2013年01月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「刑務所の中」観ました

 | コメディ  Comment(0) 
Tag:日本

刑務所の中
製作:日本’02
監督:崔洋一
原作:花輪和一
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】銃砲刀剣類等不法所持、火薬類取締法違反で懲役3年の刑を受けた花輪和一。受刑者番号222番を与えられ、日高刑務所での生活が始まった。同房の4人とも奇妙な連帯感で結ばれ、そこは意外にも居心地の良いもので…。

これは面白かった!
テンポがすごくいいんですよ。掛け声や足踏みが、まるで音楽のようになっていたり、主人公のモノローグも緩急のリズムが心地よい。食事のメニューをつらつら読み上げるだけでも、山崎努の語りに惹きつけられてしまうんですよね~。
軍隊みたいに整列したり、いちいち許可をもらったり、厳しい規律はあるものの、刑務所生活を満喫している”5匹”の様子がコミカルで楽しそうで、だんだんと刑務所生活も悪くないかもという気にさせられてしまうところが怖いです。
しまいには、懲罰房でひとり紙袋を作る仕事に熱中し、ゆったり入浴して温泉気分を味わい、小便しながら「充実してるなぁ」と人生の幸せを実感しちゃいます。ほんの小さな事で笑い合ったり、やりがいを見つけるのは幸せの秘訣と言いたいところだけど、こんなところで幸せ見つけちゃだめでしょう!(まあ、外に出たら天国に感じるだろうし、ここで見つけられれば外でも見つけられるって事でいいのかな?)
とくに食べ物への執着はすごくて、たまに出てくるごちそう(パンにマーガリンにあんこ)の事を「今まで食べた何よりも美味しい」と言っていたり…。
ここはかなり安全で健全な刑務所だと思うんですが、一部の人間にとっては”何も考えず、言われるままに単純作業をし、衣食住が保証され、ほとんど人と会わなくてもいい場所”というのは居心地が良すぎるんでしょうね。厳しくすればいいというものではないけど、外に出たい、自由になりたいという意欲を持たせないと、社会復帰どころか軽犯罪の常習犯になってしまいそうです。
笑わせつつも考えさせるところがあって侮れない作品でした。

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映画「眠狂四郎」シリーズ観終えました

 | 時代劇  Comment(13) 
Tag:池広一夫 三隅研次 日本

眠狂四郎 勝負
あと二作品で全部観終わるのに、すっかり忘れてたので探してきました。どちらも狂四郎が意外とまともで驚きです。あくの強いのばっかり先に観てた?

『眠狂四郎 勝負』(64年日本、三隅研次監督)
二作目という事でまだキャラが定まってないのか、これから性格ゆがんでいくのか知りませんが、狂四郎が正義のヒーローみたいでカッコよかったです。なんせ見知らぬ少年のために父親の技を使って仇討ちし、道場を取り返してくれるんですからね~。私の知ってる狂四郎とはまるで別人で「誰!?」って感じでした(笑)
で、そんなカッコよさを際立たせてるのが、朝比奈とのやり取り。一緒にソバ食べたり、安らかな笑顔を浮かべたり、人間臭さがあってよかった。
しかし、口が悪いのは相変わらずで、豚姫と罵ったあげく「雪より綺麗な俺の体に触るとは無礼な」とか言ってて笑えました。ナルシストかよ!
あと、今更ながら狂四郎の髪が茶色いのはハーフだからだと気付いた…。

『眠狂四郎悪女狩り』(69年日本、池広一夫監督)
先に観たシリーズの最終作。こちらも狂四郎が普通にヒーローポジションでした。
相変わらず女にも容赦ないけど、悪人以外には酷いことしてなかったし。無理やり堕胎されそうになった女を、勘違いで(?)助けた挙句「産め!」と説教かましたり。探せばあなたの子供も何人か出てきそうなんですが…。
ストーリーは狂四郎の偽者が現れ悪行三昧っていう事なんだけども、 日ごろの行いのせいか、自分の情婦にさえ疑われてしまうという(笑)
まあ、本物は悪い事だとわかってやっているからね。仲間のためと言って、どんな酷いこともしてしまう人とは違います。
ラスト、神に救いを求める偽者に「貴様を救う神があるか。」と言い放つのが決まってます。

どちらも観られて良かったです、良作を逃すところでした。間諜X72さん、思い出させてくれてありがとうございました!

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映画「地球最後の男(1964)」観た

 | SF  Comment(3) 
Tag:リチャード・マシスン イタリア

地球最後の男(1964)
原題:THE LAST MAN ON EARTH
製作:アメリカ・イタリア’64
監督:シドニー・サルコウ、ウバルド・ラゴーナ
原作:リチャード・マシスン
ジャンル:SF/ホラー/サスペンス

【あらすじ】1970年代、死者が吸血鬼として蘇る新種のウイルスが蔓延する世界。生き残ったロバートは、吸血鬼が眠る昼間の間だけ外に出て、生活必需品の確保と吸血鬼退治を行っていた。そんなある日、太陽の下で活動する女性を発見し…。

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」に影響を与えた作品という事で観てみました。
淡々としていてだいぶ長く感じたけど、同一原作の「アイ・アム・レジェンド」と違って狂った怖さがあるというか、オリジナルに忠実だというラストも含めて印象的な作品でした。
前半の無表情に”日課”をこなしていく主人公が怖いんですよ。朝起きて、壁に描いたカレンダーに日付をつけ、食事、吸血鬼撃退アイテム(にんにくや鏡)の点検、木の杭つくり、無線チェックを行います。そして、家の周りに転がっている共食いした”ヤツら”の死体を車に乗せて、生活必需品の調達に出発。途中、焼却場で死体を燃やし、店で必要なものを揃えたら、今度は眠っている”ヤツら”を探し出して、胸に杭を打ち込んで殺し、帰りにまた焼却場に寄って行くんですよね。
もう、3年も続けている生活というだけあって、その”日課”に無駄も感情も一切ありません。
話し相手は一人もおらず、名前を呼ぶのは夜中に家の周りをうろつく吸血鬼たちだけ(この描写が「ナイト~」のゾンビそのもの!)。彼の絶望が不気味なほどリアルに描かれていました。
そんな彼が別人のように嬉しそうな表情を浮かべたのは、真っ黒い犬を見つけた時くらいでしょうか。そんなにも喜んでいたのに、血液検査で陽性だったというだけで(症状が人間と同じかどうかはわからない)殺してしまう描写のあっけなさも恐ろしい…。
ラストはやはり「ナイト~」を思い起こさせる絶望感が良かったんだけども、回避しようと思えばできた気もするし(ワクチン完成の事を伝えろよ!)、なんで今までやられっぱなしだったんだという疑問も浮かんできて、スッキリとはしなかったかも。でも、一見の価値はあったと思います。
二度目の映画化作品「オメガマン」も機会があったら観たいなぁ。

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映画「若草物語(1994)」観た

 | 青春  Comment(2) 

若草物語(1994)
原題:LITTLE WOMEN
製作:アメリカ’94
監督:ジリアン・アームストロング
原作:ルイザ・メイ・オルコット
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】南北戦争に揺れるアメリカ。出征した父の帰りを待つ若き4姉妹は、聡明で進歩的な母の下、健やかに成長していた。次女のジョーは小説家という夢を胸に抱きながら、淡い恋や挫折を経験してゆく。やがて戦争は終わり、4姉妹はそれぞれの道を歩き始め…。

かなり駆け足だったけど、「若草物語」は世界名作劇場でしか知らず、それも忘れかけていたのが観始めたらするすると思い出して、妙にジーンときてしまいました。
キャスティングもなかなかで、ウィノナのジョーやキルステンのエミーは、私が持っていたイメージ通り!
四姉妹とにゃんこで演劇してる様子が微笑ましかったです。エミーが悪役で、にゃんこが伯爵夫人役(笑)
ノリノリで演じてる四姉妹を見てたら、ローリーでなくても仲間に入れてもらいたいと思うはず。彼女たちだけの秘密の場所という特別感漂う雰囲気に惹かれるものがありました。
アニメではなかった気がする父親が帰った後のお話が観られたのも良かったです。中でもベスとのエピソードはそんなに病弱だったのかと驚きつつも(もう少し細い子の方がよかったかな)、ジョーが大好きでいつもジョーを見守ってる姿にキュンとさせられました。ベスが亡くなった時にそっと窓を開けるジョーとか、一人で辛い時にベスの宝箱(?)を見つけて胸がいっぱいになるシーンが印象的。
あと、スーザン・サランドン演じるお母さんも素敵です。自分たちの生活だけでも結構大変なのに、困っている人がいればできる事をし、姉妹たちの事もいつも優しく見守っていて悩みがあればすぐ相談に乗ってくれる、頼れるお母さんという感じ。
お父さんももう少しくらい出番があってもよかったのに…(笑)
何回も映画化されてるみたいなので、機会があったら別のも見てみたいです。

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映画「あなたは私のムコになる」観ました

 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(8) 

あなたは私のムコになる
原題:THE PROPOSAL
製作:アメリカ’09
監督:アン・フレッチャー
ジャンル:★ロマンス/コメディ

【あらすじ】NYの出版社で編集長を務めるカナダ人のマーガレットは、ある日、ビザの更新が却下され国外退去の危機に。そこへアシスタントのアンドリューが現れ、偽装結婚を思いつく。審査官の目を誤魔化すため、彼らはアンドリューの両親に結婚を報告しに行く事になるが…。

とっても面白かったです。「グリーン・カード」と「あなたが寝てる間に…」を足して2で割ったようなラブコメで、サンドラ・ブロックが本領発揮してました。
たぶん、他の人がやってたら都合のいい部分が目に付いていたと思うんですけど、彼女のおかげでまったく気にならず。嫌な上司も許せてしまうし(でも根は優しくてキュートだったりする)、あの短時間でふたりが惹かれあっていくのもすんなり納得できてしまいました。バリバリのキャリアウーマンだったのが、犬を抱えて走りまわったり、家族を前にあたふたりしたり、気弱なところを見せたり、意外な一面をちら見せするのが上手いです。
そんな彼女の次に好演していたのが、アンドリューの祖母と白いふわふわわんこ!
このお祖母ちゃんが可愛いくて温かくて、家族の絆パワーを一人で発揮しているようでした。父子の確執もあるはずなのに、彼女がいるとそんな事も些細なものだと思えてしまいます。策略家なところも素敵…老いを武器にするとか(笑)
白いふわふわわんこも何気にふたりを結びつけるために活躍してました。彼女から連絡手段を奪うワシ事件と、刺青から自分の事を話すきっかけになった全裸事件は、このわんこがいなければ起こらなかったでしょう。めっちゃ愛らしい恋のキューピッドで、この作品の胸キュン要素の9割はこの子!
この町で雑貨屋もストリッパーも牧師もこなすラモーンもいい味出してました。
ラストは「あなたが寝てる間に…」にそっくりなんだけども、嘘から始まる物語をすっきり爽やかに決着つけるならこれしかないかな。それまでが面白かったから、ハッピーエンドで大満足でした。
原題はプロポーズだけど、この変な邦題じゃなかったら見逃してたかも…!

気がつくと口ずさんでいるアニソン特集

 | アニメ/人形アニメ  Comment(17) 

寒いですね~。千葉でも昨日雪が降りまくりましたが、もう溶け始めてドガンッと屋根から落ちる音にビビッたりしてます(笑)
そんなわけで、指が凍えて絵を描きたくないので、「想い出のゲーム音楽特集」に続きアニソン特集です。私がつい口ずさんじゃう懐かしの曲ばかりで、アニメじゃないのもちょっと混じってるかも。

第一位「キテレツ大百科OP スイミン不足
睡眠不足の時に歌うと楽しい気分になれます。キテレツ大百科で一番好きな曲。

第二位「おーい!はに丸OP
これはアニメじゃないし、内容もさっぱり覚えてないのにOPだけ異様に覚えてます。歌詞までちゃんと覚えてたし!

第三位「ひょっこりひょうたん島OP
テンションがあがると歌ってます。海賊たちのろうそくの歌も好きです。

第四位「ドラゴンボールED ロマンティックあげるよ
ブルマが好きだったから、観て良し聴いて良しなEDでした。…それにしても、ブルマの(恥ずかしい名前をつけずにいられない)呪われた血筋には、サイヤ人の血も勝てなかったなぁ。ぐれなかったトランクス君はすごいよ。

第五位「とんがり帽子のメモルOP
これも内容さっぱり覚えてないけど、メモルは今みても可愛いな。しょっぱなから「おしゃまなちーび」とか主人公をけなすところが好きです(笑)

第六位「ぼくの地球を守って
口ずさむのは劇中でリン君が歌う「森のこやぎ」の方なんですが、メッチャ好きな曲なので。菅野よう子が好きなんです。(他にも「ウルフズレインED Gravity」や「マクロスプラス VOICES」とかも好きだー。

第七位「機動戦士ガンダム第08MS小隊 嵐の中で輝いて
ガンダムで一番好きな曲かな?サビしか歌えないんですけどね…。

第八位「アンパンマンED 勇気りんりん
楽しい時に歌っちゃいます。歌詞は未だうろ覚えだけど(笑)
アニメはカバオ君の邪悪さばっかり印象に残ってますねー。バイキンマンより先にこいつをどうにかしろと思ってた。

第九位「アニメ三銃士 夢冒険
定番ですね。改めて聴いてみたら歌下手だな…。脳内で美化されてたかも。でも好きです。

第十位「たこやきマントマン OP
謎の中毒性(笑)おなかがすくと超ローテンションで歌ってしまう。

改めてアニソンばっかり歌ってる自分に気付いてしまいました…。みなさん知っている曲はあったでしょうか?
抜けている部分もある気がするので、わたしはこれよっていうのがあったら教えてくださいね~。ではでは。

映画「まほろ駅前多田便利軒」観た

 | ドラマ  Comment(5) 
Tag:日本

まほろ駅前多田便利軒
製作:日本’2011
監督:大森立嗣
原作:三浦しをん
ジャンル:★ドラマ/コメディ

【あらすじ】東京のはずれ。まほろ駅前で便利屋を営む多田は、ある日、中学時代の同級生、行天と出会う。中学生時代、不注意で彼の指に傷が残る大けがをさせた多田は、その負い目もあって宿無しの彼と共同生活を始めるが…。

ドラマの宣伝でオンエアしていたのをたまたま観たんですが、くすりと笑わせてくれて何気に考えさせられる、ゆる~い雰囲気に嵌りました。
基本的には、便利屋としてまほろの住人の様々な依頼を受けていく物語で、依頼人との交流の中で二人の人生観とかが見えてくる流れ。旅はしないけど、ロードムービー的な雰囲気があって心地よかったです。
二人の性格が一見正反対なのがいいですね。一番わかりやすいのが、「フランダースの犬」のラストがハッピーエンドかどうか言い合うエピソード。お互いふらふらしているようで頑固者。最後まで違う意見だったけど、男二人でアニメを見て(しかも他人の家!)涙をボロボロ流してしまうあたり、根は似たもの同士なんです。
そんな二人をなんとなく結び付けていたのが、中学生時代に多田が行天に負わせてしまった指の傷でした。決して元通りにはならないけど、時間が経つにつれ傷は癒えていく…。
ふたりの男の友情と再生を描いた作品です。

映画「赤い風船」観ました

 | ファンタジー  Comment(6) 
Tag:フランス

赤い風船
原題:LE BALLON ROUGE
製作:フランス’56
監督:アルベール・ラモリス
ジャンル:★ファンタジー

【あらすじ】モンマルトルの町。ある朝、登校中の少年が街灯に絡まった真っ赤な大きい風船を拾う。彼はその風船を気に入り、大事に大事に扱っていたが…。

チャップリン作品のオンエアに合わせて、一人サイレント映画祭りをやってたんだけど、これはサイレントじゃなかったわ。セリフが極端に少ないだけで。
でも、借りて良かったです。まさか風船に萌える日が来るとは!
とにかく真っ赤な風船に胸キュンでした。主演の男の子も普通に可愛いんだけど、たとえ誰が演じていたとしても、私はこの風船以外目に入らなかったと思います。
いちおう何も知らずに観るのが一番いいと思うので、ネタバレ感想は続きから。

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映画「モダン・タイムス」観ました

 | コメディ  Comment(6) 
Tag:チャールズ・チャップリン

モダン・タイムス
原題:MODERN TIMES
製作:アメリカ’36
監督:チャールズ・チャップリン
ジャンル:コメディ/ドラマ

【あらすじ】工場で働くチャーリーは、スパナを両手に次々と送られてくるベルトコンベアーの部品にネジを締めていた。ところが絶え間なく運ばれてくる部品を見ている内に、段々わけがわからなくなり…。

この作品のチャーリーはやたらと周りに迷惑をかけてるし、信頼を裏切るような事をしているのがちょっと気になったんですけど、コメディ部分は文句なしに面白かったです。
同じ作業の繰り返しで休憩に入ろうとしても体が動いちゃったり、自動食事マシーンで酷い目に遭ったり、手すりがないのに気付かず目隠しでスケートをするシーンなど、思いっきり笑わせてくれました。
女の子が逃げ出した理由がよくわからなかったけど(この時代の少年院はヤバイのかな…逃亡犯の姉がいるのとどちらがましだろう?)、夢に向かって頑張る同志としてふたりが協力し合っている様子は心温まります。
とくに、この作品で唯一声を入れている(その前に社長の一喝もありました)歌と踊りのシーンがいいですね~。チャーリーのために歌詞のカンペを用意し、ハラハラしながら見守る女の子と、彼女のためにもやるしかない!とフランス風デタラメ語を披露するチャーリー。今まで失敗ばっかりだったけど、やっとここで成功。女の子と一緒に手を叩いて喜びたくなっちゃうシーンでした。
ふたりが笑顔で手をつないで旅立つラストも希望が持てるものでよかったです。

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映画「狐の呉れた赤ん坊」観ました

 | 時代劇  Comment(9) 
Tag:日本

狐の呉れた赤ん坊
製作:日本’45
監督:丸根賛太郎
原作:谷口善太郎、丸根賛太郎
ジャンル:★ドラマ/コメディ/時代劇

【あらすじ】気が荒く、暴れ者で酒飲みの”張子の寅”は、化け狐の退治に行き赤ん坊を見つける。化けの皮を剥いでやろうと連れ帰るが、その子は本当の捨て子だった。仕方なしに育て始めた寅だったが、やがて善太と名付けた子供の良き父親となり…。

ひょんなことから赤ん坊を育てる事になった男が父性に目覚めるというよくあるお話で、ベタなくらいの人情喜劇なんだけども、ストレートに心に響きました。いきなりいくけど、終盤の感動が半端なかったです。終盤の質屋の主人の一喝がすさまじく痺れる。
それまでの、寅が父性に目覚めていく過程や、それを温かく見守る子分たちの微笑ましい気遣い、居酒屋の看板娘の愛情、成長した善太の参勤交代ごっこのエピソードも、笑いと感動がちりばめられて本当に素晴らしいんですよ。
だからこそ「ならもう一度死んで来い!」という一喝できっぱり吹っ切れた寅の気持ちが手に取るようにわかるし、ラストの肩車をしながらの善太との約束や、看板娘の父親が「寅の刺青は消えた!」という粋な(結婚を認める)セリフで、思いっきり笑顔で泣けてしまうんですよね。
…つまり全てが良いと(笑)
にしても、まさかあの子が津川雅彦だったとは…。あんなに可愛らしい子供時代があったのかと驚いてしまいました(失礼)

映画「サーカス(1928)」観ました

 | コメディ  Comment(8) 
Tag:チャールズ・チャップリン

サーカス(1928)
原題:THE CIRCUS
製作:アメリカ’28
監督:チャールズ・チャップリン
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】知らぬ間にスリの片棒を担がされ、警察に追われているうちにサーカスのテントに迷い込んだ放浪者チャーリー。期せずして退屈していた観客たちを楽しませ、大道具係として入団する事に。彼は団長の娘に恋をするが、彼女は新しく入団した綱渡り師に夢中で…。

どうも、新年早々あけおめイラストを描こうとして挫折し、なかったことにして普通に感想記事をアップした宵乃です。だめだめですが、今年もよろしくお願いいたします。
というわけで、今年の第一弾はまたしてもサイレント映画で「サーカス」。期待通り、すっごい面白かった~!
最初っからチャップリンの世界全開です。赤ん坊の食べ物をこっそり食べてたら、いつの間にか赤ん坊に食べさせてもらっていたり、警官と追いかけっこする中で、仕掛け時計の人形に紛れて華麗なパントマイム。ミラーハウスでの追いかけっこは定番なものの、やっぱり彼がやってると一味違います。見てると自然と笑顔になれるんですよね~。
サーカスに紛れ込んでからは本領発揮。天然でお客さんのハートをバッチリ掴むという演技が、本当に天然に見えてしまいます。独特の動きはまさにピエロなんだけど、”チャップリンは普段からこういうもの”と刷り込まれているみたい(笑)
何故か馬に嫌われていたり、本物の(!)ライオンの檻に閉じ込められたり、後半のおっかなびっくり綱渡りシーンでは、笑いつつもハラハラドキドキしてしまいました。
サーカス娘への恋心も、見ていて応援したくなっちゃうんですよ。まさしく恋をしてますって感じに舞い上がる心、ときめきを、動きや表情で伝えてくれます。ポールに登って「ほらほら!」とおどけて見せたり、両腕を羽のように動かしてすべり降りてくるのが可愛かった!
そこへ、ハンサムな綱渡り師が登場して一変。落ち込んだり嫉妬もするんだけど、想像の中で綱渡り士をこてんぱんにやっつけたり、自分も綱渡りの練習をしたりするところがまた健気で…。
最後の最後まで彼女を笑顔にしようと努力する姿にホロリとしました。
彼のサーカスが終わって、ぽつんとひとりたたずむラストが切ない余韻を残します。

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