2010年04月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「シンデレラマン」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(6) 

シンデレラマン
製作:アメリカ’05
原題:CINDERELLA MAN
監督:ロン・ハワード
ジャンル:★ドラマ/スポーツ/伝記

【あらすじ】右手の故障や恐慌のため、ライセンスを剥奪されてしまったボクサーのジム。愛する妻メイと3人の子供のため、肉体労働で何とか日銭を稼いでいた。そんなある日、元マネージャーのジョーが一夜限りの復帰試合の仕事を持ってくる。

普段スポーツは全く観ない人間なんですが、ボクシング映画は結構好きです。何故って、試合中に2人しかいないので私でも見分けられるから!(最近気付いたけど、私、アップの時とイラストを描く時しか顔を見ていないかもしれない…)
でもこれはそれだけじゃなく、ドラマとして本当に良かったです。
ボクサーとしても父親としても夫としても精一杯頑張る彼の姿に感動。途中で3回くらい泣きそうになりました。”愛も大事だけど、お金がなければ上手くいかない”とよく聞くけれど、貧乏でもこんなにも愛せる人もいるんですよね。彼だけじゃなく、メイやジョーも素晴らしかった。
昨日「プレステージ」を観てあまりの復讐劇に気持ち悪くなったばかりなので、ますますこの作品が輝かしく思えます。(録画消さなきゃよかった…)
ライバルのベアの凶悪な表情もよかったです。迫力があり、背筋がぞくりとしてしまいました。wikipediaによると実際にはユーモアのある善い人だったみたいですね。試合中に殺してしまったのは実際は一人で、慰謝料を払って被害者の子供を学校に通わせたとか。
実話をもとにしているという事なので、最後はどうなる事かと心配してしまいましたが、ハッピーエンドで大満足でした。おススメです

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TV映画「刑事コロンボ/死者の身代金」観た

 | ミステリー  Comment(0) 

刑事コロンボ/死者の身代金
製作:アメリカ’71
原題:RANSOM FOR A DEAD MAN
監督:リチャード・アーヴィング
ジャンル:★ミステリー

離婚を決意した夫を殺害し、さらに夫が誘拐されたように見せかけ全財産を手に入れた女弁護士レスリー。だが、前妻の娘マーガレットは彼女の計画に気付くのだった。それを悟ったコロンボは、彼女の協力のもと罠を仕掛ける。

冒頭、死体遺棄後に車で帰るシーンで、ヘッドライトの光と犯人の顔の映像を重ねて、彼女の目がキュピーンッ!と光る演出に吹きました。一瞬、そのシーンを描こうかと思ったし(笑)
パイロット版ということで演出も凝ってるし、飛行機で飛んだり金もかけてるんですが、ハッキリ言って映像演出は最悪です。雰囲気ぶち壊しでした。
でも、コロンボさんのキャラはこの作品で完全に固まったようで、ぼさぼさ頭によれよれコート姿で”ペンを失くした”とか”家のかみさんならこうだ”とか、いつも通り安心して観れます。
冷酷な女弁護士である犯人も強敵で、なかなかに見ごたえがありました。高所恐怖症のコロンボに飛行機の操縦かんを握らせたりと、シリーズで一番コロンボを苛めた犯人かも(笑)

鋭い観察眼を発揮させ、犯人の性格を突いた罠がお見事。決定的証拠を突きつけるラストにスカッとしました。
演出が変なのをのぞけば、かなりの良作だったと思います。

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映画「ブラックボード 背負う人」観ました

 | 戦争  Comment(0) 
Tag:イラン イタリア 日本

ブラックボード 背負う人
製作:イラン・イタリア・日本’00
原題:TAKHTE SIAH
監督:サミラ・マフマルバフ
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】黒板を背負い、生徒を探して村々を歩く教師のサイードとレブアル。戦争終結でイラクの故郷へ戻ろうとする一団に出会ったサイードは、国境への道案内を引き受けた。一方、別の道を選んだレブアルは、闇物資を運ぶ子供たちと出会う。

衝撃を受けた作品でした。
黒板を背負った教師が生徒を求めて山道を歩いてゆくとか、鳥の羽ばたきで危険を察知して黒板の下に隠れるとか、最初からカルチャーショックの連続です。

二人の教師が出会う二つの団体は、どちらも生きるので精一杯で”そんな場合じゃない”と彼らを無視するんですが、彼らも次の村に行くまで食いつながなければならないので必死。
子供たちと出会ったレブアルは、読み書きができれば本が読めると交渉するけれど、「僕らはいつも逃げ隠れしてるから、座って本を読む暇は無いんだ」と言われてしまいます。でも、そんな状況でも”自分の名前を書いてみたい”という子供もいて、わずかな食料を分け与えて教えてもらおうとするんですよね。
下を向いて疲れた表情をしていた子供たちが、彼と勉強するようになってから見せる笑顔に感動がこみ上げます。子供が骨折し、黒板を割って当て木にするレブアルの姿にも心打たれました。

また、老人たちと出会ったサイードは、とにかく食糧確保のため一団に溶け込み、時間のある時に勉強を教える作戦に。くるみ数個のために黒板で病気の老人を運び、その娘と結婚もします。
結婚の儀式は黒板を挟んで誓いの言葉をかわす簡単なもの。最初に彼女に教えたのが「あなたを愛しています」という言葉なのが少し微笑ましい。
彼の父親が、何日か振りにやっとおしっこが出て幸せを感じるシーンも生き生き描かれていました。

戦争の爪痕と、そこにあるわずかな歓びの輝きを伝える作品だったと思います。

映画「ラブソングができるまで」観た

 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(4) 

ラブソングができるまで
製作:アメリカ’07
原題:MUSIC AND LYRICS
監督:マーク・ローレンス
ジャンル:★ロマンス/コメディ/音楽

【あらすじ】すっかり落ちぶれた元アイドル、アレックスのもとに、カリスマ歌姫コーラから新曲提供の依頼が舞い込む。復活のチャンスに喜ぶが、作詞は彼の苦手分野。そんな時、観葉植物の世話係のソフィーが口ずさむフレーズを耳にし…。

最近、立て続けに映画を観ていて、正常な判断力があるのか不安ですが、面白かったです。
80年代のアイドルや歌姫コーラは誇張されててそれだけで笑えるし、でも全体的にはさらっと見れて最後の展開も納得でした。印象に残るシーンとかはあまり無かったけれど、主演のヒューとドリューはこの役にぴったりだったと思います。
…それにしても、観葉植物の世話係だってさ! それくらい自分ですればいいのにね。

映画「ぐうたらバンザイ!」観ました

 | コメディ  Comment(2) 
Tag:フランス

ぐうたらバンザイ!
製作:フランス’69
原題:ALEXANDRE LE BIENHEUREUX
監督:イヴ・ロベール
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】人使いの荒い妻にこき使われる毎日を送るアレクサンドル。怪力の持ち主でチューバと動物が大好きな彼は、知り合いから仔犬を貰った。そんなある日、事故で妻が死亡。解放された歓びに、まずは惰眠をむさぼる彼だったが…。

妻が亡くなってから一度も悲む姿を見せない点が引っかかりますが、コメディだと割り切れるひとなら最初っから最後まで笑える愉快な作品でした。
まず、犬好きの方におススメ!何気に犬が主役です。
10年分の疲れを取るためにベッドから離れなくなったアレクサンドルのため、かごをくわえて買い物に出かける姿が可愛い…!
彼を起こしたい町の人が食料を売るのを拒否しても、健気に果物や芋やたまごを探し集めます。
他にも、アレクサンドルに恋人ができた時の寂しそうな様子とか、チューバを演奏してもらって喜ぶ様子とか、ご主人が大好きで大好きでたまらないっという感じが全面に出てました。

また、そろそろ休暇を取ろうかと考えている人にもおススメだと思います。彼がサボったり遊んだりしている姿は本当に楽しそうで、思わず遊びの計画を立てたくなってしまうんですよね。
バードウォッチングやビリヤード、地面に寝転がり流れる雲を眺めたり、ニンジンの花を見ながら一服。そして、愛すべき”わん公”と魚釣りを楽しむ様子に、怠け心が疼きます。
”ただひたすら働く”なんて確かに人間らしくないですよね。

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第9回ブログDEロードショー「パコと魔法の絵本」

 | ブログDEロードショー  Comment(0) 
Tag:日本

製作:日本’08年
監督:中島哲也
開催:2010/4/23~4/25

「茶栗鼠の映画評論」の茶栗鼠さんが選んで下さいました。
理由は、最近の邦画は不作で、面白くない作品たちばかりなのに、この作品は独創的で全てにおいて満点だったからです。
全面の雰囲気に反比例して、邦画で難なく泣ける映画です。…との事です。
企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

<告知記事>

茶栗鼠の映画評論 第9回ブログDEロードショーの告知
Make Shift (仮 第9回ブログDEロードショー
映画鑑賞の記録 4月の「ブログDEロードショー」のお誘い

<みなさんの記事>

嗚呼,魅惑の映画道+Σ No728 パコと魔法の絵本 2010年082
@POLLO 『パコと魔法の絵本』初観
映画通信みるみる パコと魔法の絵本
シネマ・イラストレイテッド 「パコと魔法の絵本」を観ました
JUKEBOX パコと魔法の絵本
ピエロと魔女 GW
MOVIE-DIC パコと魔法の絵本
Make Shift (仮 (BD)パコと魔法の絵本
ラジオ・ヒッチコック 『パコと魔法の絵本』 これは絵本なんかじゃない!と言いたい。
映画鑑賞の記録 皆さまへのお詫び

TV映画「刑事コロンボ/殺人処方箋」観ました

 | ミステリー  Comment(0) 

刑事コロンボ/殺人処方箋
これはいくらなんでもあんまりだったかもしれない…。
製作:アメリカ’67
原題:PRESCRIPTION: MURDER
監督:リチャード・アーヴィング
ジャンル:★ミステリー

浮気がばれて離婚を言い渡された精神科医フレミングは、財産を手に入れるため妻を絞殺した。そして、妻の服を着た愛人と空港で一芝居打ち、自分だけで旅行に行く。彼の留守中に強盗殺人にあったと見せかけるが…。

シリーズ化される前に放送された単発版。
いつもと違う雰囲気で始まったから驚いたけれど、ふたを開けてみればそうとは思えないほどの完成度。コロンボが共犯者を追い詰めるやり方と、小奇麗な身なりをしているということ以外は気になりませんでした。
…でも、この順番で放送する意図がわかりません。NHKなりのこだわりでしょうか?

まあ、それは置いといて、この犯人も冷静沈着で大胆不敵な好敵手。コロンボを分析するシーンや、グラスの片方を隠して会話するシーンは見ごたえがあります。
タイトルの「殺人処方箋」の意味がよくわからなかったけれど、財産が手に入らないという危機に対しての処方箋殺人ということでしょうか? …原題をみると、「処方箋:殺人」となってますしね。
最後、コロンボの「犯人は一度しか殺人を経験していないが、わたしたち刑事は年に100回は経験している」という言葉には、これこそコロンボだと妙に感激してしまいました。コロンボファンなら観ておきたい作品です。

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映画「大いなる遺産(1946)」観ました

大いなる遺産(1946)
製作:イギリス’46
原題:GREAT EXPECTATIONS
監督:デヴィッド・リーン
原作:チャールズ・ディケンズ
ジャンル:★ドラマ/文芸

【あらすじ】両親を亡くし、姉夫婦に引き取られたピップ。彼は、脱獄囚や裕福だが孤独な老女ハビシャム、その養女エステラなど、様々な出会いを経験した。やがて20歳になった彼は、ある人物の莫大な遺産の相続人になったことを告げられる。

原作は知りませんが、もっと長時間になってもおかしくないと思うのに、サクっといいとこ取りで上手くまとまっている気がします。時間が経つのを忘れて楽しめました。
エステラは綺麗だし、脱獄囚やハビシャムとのエピソードもミステリアスで印象的だし、ピップの養父の人柄も良心的で好きです。開放的なラストも素敵でした。

ひとつ気に入らないのは、少年時代の純粋なピップと、大人時代のふけ顔のピップの差ですね。
少年時代のピップの、脱獄囚にわざわざとっておきと思われるポークパイとブランデーを持っていく優しさ。エステラの冷たい態度にもめげず想い続けるピュアさが、あの控えめな感じの少年にぴったりでした。あと、個人的にああいう帽子が似合うひとに老若男女問わず憧れてしまいます。
それが、大人になった途端、どう見ても二十歳には見えないおじさんに…。一体、あの役者さんは何歳だったんでしょう?
そこだけ残念でなりません。

重厚な文芸作品が好きな方には物足りないかも知れませんが、わたしは観終わって満足感のある作品だったと思います。

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映画「血と怒りの河」観ました

 | 西部劇  Comment(2) 

血と怒りの河
製作:アメリカ’68
原題:BLUE
監督:シルヴィオ・ナリッツァーノ
ジャンル:★西部劇

【あらすじ】幼い頃に両親を亡くし、盗賊の首領オルテガに育てられたアズール(ブルー)。盗賊として兄弟たちと村を襲っていた彼は、医者の娘ジョアンが襲われそうになっているのをみて思わず銃を抜く。負傷した彼をジョアンは連れ帰るが…。

少し毛色の違う西部劇でした。
特徴は、風景が綺麗な事と、主人公にガンマンやヒーローのイメージが無い事、わりとドラマやロマンス重視というところでしょうか。派手さはないけど取っ付きやすい印象でした。
主人公の名前はスペイン語で”青”を意味するアズール。メキシコ人の盗賊であるオルテガがつけた愛称のようなもので、医者親子にはブルーと呼ばれます。
実の息子のように愛してくれたオルテガと、盗賊の自分を助け、愛してくれたジョアン。メキシコ人にもアメリカ人にもなりきれない苦悩が描かれていました。

印象に残ったのは、ふたりの父親。
極悪非道な盗賊であるオルテガが、(実の子を殺した)アズールが帰らないと知り「私は二人も息子を失った」と嘆く姿には正直驚きました。ブルーや村人に報復を宣言した時の表情も迫力があり、失ったものの大きさを表すようです。
ジョアンの父親の方は、盗賊に対し厳しい態度を見せながら、娘の意思を尊重するとこがいいですね。ちゃんと彼の本質を見て、家族として、娘の恋人として受け入れてゆく素敵な父親でした。

好きなシーンは、心を開こうとせず口も利かないブルーに対し、ジョアンが髭剃りをしてあげるシーン。「あれもこれも得意だけど、髭剃りだけはやったことがないのよ」と言いながら剃刀を滑らせ、何度も怪我させてしまいます。ついにはブルーも「自分で剃る」と口を開くんですよね。一気にほのぼのした空気になって和みます。
育ての親と対決するラストも印象的ですが、わたし的にはブルーと医者親子との交流が心に残る作品でした。

GBA「ファイアーエムブレム 聖魔の光石」クリアしたよ

 | ゲーム  Comment(38) 

随分かかったけど、やっとクリアしました!やったー!
どれくらいかかったか過去記事を振り返ってみたところ、プレイし始めたのが「逆転裁判I・II・III」をクリアした後なので2008/08/04以降。途中で一年以上放置しているので、実際には8ヶ月くらいです。
言い訳しておくと、一周目はすぐクリアできたんです(難易度はいつも”普通”)。でも、二周目エイリーク・ルートの”ハミル渓谷の挟撃”で行詰ってしまったんですよね。それというのも、増援が持ってるアイテムが欲しいけど、増援のボスが強すぎて何回やっても魔法でこんがりということに。
…ええ、白状します。”欲しいものを奪ったら、クリア条件を満たせばいい”ということに一年以上気付かなかったということです(馬鹿)
いや、だってね、最初からいるボスを倒したくらいで、増援で来た方のボスが逃げる訳ないかなぁって。あんなに強いし。…まあ、ワールドマップ時のセーブ方法を、一周目をクリアするまで気付かなかったヤツですから、こんな事は日常茶飯事ですよ!

ちなみに、二周目は”お気に入りキャラのみ育てよう”と思い立ち、選んだ18人以外には絶対戦わせない方針で始めました。最初は人数が少なくて辛いんですが、経験値が無駄なく18人に入るので、すぐ強くなります。
そして、どういう訳か、わたしがファイアーエムブレムをプレイすると、魔法組の少年少女たちが異様に強くなるんですよね。後半は全ての攻撃をかわす勢いなので、ひらりマントと呼んでます。二周目を始めた時も、つい彼らを最前線に送り、リセットするはめになったり…。
でも、今回はひらりマントのみならず、ほとんどのキャラが強くて、5人くらいが最強で、普通のが2~3人という状況に!
一周目で弱かったヨシュアが普通に育ったのに、周りが強すぎて「やっぱり使えねぇ~」と感じてしまうくらいでした。このメンバーなら、クラスチェンジしなくてもラスボスは楽勝だったと思います(…したけど。でも、ドーピングは体格と移動力のみ)。もしかして出撃頻度が高い方が育ちやすいとかあるんでしょうか?

というわけで、「聖魔の光石」楽しかったです。クリア後も遺跡などで遊べるらしいので、もうしばらく遊んでみます。目指せ!全員レベルMAX!!
そして、修理に出していたWiiも新品になって帰ってきたので、次は「アナザーコード:R 記憶の扉」でもやろうかな~?

<追記:2013/3/10>
間違った情報を載せてしまったようで、このブログをみて試してみて下さった方、貴重な時間を浪費させてしまって申し訳ありませんでした。
お詫びのイラストです。
ファイアーエムブレム 聖魔の光石

画像クリックで大きいサイズが見られます。

B0002OVBOS ファイアーエムブレム 聖魔の光石

映画「ジェリー」感想

 | ロードムービー  Comment(6) 

ジェリー
製作:アメリカ’02
原題:GERRY
監督:ガス・ヴァン・サント
ジャンル:★ロードムービー?/ドラマ

砂漠をドライブしていた二人の若者が、車を止め荒野の散策を始めた。何かドジった時などに使う仲間言葉”ジェリー”でお互いを呼び合い、道なき道を進んで行く。やがて、道に迷ったことに気付くふたりだったが…。

ストーリーの起伏もなく忍耐がいる作品、と聞いていたので、暇つぶしのつもりで1.5倍速で観ました。観終わった感想としては、「あれ、意外といいかも!?」です。もしかして早送りしなくても普通に観れたかもしれません。(もう消しちゃったけど)

どこがいいかと言うと、まず第一に、どのシーンを描こうか迷うほど景色が美しかったです。皆さんが仰るとおりでした。
第二に、やたらとリアルなんですよね。
あんなに何もないところで遭難したら、次々と(映画的に気の利いた)ピンチが襲ってくることなんてありません。ましてや、タバコ片手にのん気に荒野に入るような一般人が、そんなピンチを乗り切れるわけもありません。(年齢に関係なく、自然をなめてる人って多いですよね。波にさらわれる事故とか) 冷静に機転を利かせたり、何らかの専門知識・技術を応用するなんてことが、どれだけの人に出来るでしょう?
というわけで、なす術もなく遭難しています。炎天下に蟻の行列を眺めるのが好きなひとは、真夏にクーラーを切って観るといいかもしれません。おススメはしませんが。

そして一番のお気に入りは、ふたりの仲が良いことでした。
冒頭の長い長い沈黙。狭い車内でふたりで黙っていられるほど気の置けない仲です。荒野に来ただけで楽しくて駆けっこしちゃうし、岩の上に登って降りられなくても「受け止めてやるから飛び降りろ」とか言っちゃいます。
道に迷っても、辺りが暗くなってきても、荒野のど真ん中でどこにいるかわからなくなっても、ひとりじゃないから安心です。

…彼らがここまで仲良くなければ、最初の口論の時点で「自分で何とかしなければ」と必死に道を思い返し、翌朝には車のところへ戻れていたかもしれません。しかし、親友がいたことで彼らは日常の延長のような状態にあり、やっと真剣になった時には体力も精神力もボロボロの状態でした。最初に道を離れた時からジェリっていた彼らですが、仲が良かったために最後の最後まで選択を誤ってしまったのかもしれない…そう考えるとやるせない思いがしました。
最後の解釈は人それぞれですが、わたし的には”望んではいけない事を望み、叶えてはいけない事を叶えてしまった”のかなぁ、と思います。

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「グッド・ウィル・ハンティング」観ました
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映画「カポーティ」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(12) 

カポーティ
製作:アメリカ’05
原題:CAPOTE
監督:ベネット・ミラー
原作:ジェラルド・クラーク
ジャンル:★ドラマ/伝記/犯罪

1959年11月15日、カンザス州の田舎町で一家4人が惨殺された。すぐに現地に赴いたカポーティは、本を書くため幼馴染ネルと取材を始める。やがて2人の容疑者が逮捕されると、彼はその一人ペリーの信頼を得ようとするのだった。

予備知識なしに観始め、カポーティって誰だっけなぁと思っていたんですが、カンザスの事件の事を聞いて思い出しました。私が高校時代に読むのを途中で断念した「冷血」の作者さんですね。傑作と言われているけれど、私の集中力では読みきれません。映画があるようなのでそちらを観てみたいです。
…そんな、カポーティに全く思い入れのない人間ですが、この作品はよかったです。なんというか、冷酷(冷血)さというのは、人間の弱さから起こるものなのだなぁと、つくづく思いました。

カポーティという人物は名声を得るためなら平気で嘘を吐くし、他人の不幸も、笑い話や同情を引くためのネタとして利用する冷たい人間です。そして、何より自分が傷つくのを恐れ、自分を守るためなら嘘も裏切りも辞さないという、根っからのエゴイストでした。
彼が利用しようとしたペリーもまた、自分を守る事を一番に考えてしまう人間です。あの惨劇に至った経緯もそうですが、カポーティという味方を得てからは、自分は”可哀相”で悪いのは共犯者のほうだと印象付けようとすることもしばしば…。結局はお互いに利用しあっていたんですよね。

しかしながら、お互いに近しいものを感じていたのも確かで、カポーティの「僕らは同じ家で育った。ある日、彼は裏口から、僕は表玄関から出ただけだ。」という言葉や、ペリーの描いたカポーティのスケッチがそれを表しています。
状況が違えばほんとうの親友になっていたかもしれませんが、自身の弱い心に負けて過ちを犯してしまった彼らには、重い自責の念と絶望しか待っていません。(ペリーはカポーティの存在によって少なからず救われたみたいだけど…)
「冷血」というタイトルを聞いた刑事の「それは事件を起こした犯人のことか、それともそれを書こうとするあんたのことか」という言葉がすべてを表しているようでした。
また、カポーティの幼馴染の「救いたくなかったのよ」という言葉もグサリときます。彼女のような理解者がいなければ、カポーティも”裏口”から出て行くことになっていたかもしれません。

余談ですが、観賞後に彼がゲイだと知って驚きました。あんなに魅力的な女性がいるのに恋人ではないみたいだから変だとは思ってたんですが…。というか、気付かない自分のニブさにびっくりです。あと、「ティファニーで朝食を」の原作者だということにも驚きました。

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映画「潜水服は蝶の夢を見る」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(9) 
Tag:フランス

潜水服は蝶の夢を見る
製作:フランス・アメリカ’07
原題:LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON(仏)、THE DIVING BELL AND THE BUTTERFLY(米)
監督:ジュリアン・シュナーベル
原作:ジャン=ドミニク・ボビー
ジャンル:★ドラマ/伝記

【あらすじ】42歳の働き盛りに突然脳梗塞で倒れた雑誌編集長ジャン=ドー。身体の自由を失う”ロックト・イン・シンドローム”のため、彼に残されたコミュニケーション手段は左目の瞬きのみ。周囲の支えもあり、やがて彼は自伝を書こうと決意する。

いきなり病室で目覚めるシーンから始まり、主人公視点でベッドから動けない”もどかしさ”が体験できます。
動かない身体の代わりにきょろきょろと目を動かし、優しく語り掛ける医者との間に絶対的な距離を感じ、外から差し込む光や聞こえてくる音に病室の閉塞感は増し…。
押し寄せてくるネガティブな感情から逃れるように始まる回想シーン。その開放感に観ている側の気持ちもすっと軽くなりますが、いずれは現実に呼び戻されてしまいます。

しかし彼は、家族や友人、療法士たちの支えと、自らの努力により、瞬きでのコミュニケーション方法を会得していきます。また、自分には想像力と記憶も残されているということに気付き、以前のようにただ昔の自分を懐かしむのではなく、ほんとうの自由を手に入れるんですよね。
それに従い、彼の目は自然と美しいものを捉え、それに負けないくらいのイマジネーションの世界が広がっていきます。
彼の心が開放的になっていくのが視覚的に伝わり、その美しさに素直に感動しました。ところどころにユーモアを交えつつ、湿っぽくならず淡々と描かれていたのも好感が持てます。

映画「花嫁のパパ」観ました

 | コメディ  Comment(0) 

花嫁のパパ
製作:アメリカ’91
原題:FATHER OF THE BRIDE
監督:チャールズ・シャイアー
原作:エドワード・ストリーター
ジャンル:★コメディ

スポーツ靴メーカーの経営者ジョージは、ローマ留学から愛娘アナが帰るのを心待ちにしていた。だが、帰ってきて早々、アナが結婚宣言をかます。動転する彼だったが、相手のブライアンは好青年で、着々と結婚式の準備は進み…。

笑えるしホロリとくるし時間も忘れて楽しめたんですが、一番よかったのはジョージの百面相!(笑)
手許から離れていく娘、なんだかいけ好かない婿、結婚式の準備でなに役立てない自分…そんな寂しさや腹立たしさ、不甲斐ない気持ちがありありと顔に浮かんでくるんですよね。目が死んでる演技とか、ほんとすごいです。笑えます。
ウェディングプランナーさんも個性的で面白かったんだけど、腕は確かだったんでしょうか? 母娘が彼に即決した理由がよく分かりません。
屋根から落ちたり服が破れたり、ウェディングもので定番の(?)お笑いもありつつ、ラストは意外にもじわっと涙が…。軽めだけど、ほんわかした気持ちになれる作品でした。
機会があったら、ぜひオリジナルのほうも観てみたいです。

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TV映画「刑事コロンボ/5時30分の目撃者」観た

 | ミステリー  Comment(0) 
Tag:ハーヴェイ・ハート

刑事コロンボ/5時30分の目撃者
製作:アメリカ’74
原題:COLUMBO: A DEADLY STATE OF MIND
監督:ハーヴェイ・ハート
ジャンル:★ミステリー

【あらすじ】患者と不倫関係にあったカウンセラーのコリアーは、密会中に現れた夫が彼女に暴力を振るったため思わず殺してしまった。強盗殺人に見せかけるよう彼女に言い含め、その場を去ったコリアー。だが、コロンボは現場でライター石を発見する。

今回の罠はかなり良かったです。私も犯人と一緒に見事に騙されてしまいました。タイトルの意味も素晴らしい。
途中、犯人が「その手はくわんぞ」と強気に出てきた時、「しまった」といわんばかりの顔をするコロンボが好きです。犯人との対決を心底楽しんでますよね~。

また、相変わらずコロンボさんの観察眼の鋭さには驚かされます。床に落ちていた小さなライター石をなんでもないことのように見つけてしまいました。(鑑識が調べた後なんですよね?) 矛盾点もほいほい見つけてしまって、わたしが考える隙もありません。
まあ、この犯人は”催眠術”が使えるというだけで、特別かしこい訳でもありませんでしたし。不倫相手がプールに飛び込むシーンと、ラストの対決以外はあまり印象に残らないかもしれません。

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映画「ベイビーズ・デイアウト/赤ちゃんのおでかけ」観た

 | ファミリー  Comment(2) 

ベイビーズ・デイアウト/赤ちゃんのおでかけ
製作:アメリカ’94
原題:BABY'S DAY OUT
監督:パトリック・リード・ジョンソン
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】間もなく1歳の誕生日を迎える御曹司ビンク。新聞に写真を載せようと有名写真家が呼ばれるが、やってきたのはエディら誘拐犯3人組。首尾よく誘拐し500万ドルを要求した彼らは、ちょっと目を離した隙に赤ん坊に逃げられ…。

久しぶりに観てみました。
何も考えず笑っていられるし、赤ちゃん可愛いし、悪党三人組が妙に憎めないし、たまに観るにはちょうどいい作品です。
小学生の頃は「ホームアローン」が大好きだったけれど、最近は主人公が悪魔のように思えてきてこっちのほうがいいかもしれない。この三悪党は勝手に酷い目にあってるだけだしね(笑)
それにしても恐れを知らない赤ちゃんの道のりといったら…悪党でさえ悲鳴をあげる危なっかしさでした。
アパートの屋上から屋上へ渡した板を歩いていったり、車が行き来する道路を歩いていったり…。終盤の建設現場での追いかけっこは文句なしに楽しいです。三悪党の不屈の精神も、もっと他の方面で発揮すればいいのにね。
「チクタクにブーブーを取り戻しにいくぞ」という刑事のセリフには毎度笑わされてしまいます。

OVA版「アルプスの少女ハイジ」観ました

 | ファミリーアニメ  Comment(10) 
Tag:日本 高畑勲

アルプスの少女ハイジ
この画像は、拡大しないで離れてみてね♪
製作:日本’96
監督:高畑勲
原作:ヨハンナ・スピリ
ジャンル:★ファミリー/ドラマ

【あらすじ】幼い頃に両親を亡くし、母方の叔母のデーテに育てられたハイジ。仕事の都合でおじいさんに預けられた彼女は、アルムの山小屋で暮らし始める。ヤギ飼いの少年ペーターや動物たち、大自然に囲まれ、ハイジは健やかに育っていくが…。

以前、2005年イギリス製作の実写映画「ハイジ」を観て、いつか世界名作劇場のほうも観ようと思っていたんですが、春休みアニメ特選でダイジェスト版をやっとみれました。
いやもう、よくまとめましたね。全五十何話あるものをたった90分×2巻にみごと収めつつ、ハイジの世界を堪能させてくれます。時間があったらTVシリーズ全部みてみたい!
「アルムの山編」ではハイジの野生児っぷりに驚かされました。だって、落ちたら即死っていう場所にひょいひょい登っていってしまうんですよ!? いちおう町っ子のはずなのに裸足で駆け回ってるし、他にも持っているはずなのに年がら年中おなじ服(薄着)だし。朝起きたら雪に埋もれていたというエピソードでは度肝を抜かれました。あんな雪山で、真冬に窓のない部屋で寝ても大丈夫なんですかね…。
そして「ハイジとクララ編」ではハイジの優しさに心打たれました。あんなに小さいのに、健気にクララとの約束を守ろうとする姿にホロリ。そして、例の「クララが立った!」のシーンでは、初めて名場面として何度も取り上げられていた意味が分かりました。感動的です。
あと、クララは想像と違って随分お茶目さんでした。将来は、絶対におばあさまのようになりそうです。あんな境遇(さびしい、鬼執事、病気)なのにひねたところもなく好感が持てます。
ロッテンマイヤーさんも根は悪い人じゃないんだけど、どうしてあんなに親の教育方針を理解してないんでしょう? 後半ではペーターとともに軽く無視されてて可哀相でした(笑)

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