごく悪い奴がいて、まったく悪びれもしなくて救いようがない奴なんだけど、今の時代、本当にこういう奴は現れそうです。
まあ、調査中に亡くなった女性は、感染の恐れがあったはずなのに何故防護服どころかマスクすらしないの?って感じでしたが…。

ウイルスの専門的なことはよくわからなかったものの、まるで本当にこんな出来事がどこかで起こっているかのようでした。
突然始まって、いつの間にか収束していく…。その上、始まりはホント些細なことなんです。
現実もきっとこんなもんで、だからこそ人間は右往左往するしかないんだろうなぁ…としみじみ感じました。
タイトルには「(病気の)伝染」という意味の他に、「(好ましくない思想・感情などの)蔓延、伝染」という意味もあるそうです。
この映画の教訓は「手洗いはこまめに!」「ネットの情報を鵜呑みにするな!」ですね~。

にしても、マット・デイモン、グウィネス・パルトロー、ジュード・ロウ&ケイト・ウィンストレット(彼女だけうっかり忘れてました 汗)っていったら「リプリー」の4人じゃないですか!?
いつものことですが、観てる間はジュード・ロウしか気付かなかったです。とくにマット・デイモンはちょっと観ないうちにすっかり太めの中年男に…。役作り?
パルトローさんは、別の似た雰囲気の女優さんと未だに区別が付かないです(汗)
でも、私でも知ってる顔が多く、群像劇にもかかわらず見分けやすくて良かった♪

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「わが街 セントルイス」観ました

映画「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」観ました

 | ドラマ  Comment(6) 

ヘルプ ~心がつなぐストーリー~
原題:THE HELP
製作:アメリカ’2011
監督:テイト・テイラー
原作:キャスリン・ストケット
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】1960年代のアメリカ南部、ミシシッピ州ジャクソン。作家志望のスキーターは大学卒業後、なんとか地元新聞社でコラム代筆の仕事にありつく。その後、ヒリーをはじめとする高校時代の親友たちに招かれるが、彼らが黒人メイド(ヘルプ)を当然のように差別しているのを見て…。

この時代の人種差別を扱った作品は、惨たらしくて後に引く作品が多いけど、こちらはコミカルに軽くかわしながらジャブを繰り出していく感じでしょうか。
まあ、後半にスキーターとメイドたちがやったことは「そんな上手くいくわけねーだろ(完璧に上手くいったわけじゃないけど)」としか思えませんでしたが、重苦しくてインパクトがあればいいというわけでもないですし、入りやすく考えさせるこの作品は映画としてよくできていると思えました。

とくに、黒人が病原菌をもってると考える白人たちが、平気で黒人の作った料理を食べ、子供を任せるバカらしさは、差別の根底にあるのが”感情”だけなのだと伝わってきます。
同時に、ヒリーの元彼と結婚した、お色気たっぷりだけど善良な(おそらく出身が南部外の)シーリアに対しても仲間外れにしている様子が描かれるのも上手い。
誰かを自分より下の存在として押さえつけておけるなら、理由なんてなんでもいいんですよね。

ただ、ヒリーは最後まで変わったりしないものの、終盤に(真の主役である)エイビリーンに『嘘と脅しばかり…なんて罪深い人。疲れませんか、ヒリー様。疲れません?』と面と向かって言われたシーンで、自分の弱さゆえの歪みを自覚はしてるんですよね。涙を流すほど痛いところを突かれて、それでも生き方を変えられない(そもそも、この地域では女性の生き方さえ決めつけられていて、彼女自身、抑圧されているひとり)。
何気に彼女の存在が一番考えさせる役どころで、女優さんの演技もあって光ってました(「ヒア アフター」では料理教室で出会う女性メラニーを演じていたブライス・ダラス・ハワードさん)。

これは私の想像でしかないけど、黒人の中にはミニーの暴力亭主みたいなのもいるわけで、もしかしたらヒリーは、小さい頃に母親が気付かないところで怖い目にあったのかもしれません。それが睨まれた程度の些細な出来事でも、何かあればまっ先に黒人が疑われて凶悪犯に仕立てあげられる時代ですから、さまざまな理由で黒人に対する恐怖心を膨らませていた(しかも自覚してない)人は多いのかも…と思いました。

全体的に創作部分であるスターキーのエピソードはどうも嘘くさく感じてしまったけど、実話部分であるメイドさんたちの細かなエピソードは面白かったり感動したりと見応えあります。
とくに、エイビリーンと幼いお嬢さんとのやりとり(お嬢さんはやさしい子、~賢い子、~大切な子)や、ミニーとシーリアの友情は心に残りました。
チョコパイはやりすぎだけどね(笑)

ちなみにタイトルのヘルプの意味は、黒人メイドが”ヘルプ”と呼ばれていたことと、彼女たちが心の中で「ヘルプ!」と助けを求めているのをかけてるんでしょうね。