2009年08月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「デーヴ」観ました

 | コメディ  Comment(4) 
Tag:アイヴァン・ライトマン

デーヴ
製作:アメリカ’93
原題:DAVE
監督:アイヴァン・ライトマン
ジャンル:★コメディ/ドラマ

【あらすじ】気さくで面倒見の良いデーヴは、大統領そっくりだった事から一晩替え玉をやる事に。だが、本物の大統領が脳卒中で倒れ、彼は契約延長を余儀なくされる。やがて、大統領夫人エレンの言葉により、彼は自分で考え行動するようになり…。

以前観た「パラドールにかかる月」と似たようなストーリーですが、こちらはハートウォーミング・コメディ。
ちょっとした言動や表情からデーヴの誠実さがすごく伝わってきて、思わず応援したくなるような愛される主人公になっていたと思います。とくに、孤児のために福祉施設の維持費を捻出するシーンは、そんなに簡単にはいかないとは思っても、実に痛快で観ていて気持ちがいいものでした。こんな状況でも、いの一番に親友を頼るというところも好感が持てます。
また、彼と周りの人々との交流も心温まります。
冷え切った夫婦関係できつい表情で登場する大統領夫人、替え玉の自分のことも命を張って守れるのかと聞かれて黙ってしまうシークレットサービス、大統領と対立関係にあり悪役の大統領補佐官に陥れられそうな副大統領、補佐官の片棒を担いでいた側近など、決して好意的ではない人々の心を瞬く間に掴んでしまうのも、彼の人柄を見ると納得できるものでした。
他にも、大統領夫人とホワイトハウスを抜け出し、交通違反を取り締まる警官の目をごまかすため、ふたりで物まね芸人の振りをするのが微笑ましかったです。最初のきつい表情が嘘のよう。
最後の展開はほぼパラドールと一緒ですが、シークレットサービスのセリフにはグッときます。
何度でも観たくなるようなあたたかい作品でした。

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映画「雨月物語」観ました

 | 時代劇  Comment(8) 
Tag:日本

雨月物語
製作:日本’53
監督:溝口健二
原作:上田秋成
ジャンル:★ドラマ/時代劇

【あらすじ】戦国時代、戦に乗じて焼き物商売をする百姓・源十郎。すべては妻子にいい暮らしをさせるためだったが、町で美しい若狭姫と出逢い共に暮らし始めてしまう。一方、彼の商売を手伝っていた藤兵衛は、出世のため妻を残して戦に加わり…。

雨月物語ってこんなに泣けるものだったんですね。以前これをもとにした何かの作品をみたときは、浮気男が全てを失う自業自得な話という印象だったんですが、こんなにも愛情に溢れた物語だったとは…。
まず、雨月物語=ホラーという図式が崩れました。
前半で丁寧に描かれる源十郎たちの生活と夫婦の愛情。愛するものを幸せにしたいという想いが、しだいに金や出世への欲へと繋がり、妻が望むささやかな幸せに気づかない。そんな、夫婦のドラマがメインなんですよね。
それに、幽霊が出てきてもぜんぜん怖くないし、源十郎が逃げ出そうとした時も、不気味担当の姫の付き人が『こんな可哀想な身の上の姫を残して、気が咎めないのか~』と情に訴えてくるし。ラストの涙腺を刺激する展開も、ホラーというよりファンタジーでした。
また、源十郎の愛情や誠実さが言動の端々から感じられ、不倫男への嫌悪感をあまり感じなかった事にも驚きました。確かに彼は誘惑に負けてしまうんですが、着物を見ながら奥さんの喜ぶ顔を思い浮かべていた時は、姫のことなんて頭になかったように見えますし、姫の誘惑も”おびき寄せる”というより”追い詰める”感じなんですよね。
でも結局は、不倫のせいで防げたはずの悲劇も防げなかった訳で。それでも優しく彼を迎える奥さんの姿には、本当に涙がこみ上げてきました。
最後の言葉は切なすぎる…。

余談ですが、姫を最初に見たとき”化粧をしない女しか見たことがなさそうな百姓が、若狭姫をみて美しいと思うのか”なんて思ったんですが、不思議なことに10分もしないうちに妖しい美しさを感じてしまいました。女優の力量ですね。
でも、一番いい女だと思ったのは藤兵衛の奥さんだったり。逞しくて素敵。

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映画「暗殺者」観た

 | アクション  Comment(2) 
Tag:リチャード・ドナー にゃんこ

暗殺者
製作:アメリカ’95
原題:ASSASSINS
監督:リチャード・ドナー
ジャンル:★アクション

【あらすじ】殺し屋界トップのラスより先に、何者かが標的を射殺した。それはベインという男の仕業で、ラスからトップの座を奪うつもりなのだ。引退を考えていたラスは標的だったエレクトラを救い、再び現れたベインと決着をつけようとする。

GyaOで鑑賞。
ラスの醸しだす渋みとベインの危険な香りが相まって、一気に引きこまれました。
暗殺者(というより殺し屋では?)が主役の割りには無関係の人が殺されることも少なかった気がするし、前半の勢いのある展開やラストのじりじりするような根競べなどメリハリがあって飽きません。
ストーリーはシンプルだし、たまにお遊びのような手段を使ったりするんですが、細かいことを気にせず楽しめる作品だったと思います。
ヒロインとのロマンスはあっさり目で、わたし的にはヒロインより猫のパールちゃんの印象の方が強く残りました。猫がラスに懐いてしまい、後ろをついて回るのが可愛い…。
それでちょっとふて腐れるヒロインも可愛いけれど。
パールちゃんのお婿さんを買うため危険な取引をするというところに、彼女の孤独が現れていたと思います。ラスと惹かれあう過程はほとんど描かれないけれど、孤独を知るふたりが惹かれあうのは当然かな、と納得できる流れでした。
猫好きに悪い人はいませんしね(笑)

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映画「フェーンチャン ぼくの恋人」観ました

 | 青春  Comment(0) 
Tag:タイ

フェーンチャン ぼくの恋人
製作:タイ’03
原題:FAN CHAN
監督:コムグリット・ドゥリーウィモン/ウィッタヤー・トーンユーン/ソンヨット・スックマークアナン/ニティワット・タラートーン/アディソーン・ドゥリーシリカセーム/ウイッチャヤー・ゴージウ
ジャンル:★ドラマ/ロマンス/コメディ

【あらすじ】幼馴染ノイナーが結婚すると聞き、ジアップの中で子供の頃の思い出が蘇る。近所に住む2人は生まれた時からいつも一緒だった。だが、しだいにジアップは男の子の遊びに憧れ、ガキ大将ジャックたちの仲間に入れてもらおうとするのだった。

雑貨屋を挟んで二軒の床屋があり、店先からジアップとノイナーが出てきて一緒に学校に行く…という図が妙に微笑ましく、なんとも懐かしい気持ちになれる作品でした。
思い出の中のジアップはちょっと頼りなげな少年で、ノイナーはおさげの可愛いしっかり者。「ゴム跳びの女王」なんていうあだ名まであり、女の子たちといる時も彼女が中心にいる感じです。
ジアップは男の子たちと遊びたい年頃なんですが(彼から見た男の子たちのごっこ遊びが、ワイヤーアクションで表現されていて可愛い!)、いつも女の子と遊んでいるせいで仲間に入れてもらえません。しかも、ノイナーの母親に頼まれ発表会で花を渡したものだから、ますますジャックたちにからかわれてしまうんですよね。
ジャックは2年留年した大柄な少年で、見たまんまのガキ大将。裕福な家の男の子からゲームを取り上げたり、土管の上でたむろしてたりと、まるでジャイアンのよう…と思っていたら、そのすぐ後にジアップがドラえもんのTシャツを着て登場!!
どうやら、”ドラえもん”はタイでもノスタルジーの象徴みたいです。

ちょっとデフォルメされた愉快な登場人物と、日本に通じるものがあるタイの風景。どこにでもありそうな日常、初恋、甘酸っぱい思い出。
ほんわかとして、それでいて切ない気持ちがこみ上げます。
ラストに花嫁姿のノイナーが振り返り、”君はあの頃のままだった”とジアップが笑顔を浮かべたのにはジーンときました。

映画「上海の伯爵夫人」観た

上海の伯爵夫人
つやつやのグランドピアノに映る華やかな社交界
製作:イギリス・アメリカ・ドイツ・中国’05
原題:THE WHITE COUNTESS
監督:ジェームズ・アイヴォリー
ジャンル:ロマンス/ドラマ/歴史劇

【あらすじ】1936年、上海。ロシア革命で故郷を逃れ、娘カティアのためホステスとして働くソフィア。彼女はある日、ある事件で家族と視力を同時に失い、酒びたりの日々を送っていた元外交官ジャクソンと出会う。彼女こそ夢の実現に必要な存在だと確信したジャクソンは、夢のバー”白い伯爵夫人”を開き彼女を迎えるが、やがて日本軍による上海侵攻が始まり…。

抑圧された雰囲気のなか、静謐で気品溢れるラブストーリーが綴られます。
ただ、本当に”抑えた”感じなので、やや盛り上がりには欠けるかもしれません。
片や娘さえ幸せになれるならと考えがちなソフィアと、片やかつて思い描いた夢に逃避するジャクソン…。どちらも”自分の人生”には絶望している気がして、情熱というものが感じられないんですよね。
資金作りが”競馬”というのも投げやりですし、店が完成するまでの過程もほとんど描かれていませんでした。
そんな二人がいかにして最後の壁を取り払うのか…というのが見所でしょうか。
娘のカティアや義妹、謎の日本人の存在感もなかなかのものです。

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映画「エデンの東」観ました

 | 青春  Comment(4) 
Tag:エリア・カザン

エデンの東
製作:アメリカ’55
原題:EAST OF EDEN
監督:エリア・カザン
原作:ジョン・スタインベック
ジャンル:★青春/ドラマ

【あらすじ】1917年、モントレーの町外れ。死んだと聞かされていた母親の行方を突き止めた青年キャル。兄アロンばかりが父親に可愛がられ、彼は自分が母親似のせいだと疑っていた。そんな時、父親がレタスの長距離輸送事業に失敗し…。

あやうくタイトルを「東のエデン」にするところでした。
という訳で、まずはタイトルの意味から。
この物語は、旧約聖書、創世記の”カインとアベルの確執”を題材にしており、その中でカインが弟殺しの罪でエデンの東(罪人のいる場所=現世)へ追放された、というところからきているようです。

息子と父親の確執がメインなんですが、わたし的にはヒロインのエイブラが輝いて見えました。最初は年上のぱっとしないお姉さんという印象だったのが、キャルがかつての自分と同じ悩みを抱えていると知ってからは優しく彼を導く存在になってゆくんですよね。
彼女がいなかったらラストに救いは存在しなかった!
ただ、戦争で儲けたお金をプレゼントしてもお父さんは喜ばないよと一言あれば…。父親の断り方も、見ていて「グサッ」とくるものがありましたけど。
そして、終盤まで存在感の薄い兄アロン。エイブラの気持ちの変化に気付いていながら、勝手に父親に婚約発表したところでやっと目立ってきた感じだったので、「いい子」というより「卑怯者」のイメージが強いです。キャルも母親を利用して復讐してしまうし、この親子はみんな問題ありだったみたい。でも、母親の真実を知ったアロンが気が狂ったようになってしまうのは、いくらなんでも弱すぎだと思いました。
父親とキャルには救いがあったけれど、アロンには何もないというのも哀しいです。

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映画「風が吹くとき」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(4) 
Tag:イギリス

風が吹くとき
製作:イギリス’86
原題:WHEN THE WIND BLOWS
監督:ジミー・T・ムラカミ
原作:レイモンド・ブリッグス
ジャンル:★戦争/パニック/サスペンス

【あらすじ】イギリスの片田舎で年金生活を送る老夫婦ジェームズとヒルダ。国際情勢の悪化で三日以内に戦争が始まるというニュースに、彼は政府のパンフレットに従い屋内核シェルターを造り始める。だが、それは余りにも科学的根拠のないものだった。

「スノーマン」の作者が描いたグラフィックノベルを映画化したアニメーション作品。ほのぼのした絵柄に反し、被爆で衰弱してゆくふたりを淡々と描いており、観た後ずっしり重い気分にさせられます。
わたしがこの作品を初めて観たのはおそらく5歳で、夏休みに学校の体育館で上映していたのを観たんだと思います。子供には重過ぎる内容ですが、その頃わたしは感受性が皆無で「ドアで爆弾防げるわけないじゃん、馬鹿じゃねーの」くらいにしか思ってなかったんですよね。しかも、被爆のことも理解していなかったし。暗くて退屈な映画という印象しか持ってませんでした。
でも今回観直してみて、老夫婦のあまりの無関心さに恐ろしくなってしまいました。
もし、これが核攻撃でなく空襲や災害後の物語だったとしても、彼らは直前まで興味を持たないし(奥さんは直前でも持たないだろうけど)、目の前の状況を無視して政府の言う通りに行動するだけだったんじゃないでしょうか。
お互いを思いやる姿は美しいのですが、現実を見ずに自分で考える事を放棄し、ただ政府(あるいは神?)を妄信する姿は愚かであり、人間として大切なものが欠けているように思えます。
反核についてもですが、色々な事を考えさせられる作品でした。

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映画「蠱惑(こわく)パリで出逢った女」観た

 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(0) 
Tag:スペイン

製作:スペイン’05
原題:NINETTE
監督:ホセ・ルイス・ガルシ
原作:ミゲル・ミウラ
ジャンル:★ロマンス/コメディ

【あらすじ】1959年、スペインのムルシア。仕事でパリに行ったアルマンドが女に不自由ない生活を送っていると聞き、彼を訪ねることにしたアンドレス。彼に紹介された下宿先に不満を漏らす彼だったが、その家の美しい娘ニネッテとイイ仲になり…。

GyaOで観た作品。
監督とか調べるためにググったら、セクシーなジャケット写真が出てきてビビリました
タイトルといいこれといい、宣伝の方向性を完全に間違っているようです。まあ、ニネッテのサービスカットはちょくちょくあるんですけどね。どちらかというと爽やか系の。

主人公は冴えない中年で、仲間内では一番モテないはずの友人がパリでモテ期と聞き、下心満々でパリ旅行に行くところから物語は始まります。
ところが、友人が用意した下宿先はスペイン人亡命者の家で、お喋り好きだが彼とはまるで話が合わない。そのうえ、狭いし見晴らしは最悪だった。こんなところじゃ嫌だ、明日には出て行く、とりあえず女の子紹介しろ!!と我がまま放題言っていたアンドレスでしたが、23歳の娘ニネッテと出逢い女の子を手配しに行った友人を放って彼女と過ごす事に。(この友人、可哀想な役回りが多いです。)
その日から、具合が悪いだの足を怪我しただの言い訳しながら、居すわり続けて6週間。本当はパリ観光もしたくてたまらなかったのに、彼女に邪魔(誘惑)されて家にこもりきりです。パリの街並みも一切でてきません。
ついには、ニネッテの(想像)妊娠発言で結婚がきまり、怒っていた彼女の両親もちょうど帰国を考えていたところだったので、ムルシアで一緒に暮し始めるのでした。
その後もなんか色々あるんですが、結局はニネッテと両親の望む方向に物事が進んでいってしまうんですよね。彼の店なんて父親に乗っ取られちゃうし。
盛り上がりには欠けるものの、登場人物に愛嬌があり、最後までのほほんとした笑いで楽しめました。残念なのは、邦題とジャケット写真かな…。

映画「暗くなるまで待って」観ました

 | サスペンス  Comment(4) 

暗くなるまで待って
製作:アメリカ’67
原題:WAIT UNTIL DARK
監督:テレンス・ヤング
原作:フレデリック・ノット
ジャンル:★サスペンス/スリラー

【あらすじ】ヘロインを人形に隠して運ぶ女が、空港でたまたま会った男性サムにそれを預けた。だが、彼は人形を紛失し、疑った一味が密かに家捜ししても見つからない。彼らは知人や警察を装い、サムの盲目の妻スージーに人形を出すよう仕向ける。

目が見えなくて、頼れる人がいない状況で、もし目の前にいる人物が自分を騙していると気付いてしまったら…。しかも、相手が複数で、何を企んでいるかも分からないなんて、考えただけで恐ろしいです。
彼らの手口は、振り込め詐欺のように相手を混乱状態にして思い通りに操ろうというものなんですが、聡明で盲人ならではの聴覚の鋭さを持った彼女は異変に気付き、自分の身の安全だけでなく悪党の思い通りにはさせないと考えます。目が見える人でも怖くて「人形さえ渡せば…」と考えてしまいそうなところを、彼女は冷静に状況を把握し対処していくんですよね。
後半のかけひきや、暗闇での対決にはハラハラさせられ通しで、とくに暗闇で一瞬見える彼女の切羽詰った表情は緊迫感を煽ります。盲人の役というだけで難しそうなのに、その恐怖感まで完全に表現してしまうオードリーの演技力に驚かされました。
死体に掠る彼女のスカーフや、電話のベルを使った合図、冷蔵庫の明りと閉じないよう挟まれたタオルなど、巧みな演出や小道具がサスペンスを盛り上げます。
余談ですが、あの開かずの金庫に何が入ってるのか気になるところ(笑)

映画「チェブラーシカ(1974)」観ました

 | ファミリーアニメ  Comment(6) 

チェブラーシカ(1974)
(2012/4/29イラスト追加)
『こんにちはチェブラーシカ (原題:わにのゲーナ)』 1969年
果物の箱の中で眠っていた正体不明の生きものチェブラーシカ(”ばったり倒れ屋さん”という意味)。電話ボックスで寂しく暮らすようになったチェブラーシカは、ある日、孤独なワニ・ゲーナが書いた”友達募集”の張り紙を見つける。

『ピオネールに入りたい (原題:チェブラーシカ)』 1971年
ゲーナの誕生日。ピオネール(ボーイスカウトのようなもの)の行進を見たふたりは仲間に入れてほしいと頼むが、いい事をたくさんしないと駄目だと断られる。しょんぼりするふたりだったが、遊び場のない子供たちを見つけ安全な遊び場を造ってあげようと思い立つ。

『チェブラーシカと怪盗おばあさん (原題:シャパクリャク)』 1974年
バカンスに行こうと汽車に乗り込んだゲーナとチェブラーシカ。だが、シャパクリャクお婆さんに切符を盗まれ、途中下車させられてしまう。仕方なく歩いて帰ろうとするふたりだったが、途中、工場排水で汚れた川を見つけ…。

『チェブラーシカ学校へ行く (原題:同じ)』1983年
旅先から空港まで迎えに来て欲しいと電報を打ったゲーナ。だが、チェブラーシカの姿はなく、家に帰って尋ねると文字が読めないらしい。ちょうど明日は入学式の日ということで、ふたりはさっそく入学準備をしに出かけるのだった。

ロシアの児童文学作家エドゥアルド・ウスペンスキーの作品を、ロマン・カチャーノフ監督が映画化した短編人形アニメーション。
みんなどこか寂しげで、鈍色の空が彼らの心に重くのしかかっていそうな気もします。でも、あの愛らしさや素朴さ、哀愁漂う歌、優しくてあたたかい彼らを見ていると、希望はしっかり存在しているとわかるんですよね。ふたりのちょっとずれた会話や、いじわるだけどチェブラーシカ大好きなお婆さんが笑えます。あと、チェブラーシカは2話目で字を読むシーンがあるんだけど、4話目は過去ばなし?それとも…(笑)
ゲーナの歌が本当に素敵なので動画を貼ってみました(削除されてしまうので検索結果ページにリンクを張りました。たぶん1番上の動画)。
Пусть бегут неуклюже/誕生日は一年に一度だけ
動物園で”ワニ”として働き、暇な時は演奏する様子が見られます。
Песня Чебурашки/チェブラーシカの歌
肝心のチェブラーシカがいなかったのでもう1つ。

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映画「ブルグ劇場」観ました

 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(2) 
Tag:オーストリア

ブルグ劇場
幾多のカップルを誕生させたに違いないアコーディオン弾き。
製作:オーストリア’37
原題:BURG THEATER
監督:ヴィリ・フォルスト
ジャンル:★ロマンス/コメディ/ドラマ

【あらすじ】ウィーン国立ブルグ劇場の名優ミッテラーは、有名人好きな男爵夫人に付き纏われうんざりしていた。そんな時、美しい仕立て屋の娘レニに一目惚れしてしまう。だが、彼女には俳優を目指す恋人がおり、彼の欲しがっていた男爵夫人からの招待状を、ミッテラーに届け物をした時につい盗み出してしまうのだった。

この清純な娘レニの”つい”が、舞台一筋だった老優ミッテラーを振り回してしまいます。
『業界人に顔の利く男爵夫人のコネがなければ、自分なんて一生ブルグ劇場に立つことなんて出来ない!』と嘆く恋人のために、レニは招待状を盗み恋人宛に書き換えて投函。そして、パーティで鉢合わせさせないため、その日時にミッテラー会う約束をするんですよね。
やってることはかなり腹黒いんですが、当人は恋人のために必死でまるで悪気がありません。

一方、年甲斐もなく若い娘に恋してしまったミッテラーも、おそらく初めての恋で完全に舞い上がっています。「友達として君の力になりたい、なんでも頼ってくれ。」と言っていたのに、実際頼られてみるとそんなことは頭から消え「彼女は私を愛している!!」と誤解してしまうのでした。
”人付き合いの嫌いな孤独な老人”だった彼が、少年のように恋に一喜一憂する様子が可愛くて微笑ましく、それ故に全てを悟った時の苦悩が際立ちます。直後に演じた戯曲「ドン・カルロス」で、「私は無力な老人だ」と言う時の表情は見事でした。
また、一度は成功を手にするも、心無い噂のせいで将来を断たれ自殺を考えるレニの恋人に対し、嫉妬の気持ちを抑えて叱咤激励する姿にはぐっときます。
ハッピーエンドというわけではないですが、観終わってすがすがしい気持ちになる作品でした。

映画「會議は踊る」観ました

 | ミュージカル  Comment(4) 
Tag:ドイツ

會議は踊る
製作:ドイツ’31
原題:DER KONGRESS TANZT
監督:エリック・シャレル
ジャンル:★ミュージカル/ロマンス/ドラマ/コメディ

【あらすじ】1814年、ウィーン会議。次々とヨーロッパの大物が集まるなか、手袋屋の娘クリステルがロシア皇帝に花束を投げつけ逮捕される。皇帝は彼女を救い恋に落ちるが、皇帝の会議出席を妨害したい宰相メッテルニヒはそれを利用しようと動きだす。

タイトルは、オーストリア将軍リーニュ公の「会議は踊る、されど進まず」という言葉から。会議よりも舞踏会や晩餐会の時間の方が長かったそうです。
そんなウィーン会議を舞台に、自分の思い通りに会議を進めたい宰相と、彼の策略を上手くかわしつつ恋も楽しむ皇帝。皇帝に恋するクリステルや、彼女に恋する宰相の秘書官。面倒なことばかり押し付けられる皇帝の影武者などが描かれます。
魅力的な登場人物たちが音楽とダンスに彩られ、愉快で楽しい雰囲気に包まれていました。
馬車に迎えられ皇帝の別荘に行くクリステルが、高まる気持ちを抑えきれないように歌いだすシーンは誰でも胸が弾むはず。
ほかにも、宰相が朝一番に盗聴器で使用人たちの話を聞いていたり、”チャリティーのための有料キス(宰相の策略)”をする影武者の横に、口を拭ったハンカチの山が出来たり、会議中なのに音楽に誘われて椅子を揺らし、最後にはほくそ笑む宰相と揺れる椅子だけが残されたりと、思わずニヤリとしてしまう愉快な演出が盛りだくさんでした。
ほろ苦いラストでは、馬車で歌ったものと同じ「ただ一度だけ」が切なく響きます。

映画「パラドールにかかる月」観ました

 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(0) 

パラドールにかかる月
製作:アメリカ’88
原題:MOON OVER PARADOR
監督:ポール・マザースキー
ジャンル:★コメディ/ロマンス

映画撮影で南米の国パラドールにきていた俳優ジャック・ノア。だが、この国の独裁者が急死し、彼の物真似を披露していたために長官ロベルトに目を付けられてしまう。脅されて替え玉となった彼は、独裁者の恋人マドンナと恋に落ち…。

「あの女と結婚する!」と浮かれていた大統領が、長官ロベルトに物凄い剣幕で叱られぽっくり逝ってしまう。(深酒による心臓麻痺とは言ってたけど…)この政情不安の時期に発表するわけにもいかず、ひらめいたのが昼に大統領の物真似をしていたジャックによる替え玉。
さっそく、有無を言わさぬ勢いでジャックを連れてきて、牛肉と並べて吊るされた大統領とご対面!
最初はビビっていたジャックも、やらなきゃ殺られると腹を決め、遺体を観察しながらメイキャップを始めます。仕事モードに入ると肝が据わって頼もしい♪
そんなこんなで大統領の役を演じる破目になり、ロベルトの言いなりになるジャックでしたが、マドンナとの出会いによって変わっていきます。
国民との信頼関係や、ゲリラの問題、パラドールのこれからについてなど、色々な問題を役者魂で解決していくのが楽しく、最後までテンポ良く見せてくれます。
マスコミの取材に「演じきった!」と誇らしげに答えるのが良い。
ラストの別れはロマンチックなのに明るさもあり、楽しい気分で見終われました。

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映画「渚にて」観た

 | SF  Comment(0) 
Tag:スタンリー・クレイマー

渚にて
製作:アメリカ’59
原題:ON THE BEACH
監督:スタンリー・クレイマー
原作:ネヴィル・シュート
ジャンル:★SF/戦争/ドラマ

第三次世界大戦が勃発し、核攻撃で北半球が全滅した。南半球にも放射能汚染が迫るなか、本国に帰れなくなった米国の原潜がメルボルンに入港する。そして、艦長タワーズは学者たちと共に北極圏に汚染調査に出掛るのだった。

タイトルから青春ものやロマンスものを想像していたため、最初から漂う重々しい雰囲気に驚いてしまったんですが、人々の言葉の端々から状況が分かるにつれ、じわじわと心を蝕む絶望感や、それでも人として日々を生きていく強さが伝わってきました。
家で静かに終えようと考える者、最後まで楽しむ事を忘れず人生に悔いが無いよう”生きる”者、せめて故郷でと無人の街へ帰っていく者。死に向かう人々の様子が、静かに淡々と描かれています。
なかでも、いずれやってくる放射能による苦しみから妻や赤ん坊を守るため、安楽死の薬をどう手に入れようか思案する男のエピソードは切ない…。
破壊シーンもグロテスクな描写もないのですが、核戦争の恐怖と愚かさを静かに訴えかける作品でした。

ちなみに、原題は船乗りのスラングで、”船上にいない、岸にいて仕事がない”という意味だそうです。

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第1回ブログDEロードショー「2001年 宇宙の旅」

製作:イギリス/アメリカ’68年
原題:2001: A SPACE ODYSSEY
監督:スタンリー・キューブリック
開催:2009/7/31~8/2
2001年宇宙の旅
記念すべき”ブログでロードショー”第1回目の作品。
「映画鑑賞の記録」のmiriさんの「2001年宇宙の旅」の記事に「シネマ・イラストレイテッド」のMardigrasさんがコメントしたのをきっかけに、「お互い再見したいけど、なかなか出来ない」「それなら一緒に見ませんか?」という話しになり、「せっかくだから、2人だけではなく、皆さんをお誘いしましょう~!」という事で始まりました。

企画内容の詳細については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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