2010年12月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「眠狂四郎 人肌蜘蛛」感想

 | 時代劇  Comment(8) 
Tag:日本

眠狂四郎 人肌蜘蛛
今年最後のイラストは美人さんで締めくくらせて頂きます。
製作:日本’68
監督:安田公義
原作:柴田錬三郎
ジャンル:時代劇

【あらすじ】母の墓参りにきた狂四郎は、その村で将軍の妾腹、家武と紫らが若い男女を幽閉して暴虐の限りを尽くしていると知る。墓守の七蔵が息子のように育てた兵吾が自分と同じ黒ミサで生まれたと知った彼は、身代わりに鬼館へ出向く。

はい、もう観ないとか言ってたけど観てしまいました。スミマセン。
なんかBShiのオンエアが終わってからgyaoで配信が始まってしまってですね、頭の中で葛藤が始まったわけですよ。
『お前はこのシリーズを途中で投げ出すのか…!』
みたいなね。もはや強迫観念です。
というわけで、まともに観る勇気もなく”ながら見”をずるずる続け、後は「勝負」と「無頼剣」、「悪女狩り」を残すのみ。きっと繰り返し配信すると思うから、いつか全部見終わってきっぱり忘れよう…と思っていた矢先、この作品に出会ってしまいました。ながら見でも否応なくわたしの意識に入り込んでくる濃さ。エログロ路線が売り(?)のこのシリーズをぎゅぅっと濃縮したような作品…というか悪役です。

まずイラストのお姫さま”紫”は、頭痛もちで痛みを紛らわせるために殺人に興じるサイコな嗜好の持ち主。頭痛が始まるたびに召使を殺してしまうので、その度に村から補充しているんですね。
そして、その双子の兄”家武”は妹に倒錯した恋情を抱き、彼女に近づく男は毒殺し、そうでなくても毒殺し。武家の男とは思えない”憂さ晴らし法”が情けない毒殺マニア。
そんな彼らが、いつもの流れで対決する事になります。
例のごとく、狂四郎が女のプライドをずたずたにして憎まれるわけなんですが、彼らの憎まれ口の応酬を観ていたら案外お似合いカップルなんじゃないかと思ってしまいました。家武もこのままじゃマズイと思ったのか、毒矢で狂四郎を死の淵へ追いやったりとヘタレのくせに頑張ります。(やられるときは瞬殺だったけども)
紫が潔く散っていくラストはサマになってました。紫を演じる魔子さんの妖艶な美しさが印象的です。

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映画「ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!」観ました

 | ファミリーアニメ  Comment(2) 
Tag:イギリス

ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!
製作:アメリカ/イギリス’05
原題:WALLACE & GROMIT IN THE CURSE OF THE WERE-RABBIT
監督:ニック・パーク/スティーヴ・ボックス
ジャンル:★コメディ/サスペンス/ホラー

【あらすじ】巨大野菜コンテスト間近、畑を荒らすウサギの大繁殖に町人は頭を悩ませていた。ウォレスとグルミットは、発明品のウサギ回収マシーンで大切な巨大野菜を守る。そんなある日、正体不明の巨大ウサギが野菜を次々と食い荒らし…。

「ウォレスとグルミット」初の長編です。
このシリーズの見所は物言わぬ動物たちの繊細な感情表現。奥さんみたいに献身的な愛犬グルミットにはほんと泣かされます。
嫌そうな顔一つ見せずに日常の家事をすべてこなし、仕事となれば早朝だろうと夜中だろうとウォレスと出動。車を運転する姿がまたサマになっていて、ハンドルさばきも手馴れたものです。ウォレスが調子に乗ると、頬杖をついてため息ひとつ、仕方ないなぁという感じで付き合ってくれるのもいい。そしてなにより、ウォレスのピンチには必ず駆けつける頼れる奴なのです。ラストのドッグファイトはクレイアニメとは思えないスピード感でした。
また、ウォレスの発明品の数々も面白い。ヒーロー出動シーンみたいな夢いっぱいな設備から、しゃれにならないマッドな発明まで、普段はグルミットに頼りきりな彼も得意分野では頼りに…なる?
巨大なダイ○ンの掃除機みたいな回収機の中で、ふわ~んゆら~んと回転するウサギたちが可愛かったです。

ファミリー映画とはいえ、笑いのテンポの良さやサスペンスを盛り上げる演出など、映画としても十分に楽しめました。むしろオマージュやパロディ満載なので大人の映画ファンじゃないとわからないところも!?
子供への配慮もあって、ホラー展開だけど怪物はウサギだし狙われるのは野菜、それにウォレスたちが駆除ではなく回収して家中ウサギだらけになるところなんか良心的でした。過去の短編と比べ人間たちの会話が増えたのは、わかりやすいんだけど私には説明的に感じてしまったかな。個人的には短編の「ペンギンに気をつけろ!」がおススメ。
ちなみに原題は「ウォレス&グルミット:兎男の呪い」です

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映画「永遠(とわ)の語らい」感想

 | 社会派  Comment(2) 
Tag:ポルトガル フランス イタリア

永遠(とわ)の語らい
製作:ポルトガル/フランス/イタリア’03
原題:UM FILME FALADO(仏語:UN FILM PARLE/英語:A TALKING PICTURE)
監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】2001年7月、地中海。歴史学教授のローザは、遺跡めぐりをしながら7歳の娘マリアに人類の歴史を教えていた。そんなある日、2人はアメリカ人船長に船内での夕食の席に招かれる。そこでは3人の女性がそれぞれ母国語で語り合い…。

この作品はよくわからなかったですね。
9・11を意識してるんだろうという事はわかるんですけど、なんか数コマの風刺漫画をびろーんと伸ばしたような感じでわたしは面白いとは思えませんでした。
まず、親子の遺跡めぐりが描かれる第一パート。せっかくいろいろな遺跡を映しているのに、まるで絵葉書のように固定された映像でストレスが溜まります(神父の”三位一体”のお話は興味深かった)。母親は本でしか見たことのない場所を実際に見たくて来たのに、遠くから眺めて娘に昔話(終わったこと)のように話して聞かせるだけだし、娘の方も素直にそれを聞いて「あれは何?」「どうしてそうなるの?」と優等生のように質問するばかり。あまり感情移入させたくないのか…。その割には少女と犬が戯れてるシーンあったけど?

そして、三人の女性と船長が夕食の席で会話する第二パート。フランス人・イタリア人・ギリシャ人の女性たちと、ポーランド系アメリカ人 (アメリカではポーランド人を馬鹿にするポーリッシュ・ジョークというのがあるそうです) の船長がそれぞれ母国語で会話。それ自体は面白かったのだけど、話の内容はあるようなないような…わたしがわからなかっただけかもしれませんが。
そこに、ポルトガル人の親子が加わり、彼らだけ母国語ではなく英語を話すことに。こういう意味ありげなところは、ポルトガルやそれぞれの国の関係に詳しければもっと面白かったのかも。

ラスト、置いてきぼり(衝撃的ともいう)の第三パート。何と言ったらいいのか…暴力の歴史は今でも続いているということでしょうか?
マルコヴィッチさんの顔がインパクト抜群。少女に贈ったアラブ人形のことは知らないまま、放心してるしかないという感じでした。
ちなみに原題はどれも”語る映画”。邦題もなかなかですね。
深読みできる方にはたまらない作品かもしれません。

映画「バウンティフルへの旅」観ました

 | ロードムービー  Comment(8) 

バウンティフルへの旅
製作:アメリカ’85
原題:THE TRIP TO BOUNTIFUL
監督:ピーター・マスターソン
原作:ホートン・フート
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】テキサスで息子夫婦と暮らす老女キャリー。気の強い嫁とは口論が絶えず、故郷バウンティフルを一目見たいという彼女の願いも無視されてきた。彼女は嫁のいない隙に家を抜け出し、年金小切手を持って故郷への旅に出るが…。

おばあちゃんが主役のロードムービー。
最初は嫌な嫁から逃げ出して自由を満喫するパワフルなおばあちゃんのお話なのかと思っていたけど違いました。
思いがけずバスに乗ることができて、本当に故郷に帰れるのだと実感した途端に溢れてきた狂おしいまでの郷愁。今まで押し込めてきた感情が涙と共にこみ上げてくるシーンに、一気に惹き込まれました。
たった一度でいいから、これから先あの嫁のいる家に閉じ込められてもいいから、死ぬ前にひとめ故郷を見たい。あの土に触りたい…!
そんな思いが、一途に故郷を目指す彼女の姿からひしひしと伝わってきます。
彼女の魂の根っこの部分はまだ故郷に繋がっている。
毎日をぼんやり生きている自分には、そんな彼女の”かけがえのないものへの想い”が眩しい…。
旅のなかで出会う人々の優しさ、そう簡単には変わらない嫁や、家族の大切さを知る息子。ままならないことがあっても、すべての”縁”が素敵なものなんだと思える温かいラストでした。

ちなみに、バスで隣りに座る優しい女性テルマを演じたのは、先日観た「ゆりかごを揺らす手」で怖~いペイトンを演じたレベッカ・デモーネイ。まるで気付かなかった…。

映画「地下室のメロディ」観た

 | 犯罪  Comment(8) 
Tag:アンリ・ヴェルヌイユ フランス

地下室のメロディ
製作:フランス’63
原題:LA MELODIE EN SOUS-SOL
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
ジャンル:★犯罪

【あらすじ】5年の刑期を終え、妻の待つ我が家へと帰ってきたシャルル。しかし、妻の心配をよそに再び盗みに手を染めようとしていた。カジノの図面を手に入れ、相棒フランシスらと綿密な計画を立てる。それは、10億フランが掛かった大仕事だった。

これも再見。ラストだけはしっかり覚えていたんだけど、冒頭がなぜかロバート・デ・ニーロの「スコア」とごっちゃになってました。
で、見直してみて思ったのだけど、わたしにとってこれは冒頭の奥さんとのやり取りまでと、ラストがすべての作品っぽいです。べつに他の部分が余計というわけではなく、これだけで大満足という意味。

電車で乗客がローンを組んでバカンスに行くと話しているのを聞いて、心の中で「安月給の自由なんて…!」と毒づくシャルル。この男は一体なんだと見ていると、今度は自分の家がどこかと尋ねて回っている。そんなジャズを挟みながらのオープニングがカッコイイ。
やっと妻と対面し、彼が出所したばかりだと判明。そっけない態度だけれど、ずっと彼を待っていた健気な奥さん…もうここまで観たら、シャルルという人間のすべてがわかったようなものですよね!
だって、彼の頭の中は次のヤマのことでいっぱいなんですから。地道な生き方なんて考えられず、刑務所で過ぎた時間や自分の年なんて意にも介さない。奥さんの言葉も届かずに行ってしまいます。
そして、あのプールサイドのラストですよ。
途中全部すっとばしても納得のラスト。というか、奥さんのもとを去った時点でおのずと思い浮かぶのは(全く同じとは言わないまでも)こういうラストなんじゃないでしょうか?
完全にアラン・ドロンを無視した感想ですけど、わたしにはもうこれだけで十分の作品です。

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映画「ゆりかごを揺らす手」観た

 | サスペンス  Comment(14) 

ゆりかごを揺らす手
製作:アメリカ’91
原題:THE HAND THAT ROCKS THE CRADLE
監督:カーティス・ハンソン
ジャンル:★サスペンス

【あらすじ】産婦人科の医師にセクハラされたとして訴えたクレア。それをきっかけに医師は自殺し、その妻ペイトンはショックのあまり流産してしまう。全てを失った彼女は、復讐のためベビー・シッターとなりクレアに接近する。

ラストがB級でしたが、これは結構怖かったです。
なんといってもペイトンの表情がいい。(クレアの)赤ちゃんを連れていて「目元があなたにそっくりね」と言われた時や、明らかにおかしいことを本気の目で言ってるシーンは凄かったです。終盤になって、かなり前から計画していたと思わせる証拠が出てくるのだけど、本当はそれすらも強烈な思い込みで(例えば、クレアに赤ん坊を盗まれたと妄想して)行っていただけだったのかもしれないと思わせる、危うい表情でした。

また、彼女の仕掛ける罠があまりに見事なんですよね。その時々の状況に応じて、これは利用できると思ったらすぐさま行動に移し成功させます。その場の思いつきといってもいいものばかりなのに、失敗らしい失敗は一度しかなかったという奇跡。ご都合主義かもしれませんが、彼女の動機には同情してしまうところもあるので、この成功率には(悪魔的な)何かに守られているような気すらしてきてしまいました。
とくに見事だったのは、温室のガラスを降らせるトラップ。最初はクレアを狙って仕掛けたものだったのに、障害となる人物が現れた瞬間に計画変更。上手いこと罠に誘導して障害を排除してしまいます。その流れはさながら「刻命館」(ゲームネタですみません)の罠が決まった時ようで、ある種の爽快感すら覚えてしまいました。

ただ、やはりラストはB級で、女同士のガチバトルが始まります。
B級好きのわたしには安心してしまう流れではあるんですが、犯罪者になる前のペイトンは一番の被害者なわけで、この流れの行き着く先には後味の悪い思いがします。どうせ後味が悪いなら、医者のセクハラ触診シーンをなくして、視聴者にはセクハラが行われたのかどうかわからなくするくらいがいいんじゃないかと。本当に主人公は正しかったのか?という、もやもや感が残るラストでもよかった気がしました。

映画「鳥(1963)」観ました

鳥1963
製作:アメリカ’63
原題:THE BIRDS
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ダフネ・デュ・モーリア
ジャンル:★サスペンス/パニック

【あらすじ】ペットショップで弁護士ミッチにからかわれた社長令嬢メラニー。彼に小鳥を届けて驚かせようと、彼女はボデガ湾沿いの寒村を訪れる。だが突然、一羽のかもめが彼女の額を突き飛び去った。村では鳥たちが不穏な動きを見せ始め…。

またも再見。昔は刺激の強い作品ばかり観ていたから物足りなく感じたけれど、血なまぐさいものに飽きてみるとこういう怖さのほうがゾッとします。
静かなところにじわじわと鳥の気配、鳴き声が占めていくのが恐ろしい。思わず近所から聞こえてくるカラスの鳴き声にまで反応してしまうほど。
以前「宵乃からす」と名乗っていただけあってカラスは鳥の中でも好きなほうなんですが(見た目がカッコイイ)、集団で襲ってきたらと思うと背筋が寒くなります。最近はカラスの頭のよさが解明されてきているし、ほんとうにカラスが組織的に攻撃を仕掛けてきたら…と怖くなってしまいました。
そして、カラスやカモメがその恐ろしさを発揮している一方で、メラニーの持ってきた「ラブバード」のつがいが可愛いんですよね。車中でカーブに合わせて左右に揺れる姿が愛らしかったです。でも、何故このラブバードだけ凶暴化しないのか、いつか暴れだすんじゃないか、鳥が襲ってくるのはラブバードを狙って?…などいろいろ考えていくと不安にもなりました。レストランでパニック状態のひとびとが、メラニーを”魔女”と呼んだのと同じですね~。(この村民たちや、メラニーを敵視するミッチの母親も怖い!)
しかしながら、考えても考えても鳥たちが襲ってくる理由はわかりません。理由がわからないから彼らが取れる行動も”逃げる”だけ。終末を思わせるような薄暗い空の下、車が走り去っていくラストもおつでした。

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第15回ブログDEロードショー「ベルリン・天使の詩」

 | ブログDEロードショー  Comment(15) 
Tag:フランス 西ドイツ

原題:DER HIMMEL UBER BERLIN
製作:フランス・西ドイツ’87年
監督:ヴィム・ヴェンダース
開催:2010/12/17~12/19
ベルリン・天使の詩
「シネマ・イラストレイテッド」のMardigrasさんが選んで下さいました。
理由は、長年観たいと思っていながらなんとなく手が伸びなかったので、この機会にぜひ皆さんとご一緒したいから。これまでイギリス以外のヨーロッパ映画がなかったので、ちょっと目先を変えて。とのことです。

企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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映画「疑惑の影」観ました

疑惑の影
製作:アメリカ’42
原題:SHADOW OF A DOUBT
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ゴードン・マクドネル
ジャンル:★サスペンス

【あらすじ】カリフォルニア州サンタローザ。ニューマン家の長女チャーリーは、代わり映えしない毎日に退屈していた。そこへ大好きな叔父が訪ねてくるが、彼女は秘密の匂いを嗅ぎとる。やがて、家庭調査の名目で二人の男が叔父の周りを嗅ぎ回り…。

これも久しぶりの再見です。
平凡な一般家庭のほのぼのした描写のなかで、叔父とチャーリーとの間の緊張が高まっていくのにハラハラしました。思いのほか早く叔父の秘密が明かされてしまうのだけど、それで緊張の糸が緩んだりはしないんですよね。やはり、チャーリーが母親(叔父の姉)を気遣って、どうにか自分と叔父と刑事たちの間だけで問題を解決しようとしているからでしょうか。
最初は平穏な日々に文句ばっかり垂れていたどこにでもいそうな少女が、今度は”非日常”から家族の”平穏”を守る側に。何も知らず、物騒な事ばかり言っている父親や、なんでも知っているという顔をした生意気な妹の、なんと平和なこと!(「フレンジー」の刑事の奥さんみたいに、知っててほのぼのしてるのは逆に怖い)
コミカルなやり取りに和みつつ、叔父の闇の部分に触れてしまった彼女は完全に前と同じには戻れないんだなぁと思うと、少し切なくなりました。
刑事との恋愛模様は急すぎてついていけなかったけれど、彼に頼りすぎることなく最後まで家族のために奮闘するチャーリーの健気さに心打たれます。

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イラスト途中経過を晒してみる、MSペイント編

 | イラスト関係  Comment(8) 

先日描いた「恋人までの距離(ディスタンス)」のイラストなんですが、皺のない男なんて描いてもちっとも楽しくないし、描きづらそうな顔だったので、気合を入れるため途中経過をご紹介することにしました。

まずは下書き。
画像a
使ってるのはwindows付属のペイント。背景色は目に優しい色で。パーツの大体の位置がわかればいいので、ぶっちゃけへのへのもへじで十分です。いつもの数十倍丁寧に描いてしまいました。
では、微妙に長いので、Read Moreからどうぞ。

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映画「ビフォア・サンライズ/恋人までの距離(ディスタンス)」観ました

 | ロマンス  Comment(8) 
Tag:リチャード・リンクレイター

恋人までの距離(ディスタンス)
製作:アメリカ’95
原題:BEFORE SUNRISE
監督:リチャード・リンクレイター 
ジャンル:★ロマンス/ドラマ

【あらすじ】パリへ戻る列車の中で、ヨーロッパ旅行中の青年ジェシーと出会ったセリーヌ。意気投合した2人は、途中下車しウィーンの街を見て回る。時間を忘れ、とめどなくお互いの事を話しながら過ごす2人だったが、やがて別れの時間がやって来て…。

久しぶりに再見しました。ほとんど会話だけで成り立つ作品なのに最後まで観る人を惹きつける作品だというのは初見で痛感しましたが、それが再見になっても変わらず楽しめたのが嬉しいです。
好きなシーンは、ホースでつくった虹の向こうにおばあさんを見たとジェシーが話すところ、ふたりがお互いに友人の役を演じての電話ごっこ(もとい告白)、詩人との出会い、『この世に魔法があるなら、それは人が理解し合おうとする力のこと』と話すセリーヌなどなど…。ハッとしたりキュンとしたりするシーンがたくさんありました。

それにしても、初めて会った男と異国の街を一晩中歩き回るセリーヌは、「旅情(1955)」のヒロインとは大違い。ジェネレーションギャップでしょうか。ウィーンの治安もよろしいようで、トラブルも全くありません。これでチンピラに絡まれたりしてたら興ざめなんだけども、ホントにそんな治安がいいのか気になってしまいました。
あと、どうでもいいけど『芝居に行くのを忘れてた』というセリフに毎回グサっときます。というか、この作品の最終的な印象は”芝居に行くのをすっぽかしたカップル”だったり(嘘です、ゴメンナサイ)
あの気の良さそうな青年ふたりは傷ついていないだろうか…?

終盤、ふたりが別れを意識してからの切なげな表情と、別れた後の高揚感と不安が入り混じったような表情がいい。最後の最後までふたりは自然でした。余韻も素晴らしいです。
わたし的には続編の余韻がやや勝るんですが、それでも続編を観た後ではこれの「この後どうなるんだろう…!」という気持ちが失われてしまうのが惜しい。本作が大好きで続編はまだ観ていないという方は、思う存分「恋人までの距離」の余韻を楽しんでからにするのがいいと思います。

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映画「裏窓(1954)」観ました

裏窓(1954)
製作:アメリカ’54
原題:REAR WINDOW
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:コーネル・ウールリッチ
ジャンル:★サスペンス

【あらすじ】事故で車椅子の生活を送っていたカメラマンのジェフは、退屈しのぎに窓から隣のアパートの住人を眺めていた。そんなある日、喧嘩の絶えない夫婦の部屋で、夜中に夫が大きな荷物を運び出してから妻の姿が見えないことに気付き…。

最近ヒッチコック特集をやってるのでちょこちょこ再見してるんですが、ひとつ重要なことに気付きました。
わたしブロンド苦手だ…。
更に赤い口紅が大っ嫌いなので、ヒッチコック作品をカラーにされるとヒロインにテンション下がりまくりなわけです。ついでにいうと、ヒッチコック作品に登場するヒロインって、最初から最後まで主人公を変わらず愛しているひとが多い気がして、どれも同じに見えます。
まあ、そんな”わたしにとってのマイナス要素”をものともせず、この「裏窓」は楽しめました。
あの部屋から見える範囲に、必要な要素がすべて収まっているのが見事ですね~。彼のこと、住人の日常と人間関係、ピアノの調べ、怪しい動き、犯人と彼らの駆け引き、犯人との対決…主人公はほぼ窓辺から動かず、ここまで面白くスリリングな物語に仕上げてしまうとは、さすがヒッチコック監督です。
覗きがすっかり趣味になってしまったジェフにヒロインがぞっこんなのは謎だし、あんな堂々と6週間も覗いていたら近所で噂になってるだろ、とか思うところもありますが、安楽椅子探偵気取りだったジェフの犯人との対決はほんとハラハラドキドキで目が離せませんでした。
ラストで大笑いしたあと最初の方を見直したら、看護師ステラの予言がことごとく当たっていることにまたまた大笑い。何度観ても楽しめる作品だと思います。

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映画「きみの友だち」観ました

 | 青春  Comment(0) 
Tag:日本

きみの友だち
製作:日本’08
監督:廣木隆一
原作:重松清
ジャンル:★ドラマ/青春

【あらすじ】とあるフリースクールを訪れた記者の中原は、子どもたちに絵を教えている女性・恵美に出会う。彼女は”もこもこ雲”の写真を何枚も教室に飾っていた。それに興味を覚えた彼に、恵美は小中学生の頃の親友、由香の話を聞かせる。

冒頭がドキュメンタリー風で、いそがしかったので一度録画を消したんですが、それを忘れてまた録画しました。
忘れててよかった…!
全体的に静かで、穏やかで、流れる雲を眺めているような気持ちになる作風。恵美が撮った写真をきっかけに、小学生~高校生頃のいくつかの思い出を振り返っていきます。
主軸になるのは恵美とその親友・由香の友情なんだけども、ほとんどのエピソードでふたりは一緒にいません。でも、恵美が誰かと話しているとき、カメラを構えているとき、空を見上げているとき、確かに彼女たちのこころは繋がっていると感じました。
恵美がモコモコ雲の絵を見つけるシーンは涙が止まりません。
『雲があるだけで、空に表情が出る』
この言葉に、ふと空を見上げたくなりました。
ラストの余韻も素晴らしく、心に深く染みわたる青春群像劇だったと思います。

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映画「ホット・チック」観ました

 | 青春  Comment(2) 

ホット・チック
製作:アメリカ’02
原題:THE HOT CHICK
監督:トム・ブラディ
ジャンル:★コメディ

カリフォルニア。チアリーダー仲間と楽しい毎日を過ごす女子高生ジェシカは、ある朝、自分が男の姿になっていることに気付く。実は昨日手に入れたイヤリングは呪われており、失くした片方を拾った強盗クライブと体が入れ替わったのだった。

ありがちな体入れ替わりドタバタコメディだと思って観ていたんですが、予想以上に面白かったです。
この美人女子高生、小汚いおっさんになっても”美しくありたい”というパワーに溢れてるんですよ。結構あっさりと親友に事情を理解してもらってからは、消臭スプレー、ムダ毛処理、美容院でヘアセット、ペディキュア…と、頭のてっぺんからつま先までオシャレに余念がありません。
元の姿に戻るよりも、まずは今の美しさ!
姿はおっさんでも、心は乙女なのです。どんどん可愛くなっていって、女子高生と並んでも違和感がなくなっていくロブ・シュナイダーの演技が素晴らしい。
しかしながら、どんなに努力しても傍から見れば”カマっぽい”おっさん。今までどおりに振舞っていれば、ガツンとくらう始末。そんな経験を通して、彼女は今までの自分が”嫌な女”だった事に気付いていきます。

一方、呪いや、迫るチア大会にプロム、そして近くて遠い恋人ビリーへの想い…いろいろなことに奔走しているうちに、一緒になって頑張ってくれていた親友の目が恋する少女のように変わっていきます。面白いんだけど、ラストはほんのり切ない…。

原題の”CHICK”はひよこのことで、「THE HOT CHICK」は”可愛い女の子”という意味の俗語。
友情、家族愛も詰まった良質な青春コメディでした。

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映画「評決」観ました

 | 社会派  Comment(2) 
Tag:シドニー・ルメット

評決
製作:アメリカ’82
原題:THE VERDICT
監督:シドニー・ルメット
原作:バリー・リード
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】他人の葬儀に紛れ込み仕事を探す、落ちぶれた弁護士ギャルビン。友人に金になりそうな依頼を回してもらうが、医療ミスで植物状態の女性を目の当たりにしたことで熱意を取り戻す。だが、相手は背後にカトリック教会を控える病院で…。

以前録画ミスして、今回やっと観る事ができました。
ポール・ニューマンが素敵。やっぱ男は皺だよね!!
…それはさておき、内容もまさしく法廷モノという感じで見ごたえがありました。法廷モノ好きならこれは外せません。
冒頭では酷いありさまだったギャルビンが、示談金をたくさん引き出そうと、被害者の痛ましい写真を撮っている時にふと気付きます。”自分は一体なにをしてるんだ”と。
酔いから覚めたように、かつて正義を求めていた頃の熱意を、目に生気を取り戻していく様子にぐいぐい引き込まれました。とくに、バーで出会った女性ローラに理想を語った時の目がほんと可愛い。キラッキラしてて。
それでいて、相手の強引なやり方にうろたえて「もうダメだ」と簡単に挫けそうになることも…。まともに闘うのは久しぶりで、味方も少ない彼の揺れ動く心理。人間味があってよかったです。
また、彼の突然の変化に戸惑いつつ、どんな時も見捨てることなく力を貸してくれる弁護士仲間ミッキーと、弱気のギャルビンに喝を入れるカッコイイ女ローラ。自分の意見を聞かない生意気なギャルビンを目の敵にする憎たらしい判事もいい味だしてました。

行き詰まり、もう手立てがないと思いかけた時、名探偵のように逆転のチャンスを掴むくだりはぐっときます。完全にかつての自分を取り戻したギャルビンの最終弁論…思わず聞き入りました。
ギャルビンが悪人じゃなくてホントよかったなぁとしみじみ思ってしまう、やや複雑な結果でしたが、映画としては文句なし!
電話のベルが鳴り響くラストが深い余韻を残します。

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映画「タワーリング・インフェルノ」観ました

 | ホラー/パニック  Comment(15) 
Tag:にゃんこ

タワーリング・インフェルノ
製作:アメリカ’74
原題:THE TOWERING INFERNO
監督:ジョン・ギラーミン、アーウィン・アレン
原作:トーマス・N・スコーシア、フランク・M・ロビンソン、リチャード・マーティン・スターン
ジャンル:★パニック/アドベンチャー

【あらすじ】フランシスコで超高層ビル”グラス・タワー”の式典が行われる。しかし、配線に不備が見つかり小火が発生。ビルの設計者ダグは、社長がおしすすめたコスト削減の事実を知る。最上階に多くの人を閉じ込め、ビルは瞬く間に炎に包まれてゆく。

再見ですが、新しいテレビで観たので迫力が伝わってきて面白かったです。やはりパニックものは大きい画面の方がいいですね。
内容をまだ覚えているにも関わらずハラハラし通しで、『うおー!?』とか『あぶねー!!』とか思わず声がでるほど。ダグと女性と子供たちが崩れた階段を降りるシーン、落ちかけたエレベーターをヘリで救助に行くシーンなんかは画面に釘付けでした。隣りのビルへロープづたいで救出するシーンも、自分がもし…と考えると背筋が寒くなります。
二度目ということもあって、登場人物をしっかり把握できたのもよかったです。さりげなく猫が印象的。

ラストは、悲しい別れがあり、これから償っていこうという責任者の姿もあり、まだまだ闘志を燃やしている者もあり…俳優が豪華なだけではない、ドラマもしっかりみせてくれる、観終わって大満足のパニック映画でした。
ちなみに、タイトルは原題どおり。意味は”そびえ立つ地獄”です。

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映画「砲艦サンパブロ」観た

 | 戦争  Comment(6) 
Tag:ロバート・ワイズ

砲艦サンパブロ
製作:アメリカ’66
原題:THE SAND PEBBLES
監督:ロバート・ワイズ
原作:リチャード・マッケナ
ジャンル:★ドラマ/戦争

【あらすじ】外国人排斥運動が激化する1926年、上海。現地に駐留するアメリカのボロ砲艦サンパブロ号にジェイク一等機関士が赴任する。艦内で働く中国人と揉めつつも、やがて友情が生まれるが、それは中国人や艦の仲間の反感を買い…。

マックイーンの作品に短いものはないのか、と思いつつ観賞。
重厚なドラマもよかったけど、砲艦の機関室がよかったです。自分は戦艦やら何やらに興味は無いと思っていたのに、妙に心惹かれるものがありました。ストーリーよりも、マックイーンがエンジンに自己紹介したり、パイプをカンカン叩いてるシーンが印象に残っていたり。ポーハンを新しいリーダーに育てようと、身振り手振りで機関室内を説明して回るところが一番好きです。
そして、彼と友情を深めるポーハン、フレンチーもよかった。とくにフレンチーのメイリーへのひたむきな愛情が印象的。やってることは身請けなんだけど、優しく穏やかな彼の態度から本物の愛情なんだと納得できました。
多くの登場人物が悲壮な最期を遂げるのが辛い…。

原題の意味はよそ様のサイトで読んだところ、砲艦の名前”サンパブロ”は聖人パブロ、つまり聖パウロのことで、オンボロ艦には立派すぎると船員たちが語呂合わせでつけたニックネームSand Pebbles (砂・小石)ではないかということです。また、Pebbleだけなら扱いにくい人という俗語もあり、主人公を示しているのかも。

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