2010年10月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ホリデイ」観た

 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(7) 

ホリデイ
製作:アメリカ’06
原題:THE HOLIDAY
監督:ナンシー・マイヤーズ
ジャンル:★ロマンス/コメディ

【あらすじ】ロンドンの新聞社に勤めるアイリスと、ロスで映画予告編製作会社を経営するアマンダ。傷心のふたりがインターネットで知り合い、お互いの家を交換して休暇の過ごすことに。2週間のクリスマス休暇を独りで静かに過ごすつもりだったが…。

いいですね~、おじいちゃんのエピソード!
キャメロンとジュードのほうではジュード格好いい!って初めて思ったけども、アイリスとおじいちゃんとの友情が一番よかったです。もっと描き込んでもいいくらい。むしろ、アイリスのエピソードは恋愛絡めず、おじいちゃんとの友情一本に絞ってくれた方が個人的には嬉しかったかも。
恋愛モノだからって、恋に破れたヒロインが新たな恋を見つけなくたっていいと思うのです。(せっかく二人いるんだし)
脚本家のおじいちゃんに失恋のことを慰めてもらったり、友達も呼んではしゃいだり、歩行訓練するところなんかよかった~。表彰式で盛大な拍手に迎えられた時のおじいちゃんの表情に、思わず涙がこぼれました。
あと、恋愛絡めなくてもいいとは思ったけども、相手役のジャック・ブラック演じるマイルズもよかったです。失恋して自分が慰められていたはずが、アイリスも酷く傷ついていると知って逆に慰める側になるところとか。いろいろと優しさがにじみでてました。
終盤、人生に関わる決断をして雪景色の中を駆けて行くアマンダも素敵です。

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映画「パリ、恋人たちの2日間」観た

パリ、恋人たちの2日間
でぶにゃんこ”ジャン=リュック”
製作:フランス/ドイツ’07
原題:2 DAYS IN PARIS
監督:ジュリー・デルピー
ジャンル:★ロマンス/コメディ

【あらすじ】付き合って2年になる恋人マリオンの里帰りに付き合い、パリに2日滞在することになったアメリカ人のジャック。だが、あまりにオープンな人々に、彼はカルチャーショックを受けてばかり。その上、街では彼女の元カレに次々と遭遇し…。

これはもう、会話のリズムが好き。「恋人までの距離(ディスタンス)」では主演、「ビフォア・サンセット」では脚本にも参加した監督の作品で、わたしはこういう観光気分を味わえる会話劇というのが妙に好きみたいです。
内容はあるようなないような(でも愛はある)…ですが、このリズムが合うひとならいくらでも観てられるんじゃないでしょうか。あけっぴろげなフランス人のきわどい会話の数々に、ジャックといっしょになっておおいにカルチャーショックを楽しめばいいと思います。
まあ、フランス人に知り合いはいないので本当にこんな人たちなのかはよくわからないし、アメリカ代表みたいになってるジャックも標準的なアメリカ人なのかかなり疑問(どちらかというと変わり者のような?)
気に入ったのは、冒頭で嘘の道順を教えたアメリカ人観光客にばったり再会するシーン。「何が”スモール・ワールド・ネットワーク理論”だ」とこぼしていた彼が、こんな時にこんな再会を果たすなんて…。マリオンの元彼遭遇率もすごいんですけどね。
他にもいろいろ冒頭から笑わせてくれたんですけど、時間が経ったので忘れてしまいました(笑)
再見しても初見と同じように楽しめそうです。

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映画「デスペラード」観た

 | アクション  Comment(8) 

デスペラード
どっかで描いたような…と思ったら「コーマ」だ!
製作:アメリカ’95
原題:DESPERADO
監督:ロバート・ロドリゲス
ジャンル:★アクション

【あらすじ】かつて恋人を殺され、自らも掌を撃たれたギター弾きのマリアッチ。ギターケースに銃を隠し、仇であるギャングのボス・ブチョを捜していた。やがて、ブチョが経営する酒場で暴れ、彼の存在はブチョの知るところとなり…。

なんというかノリだけで中身のないB級アクション映画です。たまに無性に観たくなるタイプ(笑)
たぶん、見所はラストの派手な銃撃戦なんでしょうけど、ムダ撃ちに美学を感じないわたし的には、冒頭の、スティーブ・ブシェミが酒場でホラ話をかますところがおススメ。店にたむろするガラの悪い男たちを気にしながら、表情・声色をたくみに使って聞き手の心をバッチリ掴みます。
また、主人公マリアッチも登場シーンから格好いい!
演奏中に店内で絡まれている女性を発見。演奏を続けながら何気なく近づき、ギターで男の後頭部をぶん殴って助けてしまうんです。歌も上手いし、しょっぱなからテンション上がりまくりでした。

でも、それ以降は結構普通の復讐もので、時折笑えるシーンもあったけど”それなり”という感じです。やはり、銃撃戦大好きなひと向けですね。
ただ、ミュージシャン仲間ふたりが応援に駆けつけ、5分で散っていったのがやたらとインパクトを残しました。
なぜって、ギターケースをマシンガンとバズーカに改造してあるんだもの(笑)
とくにバズーカのひとは、発射する時にしゃがんで片脚をぴしぃっと伸ばして狙うから、その妙なポーズにしばらく笑いが止まりませんでした。一瞬、イラストはこのシーンにしようかと思ったくらい。
好きな人にはたまらない作品だと思います。

映画「黄金(1948)」観ました

 | サスペンス  Comment(8) 
Tag:ジョン・ヒューストン

黄金(1948)
製作:アメリカ’48
原題:THE TREASURE OF THE SIERRA MADRE
監督:ジョン・ヒューストン
原作:B・トレイヴン
ジャンル:★ドラマ/サスペンス

【あらすじ】1920年代のメキシコ。職もなくうらぶれたアメリカ人ドブズと相棒カーティン。ふたりは老山師ハワードから聞いた金鉱掘りの話に飛びつく。偶然当てた宝くじの賞金を元手に、3人は金が眠っているといわれるシェラ・マドレの山へ向かうが…。

仲間割れが起こるから金鉱掘りはひとりでやるもんだ、と言いつつ予算の都合上3人でやって、案の定仲間割れする話。
とにかく最初からテンポがよく、なおかつ中身がぎっしりで最後まで飽きずに観れました。
とくに、猜疑心の塊のようになっていくドブズの心理描写がいいですね。荒んだ生活を送っていた頃は、物乞いで”手と金”しか見ておらず、3連続で同じアメリカ人(ジョン・ヒューストン)に声をかけていたとわかり情けない思いをしたり。やっと仕事にありつけたと思ったらカモられ、相手をぶちのめしてきっちり自分の給料ぶん奪っていったり。落ちぶれていても良心はあったのに、砂金が手に入ってからの変貌振りが恐ろしい。”周りはすべて敵”というぎらぎらした目や、良心の呵責で苦しむ姿など真に迫ってました。
また、監督の父親ウォルター・ヒューストン演じるハワードも、茶目っ気のある頼れるじいちゃんという感じでよかったです。医者のような事までできるとわかったときには驚いてしまったけれど、周りを信用させてしまう何かがあるんですよね。
他にも、途中参加のコーディは予想外の退場だったし、山師と山賊と軍隊の三すくみも面白かったです。

最後はむなしくなりそうなところを、ハワードの底抜けに明るい笑い声によって救われました。
後味のいいピカレスク・ロマンだったと思います。

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映画「孤独な嘘」観た

 | 犯罪  Comment(0) 
Tag:イギリス

孤独な嘘
製作:イギリス’05
原題:SEPARATE LIES
監督:ジュリアン・フェロウズ
原作:ナイジェル・バルチン
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】厳格で有能な弁護士ジェームズは、妻のアンと共に郊外で静かに暮らしていた。そんなある日、家政婦の夫がひき逃げで亡くなる。近隣に住むビルの車に引っかき傷があったのを思い出し、彼はビルを問いただすが…。

なんかものすっごい評価の低い作品みたいですが、わたしは結構好きでした。不倫とか罪から逃れるとか、いつもなら許せない流れだったはずなんですが、この作品ではスルーできたしラストで涙してしまったという。しかも多くの方がイラッとしたらしいラストで…。

*以下ネタバレ*
まず冒頭。”正しい事をしてるだけ”とビルに自首を勧めていたジェームズが、実はビルと不倫していた妻が車を運転していたとわかった途端に態度を一変。自分のキャリアが危ういと、妻が自首しようとするのを止めさせます。
そんな感じで彼らのエゴを見せ付けられるんですが、”あっさり犯人がわかってしまう急展開”にわたしまで驚いてしまって、混乱しつつ罪から逃れようとする彼らを見ても”まあ仕方がないか”と思いそうになってました。実際こんなことに直面したら、警察が訪ねてくるまで逮捕される可能性にまで頭が回らなかった彼らと、同じになってしまいそうです。

また、ジェームズ自身も気付いてなかったんじゃないかと思われる、妻への深い愛情が表れるのもよかったですね。妻の不倫(というか不満を抱え込んでいたということ)を知り吐いてしまった時から、彼は今まで妻を顧みなかった分まで愛そうとしているようでした。
二人が逢っているところをみて辛そうに顔をゆがめたり、妻のスカーフを抱いて泣き崩れたりするジェームズ。でも、彼女が何度裏切っても、彼の妻への愛情は変わりません。
辛くてもひたすら耐える彼をみていたら、弱っているところに付け込んだ美人秘書と一回関係を持ったくらいなんだっていうのか?と思えてしまいました。

そして、愛はないという不倫相手にかばわれ、夫にかばわれ、ついには被害者の遺族にまでかばわれるという驚異的に恵まれた女アンも、ただ弱いだけで根は善良なんだと伝わってきて、どうにも憎めないひとです。とくべつ美人じゃないところもリアルに感じました。
原題は直訳すると”引き離す嘘”。意味は、ラストにジェームズがアンを想ってついた嘘のことで、他の方々の嘘も含まれているようです(とくにビル)。

映画「タハーン ~ロバと少年~」観ました

 | 社会派  Comment(8) 
Tag:インド

タハーン ~ロバと少年~
製作:インド’08
原題:TAHAAN: A BOY WITH A GRENADE
監督:サントーシュ・シヴァン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】カシミール地方。家族やロバのビールバルと共に暮していた8歳の少年タハーン。3年前から父親が行方不明だったが、父がくれたロバがいつも一緒だった。そんなある日、借金返済のためビールバルが売られてしまい…。

後半は嫌な汗をかく展開なんですが、ラストで予想外に感動してしまって一気に大好きになった作品です。
舞台は紛争中のインド北西部カシミール地方ということで、最初からきな臭さが漂ってきました。ちょっと村はずれに行けば銃声が聞こえてくるし、廃墟と化した町だってでてきます。
そんな中、幼いながら強く優しい心をもつ少年タハーンが、父親とのつながりでもある親友のロバを取り戻そうと奮闘するお話です。
前半は、だいたいロバの新しい持ち主である商人ダールに付いてまわるんですが、コイツがけっこう嫌な奴でした。仕事を手伝う青年ザファルの扱いが酷いんですよ。彼が質問に答えようとまごつくたび、”お前は馬鹿だから聞くだけ無駄だ”という態度で遮るので、私自身話すのがとろいのもあってムカついてしまいました。根はいい人だとわかっていても、約束は破るし、嫌な気分になることもしばしば…。

→以下ネタバレ注意!

「おおかみこどもの雨と雪」もしも花にお兄さんがいたら

 | イラスト関係  Comment(4) 

「おおかみこどもの雨と雪」の妄想が爆発したので形にしちゃいました。
捏造です。こうだったら萌えるなぁという妄想で、愛ゆえなんだけども、私以外にはとくに面白い内容ではないと思います。
でも、この映画がすごく好きな人には不愉快と感じられる場合もあると思うので、そういう方は読まないでUターンして下さいね~。

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映画「ルパン三世 カリオストロの城」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(16) 
Tag:日本 宮崎駿

ルパン三世 カリオストロの城
製作:日本’79
監督:宮崎駿
原作:モンキー・パンチ
ジャンル:★アクション/犯罪コメディ

【あらすじ】ニセ札を作っていると噂の小国カリオストロ公国へやって来たルパンたち。そこで、悪漢に追われる少女クラリスを助けるが、再び連れ去られてしまう。彼女は大公家のひとり娘で、カリオストロ伯爵によって城に幽閉されているのだった。

そういえば最近は観てないということで再見してみました。
そしたら記憶違い発覚。これにロボット兵はでてないんだね!?
調べたら、ロボット兵がでるのはTV第2シリーズの最終話「さらばいとしきルパンよ」でした。個人的にロボット兵は嫌いなので、この作品の好感度UPです。
まあそれがなくても、ルパンは格好いいし、次元は可愛いし、不二子ちゃんはいい女だからOKですが。この3人大好き!
とくに、偽札に埋もれながらはしゃぐ次元が好き。この前、「荒野の七人」の登場人物を調べていて、次元がナイフ投げのブリットをもとにしたキャラクターだと知ってビックリしたんだけど、わたしの知ってる次元は渋いうえに可愛いよ? 少年のようにはしゃいじゃうよ? むしろ、五右衛門のほうが寡黙でしょ?(シャイだけど)
そして、ルパンを語るのにこのひとは外せない銭形のとっつぁんも、普段の三割り増し素敵でした。がむしゃらでさわがしく、でも決めるときはビシッと決めてくれます(ラストのセリフはちょっと恥ずかしい)。
中盤はルパンと息ぴったりで、さすが長年追いかけてるだけあるなぁとか思っていたら、ふたりは大学の先輩後輩だったんですね。
ってことは年齢差ほとんどないのに”とっつぁん”呼ばわり!?
…いやでも、そういえばわたしの同級生にも”とっつぁん”って呼ばれてるひと居たわ(笑)

そんな感じでいつものメンバーは多少雰囲気違ってもいつものメンバーで懐かしく思いました。
そして、ゲストキャラクターである、クラリスと庭師(アルムおんじそっくり!?)、ロリコン伯爵…はどうでもいいや、はもう宮崎駿作品のキャラクターまんまです。小さい頃から観てるから違和感なく溶け込んでみえるけど、あんまりクラリスが純真無垢なんで近寄りがたいオーラを感じました。わたし的にはちょっとワルなふじこちゃんのほうが好きかな。
ラストシーンはほんといいですね。あそこで抱きしめてたら二度と観ないところだけど、やっぱりルパンは格好いい!

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映画「フルメタル・ジャケット」感想

 | 戦争  Comment(17) 
Tag:スタンリー・キューブリック

フルメタル・ジャケット
製作:アメリカ’87
原題:FULL METAL JACKET
監督:スタンリー・キューブリック
原作:グスタフ・ハスフォード
ジャンル:ドラマ/戦争

【あらすじ】海兵隊新兵訓練所。入隊してきた若者たちを待ち受けていたのは、情け容赦ないハートマン教官による”殺人マシーン”になるための過酷な訓練の日々だった。目をつけられた新兵パイルは、強烈なしごきにやがて精神に異常をきたし…。

海兵隊訓練所を描いた前半が凄かったですね。軍曹が普段聞かないような単語でまくし立てて内容を理解する暇がなかったけど、冒頭30分くらい訓練生の私的時間シーンがないので、凄まじい威圧感は伝わってきました。
その上、どんくさい”微笑みデブ”のせいで他の訓練生が罰を受けるようになってからは、募っていく不満が無言のうちにひしひしと伝わってきて不気味。
表情が一変してしまった”微笑みデブ”にもゾッとします。

ベトナムを舞台に移した後半は、なんというか自分でもびっくりするほど何も感じませんでした。不快感も興奮も恐怖も悲哀もなんにもないんですよね。あえて言うなら虚しさはあったかも?
まあ、わたしの精神状態がたまたまそんな感じだったのかもしれませんが(二日に分けて鑑賞)、わたしにはまだ早かったかなぁと思いながら観ました。
いちおう印象に残ったのは、ヘリからベトナム人を無差別に撃っていた男が、「よく女子供を撃てるな」と言われ「簡単だ、動きが遅いからな。戦争は地獄だ!」と答えていたこと。過去を忘れたかのように陽気に振舞っていたジョーカーが、胸に平和のバッヂ、帽子に「Born to kill」とあることを指摘され、”人間の二面性”だと答えたこと。あとは、ラストのミッキーマウス・クラブを歌いながらの行進ですね。
”微笑みデブ”がおかしくなった時も、軍曹が「ミッキーマウス・クラブのお祝いか?」と怒鳴ってたけど、なんでミッキー?

そんなこんなで、この作品をどう捉えどう受け止めればいいのかわからないまま観終えてしまったんですが、知らず知らずのうちに胸に重くのしかかるものが…。
今のところ、好きか嫌いかもわからない作品なので、気が向いたらまた観てみたいです。
ちなみに、タイトルのフルメタルジャケットとは鉛弾頭を銅合金などで覆った弾頭”完全被徹甲弾”のことで、心まで冷たい金属で覆われてしまった兵士のことも指してるとかなんとか…。

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映画「ピノイ・サンデー」観ました

ピノイ・サンデー
製作:台湾/日本/フィリピン/フランス’09
原題:台北星期天
監督:ウィ・ディン・ホー
ジャンル:★ドラマ/コメディ

【あらすじ】台湾に暮らすフィリピン人出稼ぎ労働者ダドとマヌエル。彼らは日曜日には台北の教会で同胞と顔を合わせ、家族へ荷物を送ったりして異国での寂しさを紛らわしていた。そんなある日、ふたりは道ばたに捨てられたソファをみつけ…。

よりによって不倫相手の誕生日に別れを切り出し、傷つけてしまったと自己嫌悪に陥るダド。そして、追いかけていた同郷出身の美女に馬鹿にされ、落ち込むマヌエル。そんな時、ひょんなことから理想のソファを拾い、お金も車も無いから、はるばる(本来バスで行き来する距離)寮まで歩いて運ぼうとするお話。

門限を破れば強制送還もありえる肩身の狭い出稼ぎ労働者が、異国の街をさまよいます。ただ「仕事の後、寮の屋上のソファでビールを飲みながら星空を眺めたい」という小さな夢のために…!
男ふたりがさまよう系の話が好きな私としては、かなりツボでした。
しんみりしつつもどこか楽観的な雰囲気が混在する作品で、早く帰りたいダドと並々ならぬ執念でソファを持ち帰ろうとするマヌエルがおりなす珍道中です。
せっかく同郷のよしみで車に乗せてもらえそうになっても、ソファを一日置いていくなんてできないと断ってしまったり。ダドがこっそりリサイクル屋(?)にソファを渡しても、取り戻そうとして迷子になったり…(というか既に迷子だったけど)。他にも様々なトラブルに見舞われながら、なんとしてもソファを持ち帰ろうと奮闘します。

ついに門限に間に合わなかった彼らが見る、ひとときの夢、ソファに揺られて歌うシーンが幻想的で楽しかった。(このシーンがあるから録画を消せない!)
「自分には家族も恋人もいない」とこぼしていたマヌエルでしたが、いつもとなりにはダドがいて、ラストには新しい夢も見つけられてよかったです。幸せな気分になれる作品でした。
ちなみに英語題「PINOY SUNDAY」とは”フィリピン人の日曜日”、台湾語題「台北星期天」は”台北の日曜日”という意味だそうです。

映画「荒野の七人」観ました

 | 西部劇  Comment(34) 
Tag:ジョン・スタージェス 黒澤明

荒野の七人
ユル・ブリンナーも描きたかったけど、やっぱりブロンソン!
製作:アメリカ’60
原題:THE MAGNIFICENT SEVEN
監督:ジョン・スタージェス
原作:黒澤明、橋本忍、小国英雄
ジャンル:★西部劇

【あらすじ】カルヴェラ率いる無法者に貢物を強要される農村。耐えかねた百姓たちは、少ない金をかき集め町まで銃を買いに行く。そこで腕利きのガンマン・クリスを見つけるのだった。村の救済を依頼されたクリスは、7人のガンマンを集め村へ向かう。

う~ん、やっぱり面白いですね。
もう、クリスの登場シーンからして格好いいです。通りすがりに、赤の他人の遺体を危険を冒して守ろうってんですから、農民たちがほれ込むのも無理ないと思います。黒服がキマッてます。
そしてもちろん、ブロンソンも素敵!
「今は20ドルでも大金だ」と引き受けてしまうお人好しで、子供に好かれる優しく頼れるおじさんという感じでした。
印象的だったのが”彼の係”になった少年三人組。「おじさんが死んだらお墓に花を供えてあげる」だとか、「死ななきゃもっと嬉しいよ…たぶん」とか微妙な空気の漂う会話が楽しく、そして切ない…。父親を臆病者と言った少年を叱るシーンもホロリときました。
また、向こう見ずな若造チコも、彼がいるだけで賑やかになる感じでよかったです。女の人はいなくてもいいような気もしましたが、彼の不器用な恋はつい応援してしまいます。
後半ぐっとくるのが、早撃ちリーがその心情を吐露する場面と、ハリーがありもしない黄金を夢見ながら死んでいくところ。それまで好きでもなかったのが、一気に引き込まれてしまいました。

カルヴェラが彼らに銃を返してしまうところは何度見ても「え~!!」となってしまいますが、最後まで楽しく観れました。でも、「七人の侍」と同じく未だ七人の名前が覚えられなかったり…。再見だから顔は見分けられるようになったけどさ。

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映画「マジェスティック(2001)」観た

 | ドラマ  Comment(6) 
Tag:フランク・ダラボン

マジェスティック(2001)
よしっ、ネオンはもう二度と描かねー。
製作:アメリカ’01
原題:THE MAJESTIC
監督:フランク・ダラボン
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】1951年、ハリウッドデビューを果たしたばかりの脚本家ピーターは、誤解から赤狩りの標的となる。そんな時、交通事故で川に転落し、記憶喪失に。保護されローソンの町に来た彼は、第二次大戦から帰らなかったルークと間違われる。

Gyaoでこのタイトルを見つけた時は『よっしゃー、ブロンソン!』と叫んでしまったんですが、よく見たらジム・キャリー主演の全然違う作品でした…。
でも、心温まるヒューマンドラマだったと思います。観てからけっこう経つのと、先日観た「野のユリ」が素晴らしかったので印象が薄れつつありますが…。

まず、全体的に”映画大好き!”という雰囲気があっていいですね。
主人公は自分のデビュー作への思い入れが深く、何度も映画館で観ているのはもちろん、ポスターを見つければ自分の名前を誇らしげに見つめます。
記憶喪失になってたどり着いたローソンの町でも、ルークの父親だというハリーのために、映画館「マジェスティック」(意味は”堂々”、字幕では”威風堂々”でした)の再開を手伝うことに。町の人もいい人ばっかりで、必要なものがあれば何でもくれます。この町自体がファンタジー、という感じかな。
見事によみがえった”マジェスティック”が明々とオープンした時の、人々の笑顔も素敵です。主人公とハリーもまるで本当の親子のようで、見ていて幸せな気分になるのに、いつか壊れてしまうと思うと切なくなりました。

終盤の聴聞会はなかなか熱い展開を見せてくれるんですが、あまり赤狩りについて知らないせいか付いていけないものがありました。微妙に後味も悪いです。
でも、ラストの主人公の決断に救われました。
余談ですが、製作会議で彼の脚本に犬を登場させようとするプロデューサーが、なんとなく憎めません…。

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映画「大いなる西部」観ました

 | 西部劇  Comment(10) 
Tag:ウィリアム・ワイラー

大いなる西部
製作:アメリカ’58
原題:THE BIG COUNTRY
監督:ウィリアム・ワイラー
原作:ドナルド・ハミルトン
ジャンル:ドラマ/西部劇

【あらすじ】結婚のため東部からテキサスに来たジェームズ。だが婚約者の父親テリルは、水源地の所有をめぐって大地主ヘネシー家と対立していた。やがて、水源地の所有者で女性教師のジュリーが、騒動を避けたがっていることを知り…。

午後のロードショーの新しいテーマ曲がこの映画のものだとわかってちょっと嬉しかったり。
それはともかく、いまいち主人公に感情移入できなかったものの、妙に爽やかで見ごたえのある作品でした。

好きなシーンは、主人公とヒロインが怖い話を言い合い、彼女の話にわざと怖がってみせるところ。その話の内容は途中で身振り手振りだけになってしまって気になるけれど、主人公がお茶目で可愛い。この二人の恋模様が爽やかでよかったです。
また、テリルが一人で決戦の場に向かうシーンで、一度は彼を見捨てた牧童頭が放っておけなくて結局ついてきてしまうところ。男の絆ですね。
風景も素晴らしいです。

気になったのは、婚約者が終盤出てこないこと!
彼女のその後がすごく気になるんですが、わたしが見逃しただけでしょうか?
暴れ馬ももっと出して欲しかったです。
あと、ヘネシー家の親父がいい味出してたんだけど、馬鹿息子の末路を見たら子育ての才能はなかったんだなぁと哀しくなりました。母親がいればね!

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映画「野のユリ」観ました

 | ドラマ  Comment(16) 

野のユリ
製作:アメリカ’63
原題:LILIES OF THE FIELD
監督:ラルフ・ネルソン
原作:ウィリアム・E・バレット
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】アリゾナの荒野を旅していた黒人青年ホーマー・スミス。ちょっとした用で修道院の世話になった彼は、教会建設の手伝いをさせられる破目に。院長マザー・マリアにシュミットと呼ばれこき使われるが、文句をこぼしつつも居ついてしまい…。

最初から最後まで清々しく、心地良い人の温かさを感じる作品。
ホーマーがほんといい人なんですよ。ちょっと水をもらいに寄っただけなのに”天が使わした労働力”扱いされ、何度も去ろうとしながらも戻ってきてしまう。根っからのお人好しです。
まるで”独裁者”のような(グサッとくる表現でした)院長にこき使われ、朝食は卵とミルク。そのうえ無報酬だし(院長は)感謝すらしてくれない…。そんな場所に誰が好き好んで留まるでしょう?

でも彼は、そんな場所で時おり安らぎを感じているような表情を浮かべるんですよね。
東ドイツから亡命してきた彼女たちに英語を教えている時、一緒に『Amen』を歌っている時、自腹で豪華な朝食を頼んでいる時、教会を建てるのが楽しくなってきた時。さらには、院長と聖書を使って反発し合っている時でさえ、どこか楽しそうに見えてしまいました。
見知らぬ土地で、援助もなく、ただ信仰心を支えにやってきた院長も、彼と接しているうちに頑ななこころがほぐれていきます。
そんな彼らの様子を見ているうちに、わたしも優しい気持ちになれました。

タイトルは、「働かなければ食っていけない」というホーマーに対し、院長が聖書の一節「野のユリを見よ。働きもせず、紡ぎもしない。ソロモンでさえ、ユリほど装わざりき。」を引用した事から。
『Amen』がいつまでも耳に残るラストが秀逸です。

<追記:2015/07/16>
久しぶりにリリア・スカラさんの院長を見てみようと思って再見しました。
序盤の院長はムカつくオバサンなんですよね~(笑)
強引に引き止めて、まともな食事も与えず「怠け者!」と馬車馬のようにこき使う!
お金のことを言われると、まだ英語はよくわからないからとはぐらかそうとするし、普通に詐欺罪で捕まってもおかしくありません。
でも、彼女たちの置かれた状況を見ると、本当に毎日食べるので精一杯で、彼女たちだけだったらいずれはにっちもさっちもいかなくなって路頭に迷っていたかもと思うと、彼女が必死になるのもわかるんですよね。
そんな中、自分が憎まれ役を引き受けて、厳しい現実に果敢に挑んでホーマーをゲットしたんだから大したものです。
ホーマーの功績はもちろん大きいけども、みんなで教会を完成させられたのは、やはり彼女あってのことでしょう。
印象に残ったのは、「Amen」を初めて歌ったシーンで、思わず院長の顔がほころぶところと、それぞれの聖書を使って議論するくだり、十字架の下に誇らしげに自分の名前を刻むホーマー、完成した教会(=奇跡)を目にして感無量の神父様などなど…。
そして、やはり一番は「Amen」を歌いながら去っていくラストですね。シスターたちは希望いっぱいで歌に夢中で、院長だけがホーマーとの別れを悟っている…。その直前になんだか暗い表情を浮かべていたホーマーのシーンもあって、二人の絆の深さがどれほどのものになっていたか伝わってきてホロリときました。
心温まる名作です!

第13回ブログDEロードショー「アマデウス」

原題:AMADEUS
製作:1984年アメリカ
監督:ミロス・フォアマン
原作:ピーター・シェイファー
開催:2010/10/1~10/3
アマデウス告知
「ラジオ・ヒッチコック」のロッカリアさんが選んで下さいました。
理由は、
当初の企画「一人では見難いから皆で一緒に見ようよ」と言う原点回帰。
この映画長い(160分)から、DVD買ってからまだ一度も見ようとしていない。(腰が引ける、と言うか…)このようないい機会がないと進んで見れないのだ。
この映画をミュージカルだと思っている人が意外に多い。ようやく秋らしくなって来たので、極上のミステリーを皆と堪能したい。
モーツァルトのお勉強にもなる。彼の人生を、映画を見ているだけで学べる。とのことです。

企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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アニメ「ひつじのショーン」が始まったよ

 | マンガ/アニメ  Comment(0) 

ひつじのショーン
ペンギンズが終わったと思ったら、その枠で念願の「ひつじのショーン」が始まりました!
以前紹介した映画「ウォレスとグルミット」3作品のスピンオフアニメです。セリフはなく、個性的なキャラクターのいきいきとした動きが魅力的!

NHK教育テレビで毎週、朝7:00からです。

今朝、番組表をチェックしていて始まる直前に気付きました。
なんでも、すでに放送された40話に新作40話を加えて放送してくれるとか。ほんと直前に気付いてよかった~!

これから毎週日曜日の朝食は、可愛いひつじたちを見ながらほのぼの楽しく過ごせそうです。

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映画「狼よさらば」観た

 | 犯罪  Comment(8) 

狼よさらば
ずきゅーん!
製作:アメリカ’74
原題:DEATH WISH
監督:マイケル・ウィナー
ジャンル:★犯罪/アクション/ドラマ

【あらすじ】NY。チンピラに妻を殺され、娘を暴行された建築家ポール。警察が当てにならずうちひしがれる彼は、ひょんなことから銃を入手。夜な夜なチンピラを処刑し始めるのだった。マスコミは彼を”幻の狩人”と囃したて、英雄扱いし始め…。

冒頭から目を背けたくなるようなシーンがあるらしいんですが、TVではカットされていました。わたし的にはラッキーです。でも、娘さんの心が壊れてしまったのはそういうことがあったからだと知っておいた方が、ストーリーに入り込みやすいかもしれません。

そして、怒りに燃えた主人公が銃を手に取り復讐を…となるのは普通のアクション映画。この主人公はそう簡単には復讐者にはなりません。
警察にも頼るし、何の反応も見せない娘は心配だし、仕事に打ち込んで悲しみを忘れようともする。でも、娘の哀れな姿を見たら忘れられるはずがないし、街にのさばるチンピラどもが否応にも視界に入ってしまうんですよね。
そんな時、出張先で西部劇ショーをみて、仕事相手にガンクラブに連れて行かれ、終いにはリボルバーを贈ってもらったりしたら…。それまでにも、靴下にコインを詰めたお手製武器でチンピラを撃退したこともあり、ついに彼は立ち上がります。
最初は自分のした事にショックを受け吐いていたのが、しだいにこの行為に爽快感を感じるようになっていく様子が恐ろしく、その反面、あんな街に住んでいたら…と彼に共感してしまいました。(ブロンソン格好いいし!)
てきぱきと”自分の仕事”をこなす刑事さんもいい味だしてます。
主人公が妻子を襲ったチンピラを見つけ出そうとするわけでもなく、パターン通りには進まないところが新鮮でした。

原題は、精神分析の用語で”意識的または無意識のうちに他人または自身の死を願う”という意味らしいです。邦題は、劇中で刑事さんが主人公に告げる渋いセリフから。しびれます。

TV映画「アガサ・クリスティ ミス・マープル3/バートラム・ホテルにて」観た

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Tag:アガサ・クリスティ イギリス

アガサ・クリスティ ミス・マープル3/バートラム・ホテルにて
製作:イギリス/アメリカ’07
原題:MARPLE: AT BERTRAM'S HOTEL
演出:ダン・ゼフ
原作:アガサ・クリスティ
ジャンル:ミステリー

【あらすじ】懐かしきバートラム・ホテルへきたミス・マープル。昔と変わらず人々で賑わっており、なかには大富豪ブレイク卿の遺言状開示を待つ者もいた。そんな時、メイドが何者かに殺され、彼女はメイドのジェーンと協力して事件を調べ始める。

今回は犯人を当てるつもりでしっかり観てみました。
そのおかげか、動機やトリックはほとんどわからなかったものの、いちおう真犯人はアタリ(やった~!)。絵画やナチスにまつわるものはさっぱりでしたが、宝石泥棒の方は犯人もトリックもわかりました。
原作から大きく改編してあるらしく、いろいろ込み入りすぎな気もします。
でも、少しでも自分の推理が当たっていると、やはり嬉しいものですね~。相変わらず、殺人事件をきっかけに新たなカップルが誕生して「おいおい」と思ったりしましたが、十分楽しめました。

ラストに、ミス・マープルが犯人をぴしゃりと叱ったのも良かったです。この犯人、動機を突き詰めれば”自分のため”なのに、それに気付かず”きっとみんな同情してくれる”という甘い考えを持っている人物だったのでスッキリしました。
大切な人を犯罪に引き込むのは最低ですよね。

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