2009年05月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「バヤヤ」観ました

バヤヤ
製作:チェコスロバキア’50
原題:BAJAJA
監督:イジー・トルンカ
原作:ボジェナ・ニェムツォヴァー
ジャンル:★ファンタジー/ロマンス

【あらすじ】母親が去り悲しみに包まれる家で、父親とふたり貧しく暮らす青年がいた。ある晩、白馬に姿を変えた母親が現れ、彼は導かれるままに旅立つ。やがて、3人の美しい姫のいる国に辿り着くが、彼女たちは三匹の竜に身を捧げる運命にあった。

チェコの民話をもとにした、幽玄な美しさをもつ長編人形アニメーション。
騎士の鎧に身を包んだ青年が、竜への供え物になろうとしていた3人の姫を助けます。姫たちは騎士に想いを寄せるものの、鎧を脱いだ彼には気付かず…というお話。
セリフは少なく、人形の動きもややぎこちないものですが、顔の角度や光の具合で表現される”感情”が素晴らしく、まるで人形たちが生きているかのように見えました。
とくにヒロインである末姫の優美な身のこなしや、悲しみを湛えた表情は(描かれた顔が変わった訳ではないのに)神秘的なほど。そんな彼女を元気づけようとする老道化師も可愛らしく、耳をぴょこぴょこさせたりでんぐり返しをしたり、何も出来なくて落ち込んだりと感情豊かに描かれています。
セリフどころか説明もほとんどないため、何故母親は馬になったのか、母親の罪の償いが息子による竜退治でいいのか、そのあいだ取り残された父親は可哀想すぎやしないか、など気になる点もいくつかありますが、観終わって出会えてよかったと思える傑作でした。
他の作品も機会があったら是非観てみたいと思います。(BSでやってくれるかな?)

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映画「アリスのレストラン」観た

 | 青春  Comment(2) 
Tag:アーサー・ペン

アリスのレストラン
製作:アメリカ’69
原題:ALICE'S RESTAURANT
監督:アーサー・ペン
原作:アーロ・ガスリー
ジャンル:青春ドラマ

【あらすじ】「やりたくない事はやらない」主義で、ギター片手に気ままに生きるヒッピーのアーロ。感謝祭には、レストラン経営者で近くの教会を買い取ったレイとアリス夫妻に招待され、彼と同じ様な若者たちと過ごすが…。

仲間と騒いだり、不法投棄で捕まったり、病気の父を訪ねたり、徴兵されそうになったり…ひたすらダラダラ続くんですが、不思議と退屈はしない作品でした。
不法投棄のエピソードは割と楽しい雰囲気で、暇を持て余していた警察がさんざん”らしい”捜査をしたのに罰金で済まされてがっくりするのは笑えます。その後、アーロたちがちゃんとゴミを処分しようと、わざわざNYのゴミ処理場まで来てしまうのもお気楽で彼ららしい。
ただ、面白いと言っても、この作品には彼らを一歩離れた所から見ているような冷めた感じがあって、明るく笑ってスッキリというタイプではないんですよね。どこか乾いているというか。…それが独特な味わいを醸し出しているのかもしれません。

また、徴兵を逃れようとする様子もユーモアを交えて描かれているんですが、希望通り免除されたのに嬉しくないということを病床の父に洩らし、辛いことから逃れているだけでは駄目だと悟ります。
やがて父が亡くなり、仲間が薬物依存の果てに事故で亡くなり…。
アリスとレイの結婚式を終え、一人、また一人と仲間が去って、二人だけが取り残されるラストが物悲しいです。

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映画「ファイヤーウォール」観た

 | サスペンス  Comment(12) 

ファイヤーウォール
製作:アメリカ’06
原題:FIREWALL
監督:リチャード・ロンクレイン
ジャンル:★サスペンス/アクション

【あらすじ】銀行の最高幹部の一人でプログラマーのジャックは、家族と快適な暮らしを送っていた。そんなある日、コックス率いる強盗グループが家を占拠。家族を人質にとり、彼自身がつくったセキュリティ・プログラムを破るよう脅す。

家族を取り戻そうとお父さんが超頑張っちゃう、ハリウッド的王道サスペンス。
ありがちな上に、頭が良いはずの人たちが結構抜けてるので頭脳戦というイメージが弱く、テンポの良さで押し切った感じが否めません。
しかし、後半の”雨の中、ヘトヘトになりながら街を駆けずるパパ”とか、”これまでの疲れを振り切って、執念で犯人と取っ組み合いをするパパ”とか、”犯人を倒し、涙目でよろよろと家族に近づくパパ”とか、もう最高。涙出そうになりました。
というか、初めてハリソン・フォードをカッコイイと思った気がします。
若かりし頃の彼に思いいれのないひとや、必死に頑張るおじ様が大好きというひとならオススメですよ!
…以上、趣味全開の感想でした。

映画「ナショナル・トレジャー」観た

ナショナル・トレジャー
製作:アメリカ’04
原題:NATIONAL TREASURE
監督:ジョン・タートルトーブ
ジャンル:アドベンチャー/アクション/ミステリー

【あらすじ】幼い頃、テンプル騎士団が守ってきた財宝の話を祖父から聞かされ、自分も宝を守る騎士になろうと決めたベン。ゲイツ家が代々受け継いできた謎の言葉を手掛かりに、ついに南極に眠るシャーロット号へたどり着くのだが…。

「インディ・ジョーンズ」とか「トゥーム・レイダー」が何となく苦手で、これはどうかなと思っていたけど案外楽しめました。宝を守りたいという彼の情熱と、人を傷つけまいとする姿勢が良かったんですかね?
まあ、宝を守るために悪人より先に独立宣言書を盗むまではいいとして、そのまま警察に駆け込まなかったのは”謎を解き明かしたい”という彼の願望からだった気がしますが。…細かい事を気にしなければ、家族で安心して楽しめるアドベンチャー映画だと思います。
私のお気に入りは、相棒ライリー君。活躍したくてもベンの推理の速さについていけず、何か言おうとしても誰かに邪魔されてしまう情けなさが可愛いです。最後には活躍できるのかと思いきや、ベンの父親が頑張ってしまい大して目立てませんでした。…次回に期待ですね。
そして、私的に一番の笑いどころだったのは、冒頭の船を掘り出したシーン。
シャベルが何かにあたり、手で氷をどけて真っ先に見えたのは”シャーロット号”と書かれたプレート!!
こんな奇跡を見れば、誰でも『彼なら財宝を見つけられるっ!』と確信することでしょう(笑)

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映画「桜桃の味」観ました

 | ドラマ  Comment(0) 
Tag:イラン

桜桃の味
製作:イラン’97
原題:TA'M E GULIASS
監督:アッバス・キアロスタミ
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】車に乗って町を彷徨う男がいた。彼は金に困っていそうな人物を拾っては、町から少し離れた丘に連れてきて奇妙な頼みごとをするのだった。引き受けてくれる人物を探しているうち、彼はトルコ人の老人ゲバリと出会い…。

<ネタバレ注意!>
男の目的が分かるまでは、彼が”獲物を探して町を彷徨う怪しい人物”にしか見えず、青年を車で送ると言い出したときは、猟奇的なことが起こるんじゃないかとハラハラしてしまいました。
でも、彼が青年に頼んだのは「翌朝、木の下の穴にいる自分を呼び、返事がなかったら土をかけて欲しい」というもの。…つまり自殺の後始末ですね。
生きることに絶望し、淡々と自殺の準備を進めていた彼がやっと見つけたのは、病気の子供をもつ老人ゲバリでした。彼は子供の治療費のため仕事を引き受けるんですが、その帰りに昔話を始めます。それは、かつて自殺を決意した彼が木にロープを括ろうとして、ふと手に触れた桑の実を食べ、食べている内に夜が明けてしまったという話でした。
「私は桑の実に命を救われた。見方を変えれば世界が変わる。…君は桜桃の味を忘れてしまうのか?」
本当に思いつめている人がこれを観てどう受け取るかは分かりませんが、少なくとも私は生命の活力を感じました。死をみつめることは生をみつめることと同じということなんでしょうか?
突放した感じの終わり方も独特で印象に残りました。

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映画「さらば、わが愛/覇王別姫」観ました

 | ドラマ  Comment(4) 
Tag:チェン・カイコー 香港

さらば、わが愛/覇王別姫
製作:香港’93
原題:覇王別姫
監督:チェン・カイコー
原作:リー・ピクワー
ジャンル:★文芸ドラマ

【あらすじ】1924年、北京。妓楼の母親に捨てられ、京劇の養成所に入れられた豆子(トウツ)。いじめられる彼をかばったのは石頭(シートウ)で、厳しい修行の日々も兄弟のように支えあい耐えるのだった。やがて、彼らはスターとなるが…。

京劇や中国の歴史に疎くついていくのが大変でしたが、とても見ごたえのある重厚なドラマでした。(以下、ネタバレ注意!)
舞台の上でしか自分を見いだせない男が主人公で、前半は辛い子供時代と石頭との友情が描かれています。
養成所に入れるため母親に六本目の指を切り落とされ、女形として心の底から”女”に成りきることを強制され、”慣わし”で西太后の宦官の慰み者にされ…。あまりにも悲惨な子供時代で、彼が自分で選んだことといえば「京劇と石頭を愛する事」だけだったように思えます。
京劇はあんなにも美しいのに、その裏で虐待にも等しい修行が行われ、子供を変態老人に差し出す醜い”慣わし”があるというのが…。また、追いかけられ捕まるだけといっても、ああいうシーンを子供が演じるのはいつ見ても胸が痛みます。

後半は、スターになった彼の”報われぬ愛”と”過酷な運命”が描かれます。
愛する小樓(石頭から改名)が結婚し、しかも相手はかつて自分を捨てた母親と同じ”遊女”。自暴自棄になった彼はパトロンに身を任せ、アヘンに溺れてゆきます。やがて、激動の時代となり文化大革命が起こった時、彼らは群集につるし上げられてしまいます。
面倒見がよく頼れる存在だった小樓が、暴力に屈し蝶衣(豆子から改名)と妻を裏切るシーンは妙にリアルでした。
小樓の妻・菊仙の存在感も彼らに負けておらず、嫉妬に狂う蝶衣を冷静にあしらうのが小憎らしいです。アヘン中毒の彼を看病してからは、しだいに優しさを見せるようになるものの、蝶衣は受け入れようとはしないんですよね。
ラストは原作とは違うようですが、これまでの蝶衣を見ていれば納得できるものだったと思います。

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映画「ドミノ・ターゲット」観た

 | アクション  Comment(5) 
Tag:スタンリー・クレイマー

ドミノ・ターゲット
構えているのは銃です。たぶん。
製作:アメリカ’76
原題:THE DOMINO PRINCIPLE
監督:スタンリー・クレイマー
原作:アダム・ケネディ
ジャンル:サスペンス

ベトナム戦争で活躍した狙撃の名手タッカー。恋人エリーの夫を殺した罪で20年の刑を受けていた彼は、謎の面会人から脱獄の見返りに暗殺を依頼される。エリー会いたさに脱獄の手配を受けるが、彼に暗殺を請け負うつもりはなく…。

主人公がかなりの甘ちゃんで、こんなヤバイ仕事持ちかけられて仲間を巻き込むし、目の前で仲間が殺されたのに彼女とハネムーン楽しんでるし、「え~!?」と思う事がしばしばありました。
とくに彼女とのラブラブっぷりがすごくて、今まで渋いオジサマだったのが急にペアルックで笑顔振りまいてるんですよ。しかも、組織にそれを邪魔され連絡取れなかったことを怒られて逆ギレ。終いには「こんな仕事は引き受けられない、お前らはクズだ」と怒鳴りつけます。
結局、組織にエリーを誘拐されて仕方なく引き受けるんですが…。
ここら辺からグッと恰好良くなってきます。
今まで「甘ちゃん」なんて思っていたけど、実はとっても優しいというか、人間を信じているんだなぁと分かってくるんですよね。
「俺は疑り深いんだ」が口癖というのが、ちょっと可愛いです。

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映画「laundryランドリー」観ました

 | ロマンス  Comment(4) 
Tag:日本

laundryランドリー
製作:日本’01
監督・原作:森淳一
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】幼い頃マンホールに落ちたせいで脳に障害を持つ青年テル。彼は祖母のコインランドリーで、洗濯物が盗まれないよう毎日見張っていた。そんなある日、忘れ物を届けた事で親しくなった水絵が、再び忘れ物をして姿を消してしまう。

*ネタバレ注意*
おとぎ話のような不思議な雰囲気に絶妙な笑い。そして、シビアな展開に驚かされつつ、優しい愛に目頭が熱くなりました。
主人公の行動と障害者である事に引っかかっている方もいるようですが、彼の行動って奇行と言うほどおかしいでしょうか?
それに、「マンホールに落ちて脳に障害が」というのも本当の事かどうかわかりません。彼は祖母の言いつけで一度も帽子を脱ぎませんし、マンホールの上も平然と歩いています(踏んではなかったかも)。
その上、彼は両親の事を覚えておらず、「僕の記憶は大きな氷の中に閉じ込められていて、誰にも取り出せない。」というセリフがあって、なんとなく両親を何らかの事故で亡くして、そのトラウマで健忘を起こしているのでは…と思ったんですよね。
まあ、外傷による記憶障害の方が自然だし、精神障害でも障害には違いないですが。それを言うなら、水絵もリストカットやら盗癖やら障害でてますし。

で、”奇行”とは思えなかった理由としては、忘れ物を届けたときの「あれから毎日毎日洗って、ぼろぼろになってしまった」という言葉。
それはリストカットの血痕をおとすためなんですが、”何度も”ではなく”毎日”と言ったのは、届けに行こうか迷っていたというニュアンスを含んでいたと思うんですよ(まさかヒッチハイクの間に洗っていた訳でもあるまい)。彼は祖母に守られて生きてきたようだし、今までコインランドリーが世界のすべてのようなものでした。それが、ヒッチハイクをしてまで会いにいくというのは、相当の覚悟があったと思うわけです。
何か色々書いててよく分からなくなってきたけど、ようするに、この作品は心に深い傷を負った男女が出会い、支えあい、つまづきながらも前進していくラブストーリーなんだと思います。
…ちょっと妄想入ってますけどね(笑)

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映画「逢びき」観た

 | ロマンス  Comment(4) 
Tag:イギリス デヴィッド・リーン

逢びき
窓に浮かび上がるローラのニヤケ顔。
製作:イギリス’45
原題:BRIEF ENCOUNTER
監督:デヴィッド・リーン
原作:ノエル・カワード
ジャンル:ロマンス/ドラマ

【あらすじ】毎週木曜には、買い物ついでに映画を観たりして楽しむ平凡な主婦ローラ。ある日、帰りの駅で汽車のススが目に入り、それを医師アレックスが取り除いてくれる。それから何度か顔を合わすうち、ふたりは強く惹かれ合うようになるが…。

ローラと男がいるテーブルにお喋りな友人が割り込み、友人が話しているうちに男は去ってしまう。そして、悲嘆に暮れるローラが回想にふけるところから物語は始まります。
淡い恋心がいつしか深い愛情に変わり、強く惹かれながらも罪悪感にさいなまれる様子がじっくりと描かれ、不倫ものにしては入り込めたと思います。
ただ、病弱な奥さんや息子の事故(脳震盪だけ)の事を忘れてデートを楽しむ彼らの気持ちは分からないし、そうなると最初は良いと思っていた彼女のモノローグもだんだん鬱陶しいものに感じてしまいました。
この作品をいいと思うかどうかは、結局のところ彼女たちに共感できるかどうかで決まりそうです。

「君は遠いところへいっていたね。でも良く戻ってきてくれた」
ラストの旦那さんの優しさには脱帽しました。

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映画「ワンナイト・イン・モンコック」観ました

 | 犯罪  Comment(0) 
Tag:香港

ワンナイト・イン・モンコック
製作:香港’04
原題:旺角黒夜
監督:イー・トンシン
ジャンル:★サスペンス/犯罪ドラマ

【あらすじ】クリスマス・イヴの夜。暴力と犯罪の街モンコックでは、些細な事から始まった組織抗争を終結させるため、ミウ警部らによる掃討作戦“ワンナイト・イン・モンコック”が始まろうとしていた。組織に雇われた殺し屋フーは、偶然出会った同郷の売春婦タンタンをカモフラージュに使うが…。

クライム・サスペンスというとドンパチが始まるイメージであまり好きではないんですが、これはそんなこともなく (流血は結構あるけど)、切ない雰囲気漂う私好みの作品でした。
メインは殺し屋と売春婦の逃走劇で、警察はもちろんギャングや同郷の手配屋、タンタンに絡んでいた客など、周りは敵だらけという状況のなか、ふたりのこころの交流が繊細に描かれます。
明るくタフに生きているように見えるタンタンには、家族のため貧しい故郷から出稼ぎにきて、いつしか売春婦として空虚な毎日を送るようになっていたという影がありました。そして、冷静沈着に見えた殺し屋フーも、音信不通になった恋人を探すという本当の目的があり、物価の高い香港で人探しをするためにやむなく殺し屋になったという事情があります。
「小さな不幸に慣れてはいけない、抵抗してればいつか良くなる」という彼の言葉が、こころにずしんと響きました。

映画「ドゥーマ」観た

 | ファミリー  Comment(0) 
Tag:キャロル・バラード にゃんこ

ドゥーマ
製作:アメリカ’05
原題:DUMA
監督:キャロル・バラード
原作:キサン・ホプクラフト/キャロル・コースラ・ホプクラフト
ジャンル:アドベンチャー/ドラマ

【あらすじ】南アフリカの農園で家族と暮らす少年ザン。ある日、独りぼっちのチーターの子供を拾った彼は、”ドゥーマ(スワヒリ語でチーターの意味)”と名付け育て始める。だが、ドゥーマとの別れの時は近づき、都会への引越しを機にひとりで南アフリカ縦断の旅に出るのだった。

育てていたチーターを亡くし悲しみに暮れるキサンを元気づけるため、母親キャロルがキサンと一緒につくった絵本が原作です。
ご都合主義な展開はあるものの、美しく厳しい大自然を舞台とした大冒険にチーターの可愛さが加わって、ぜんぶ許せてしまいました。
とにかくドゥーマが可愛くて、小さい頃の子猫のような愛らしさや、大きくなってもザンにべったりなところ。バイクと並走する時のしなやかな走りや、焚き火を見つめるちょっと怖い顔など、いろんな姿を見せてくれます。
「キュー」と「ミャー」の中間のような鳴き声も新鮮でした。チーターってあんなふうに鳴くんですね。
また、ワニやらライオンやら虫の大群やらが”うようよ”いる南アフリカでの大冒険も、思ったよりハラハラできて楽しめます。
家族で観るには最適な作品でした。

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映画「おしゃれ泥棒」観ました

おしゃれ泥棒
製作:アメリカ’66
原題:HOW TO STEAL A MILLION
監督:ウィリアム・ワイラー
原作:ジョージ・ブラッドショウ
ジャンル:★コメディ/ロマンス

【あらすじ】贋作画家シャルル・ボネを父親に持ち、頭を悩ませていた二コル。ある日、美術館に貸し出した偽ビーナス像が、鑑定にかけられると聞いて大慌て。先日、彼女が見逃してあげた侵入者シモンに、美術館から像を盗み出してほしいと依頼する。だが、彼の正体は贋作を調べる私立探偵だった。

「おしゃれ泥棒2」という(原題はLove Among Thieves)本作とはまったく関係ないTVムービーで、50歳くらいの彼女を初めて観たときの衝撃を思い出してしまいました。
いや、充分美しかったんですよ? でも、その頃は「ローマの休日」の彼女しか知らなかったので凄いショックだったんです…。
それはさておき、こちらは気楽に楽しめるロマンチック・コメディでした。
贋作のスリリングな魅力に取り付かれた父親と、いっつもハラハラさせられているニコルとのやり取りがカワイイです。もちろん、美術館の物置にシモンと2人で隠れるシーンも微笑ましくて良いんですが、あの楽観的な父親が私的にかなりツボでした。
あの父親、まるで犯罪者という感じがしないんですよね。贋作も彼にかかると子供のいたずらのようで、あれじゃニコルが本気で止められないのも肯けます。
見どころである盗みのトリックもブーメランを使ったお茶目なもので、発想は面白いけどよく成功したな、という感じでした。
何気に子供でも楽しめそうな作品です。

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映画「ヤング・ゼネレーション」観ました

 | 青春  Comment(5) 

ヤング・ゼネレーション
製作:アメリカ’79
原題:BREAKING AWAY
監督:ピーター・イエーツ
ジャンル:★青春ドラマ/スポーツ

浪人中にも関わらず自転車レースに夢中なイタリアかぶれのデイブ。父親の小言も聞き流し仲間と地元で遊んでいたある日、大学生たちともめ事を起こす。仲裁が入り、毎年この町で開催される自転車レースで決着をつける事になるが…。

ストーリーは単純なもので、将来の不安や父親との溝、仲間とのすれ違いや大学生との対立を、自転車レースに挑戦することで乗り越えてゆく、という感じ。原題の意味は、自転車や様々なレースで、急にペースを上げて相手との距離を空け、置き去りにする戦法のこと。
私は何故か四人組を見分けられなくて、前半はどれが誰のエピソードなのか分からなくなったりもしたんですが、自転車レースで一度は敗れるも、父親の励ましや仲間の助けのおかげで見事トロフィを手にしたラストには、爽やかな感動を味わえました。

とくに父親の厳しい言葉の裏に隠された深い愛情が良い!
勉強も仕事もせずに自転車に夢中なのを叱り飛ばしていた彼が、レースでイタリアのプロ選手の妨害に遭って負けた息子に「毎回トロフィーを持ち帰らなくてもいいんだよ」と優しく慰めたのにはぐっときます。
大学生との対決でも自分の事のように一喜一憂していて、わだかまりが完全にとけたんだなと嬉しくなってしまいました。
そして、なんと言ってもラストのオチ!
フランス人の女の子に一目惚れしたデイブが、父親とすれ違いざまに一言。
『ボンジュール、パパ!』
あんぐりという表現がピッタリの父親のどアップがたまらなく好きです。

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映画「スケアクロウ」観ました

 | ロードムービー  Comment(8) 

スケアクロウ
あれ、眼鏡かけてなかったっけ? ふっ、気のせいさ。
製作:アメリカ’73
原題:SCARECROW
監督:ジェリー・シャッツバーグ
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】5年の船乗り生活を終え、まだ見ぬ我が子に会いにデトロイドへ向かっていたライオン。そして、出所して洗車業を始めるためピッツバーグに向かっていたマックス。ヒッチハイクの途中で出会ったふたりは、正反対の性格ながら意気投合して道中をともにする。

私の大好きなロードムービー&友情ものです。
気難しくて他人を信用せず、喧嘩っ早いマックス。陽気で人懐っこく、喧嘩するより笑わせるのが好きなライオン。
普通ならかみあわなそうな2人が、一本のマッチをきっかけに友情を芽生えさせてゆきます。
マックスの周囲では喧嘩やら何やらで不穏な空気になりやすいんですが、そのつどライオンの陽気さ素朴さがその場を和ませます。万引きでライオンに店員の気を引く役をさせた時、いきなり彼が店内を走り回り、マックスが「ぽか~ん」としていたのには大笑いしてしまいました。
こんな感じに、行く先々で起こるトラブルを乗り越えていくうち、ばらばらだった知恵の輪がカチッとはまった様に、”一緒であることが当たり前”の存在になっていくのが素敵です。
やがて、ライオンが言っていた「かかしはカラスを脅かしているんじゃなく笑わせている」という言葉を体現するかのように、あのマックスがストリップで喧嘩を回避したのには感動させられました。
切ないラストには胸が締め付けられる思いがします。

映画「ラヴェンダーの咲く庭で」観た

 | ロマンス  Comment(1) 
Tag:イギリス

ラヴェンダーの咲く庭で
製作:イギリス’04
原題:LADIES IN LAVENDER
監督:チャールズ・ダンス
原作:ウィリアム・J・ロック
ジャンル:ドラマ/ロマンス

【あらすじ】1936年、イギリスのコーンウォール地方。嵐の去った浜辺で青年を発見し、連れ帰って看病する事にした老姉妹ジャネットとアーシュラ。言葉の壁にぶつかりながらも、アンドレアという名のポーランド人でヴァイオリニストだという事が判明。アーシェラは淡い恋心を抱くが、やがて彼は画家オルガと親しくなってゆく。

始まりはさながら「人魚姫」のようで、少女のように胸をときめかせるアーシェラが可愛らしいです。
有名な女優さんらしくどこかで見たような感じはしたものの、彼女の仕草や眼差しを見ているうちに人違いだと思えてしまいます。夢でアンドレアにふさわしい”若かりし頃の自分”に戻っていても、まるで違和感がありませんでした。
また、妹の”実らぬ恋”を心配しながら、夫に先立たれ子供がいないために彼を引き留めようとしてしまうジャネットもよかったです。
ただ、彼女たちの過去がほとんど描かれていないので、(戦争のせいで?)アーシェラが結婚どころか恋愛経験もないらしい事がわかるのが唐突だった気がします。戦争の暗い影がちらほら見えるんですが、あまり深く描いていないのでやや物足りなく感じました。
イワシパイ
…ふたりが美味しいと言っていた「イワシのパイ(stargazy pie)」が衝撃的。