2010年03月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「インサイド・マン」観た

 | 犯罪  Comment(4) 

インサイド・マン
製作:アメリカ’06
原題:INSIDE MAN
監督:スパイク・リー
ジャンル:★サスペンス/犯罪

【あらすじ】白昼のマンハッタン信託銀行、4人組の銀行強盗が人質をとり立てこもった。NY市警のフレイジャーらは出方をみるが、彼らの態度には余裕すら感じられる。一方、銀行の会長アーサーは、やり手弁護士マデリーンにある事を頼むのだった。

観始めたら最後まで一気に観れました。
なんとなく全体の流れは読めるのだけど、演説や逆盗聴にはなかなか驚かされたし、子供に説教とか大量の違反切符とか笑えるシーンもあります。
ただ、わたしの記憶力が悪いせいか、観終わってすべてスッキリとはいかず、痛快とはいえませんでした。その代わり、推理や想像する面白さがあります。

→以下ネタバレ

映画「雨あがる」再見しました

 | 時代劇  Comment(2) 
Tag:山本周五郎 小泉堯史 日本

雨あがる
製作:日本’99
監督:小泉堯史
原作:山本周五郎
ジャンル:★時代劇

【あらすじ】享保。長雨で安宿に足止めをくっていた浪人・三沢伊兵衛は、妻との約束を破って賭け試合をし、その儲けで宿の貧しい客たちの心を和ませた。雨があがり、若侍の諍いを仲裁して藩主に気に入られた彼は、剣術指南番に迎えられる。

前回”ながら観”をしてしまったので、ちゃんと見直してみました。
物語のテンポや、登場人物の人柄、台詞回しなんかが黒澤映画そのものという感じで(そこまで黒澤映画をわかってないけど)、黒澤監督への愛を感じました。
特に冒頭のエピソードは好きですね。「人間はみんな悲しいんですから」とぎすぎすした空気を収め、酒盛りを用意するところとか。憂さを晴らそうと唄や踊りで盛り上がる客たちの姿と、それを見て静かに部屋に戻るたよとか、素晴らしいです。
美しい日本の風景と和の心が全面に表れていて癒されるんですが、個人的に殿の間延びした喋り方はどうしてもダメでした。彼が話し出すと一気に眠くなってしまって、後半は何度も見直すはめに。まあ、好きだからいいんですが。
晴れ渡った空のもと、ふたりが旅立つラストが清々しいです。

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映画「パリは霧にぬれて」観た

パリは霧にぬれて
製作:フランス/イタリア’71
原題:LA MAISON SOUS LES ARBRES
監督:ルネ・クレマン
原作:A・カバーノ
ジャンル:★サスペンス

【あらすじ】パリで暮らし始めて2年、アメリカ人夫婦フィリップとジルの間にはすっかり溝ができていた。フィリップはいつも仕事を優先し、記憶障害に悩むジルは子供を預け精神科に通う日々。そんなある日、街中で子供たちが忽然と姿を消し…。

パリの街とジルが主役といった感じのサスペンス作品。
ただの倦怠期の夫婦を描いたドラマかと思っていたら、ジルは記憶障害で精神的に追い詰められているし、夫の周りでも不審な影がちらほら…。
子供が消えるまでの彼らの生活が丁寧に描かれているので、子供が消えた時、無事だろうとわかっていても街中を走り回る彼女に感情移入してました。河で子供の持ち物が発見された時の表情も、真に迫るものがあります。
でも、犯人については事件が起こる前から隠していないし、その割には詳しい説明は最後まで一切ないので、そこら辺は多少物足りないかも。あと、似たような雰囲気の美人が三人もでてくるとわたしには見分けがつきません。
場面のつながりがしばしば唐突に感じたけれど、それはジルの記憶に対する不確かさが強調されるようで面白かったです。意識してやったのかよくわかりませんが。
邦題もこの作品の雰囲気が表れていて合っていると思いました。原題の意味は”木の下の家”だそうです。ラストに出てくるやつですね。教えてくれた方、ありがと~!

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映画「この道は母へとつづく」観ました

 | アドベンチャー  Comment(0) 
Tag:ロシア

この道は母へとつづく
製作:ロシア’05
原題:ITALIANETZ
監督:アンドレイ・クラフチューク
ジャンル:★ドラマ/アドベンチャー

【あらすじ】ロシアの孤児院。イタリア人夫婦がやってきて6歳の少年ワーニャを気に入った。彼が新しい生活を心待ちにしていたある日、すでに養子に出された子供の母親が現れる。自分の母もと考えた途端、会いたい気持ちが抑えられなくなり…。

前半のロシア孤児院の現実が想像以上に辛いもので、悲壮な結末だったらどうしようと心配してしながら観賞しました。実話を基にした作品だそうです。
この孤児院は養子斡旋業者から大金をもらっていて、孤児を養子に出すことで私腹を肥やしています。少子高齢化が進むイタリアでは養子を望む人が増え、正式な手続きを踏んでいては何年も待たされてしまうので、大金を払ってでも早く子供を迎えたいという金持ちが多いらしいんですよね。
院長はこれが子供たちにとっても最適な方法だと割り切っているし(割り切れないから酒に溺れてる?)、子供たち自身にとっても優しくて裕福な夫婦に気に入られることが夢であり希望でもあります。もちろん、怖いひとだったら…という恐怖心も持ってますが、売れ残りの年長組のすさんだ生活(アルバイトの他に、盗みや売春)を見ているので他に夢見ることもありませんでした。
それが、ある事件をきっかけに”ほんとうの母親が自分に会いたがっているかもしれない”という新たな夢を見つけることになります。
ひたすら母親を求めるワーニャに対し、周りの人々は少年を想うからこそ手助けしたり邪魔したりして、そのどちらの言い分にも一理あって考えさせられました。

後半の逃走劇はちょっとしたアドベンチャーで楽しめます。やり手の女ボスがぐんぐん迫ってくるし、少年も機転が利いてギリギリのところで逃げ延びる。ハラハラしながら、いつしかワーニャが母親に会えるよう心の底から応援していました。
ワーニャの表情が輝いていくラストシーンに、静かな感動と余韻を残します。

ちなみに、結局母親はワーニャを一度は捨てたんでしょ、とどうしても考えてしまうのですが、映画の中で手放した理由は最後まで明かされません。というわけで”看護学校時代。娘が未婚の母になることを恐れた両親が、ちゃんと卒業するまで赤ん坊は知り合いに預けると、ワーニャを奪い孤児院へ。卒業してそれを知った母親は、両親と訣別。ワーニャを探してあの孤児院を突き止めたが、すでに別の孤児院に移されていて…”というようなストーリーを勝手に想像してます。事実を基にしてるといっても、それはそれ、これはこれ。自分の好きに解釈してもいいですよね。

映画「追想(1956)」観た

 | 歴史・実録ドラマ  Comment(9) 

追想(1956)
製作:アメリカ’56
原題:ANASTASIA
監督:アナトール・リトバク
原作:ガイ・ボルトン
ジャンル:★ロマンス/歴史劇/ドラマ

【あらすじ】1917年、ロシア革命で殺された筈の皇女アナスタシア生存の噂が広まった。それに便乗しボーニンは、自殺を図った記憶喪失の女性アンナと出会う。彼女は自分を見つけるため、彼は金のために手を組むことになるが…。

過去に思いを馳せる老人か犯罪者の話かなぁ、と勝手に想像しながら鑑賞。…アナスタシア生存説のお話しだったんですね。以前、同じ題材をアニメで観ました。
女性を”気品あるレディ”に仕立てあげるというと「マイ・フェア・レディ」を思い出すんですが、「追想」の先生役は少し怖いけど優雅! スキンヘッドなのに貴族の中にいても違和感なく、ダンス姿も様になってました。
あの性格の悪い教授にヒロインが惚れたのは結構疑問だったのだけど、ボーニンなら納得です。
そして、記憶喪失によってアイデンティティも失ったアンナの苦悩も丁寧に表現されていたと思います。どんどん美しさと気品に磨きがかかっていくのも見ごたえがありました。

でも、やっぱり一番よかったのはマリア皇太后。何度も欲深な人間に振り回され一度は拒絶するも、それでも気になってしまう親(祖母)心とか。アンナの癖を知った時の隠しきれない喜びもいい。登場したのは後半からなのに、自然と彼女に感情移入していました。
ラストの決断とその表情も素敵です。

映画「ヘアスプレー」観ました

 | ミュージカル  Comment(2) 

ヘアスプレー
キャンディ持った姿がなんだかセクシー
製作:アメリカ’07
原題:HAIRSPRAY
監督:アダム・シャンクマン
ジャンル:★ミュージカル/コメディ/青春

1962年、ボルチモア。人気ダンス番組に出るのを夢見る女子高生トレーシー。番組のオーディションに参加する彼女だったが、太めな体型のために追い払われた。そんなある日、彼女のダンスが番組レギュラー・リンクの目に留まり…。

これ楽しかった~!
トレーシーたちの明るいキャラクター、パワフルな歌声と弾けるダンスにテンションが上がりまくりで、トレーシーたち家族の思いやりには涙してしまいました。(ミュージカルって涙腺ゆるみませんか?)
とくに、天真爛漫でポジティブなトレーシーが素敵。ぽっちゃり体形を見るといつも病気を心配してしまうけど、彼女のダンスを見ればそんな心配も吹き飛びます。よく食べてよく運動して、あんな素敵な笑顔を持っているなら大丈夫ですよね。ほんと、笑顔が可愛かった。
あと、密かに気に入っているのは番組のMCコーニー・コリンズ。番組が始まる時の彼の歌声が今も耳に残ってます。キレのあるダンスも素敵だったし、トレーシーたちが一瞬たりとも見逃すまいと必死に帰宅するのも分かる気がしました。…あの番組、わたしも観たいなぁ。

ストーリーは軽かったけどミュージカルの楽しさは充分で、不満があるとすればデモ行進も踊って欲しかったのと、警官を殴って逃げるのはトレーシーらしくない気がしたくらいでしょうか。
元気になりたいときに最適な楽しいミュージカル映画だと思います

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映画「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」観た

 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(0) 

マイ・ビッグ・ファット・ウェディング
製作:アメリカ’02
原題:MY BIG FAT GREEK WEDDING
監督:ジョエル・ズウィック
ジャンル:★コメディ/ロマンス

シカゴ。両親が営むレストランを手伝うギリシャ系アメリカ人のトゥーラは、30歳になっても恋愛と縁がない。家族も心配していたが、ある日、彼女は店に来たイアンに一目惚れしてしまう。そして、これまでの自分を変えようと決意するのだった。

原題の意味は”大仰なギリシャ式結婚式”
冴えないトゥーラが大変身を遂げるとこは省略し、彼女の家族がイアンたち一家を飲み込むように”ギリシャ色”に染め上げていく様子が面白おかしくパワフルに描かれています。
やっぱり今でも差別は存在しているんだなあと思いつつ、それをものともしない一族の団結力に圧倒されました。無個性なイアンの両親は一瞬にして染められてしまったけど、他の親族とは大丈夫なんだろうか?
傷にも火傷にも”窓拭き洗剤”を吹きかけて治療してしまうトゥーラのお父さんがとても好きです。

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第8回ブログDEロードショー「スモーク」

 | ブログDEロードショー  Comment(0) 
Tag:日本 ドイツ

原題:SMOKE
製作:アメリカ・日本・ドイツ’95
監督:ウェイン・ワン
開催:2010/3/26~3/28

「RELAX TIME」のユウ太さんが選んで下さいました。

<理由>
  1. 1・シンプルに、なによりも自分がまた観たいと思っている作品だから
  2. 2・意外に知られていない、未見の方も多いという隠れた名作だから
  3. 3・なにかと忙しい3月という月は、時間に追われたり疲れが出る時期だと思います。そんな時にゆっくり、本当にゆっくりまったりと観れる作品だから。
  4. 4・そんな作品を観る機会も少ないと思うし、是非皆さんにと強く思うから。

企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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映画「ジュリア」観た

 | 社会派  Comment(7) 

ジュリア
製作:アメリカ’77
原題:JULIA
監督:フレッド・ジンネマン
原作:リリアン・ヘルマン
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】姉妹のように仲良しの幼馴染ジュリアとリリアン。だが、やがてジュリアは反ナチ運動に加わり姿を消した。リリーが劇作家として成功したある日、ジュリアから5万ドルを届けて欲しいと頼まれ、彼女は危険を覚悟してベルリンに向かう。

わりと私好みの作品だと思って観ていたんですが、何故か終わってみると感動が薄かったというか、印象に残っていないというか…。途中で気が散ることでもあったのか、自分でも不思議です。

とはいえ、いちばんの見せ場である5万ドル運びの部分はスリル感たっぷりで、リリーと一緒になって疑心暗鬼になってました。ただすれ違っただけで怪しく見えてしまったりして。彼女の緊迫した表情も良かったです。
再会の喜びもつかの間、ジュリアに帰るよう言われ、溢れそうになる言葉を飲み込むようにして出口に向かうシーンも切なかった。
でも、その後の娘探しがあっさりすぎてよくわからなかったんですよね。なんでいなくなったの?
手がかりもつかめないという無力感を描いていたのかもしれないけれど、もう少し詳しく描いてほしかったです。
今回はいまひとつピンとこなかったので、いつかまた再見したいと思いました。

2010/4/10 追記
思いのほか早く再放送されたので、再見してみました。
なんというか、まだ記憶に新しすぎて新たな感動とかは無かったです。ただ、前回5万ドル運びのくだりまで楽しめたのに、終盤になって気が散った理由がわかりました。突然入る回想シーンの、義妹がどうのと言ってる男に『イラッ』としてしまったようです。なんでその回想が始まったのか忘れてしまうくらい気に障る男でした。
好奇心旺盛な友人夫妻といい、彼といい、リリーの周りには下世話なひとも多いみたいですね。ジュリアやダッシュを特別に思うのもわかる気がします。

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映画「座頭市血笑旅(ざとういちけっしょうたび)」観ました

 | 時代劇  Comment(0) 
Tag:三隅研次 日本

座頭市血笑旅
製作:日本’64
監督:三隅研次
原作:子母沢寛
ジャンル:★時代劇

【あらすじ】座頭市を狙う殺し屋たちが甲州路で駕籠を襲う。だが、乗っていたのは赤ん坊を抱いた女おとよ。それというのも、旅で疲れた彼女に、市が駕籠を譲っていたのだ。責任を感じた市は、赤ん坊を父親に届けようと信州宮本村を目指す。

gyaoで観た、勝新太郎の座頭市シリーズ第8作。
以前「不知火檢校」を観てから、ずっと観たいと思っていたこのシリーズなんですが、気付くのが遅かったのか第6作からしか観てません。6,7も面白かったけれど、この作品ではなんと赤ん坊を連れて旅を始めます。

最初は「うわ、やっちゃった~」と思いながら観ていたんですが、思いのほか市と赤ん坊の取り合わせに違和感がありません。しつこい追手と戦い、”おしめ”や”お乳”、”睡眠不足”の問題ともたたかい(笑)いつもより、ほのぼの要素が強くなっていました。
でも、殺陣もしっかりみせてくれて (良し悪しはわからないけど)、寝ている赤ん坊を起こさないよう一瞬で刺客たちを仕留めるシーンとか、おしめを替えながら忍び寄ってきた刺客を斬るシーンとか格好いい。終盤のたいまつ(?)を持った男たちに囲まれて闘うシーンも凄かったです。
後半からついてくる、女スリのお香もいい味だしてました。財布目当てで近づいてきたのにしだいに赤ん坊が可愛くなり、ウグイス笛をくすねてきて市に怒られたり。あざといといえばあざといんだけれども、赤ん坊に恥ずかしくない人間になろうとだんだん変わっていく姿は憎めないものがあります。

ラストは思いがけずボロ泣きでした。
ネタバレですが、「おじちゃんは坊やと会ってもわからないから、坊やがおじちゃんの顔を覚えておくんだぞ…」と赤ん坊に自分の顔を触らせるとこで涙腺崩壊。口、鼻と順に触らせて、目のところで「これは、無いんだ」と言うのが切ない…。
北野さんの「座頭市」の良さがわからなかったのだけど、このシリーズを観はじめてますます分からなくなりました。
できれば最初から観たかったなぁ。

TV映画「刑事コロンボ/死者のメッセージ」観た

 | ミステリー  Comment(0) 

刑事コロンボ/死者のメッセージ
製作:アメリカ’77
原題:COLUMBO: TRY AND CATCH ME
監督:ジェームズ・フローリー
ジャンル:★ミステリー

【あらすじ】ミステリー界の女王アビゲイルは、可愛がっていた姪が婚約者に殺されたと気付き、彼を金庫室に閉じ込めて窒息死させた。盗みに入って誤って扉が閉じたように見せかけるが、コロンボは被害者の車のキーがないことに気付き…。

犯人のお婆ちゃんが可愛かった。
計画自体は微妙というか、実行時の行動があたふたし過ぎだったんですが、喋り方とかコロンボの後ろをついて回る様子とか個性的なお婆ちゃんでした。動機が姪の仇討ちという点も(確かな証拠は見せてくれなかったけど)同情を誘います。
みどころは、講演会に顔をだしたコロンボを無理やり壇上に上げるシーン。”犯人の中には尊敬できる相手もいた。わたしは人間が好きです”という内容の名演説が聞けます。おもわず、今までの犯人たちをしみじみ思い返してしまうシーンでした。
ただ、被害者が変に頭がよくて気になります。札束を見せられてよだれを垂らしそうになっていた男が、真っ暗闇で死が迫る中、あんな凝ったダイイングメッセージを思いつくのか?

ラストの「あなたが姪の事故を捜査してくれていたら、こんなことにはならなかったのに」というセリフが切ないです。

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映画「気まぐれな狂気」観た

 | 犯罪  Comment(0) 

気まぐれな狂気
製作:アメリカ’97
原題:TRUTH OR CONSEQUENCES, N.M.
監督:キーファー・サザーランド
ジャンル:犯罪アクション

出所したレイモンドは、恋人アディのため真っ当な生活を送ろうと決意した。だが、前科者に世間は冷たく、嫌気がさした彼は刑務所仲間カーティス、マーカスらと麻薬強奪計画を立てる。しかし、暴走したカーティスが警官を殺してしまい…。

全体的にB級な雰囲気が漂っているんだけども、賑やかで飽きずに観られました。なにより邦題が好き。
まず、暴走したカーティスのイカレっぷりが見事です。もう、組む前からこうなることは予想できたでしょ、っていうくらい”簡単に銃をぶっ放す男”で、最初っからバンバン人が死にます。こういうのは苦手なんだけど、これだけ飛ばしてくれると麻痺してきますね。
人質に取られた夫婦の”おとなしそうな夫”ゴードンも、そんな彼と接しているうちに同調し始めます。これもストックホルム症候群(人質が危険回避のため犯人に友好的になる心理反応だっけ?)みたいなものなんでしょうけど、よりによってコイツとは…。奥さんも大変です。
そして、メンバーのなかの良心的存在マーカス。カーティスの暴走にハラハラし、ゴードンが道を踏み外しそうでハラハラし、秘密がばれそうでハラハラし…。わりと主人公的な位置にいて、地味に活躍していました。

ラストの展開も、チープながらしっかりと盛り上げてくれます。予想通りなのに思わずうるっときてしまいました。でも、主人公とマーカスの友情がしっかり描かれていれば、さらに盛り上がったと思うので、そこはちょっと残念。
アクション苦手な私でも、なかなか楽しめる作品でした。

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映画「野いちご」再見しました

 | ドラマ  Comment(10) 
Tag:スウェーデン

野いちご
製作:スウェーデン’57
原題:SMULTRON STALLET
監督:イングマール・ベルイマン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】医学に貢献したとして名誉博士号を授与される事になったイーサク。しかし、昨晩の悪夢が彼を憂鬱にし、急きょ飛行機をやめ車で向かう事に。昔の住居に寄ったのをきっかけに、彼は自分の孤独な人生を振り返り始める。

わたしの大好きな作品。
大好きといっても、初めて観た時はあまりわかってなくて、いまいちよくわからないけれどじわじわ感動したという感じ。そんな”よくわからない”部分を見直そうと再見してみました。
まず、最初の悪夢。針のない時計と誰もいない町並、自分の棺おけ…この不安を掻き立てるような気味悪さは、まさしく悪夢を見ているときのそれ。イーサクの孤独、無為に過ごした時間、死への恐怖が伝わってきます。
悪夢をよく見る私としては、こういう夢(内容ではなく雰囲気)を見たときの漠然とした不安感がよみがえるようで、とてもリアルに感じました。
他にも、みっともない夫婦喧嘩、妻の密通を見てしまったときの悪夢、かつてのままの姿をした婚約者サーラに鏡を突きつけられる悪夢、息子が嫁に言った「何時でも死ねるように身軽でいたい」というセリフなどなど、グサッとくるシーンが結構続きます。

そんななか、途中で一緒になったヒッチハイカーの若者、特にサーラそっくりの無邪気なお嬢さんが輝いていました。イーサクにとっても彼女は眩しすぎて、始めは彼女たちをみて”もう取り戻せないもの”を痛感していたようですが、しだいにその思いも変わってきます。お別れに歌を贈り「おじ様がずっと好きよ」(うろ覚え)と笑顔で彼女が言った時、彼はもう過去を乗り越えて素直にそれを喜べるようになっているんですよね。

彼と長年一緒に居たメイドや息子の嫁との関係の変化、最後に彼が思いを馳せる幸せな光景など、とても希望に満ちたラストに自然と涙が零れました。
いつまでも心に残る名作です。

映画「モンタナの風に抱かれて」観た

 | ドラマ  Comment(2) 
Tag:ロバート・レッドフォード

モンタナの風に抱かれて
製作:アメリカ’98
原題:THE HORSE WHISPERER
監督:ロバート・レッドフォード
原作:ニコラス・エヴァンス
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】乗馬中の事故により心身ともに深い傷を負った少女グレイス。そして彼女の愛馬ピルグリムもまた、事故のショックから凶暴な暴れ馬となるのだった。娘と馬を立ち直らせるため、母親アニーは馬を癒すウィスパラー、トムの元を訪れる。

寒い冬の朝、顔を綻ばせながら少女が家から出てくる冒頭。その爽やかさに「どんな物語が始まるのだろう?」とウキウキ気分だったのだけど、突然肝を冷やすような事故に遭遇。そんな事になるとは思ってもみなかったので、事故の恐ろしさに胸が苦しくなりました。
そして、彼女の母親でキャリアウーマンのアニーが登場。優しいけど頼りない夫に代わり、まるで父親のように毅然と力強く不幸に立ち向かっていきます。
娘を立ち直らせるため、苦難は多いと分かっていても最良と思える道を選び、娘の反感なんてぜんぶ一身に受け止めるつもりでガンガン実行していく姿に惚れ惚れしました。馬を生かしたのは本当、英断。
でも、強くあろうと気を張る彼女の瞳には、このままでは壊れてしまうんじゃないかという危うさもはらんでいて、みているだけでハラハラしてしまいました(しっかり支えろよ夫!)

中盤辺りから、雄大で美しく、ここで暮らしたいと思わずにはいられないようなモンタナの自然を、惜しげもなくみせてくれます。もう、これだけでも満足。馬が駆けていくとこなんか最高です。
生まれ変わったら馬になってモンタナの草原を駆ける、というのがわたしの夢になりました。

後半は……まあ、あれですね。当然といえば当然なんですけど、あんな状態で素敵な男性と出逢ったら浮気心も出ますよね。精神科医と患者の擬似恋愛のような感じでしたが。
ただ、娘のために仕事さえも犠牲にしてやってきたのに、その娘を傷つけるほどに露骨なのは頂けない。というか、家族を捨てようとさえ思っていたようだし。すべて台無しです。もう少し抑えた感じで惹かれて、そして娘のために潔く諦めてほしかった…。
早朝デートあたりまでは好きなんだけどな~。

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映画「幕末太陽傳」観た

 | 時代劇  Comment(2) 
Tag:日本

幕末太陽傳
製作:日本’57
監督:川島雄三
ジャンル:★時代劇/コメディ/ドラマ

【あらすじ】明治維新を目前にした江戸の品川。北の吉原と称される遊郭”相摸屋”で、どんちゃん騒ぎをする佐平次。勘定を気にする仲間を帰し一人居残るが、実は彼は無一文だった。やがて、下働きを始めるが、彼は次々とトラブルを解決していく。

ちょっと前に観ました。
ものすごい評判が良いようなので期待していたんですが、そんなでもなかったなぁと前半はがっかり。石原裕次郎苦手だし。
主人公がこう、自分だけ上手いことやれればいいのかなぁとか思ってしまったんですよね。
でも後半、気付けば彼の周りのトラブルは次々と解決され、あるところからないところにお金が流れ、みんな笑顔に!
とにかくテンポよく軽快に話が進んでいって、いつのまにか彼の魅力に引き込まれてました。

途中気になったのは、主人公に宿賃を踏み倒された青年が、女将さんに売り飛ばすと脅されるエピソード。
江戸時代あたりは男色は高尚な趣味だと聞いたことがあったけど、男版遊郭みたいなの(陰間茶屋というらしい)があったんだぁ~と妙に納得してしまいました。「今日は気分を変えて陰間茶屋にいこうか?」とか言ってたんだろうか?
私には理解できない世界だ…。

まあ、それは置いといて、終盤あれだけ楽しく盛り上がっていたのが、彼が出て行こうとする時の突然の静けさ。これがまた、グッとくるんですよね。
幸せそうに眠るふたりをみて浮かべる主人公の優しい微笑みが印象的。去り際の姿はちょっと寂しすぎる気もしたけれど、味わい深い余韻を残します。
今回は入り込むのに時間がかかってしまったので、機会があったらまた観てみたいと思いました。

DS「極限脱出 9時間9人9の扉」クリアしたよ

 | ゲーム  Comment(2) 

極限脱出 9時間9人9の扉
半年振りのゲーム記事です。前から言ってる「ファイアーエムブレム聖魔の光石」は放置して一年くらい経ってますが、やっと”ハミル渓谷”の挟撃を突破したので、1~2ヶ月後にはそれを書く予定。…たぶん。
ちなみに、前回の「428 ~封鎖された渋谷で~」との間に、Wiiバーチャルコンソールの「はじまりの森」をプレイしましたが、アドベンチャーゲームのくせに最後の最後に、私にはできないレベルのタイミング押しがあったので、ひとにやってもらいました。相変わらずのへたれゲーマーです。

<ストーリー>
普通の大学生、淳平が目を覚ますと、そこは見知らぬ客船の一室だった。痛む頭で状況を確認しようとすると、突然窓が割れて海水が。部屋に隠された謎を解き何とか脱出するが、そこには淳平の他にも8人の男女がいた。その時、ゼロと名乗る人物によるアナウンスが響き渡り…。

無理やりさらわれてきて、沈みゆく船に閉じ込められ、脱出ゲームを強いられるお話。ちょっとグロイシーンもあります。(CSI観た後にこれやって寝たら、スプラッタな夢を見ました)
ノベルパートと脱出パートに別れており、脱出パートではタッチペンを活用。謎解きには”数字根(答えが一桁になるまで、それぞれの位の数字を足し続けて得られる数字のこと)”が多用され、難易度もちょうど良くさくさく進めました。
ただ、物覚えが悪い私としては「メモ帳」機能が欲しいところ。エンディングは複数あって何周もプレイするのに、ノベルパートで「スキップ」ではなく「早送り」しかできないのもちょっと…。脱出パートも繰り返しやることになりますが、そこは”タイムアタック”気分で楽しめました。同じ場所を調べても違う反応が返ってくることが多く、それも好感触。

ストーリーもなかなか良かったです。途中で「あれ?」と思って調べたら、シナリオ担当がなんと打越鋼太郎さん! 彼の代表作には、わたしがマジ泣きした唯一の(ノベル)ゲーム『Ever17 -the out of infinity-』があるんですよね~。これをプレイしたことがある人なら、あるエンディングでちらっと登場する黄色い潜水艦を懐かしく思うはず。…というか、全体的にいろいろと懐かしいかもしれないけど。
『Ever17』に比べると微妙に後味の悪い結末なんですが(ヒロイン影薄い…)、なかなか楽しめる作品でした。
これからプレイしようという方は、どういう順番で進んだか、何番の扉でどの部屋に進むか、重要そうなアイテム、会話がどの部屋で聞けるかをメモしながら進むといいと思います。チャートとか見られないので。

B002OL1KGQ 極限脱出 9時間9人9の扉

映画「地下水道」観ました

 | 戦争  Comment(4) 
Tag:アンジェイ・ワイダ ポーランド

地下水道
ふたたび暗い穴の中へ…。
製作:ポーランド’56
原題:KANAL
監督:アンジェイ・ワイダ
ジャンル:★戦争ドラマ/サスペンス

【あらすじ】1944年、ポーランド。ソ連軍に呼応し、ポーランド国内軍はワルシャワ蜂起を開始した。だが、ドイツ軍の反撃にあい、壊滅的な打撃を受けてしまう。逃げ場を失ったレジスタンスたちは、決死の覚悟で地下水道へと逃げ込む。

恐ろしい映画でした。
地下水道からの脱出が大部分なんですが、暗闇と悪臭、入り組んだ道、足にまとわりつくような汚水、敵に見つかったら命はないという恐怖が、じっとり迫ってくるような感じがします。その暗闇に浮かぶ白い肌が美しいこと…。
やがて、悪臭を毒ガスだと騒ぎ散りじりになってしまう者や、耐えきれず外に出て撃ち殺される者、発狂してオカリナを吹きながらさまよう作曲家など、絶望的な状況に追い込まれてゆきます。

そんな中、負傷した恋人を支えて歩くデイジーは諦めようとしません。怪我人を支えて歩くなんて男でも辛いのに、出口を見つけても彼が登れないからと引き返してしまうほど。
彼女たちを待っているものもやはり絶望的な状況なんですが、最後まで彼のこころを支えるデイジーの強さに圧巻されました。
あの河の向こう岸に、彼らを見殺しにしたソ連軍がいたのでしょうか?
同じく諦めずに出口を探していた隊長の最後の決断も胸を刺すようです。

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