2010年08月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

海外ドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」観ました

 | TV番組  Comment(6) 

シャーロック・ホームズの冒険
映画で2回ほど観たことがあるだけで、原作もドラマも知らないので、ほぼ初めてのシャーロック・ホームズです。
彼がコカインをやってたと知ってから何であそこまで人気があるのか不思議に思ってたけど、最初はキツイ性格についていけなかったものの、4話辺りからぐんぐん惹きこまれてしまいました。

やっぱり探偵はコンビがいいですね。ワトスンとの友情が最高!
なんというか気難しい芸術家と、それを支える親友で一ファンという感じでした。
ワトスンもホームズと同じで”奇妙な事件”大好きだし、ホームズの見事な推理を一番近くで見られる事にちょっとした優越感を抱いているみたいだし、少しくらい高慢でも許せるのかもしれません。
それに、ホームズも本当にワトスンを信頼してるんですよね。彼の小説に難癖つけたり、何故か食いしん坊扱いしたりするけれど、彼の事を認めていて信頼してるっていうのがひしひしと伝わってきました。モリアーティとの対決の後、お互いを心配する様子も感動的!(数年経ってワトスンやけに老けたと思ったら、俳優交代してたのか…)

そして、忘れちゃいけないのがレストレード警部ですね。ちゃっかり手柄を譲ってもらうし、対抗心を燃やしたりもするんだけど、心からホームズを尊敬してる(最初は違ったかもだけど?)
「六つのナポレオン」での彼の言葉に思わずうるっとしてしまうホームズも良かった!
NHKでまた再放送することがあったら、ちゃんと全話観てみたいです。

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映画「永遠と一日」観た

永遠と一日
製作:ギリシャ/フランス/イタリア’98
原題:MIA AIWNIOTHTA KAI MIA MERA
監督:テオ・アンゲロプロス
ジャンル:ロードムービー/ドラマ

【あらすじ】北ギリシアの港町テサロニキ。不治の病の老作家アレクサンドレは、すべてに別れを告げ、明日病院へ行こうと決意していた。だが、娘の家へ向かう途中で不法入国の少年を保護。送り返されるのを嫌がる彼と行動を共にし始めるのだった。

BS2で連日アンゲロプロス監督作品をやっていたので観ました。
さすがに連続で観るときついですね。毎回「20分長い…!」と思ってしまったし、なんだか重い。あと、内容が重いのに幼い子供が登場するのがちょっと嫌でした。幼い頃の自分を投影してるのかもしれないけど。
とりあえず、ストーリーが好きでも嫌いでも、とてつもなく印象に残るシーンが幾つもあるので、彼のショートフィルムなら喜んで観たいです。

で、この作品ですが、内容が理解できたとは思えないけれど、静かに流れていくような展開は私好みでした。
ただ、セリフに詩が散りばめられていて、なおかつ(いつも通り)セリフのないシーンがたくさんあるので、セリフがある時に言葉が多すぎるというか、作品に溶け込んでないように感じてしまいます。
そもそも、詩(とジョーク)って翻訳が難しいと思うので、これじゃ本来の魅力なんてほとんど伝わってないのでは?
まあ、アレクサンドレが執着している詩人は、知らない言葉で詩を作り始めたんだけどね…。

原題の意味は邦題と同じ。アメリカ版は「ETERNITY OF A DAY」でETERNITYは”(死後に始まる)永遠の世界”という意味。最後のアレクサンドレの心変わりは、死を受け入れたということなんですかね?

映画「暗黒街のふたり」観ました

 | 社会派  Comment(14) 
Tag:ジョゼ・ジョヴァンニ フランス

暗黒街のふたり
製作:フランス’73
原題:DEUX HOMMES DANS LA VILLE
監督:ジョゼ・ジョヴァンニ
ジャンル:★ドラマ/犯罪

【あらすじ】銀行強盗を計画したリーダーとして懲役12年の刑を受けたジーノ。彼の社会復帰を願う保護監察司ジェルマンの力添えで出所した彼は、妻のためにも真面目に第二の人生を歩み始める。だが、彼の更生を疑うゴワトロー警部と再会し…。

実にやるせない作品でした。
本気で人生をやり直そうと頑張るジーノを踏みにじるように、不運や世間の冷たい目、そして悪意と無関心が彼を追い詰めていきます。
とくに酷いのがゴワトロー警部。彼は優越感を得るためにこの仕事をしてるんでしょうね。だから、自分がぶちこんだ犯罪者が、自分よりいい生活をしているなんて許せない
あらゆる手段でジーノを刑務所に送り返そうとする姿は、ジーノを知っている側にとって腹立たしいものでしかありません。(根拠はないけどマザコンっぽいし、立ってるだけで不気味!)

もちろん、彼を信じて家族や息子のように想ってくれている人もいました。彼が心から反省していると知っているジェルマンはもちろん、その家族や、仕事をくれたおじさんなどです。
彼らの存在にジーノがどれだけ救われたことか!
彼らを見ていて、自分だったら前科のある者を偏見を持たずに見られるだろうかと考えてしまいました。きっと、無関心によって彼を死刑にしてしまった陪審員たちと、同じ結論を出してしまうんでしょうね…。
ゴワトロー警部のような存在が現れないため、誤った判決を下さないため、わたしたち国民が制度に関心を持ち、目を光らせている事が大事だと思いました。

また、この作品では”残酷なギロチン刑”を批判しているんだけど、見せしめのために使わないのなら死刑囚を苦しませないギロチン刑(あと日本の絞首刑も)は残酷とも言い難い気がしました。死刑そのものが残酷と言うならわかるけどね。
原題の意味は「街のふたり」、邦題は”暗黒街”にしたせいで内容を誤解されそうです。

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映画「悪魔のような女」感想

 | サスペンス  Comment(6) 

悪魔のような女
製作:アメリカ’96
原題:DIABOLIQUE
監督:ジェレマイア・チェチック
原作:ピエール・ボワロー/トーマス・ナルスジャック
ジャンル:サスペンス

全寮制男子校の校長で、理事長ガイの病弱な妻ミア。夫は女教師ニコルと愛人関係にあったが、彼女には泣き寝入りするしかなかった。だが、ガイの暴力的な性格は酷くなるばかりで、ニコルとミアは彼の殺害を企む。

タイトルみてやったーと思って観たら、リメイク版でした。そうか、わたしが観たかったのは55年製作だから、テレ東なんかじゃやらないか…。
内容は”まあ普通”という感じ。
もう少し、だれもかれも怪しく見える工夫がないと、緊張感が続きません。ミア(イザベル・アジャーニ)の怯える表情が可愛いという以外、とくに見所はないかも?
久しぶりに女の人を描けたのは満足ですが、やっぱりオリジナルが観たいよ~!!

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映画「シシリアン」観た

 | 犯罪  Comment(13) 
Tag:アンリ・ヴェルヌイユ フランス

シシリアン
製作:フランス’69
原題:LE CLAN DES SICILIENS
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
原作:オーギュスト・ル・ブルトン
ジャンル:★サスペンス/犯罪

【あらすじ】マフィアの顔役ヴィットリオとの取引により、脱走に成功した”五月の蝿”こと殺し屋サルテ。久しぶりに自由を得た彼は、逃走の手助けをしたアルドの妻ジャンヌと人知れず愛し合う。やがて彼は、宝石強奪話をヴィットリオにもちかけ…。

ヴィットリオとサルテ、そしてル・ゴフ警部との攻防が楽しかったです。わたし的には警部ありきの作品ですが(…というか、原作は警部のシリーズものなんですね。さすが!)
警察は後手に回っているものの、しつこく食いつくとこが素敵です。でも、サルテの妹には「見張っている」とわざわざ忠告し、何故と問われば「俺の主義だからだ。…共犯者になるなよ。」って、超カッコいいぃー!!
ずっと追っていたサルテの犯行を止められず、ショックのあまり禁煙をやめてしまうところも人間味があって可愛いかったです。

主役サルテもいいですね。護送車の床に小さな電ノコで穴を開け、脱走する冒頭から目を引きました。窓から飛び降りるシーンもさすがドロンという感じで格好いい。
冷徹な殺し屋で女たらしだけど、妹思いでもあり、見張りの目をかいくぐり妹に別れを言いに行くのも印象的でした。

ラスト、ピンボールをして待っていた警部と、復讐を終えたヴィットリオの簡潔な会話。そして、静かな幕引きが余韻を残します。
ちなみに、シシリアンとは直訳すると”シチリア島の~”で、タイトルはシシリアンマフィアのことを指すようです。

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第12回ブログDEロードショー「ゴッドファーザー」

 | ブログDEロードショー  Comment(20) 

原題:THE GODFATHER
製作:1972年アメリカ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
開催:2010/8/20~8/22
ゴッドファーザー
「そのスピードで」のケンさんが選んで下さいました。

<理由>
  • 夏なので、半端な映画じゃ食指が動かないから。
  • とはいえ、意外と「食わず嫌い」の人もいるかも。
  • 暴力描写が怖い、古臭い、暗くて難解…などと誤解されてそう。
  • 女性も含めて多くの人と、陰鬱で壮大な叙事詩を味わいたい。

企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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映画「新幹線大爆破」観た

 | サスペンス  Comment(11) 
Tag:日本

新幹線大爆破
製作:日本’75
監督:佐藤純彌
ジャンル:サスペンス/アクション

【あらすじ】新幹線の乗客を人質にとった爆弾脅迫事件が発生した。仕掛けた爆弾は時速80キロ以下で爆発するという。なんとか速度を保って新幹線が南下するなか、警察は犯人逮捕のチャンスである現金受け渡しに向かう。

「スピード」を20年も前に先取りした作品ということで観たんですが、スリリングでなかなか見ごたえがありました。
肝心の新幹線が模型だったりするんですが、可愛くてわたし的にはOK!
それに、速度を保つため本来は安全を守るATCが問題になるとか、一つ間違えば大事故になるきわどいポイント切り替えとか、並走する新幹線でバーナーを受け渡すとか、セットの良し悪しに関わらず盛り上がります。
ただ、警察が「アホかっ!」って叫びたくなるようなミスをおかしたり、人を傷つけずに完全犯罪をと考えているくせに本物の爆弾を仕掛けたり(一度、貨物車?で実演しているので、新幹線の方は偽物で充分だと思う)、やや強引なところもありました。
乗客たちの反応はある意味リアルなんだろうけど、アメリカのパニックものを見慣れていると物足りなく感じるかも。

でも、主犯格の健さんの素晴らしい演技をみれば、そんな細かいことを忘れてしまいますね。アメリカン・ニューシネマの流れを汲んだ作品だとも聞いていたので、日本人に合うのか疑問に思っていたけれど、ラストの健さん最高でした。
なので、その余韻をぶち壊すように始まった音楽は最悪。

映画「ダンボ」観ました

 | ファミリーアニメ  Comment(8) 

ダンボ
キリンさんが好きです。でも、ゾウさんのほうがも~っと好きです!
製作:アメリカ’41
原題:DUMBO
監督:ベン・シャープスティーン
ジャンル:★ドラマ/ファンタジー

【あらすじ】サーカスの象ジャンボは可愛いわが子に”ジャンボJr”と名付けるが、他の象たちは大きな耳をバカにして”ダンボ”と呼んだ。やがて、見世物にされたわが子を助けようとして、ジャンボは檻に入れられてしまう。ひとりぼっちで涙に暮れるダンボをみかね、ネズミのティモシーが一肌脱ぐが…。

BS2でディズニー特集をやってたので、立て続けにいろいろと観ました。
中でも印象に残ったのが、今回初鑑賞のこの作品。
独りぼっちになって、ただ涙を流すことしかできないダンボの姿に胸を打たれました。まだ赤ちゃんだからなのか、一言も喋らないのがまた…。
そんなダンボをサーカスの人気者にしようと奮闘するティモシーも、ほんといい奴で大好きです。
一方、ちょっと違うだけでそれをあざ笑うおばさんゾウたちの醜悪なこと!
変わったもの、弱いものをいじめる行為は自然界にもあるけれど、人間はそれを醜悪だと感じることができるんだから自分も気をつけないとなぁと、いろいろ振り返ってしまいました。

ピンクのゾウの夢はちょっと不気味でしたね~。今までちらほら「ピンクのゾウ」という単語を聞いたことがあったので、これが元だとわかったのは嬉しかったです。
また、「ダンボ」というと”飛んでるゾウ”という認識があったので、飛ぶまでにこんなドラマが合った事に驚きました。
ディズニー映画でこころの一本になりそうです。

映画「クイール」観ました

 | ファミリー  Comment(5) 
Tag:日本

クイール
製作:日本’03
監督:崔洋一
原作:秋元良平/石黒謙吾
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】飼い主の希望により、盲導犬訓練を受ける事になったラブラドール・レトリーバーの子犬。鳥の羽根のブチ模様があることから”クイール”と名付けられ、1歳になるまでパピーウォーカーの許で楽しく暮らす。やがて訓練センターへ入り…。

邦画で動物ものとなると、お涙頂戴になることが多くて身構えてしまうんだけど、これはそういうのは控えめで私好みでした。
まず、周りの人々が愛情に溢れているんですよね。元の飼い主やパピーウォーカー(盲導犬訓練を受ける子犬を一歳まで一般家庭で育てるボランティア)の夫婦はもちろん、飄々とした盲導犬訓練士、偏屈な視覚障害者とその家族など。言葉にしなくても彼らといる時のクイールの安心した表情を見るだけで、クイールは幸せな一生を送ったんだなぁと思えました。

視覚障害者の渡辺さんは多少偏屈なところもありましたが、見ていくうちにとてもいい人だとわかるんですよね。最初は「自分でできる!」と意地を張っていても、元から愛妻家で家族想いで面倒見がいいひとなので、クイールとも確かな絆を築いていきます。
椎名桔平演じる訓練士も良かったです。トゲトゲした言葉もさらりとかわして、言いたいことはちゃんと伝えてしまう。盲導犬と視覚障害者をつなぐ架け橋という感じでした。

盲導犬についてもわかりやすく説明してくれたし、ところどころ笑いもあるし(くまのピーちゃんとか犬の同窓会が最高)、クイールは可愛いし、動物好きならまた観たくなる作品だったと思います。

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映画「劔岳 点の記」観た

 | 伝記/自伝/実話  Comment(4) 
Tag:新田次郎 日本

劔岳 点の記
製作:日本’08
監督:木村大作
原作:新田次郎
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】明治39年、陸軍参謀本部陸地測量部の測量手、柴崎芳太郎は、日本地図完成を急ぐ陸軍に劔岳の初登頂と測量を命じられる。ライバルも現れ重いプレッシャーがかかる中、彼は前任から信頼できる案内人・宇治長次郎を紹介される。

美しい山々や、香川さんの演技をみてるだけで楽しめました。
主人公の心情はやや描き足りない気がするしドラマも淡々としてますが、測量の仕事は興味深く、何より山の風景を満喫できます。
アドベンチャー的な部分もあるのかと思っていましたが、全然そういうのはないんですね。一応危険なシーンもあるんですが、みんな妙に運が良くて雪崩に巻き込まれても落下しても大丈夫だったという…。最初の方をちゃんと観られなかったので、前人未踏=生還者なしと勘違いしてたみたいです。全員無事に終えた時は、『あんな軽装ですげぇ~!』と歓声をあげてしまいました(笑)

ちなみに、なぜあえて冬山に登るのか身近にいる山男に聞いたところ、”雪渓ならなだらかだから、まっすぐ目的地に行ける”と簡潔な答えが返ってきました。これって劇中で説明してましたっけ?

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映画「サマーウォーズ」観た

 | アニメ/人形アニメ  Comment(6) 
Tag:日本

サマーウォーズ
製作:日本’09
監督:細田守
ジャンル:SF/アドベンチャー/青春

【あらすじ】仮想都市OZが人々の日常生活に深く浸透している近未来。数学オリンピック日本代表になりそこねた高校生の小磯健二は、憧れの先輩、夏希に頼まれ夏休みに彼女の田舎に一緒に行く。そんな時、健二は謎のメールを受信し…。

わたし、この監督さんの描く日常のちょっとした会話なんかが好きなんですよね。あの間の取り方が心地いいです。そして、夏全開!というところもいい。後半はネット側を描いてばかりで今回はあまり満喫できなかったけれど、情緒ある夏の映画っていいと思います。

さて感想ですが、何よりお祖母ちゃんの存在感が際立ってました。なぎなた振り回すのはどうかと思うけど(笑)、絆の大切さというものを体現して生きてきたような人です。
この事件をかろうじて解決(一歩間違えば大惨事だった…)できたのは、あの場所に”特別な人たち”が揃っていたおかげなんだけども、そんなご都合主義な展開も彼女の存在があってこそだったと思うと納得できます。主人公もお祖母ちゃんに認められなかったら追い返されてただろうしね。あと、主人公の友人が縁の下の力持ちという感じでよかったです。

…思い返すと、あまり主人公が目立ってなかったような?
運悪くアバター使われたり、そのために犯人扱いされたり、カズマ君(女だと思ってた)の信頼を得たり、暗号解読したり…。え~と、他には…?
うん、まあ、最後に脳がショートしそうなほど頑張ってましたし、じゅうぶんですよね。

とまあ概ね楽しく観れたんですが、終盤みんなで『うぉ~~~!!』ってなったり変身したりするとこは恥ずかしくて観てられませんでした。相変わらずこのノリにはついていけません。
相変わらずというのは、昔観た細田監督の作品「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」でも同じ展開だったからです。今回この作品をつくったのは、高評価だった「ぼくらのウォーゲーム」が”デジモン”の映画であるために一部のひとにしか観てもらえなかったためでしょうか。
仲間との絆から家族との絆に重点を置き換え、夏休みに子供と一緒に観られる作品になってたと思います。

映画「勝負(かた)をつけろ」観た

勝負(かた)をつけろ
製作:フランス/西ドイツ’61
原題:UN NOMME LA ROCCA
監督:ジャン・ベッケル
原作:ジョゼ・ジョヴァンニ
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】殺人容疑をかけられた友人アデを救うため、マルセイユにやってきた山師ロベルト・ラ・ロッカ。だが、アデを陥れた男ビラノバを殺してしまい、間もなくアデは投獄された。ひと悶着起こした彼は、アデと同じ刑務所に投獄され…。

友人がピンチというのに、前半はあまり助ける努力をしているように見えない主人公。早撃ちは格好良かったものの、正直ハズレかと思いました。(フィルムノワール好きにはたまらないみたいです)が、中盤の(故意に?)刑務所に入ってからは、友情がきらりと光り面白くなってきます。
なかでも印象的なのが、刑期を短くするために参加した地雷掘り!
今ではネズミ(HeroRATS)による地雷探知でかなりの成果を上げているようですが、昔はこういうのが一般的だったんですね。汗が落ちるのにも冷や冷やしてしまうような緊迫感が伝わってきます。
疲れ果てたロッカのため、こっそり難しい作業を代わりに行うアデの友情にぐっときました。
それだけに、友情の終焉を迎えるラストはやるせない…。人間はそうそう変われないのかと、虚しさに襲われました。

原題の意味はたぶん「その名はロッカ」というところでしょう。
同じ原作、同じベルモント主演で再映画化した『ラ・スクムーン』という作品があるらしいので、機会があったら観てみたいです。

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「2010年」「2001年宇宙の旅」まとめて観た

2010年

『2010年:2010』

1984年アメリカ、ピーター・ハイアムズ/アーサー・C・クラーク
はい、まずは先に観た続編(って言っていいのかな?)の感想です。ややネタバレあり!
よかったです。わかりやすいし、HAL暴走の原因が明かされます。
いや、なんかもう、私ってば思ってたよりHALのこと大好きだったみたいなんですよね。原因が結局のところ人間のミスだったとわかりほっとする一方で、HALの苦悩を思い胸が痛みました。
再びHALの反応でハラハラするシーンでも、HALなら大丈夫!と心から信じられましたし。彼の「真実をありがとう」の言葉には涙がぽろぽろこぼれました。
全体的な印象としては、前作や原作を大事にしつつ真似っこにはなってないという感じ。ただ、ソ連との政治的な緊張が描かれているために、時代を感じる作品になってしまいました。
2001年宇宙の旅

『2001年宇宙の旅 2001:A SPACE ODYSSEY』

1968年アメリカ/イギリス、スタンリー・キューブリック/アーサー・C・クラーク
先に謝っておきますが、意気込んで観たくせに最初の50分と最後の30分意識飛んでました。つまり、HALが出てるところ以外は全滅です。キューブリック監督…ごめんなさい。
前に観た時も概ねそんな感じだった…というか、むしろ前回のほうがちゃんと観れたかもしれません。もう、HAL愛に目覚めてしまったので、彼が出てるシーンはめっちゃ集中して涙こらえて観てたんですが、壮大な宇宙とモノリスには1mmも興味持てなかったです。
よくよく考えてみると、昔からわたしは、”地球から見た空”や”宇宙から見た地球”の映像には感動しても、宇宙空間の映像には(キレイとは思っても)興味はゼロだったかもしれない。あとクラシック曲は、演奏の様子が見れれば好きだけど、そうでない場合は苦手なんですよね。ピコピコ電子音は神経に障るし…。ただ、完璧主義者のキューブリック監督にとってモノリスは美しい存在なんだろうなぁとぼんやり思いました。
「観る資格がない」と怒られても仕方がないですが、宇宙の旅って、どこかに着陸しないと私には退屈でしかないみたいです。普通のSFでも観ようかな…?

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映画「バタフライはフリー」観ました

 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(10) 

バタフライはフリー
製作:アメリカ’72
原題:BUTTERFLIES ARE FREE
監督:ミルトン・カトセラス
ジャンル:★コメディ/ドラマ/ロマンス

【あらすじ】シスコの安アパートに越してきた女優志願のジル。彼女は、いつもテラスに立つ隣室の青年ドンと意気投合する。彼の歌と”うつくしさ”にほれ込んだ彼女は、そのまま一夜を共にするのだった。だが翌朝、彼を溺愛する母親が押しかけ…。

何も知らないで観た方が冒頭から面白く観れると思うのに、他のところではあらすじからネタバレしてるので気をつけてください。
もとは舞台だったということで、ほぼドンの部屋で進行する室内劇。もっぱら、登場人物の魅力と、軽妙だけど時には棘を含む会話でみせてくれます。
ジルちゃんがほんと可愛かった~♪ 下着姿で部屋をうろついちゃう子だけど、ぜんぜんいやらしくないです。
いつもテラスに立つ青年をてっきり”のぞき魔”と思った彼女は、胸チラして挑発したりしてたんですけど(危険なのでやめましょう)、実際に会ってみたらとんでもない勘違い。そんな気まずい出会いでしたが、彼女は純粋で明るく美しいドンに惹かれ、彼は天真爛漫で自由を愛するジルに惹かれていきます。彼女が引用した詩をメロディーに乗せて歌うシーン(youtubeへ)はキュンとします。

しかし、これがただのラブコメではないんですよ。
彼の母親の登場により、彼の抱えるものと、彼を愛するがゆえにすれ違う想いが浮き彫りになっていきます。そして、彼らがそれぞれに作用しあって、三人が三人とも何かしらの変化を受け入れるんですね。とくに母親の心情が丁寧に表現されていて、ラストの決意には思わず涙が…。
DVD化されてないのが嘘のようだけど、とってもおススメの作品なので機会があったらぜひ!

映画「大誘拐 RAINBOW KIDS」観ました

 | 犯罪  Comment(12) 
Tag:岡本喜八 日本

大誘拐 RAINBOW KIDS
製作:日本’91
監督:岡本喜八
原作:天藤真
ジャンル:★コメディ/犯罪

【あらすじ】ある夏の日。戸並健次と秋葉正義、三宅平太ら三人は、満を持して大富豪の老女、柳川とし子刀自を誘拐する。だがそれは、聞けば聞くほど穴だらけの計画だった。やがて、三人を手懐けた彼女は、自ら身代金強奪の指揮をとり始める。

ややネタバレあり。何も知らない方が楽しめます)
これ面白かったです!
おばあちゃんがいいんですよ。やさしくて穏やかなおばあちゃんという感じだったのが、実はキレ者でいつのまにか主導権を握っているという。しかも、『大柳川家当主の身代金が5千万だなんて少なすぎるわっ』と一喝し、きり良く100億に値上げ(笑)
この貫禄! チンピラ3人の手に負える相手じゃありません。

見所は、一声かければ共犯者になってくれる人材に恵まれたおばあちゃんと、彼女を生涯最大の恩人と慕う凄腕警部・井狩との駆け引きですね。
ほんと、このおばあちゃん”ただ者”じゃないので、あざやかに大量の札束を消し去ってくれます。どうやったのかちょっとついていけないところもあったけど、最後に彼女の思惑もわかりスッキリ爽やかな後味でした。
何気に反戦のメッセージも込められている凄いエンタテインメント作品だと思います。

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映画「太陽に灼かれて」観ました

 | 戦争  Comment(6) 
Tag:ロシア フランス

太陽に灼かれて
製作:ロシア/フランス’94
原題:Утомлённые солнцем(仏:Soleil trompeur)
監督:ニキータ・ミハルコフ
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】1936年、スターリンが独裁体制を強化していた頃のモスクワ。ロシア革命の英雄コトフ大佐とその妻マルーシャのもとを青年が訪ねた。かつての恋人ミーチャとの10年ぶりの再会に喜ぶものの動揺は隠せない。娘ナージャは彼に懐くが…。

斜めの顔が描けなくて頑張ったわりに、どうみても東洋人になってしまいました。本物は100倍可愛い…というか今まで見た子役の中で一番可愛いです。そして、監督で主演のニキータ・ミハルコフの実の娘さんです。
そんな彼女と大佐の仲良し親子っぷりはほんと和みました。
他にも、ミーチャがヒゲの老人に変装してやってきたり、謎の火の玉や迷子の運転手がうろうろしていたりと、ほのぼの楽しい牧歌的な雰囲気で始まります。
しかし、拳銃をこめかみに当てるシーンや、突然の来訪者に対する皆の反応など張り詰めた空気もあって、いつ壊れてもおかしくないような儚い印象があるんですよね。
死のイメージを呼び起こすはずの戦車やガスマスクも登場しますが、何故か現実感のないものに映りました。そこに住む人々にとって、どこか他人事のような描き方だったからかもしれません。

そこに暗い影を持ち込むのがミーチャです。大佐、マルーシャとの三角関係もしだいに緊張感を増し、やがて彼の目的が明らかになります。
悲劇を前に、何も知らない幼い娘ナージャの無邪気な笑顔を見て、ミーチャと大佐は何を想ったのか?
…切ないです。

フランス語の原題の意味は「偽りの太陽」…だと思います。何故かサイトによって原題がまちまちなので、”Soleil trompeur”で合っているのかすら怪しい。

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