2008年11月 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「Dear フランキー」観ました

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Tag:イギリス

Dear フランキー
製作:イギリス’04
原題:DEAR FRANKIE
監督:ショーナ・オーバック
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】暴力的な夫から逃げ続けるリジーは、9歳の息子フランキーと母親を連れて港町に越してくる。息子には父親がアラク号で世界中を航海していると教え、父親の振りをして手紙を書いていた。しかし、そのアラク号がこの町に寄港すると知り…。

父親の暴力でフランキーが聴覚障害になったとは言えず手紙を書き続けるリジーと、その嘘を信じパパに会えると期待に胸を膨らませるフランキー。これを最後の嘘にしようと素性も知らない男を雇い父親の振りをしてもらう…というストーリーです。
静かな雰囲気で物語が展開していくんですが、演出や役者の演技が素晴しくて登場人物の感情がひしひしと伝わってきます。偽物のパパに抱きついて心底嬉しそうなフランキーと、それを見て罪悪感に駆られるリジーのつらそうな表情。見てるこっちまで胸が痛くなってきました。
じわじわと感動が広がってゆくラストも素晴しいです。

映画「マーニー」感想

マーニー
製作:アメリカ’64
原題:MARNIE
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ウィンストン・グレアム
ジャンル:サスペンス

【あらすじ】泥棒だと知りながらマーニーを雇ったマーク。案の定、彼女は会社の金を盗みだし、彼は警察に引き渡さないかわりに結婚を申し込んだ。彼女の行動には何か原因があると考えたマークは、何とかその原因を探ろうと話を聞くのだが…。

もしも、マーニーが最後までマークを愛さなかった(依存しなかった)ら、きっと違った話になっていただろうと思う。マークを動かしているのは”欲望”でしかないし、マーニーの問題は解決したわけじゃなく、依存する相手を変えただけのような気がします。
ストーリーはわたし的に受けつけないものでしたが、金庫を開けるシーンの清掃員と壁一枚挟んでマーニーがいるという構図は緊張感があって好きです。

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「機動戦士Vガンダム」観たよ

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機動戦士Vガンダム カテジナ
(画像クリックで大きいイラスト)
ファースト・ガンダムから80年近く経っているということで、キャラ総入れ替えされてました。顔とか名前とか勢力とか覚えるの苦手な私にはハードルが高かったです。しかも、最初の15話までがつまんないのなんのって。それ以降は思ったより面白かったです。ガンダムからは外れてしまったけど。

ウッソ:主人公(13歳)きれいなおねいさんに弱い。ストーカー経験あり。
ハロ:ガンダム史上もっとも役に立ってるハロ。最終的にはガンダムを動かしちゃったよ!
シャクティ:次回予告で容赦なく死の宣告をかますクールなヒロイン。ウッソが綺麗なおねいさんに惑わされる事も冷ややかに予告してくれます。
Vガンダム:ハンガーとブーツという武器を搭載したコア・ファイター…と説明したくなるほど毎話毎話、脚と腕パーツを敵に投下して破壊。戦艦一隻沈める威力はあるけどさ、きっと陰で誰か泣いてたよ…。
クロノクル:なんか小者臭を漂わせてる。地球は埃っぽいからとか言って(ダサい) マスクしてたのに、マスクのフィット感が気に入ったのか顔を隠すと安心感があるのか知らないけど、宇宙にもどっても常時着用。
カテジナ魔王。ウッソの初恋のひと。ガンダム史上もっとも怖い。

それにしても、オモチャ売るためにガンダムを子供向けのデザインにして、ショタコンのおねいさんで少年の心を捕らえ、最終的に待っているのが魔王カテジナだなんて
…なんという罠!!

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映画「見知らぬ乗客」観ました

見知らぬ乗客
製作:アメリカ’51
原題:STRANGERS ON A TRAIN
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:パトリシア・ハイスミス
ジャンル:サスペンス

【あらすじ】テニス選手のガイは、列車に乗り合わせた男ブルーノに声をかけられる。彼は自分の憎らしい父親と、浮気を繰り返すガイの妻との交換殺人を持ちかける。相手にしないガイだったが、彼は勝手に計画を実行に移してしまい…。

犯行の瞬間の見せ方や、排水溝に落ちたライターを拾うまでの手の演技。犯行を思い返しながら少女を見つめる犯人と、息子が殺人犯だと言われても笑っている異常な母親。そして暴走メリーゴーランド…。
ストーリーやシチュエーションが(今観ると)ありきたりでも楽しめるのは、こういう印象的なシーンがあるからだと痛感しました。
まさしく”サスペンス映画”という感じです。

<再見追記:2015/3/14>
冒頭からブルーノがいかにも胡散臭さをぷんぷん漂わせてますね。交換殺人をするなら、片方が実行するのと同時に、もう片方がアリバイをつくるの必須ですが、そこを決めずに進めちゃうところがブルーノという感じ。一方で、ガイが忘れていったライターを目ざとく見つけて、計画の一部に加えてしまう機転の良さもあって。
そんなブルーノの性格がわかったところで、今度はあの母親でしょ。彼女の描いた絵が写されると一気にホラーに!(笑)
こりゃあ、ガイは相当ヤバイ立場に立たされるなと予感させられ、さらに奥さんも嫌な女なもんだから色んな意味で主人公に同情してしまいます。
この後、超理解のある将来のお義父さんと、品行方正な恋人、ミステリーとか好きそうな解説役の妹が登場しても、まあそれくらいのご都合主義はいいかと思えたり。…サスペンスの興奮を伝える映像も素晴らしいですし。
盗聴器や指紋照合が出来ない時代のようで、主人公の反撃らしい反撃は終盤のメリーゴーランドでブルーノと対決するシーンのみでしたが、それでも十分今でも通用します。
ただし、メリーゴーランドの方に向かって発砲するアホ刑事はどうにかして!
ラストはちょっぴり人間不信になってしまったガイよりも、ブルーノを失った両親がどんな様子か知りたかったかなぁ。さりげなく父親の方がショックを受けてそう。そして、あのお母さんは………。
想像すると怖っ!

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映画「うつくしい人生」観ました

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Tag:フランス

うつくしい人生
製作:フランス’99
原題:C'EST QUOI LA VIE?
監督:フランソワ・デュペイロン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】南フランスの田舎町。農家の跡取り息子ニコラは、やりたいことはないが決められた道を進むことには抵抗があった。そんなある日、狂牛病で牛たちの処分命令が下り父親が自殺してしまう。ショックで祖父は呆け、次々と悪いことが重なり…。

美しい風景と細やかな心理描写が光る作品。
淡々としていて盛り上がりには欠けますが、観終わったあとの余韻がなんともいえません。
呆けてしまったおじいさんの言動に、彼の優しさを感じました。

映画「ホット・ロック」観た

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ホット・ロック
製作:アメリカ’71
原題:THE HOT ROCK
監督:ピーター・イェーツ
原作:ドナルド・E・ウェストレイク
ジャンル:コメディ/犯罪/アクション

凄腕の泥棒ジョンは、出所して直ぐ親友ケルプに仕事を紹介される。それは、博物館から大粒のダイヤ”サハラの石”を盗み出すというものだった。仲間を集め計画は成功したかに見えたが、ダイヤを持ったアランが警察に捕まってしまう。

とりわけ頭脳明晰でも運動神経抜群でもない”仲間内では賢い”程度の主人公ジョン。友人に”凄腕”とおだてられそれなりの作戦を立て実行に移すものの、やっぱり詰めが甘くて失敗しちゃいます。
メインは無くなったダイヤをあっちこっち捜し回るところなんですが、爆笑とか派手なアクションとか手に汗握る駆け引きなどとは無縁。しかも、「アフガニスタン・バナナ・スタンド」のくだりは好き嫌いが分かれそう。最後まで”気の抜けたソーダ”みたいな感じでした。
わたしは嫌いじゃないですよ、こういうの。

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映画「犯人に告ぐ」感想

 | 犯罪  Comment(2) 
Tag:日本

犯人に告ぐ
製作:日本’07
監督:瀧本智行
原作:雫井脩介
ジャンル:サスペンス/犯罪ドラマ

【あらすじ】誘拐事件で犯人を取り逃がし、少年の命を救えず左遷された巻島刑事。6年経っても悔やみつづける彼に、川崎連続児童殺人事件の捜査責任者となり、TVで情報提供を求めるという任務が。しかし、彼は独断で犯人に語りかけ始め…。

子どもの命が危ない誘拐事件で自分の出世の事を考えてる主人公を、麻薬組織のボス並みに遠く感じました。しかも、もうすぐ父親になるとか言い出してさらにビックリ。かなり後になるまで不信感をぬぐえず、冷ややかな目で観てしまったことを先に断っておきます。

→以下、ネタバレあり!

映画「旅情(1955)」観た

 | ロマンス  Comment(4) 
Tag:イギリス デヴィッド・リーン

旅情(1955)
製作:イギリス’55
原題:SUMMERTIME
監督:デヴィッド・リーン
ジャンル:ロマンス/ドラマ

【あらすじ】お金を貯めて憧れの街ベネツィアに来たジェーンは、そこで骨董品店を営むレナートと出会う。彼に惹かれつつも積極的になれない彼女に、レナートは情熱的に迫る。しかし幸せもつかの間、彼に妻子がいたという事実が発覚し…。

なんと言ってもヒロインのジェーンが魅力的です。
美しい街並みに目を輝かせたり、ふと孤独を感じて表情を歪めたり、見栄を張っていたら彼と話す機会を逃して泣きそうになったり…彼女の豊かな表情に自然と感情移入させられます。また、孤独な中年女性でありながら身のこなしはどこか可憐なんですよね。つい心の中で応援してました。
お相手のレナートさんはどうも苦手で、ロマンス部分は入り込めませんでした。でも、河を流れるクチナシの花を名残惜しそうに見送るシーンは、ラストを暗示しているようで心に残ります。

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映画「太平洋ひとりぼっち」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(4) 
Tag:市川崑 日本

太平洋ひとりぼっち
製作:日本’63
監督:市川崑
原作:堀江謙一
ジャンル:★アドベンチャー/青春/ドラマ

【あらすじ】1962年5月12日。親友に見送られ小さなヨット”マーメイド号”に乗り込んだ謙一は、5年前から計画してきた太平洋横断の冒険に旅立つ。実は違法行為であり巡視艇を恐れていたが、彼を待っていたのは予想以上の苦難の連続だった。

書くのをすっかり忘れてました。何か作業しながらだったので細部まで観てないんですが、それでも面白くてかなり笑えた作品です。
真剣に命がけで旅をしている彼には悪いんですけど、冷静に自分を分析しているナレーションと、独り言とか泣き喚いたりしてる姿とのギャップが笑いを誘うんですよね。中でも”水”に関しては危うかったです。持ってきた水に謎の”もやもや”が発生したので、水を節約するため”酒”を代わりに飲む…って危なー!つか、酒持ってきすぎ!!
ついでに言うなら、暇つぶし用の本も多すぎっ!代わりに水と食料積んどけ~。
とまあ、デンジャラスかつ楽しい旅が続くんですが、回想シーンでは彼が旅立つまでの家族との衝突なんかも描かれています。”密出国”な上に死ぬかもしれないんだから止めて当たり前なんでしょうが、それでも周りに理解者がいないというのは寂しいですよね。そこら辺の哀愁漂う雰囲気も良かったです。
今までみた石原さんは自信満々でどれも同じに見えたんですけど、今回はとぼけた感じとか焦ったりするのが一般人らしくてよかったです。
機会があったら今度はちゃんと観たいと思います。

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映画「ティファニーで朝食を」観た

 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(5) 
Tag:にゃんこ

ティファニーで朝食を
製作:アメリカ’61
原題:BREAKFAST AT TIFFANY'S
監督:ブレーク・エドワーズ
原作:トルーマン・カポーティ
ジャンル:★ロマンス/コメディ

【あらすじ】拾った猫と暮すホリーは、ティファニーの様な所で暮すことを夢見ていた。ある日、作家くずれの青年ポールが同じアパートに越してくる。彼は自由奔放なホリーに惹かれるが、彼女はある理由から金持ち男と結婚しようとしていた。

にゃんこの可愛さに気を取られてストーリーに集中できませんでした。
まあ、玉の輿を狙う話にしてはホリーは純粋でキュートだったし、ティファニーでのやりとりは素敵だったのでそれなりに楽しめたと思います。でも、★をつけたのは9割”にゃんこの可愛さ”によるものなので猫好き以外には参考になりません…。
部屋に入ってきたポールをジャンプ台に使ったり、バッファロー(?)の頭の剥製の上に乗ってしっぽをフリフリしていたり、ホリーの家族として自然に画面の中にいるのが嬉しいです。

ところで、あらすじを調べたらホリーが”コールガール”と書かれていたんですが、スキャンダルを恐れる”ターゲット2号さん”は彼女の職業を知らなかったんでしょうか? 確かにホリーにそんな雰囲気はまるでなかったけど、気付かないのはちょっと…。

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映画「ベルヴィル・ランデブー」観ました

ベルヴィル・ランデブー
製作:フランス/カナダ/ベルギー’02
原題:LES TRIPLETTES DE BELLEVILLE
監督:シルヴァン・ショメ
ジャンル:★アドベンチャー/コメディ/ドラマ

【あらすじ】戦争で両親を亡くしふさぎ込む孫に、おばあちゃんは色んな物を買い与えた。唯一興味を示したのは”自転車”で、彼はやがて選手となって”ツール・ド・フランス”に出場する。しかし、レースの途中で何者かに誘拐され、おばあちゃんは愛犬ブルーノとともに”ベルヴィル”の街まで追いかけてゆく。

独特な絵とレトロな雰囲気、セリフはほぼなくコミカルな動きだけで物語は進んでいきます。
不健康そうな顔で自転車に没頭する孫と、そばでそれを支えるおばあちゃん、そして実は密かに下克上を夢見てる愛犬ブルーノ(笑)
キャラクターの大胆にデフォルメされた体つきには多少驚かされますが、小さいからだで笛を鳴らしながら孫を応援する姿や、天まで届きそう細長い船をボートで追う姿、親切な3姉妹とセッションする姿を見ていくうちに、すべてが可愛らしく思えてくるから不思議です。
ストーリー云々よりも、純粋にアニメーションとして楽しめる作品でした。

映画「ビッグ・フィッシュ」観ました

 | ファンタジー  Comment(7) 
Tag:ティム・バートン

ビッグ・フィッシュ
製作:アメリカ’03
原題:BIG FISH
監督:ティム・バートン
原作:ダニエル・ウォレス
ジャンル:★ファンタジー/ドラマ/コメディ

【あらすじ】幼い頃から聞かされてきた父親のおとぎ話のような冒険談。それを結婚式でも披露されてからウィルは父親と口を利かなくなった。3年後、父の病状が悪化したと報せをうけ妻と実家へ帰るが、そこでも”事実”を話してくれなくて…。

ビックリするほど心が和むファンタジー世界を堪能できました。見上げるほどの大男に隻眼の魔女、狼男につながった双子など、自分の昔話をここまで楽しく聞かせられるというのは凄い才能だと思います。まあ、息子が本当のことを知りたがっているのに、あそこまで頑なに隠そうとする父親の気持ちはよく分からなかったんですが…。
”魔法”が解けてしまうような気がしたんでしょうか?
でも、その解けかかった”魔法”をふたたびかけたのは、”親子の愛情”でした。
じんわりあたたかいラストが心に染みます。

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映画「イエスタデイ、ワンスモア」観ました

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Tag:香港

イエスタデイ、ワンスモア
製作:香港’04
原題:龍鳳鬥
監督:ジョニー・トー
ジャンル:★ロマンス/ドラマ/犯罪

【あらすじ】盗癖のある富豪トウ夫妻は、夫からの離婚宣告で突然の破局を迎える。2年後、家宝の宝石目当てに資産家の息子と結婚しようとしていた彼女の前に、夫が現れ宝石が消えうせる。夫の仕業と確信し奪い返そうとする彼女だったが…。

宝石をめぐる駆け引きだったはずが、いつのまにか”想い”のさぐり合いになっていくのが面白かったです。夫の真意がわからなくてヤキモキしている夫人が可愛いんですよね。”レースに賭けて勝ったらオッズの分だけ質問できる”というゲームの時も、宝石のありかより離婚の理由とか聞いてしまうし。部屋に入れる前に大急ぎで”男がいた痕跡”を用意している姿には笑えました。しかも、元旦那も同じことしてるよ。
そんな二人の二転三転する駆け引きを楽しんでいたんですが、最後に元旦那の真意を知ってその優しさにぼろぼろ泣いてしまいました。
…本当に素敵なカップルだと思います。

映画「京義線(キョンイセン)」観ました

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Tag:韓国

京義線(キョンイセン)
製作:韓国’07
監督:パク・フンシク
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】傷つき酒に酔う若い男女が、別々に京義線の同じ列車に乗り込んだ。ひとりは大学の非常勤講師ハンナで、もう一人は地下鉄運転手のマンスだ。寝過ごし終点まで来てしまった彼らは、雪で帰る事もできずお互いの事を話し始める。

途中まではハンナの不倫な日常と、誠実な地下鉄運転手マンスの好青年っぷりが淡々と描かれています。はっきり言って不倫ものは嫌いなのでハンナのパートはどうでも良いんですが(不倫のきっかけがベルリンの壁にあるとこは重要か…)マンスの方は素敵でした。
寡黙で穏やかな彼の仕事に対する熱意は、仕事中に見せる真剣な表情や、クイズなどを盛り込んだアナウンスのシーンからも伝わってきます。それは周りにも認められていて、小さな女の子がお菓子をくれたり、何度も差し入れを持ってきてくれる女性もいます。
マンスもその女性に好意を寄せていたんですが…。

<ネタバレ注意!>
ここら辺の演出が上手いんですよね。終点まで寝過ごした二人が、自分には帰りを待ってる恋人がいるんだと強がってみたりしながら、仕方なく一緒にホテルを探して。その合間あいまにも過去が挟まって、彼の心の傷が見えてくるわけです。
―列車投身自殺
今まで考えもしなかったんですけど、運転手の受けるショックはかなり大きいですよね。突然目の前に人間がぶつかってきて、その瞬間に目が合ったりしたら…ぞっとします。彼がすべてを知っていたかどうかは定かじゃないですが、悪夢に苦しむ姿は痛々しいものがありました。

偶然出会い語り合うことで傷を癒した二人。
トンネルを抜けて光のなかに進んでいくラストは心に残ります。

映画「赤ひげ(1965)」観ました

 | 時代劇  Comment(6) 
Tag:日本 黒澤明 山本周五郎

赤ひげ(1965)
製作:日本’65
監督:黒澤明
原作:山本周五郎
ジャンル:★時代劇/ドラマ

【あらすじ】江戸時代、長崎でオランダ医学を学んだ保本が、小石川療養所に見習いとして入る。何も知らずに来た彼は、汚い療養所を嫌い所長”赤ひげ”にも反抗的だ。しかし、彼の医者として人間としての器の大きさに、しだいに心を動かされてゆく。

始めは思いのほか暗い内容で3時間以上観てられるか不安だったんですが、虐待されていた女の子”おとよ”を優しく見守る赤ひげや、保本との心の交流を通して彼女に感情の片鱗が見え始めるのをみていくうちに希望のひかりが見えてきました。
貧しさによって人の心はすさみ、病がはびこり、そしてさらに貧しくなる…。そんな悪循環を赤ひげは断ち切り、優しいこころでもって貧しい人々を救い、人間が本来持っている”優しさ”を呼び覚ましていきます。そして、”優しさ”に目覚めた保本や”おとよ”やおばちゃん達が、また誰かに手を差し伸べていくという新しい循環を生みだしていくんですよね。
それが映画内にとどまらず、多くの若者がこの作品を観て医者を目指したというのもうなずけます。
医者が不足している今こそ広く観てもらいたい作品です。

<追記:2015/4/28>
春の感涙祭で再見しました。泣けはしなかったものの、おとよと長坊の会話2回と、井戸に名前を叫ぶくだりでジワリときましたよ~。よかった♪
見直すと、赤ひげ先生よりも市井の貧しい人々が主役という感じで、とくにおとよは存在感ありました。演技も一番上手かったかも!
初見で暗いと感じたのは、最初の方で死にゆく患者にまつわるエピソードが長々入るからでしょうね。シリーズもののドラマ5本立てみたいな印象。
奇妙な声にならない声をあげる患者を目の前に、何もわからず恐怖と居たたまれなさに萎縮していた保本が、彼の人生を知ってその姿を赤ひげの言うように”荘厳”だと感じたり、赤ひげがゆすりまがいのことまでして患者たちに尽くしてると知って、一気に好きになってしまったり、エピソードを重ねるごとに保本が成長し、信頼関係が深まっていくのが伝わってきました。
面白かったのが、バキッ!ボキィ!→手当てしてやりなさい→おとよが倒れる→保本が抱えて帰る→負傷者放置!(爆)
あと、療養所に来たばかりの頃の自分を思い返してうなだれる保本のポーズが、まさにorzそのものでウケた。意外とクスクス笑えるシーンが多かった気がします。
ラストは晴れやかだし、やはり名作ですね。

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映画「旅立ちの時」観ました

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Tag:シドニー・ルメット

旅立ちの時
製作:アメリカ’88
原題:RUNNING ON EMPTY
監督:シドニー・ルメット
原作:ナオミ・フォナー
ジャンル:★青春ドラマ

【あらすじ】20年前の反戦運動で指名手配された両親と、半年ごとに別人になり各地を転々とするダニー。今度はニュージャージーで暮らし始めるが、そこで音楽教師に才能を認められ音大進学を勧められる。そして、彼の娘ローナと恋に落ち…。

飼い犬を道端に残し「ここで待ってるんだぞ」と言ってそのまま車を走らせた時は、いったい何をしてるんだろうと思っていたんですが、まさか両親が指名手配されて逃亡生活をおくる家族の物語だったとは。出だしからかなり驚かされました。
しかも、こんな生活をおくる思春期の少年だったら、もっと荒んで親に反抗してもおかしくないのに、彼の優しさといったらもう…。夢と恋を同時に見つけたにもかかわらず、自分がここに残ったら両親が可哀想だと押さえ込んでしまうんですよね。苦しみを胸に秘めた彼の表情が印象的です。
そんな息子の思いに気付き自由な道を歩ませようと、ずっと避けてきた父親(ダニーの祖父)との再会を決意する母親…。傷ついた父と会うことで自分の罪の重さを再認識しながら、涙ながらにダニーの事を頼む姿に目頭が熱くなりました。
最後まで”家族の結束”を説いていた父親が、ふと自分の身勝手さに気付いた瞬間も上手く表現されていたと思います。
ただ一つ残念なのは、弟のハリーが”空気”だったこと。彼の存在価値が、母親がまだ自首できない理由と父親が子離れできた理由にしかありません。もうちょっと兄弟仲とかを描いても良かった気がします。
ちなみに原題は「虚しく走り続ける」という意味のようです。

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