伝記/自伝/実話 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「42 ~世界を変えた男~」観ました

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42 ~世界を変えた男~
原題:42
製作:アメリカ’2013 128分
監督:ブライアン・ヘルゲランド
ジャンル:ドラマ/伝記/スポーツ

【あらすじ】1945年、ブルックリン・ドジャースのGMブランチ・リッキーは、一人の黒人選手ジャッキー・ロビンソンと契約を交わす。非難の嵐の中で実績を残していくジャッキーは、やがて背番号42のユニフォームに袖を通し、メジャーのグラウンドに立つ。

かなり地味な作品&主人公なんですがジーンときました。差別がまかり通っている時代に、最初の一人になるのは並大抵のことではないですね。
主人公は史上初の黒人メジャーリーガー・ロビンソン。ひたすら耐える役なので前半はとても地味です。
その分、彼を支える周りのゼネラルマネージャー・リッキーや記者、監督、奥さん、チームメートたちが描かれているので、それも含めて主役という感じでしょうか。
あと、耐えて耐えて耐えまくったからこそ、後半の一人爆発するシーンは胸に迫ります。その後のリッキーとのやり取りで、立ち向かう勇気を奮い起こす姿に痺れました。きっと、あんな風に言ってもらえたら一生その言葉を支えにできるんだろうなぁ。

でも、一番印象に残るのは、野球観戦に来た少年が父親や周りの大人たちの真似をしてニガーと叫ぶシーン。戸惑いながらも「自分もそうしなければならない」という気持ちになってやってる様子が印象に残りました。こうやって親から子へ差別意識が引き継がれてきたんでしょうね…。
その後、白人のチームメートと肩を組む様子に何か感じ取った様子だったのが救いでした。

耐える主人公というと重い作品と思うかもしれませんが、全体的に主人公を支える周りの人たちの優しさに思わず笑顔になれるシーンが散りばめられているので見やすかったです。
リッキーがハリソン・フォードだと最後まで気付きませんでした(汗)

映画「レナードの朝」観ました

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レナードの朝
原題:AWAKENINGS
製作:アメリカ’90 120分
監督:ペニー・マーシャル
原作:オリヴァー・サックス
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】研究者だったセイアー博士は、ある神経疾患病棟の臨床医に間違えて応募する。渋々引受ける彼だったが、治療法もなく虚ろな人形の様になる患者たちを見て、なんとか救おうと立ち上がり…。

字幕版は観たことなかったなぁと思って再見。
ロビン・ウィンリアムズ演じるセイヤー博士の、研究者として人として魅力的な人物像と、抜け殻のようになった時と回復した時のレナードを見事に演じ分けたデ・ニーロの演技が印象的でした。
実話を基にしているそうですが、始まりが”研究員の募集と勘違いして応募した”というのが運命的ですよね。ミミズやら植物やらの研究を長年やってきた彼だからこそ、一見空っぽになってしまった患者の変化に気付けたんだと思います。不自然な態勢で眼鏡を持った女性患者を目にして、どうしてこうなったんだろう?とあれこれ試してみるところから、研究者のさががよく出ていました。

でも人付き合いは苦手で、味方してくれる看護師に対しても必要以上に親しくしようとせずに、飲みに誘われても(だったかな?)ほとんど逃げ出すような感じです。それでいて、患者の回復のために試したいことがあれば上に交渉する積極性もあって、患者やその家族への優しい気持ちと、研究者としての情熱が伝わってきて、見ていると応援したくなってくるんですよね。
それは周りで働いている看護師たちも同じで、回復の兆しが見え始めてからの嬉しそうな様子は、きっとこの仕事をやってきてよかったという気持ちに繋がったんだと思います。病棟が一気に明るくなって、見ているだけで嬉しくなりました。

レナードが目覚めてからは、セイアー博士との友情、母子の時間、恋と生きている実感など、短い時間で人生の、自由のすばらしさを伝えてくれます。再見なので、この後どうなるのかわかって切ない気持ちはありましたが、それでもこういう時間を持てたことは、レナードにとってかけがえのないものになったと思います。
この映画の最後に語られる事実は重く、せめてこれが治療法確立に繋がってくれればなぁと思いました。現在は(たぶん)症状を抑えられるケースが多いようですが、ハッキリとした原因は未だ解明されていないようです…。

映画「セクレタリアト/奇跡のサラブレッド」観ました

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セクレタリアト/奇跡のサラブレッド
原題:SECRETARIAT
製作:アメリカ’2010 123分
監督:ランドール・ウォレス
原作:ウィリアム・ナック
ジャンル:★ドラマ/伝記

【あらすじ】1969年、アメリカ・バージニア州。競走馬の生産牧場“メドウ・ステーブル”のオーナーが病に倒れ、専業主婦となっていた娘ペニーは兄たちの反対を押し切り牧場経営に乗り出す。調教師ルシアンの協力もあり経営を立て直し始めた彼女は、1頭の仔馬と運命の出会いを果たす。

この作品ならあと20分長くても許せるね~。というか、前半の家族との衝突や牧場経営の立て直し、馬の成長部分はかなり端折られているので、そこら辺をしっかり描いてくれたら感動も3割増しだったかも?
ただ、この作品は家族と楽しめるディズニー映画だし、123分でも長めにとった方なのかも(同じくディズニーの「戦火の馬」は146分もあるけど!)。物足りない分は想像力で補うしかないですね。

<この馬について知らない人にとってはネタバレあり!>
内容としては、実際に存在した伝説の競走馬セクレタリアトと、主婦から馬主に転向した女性ペニーの信念と成功を描いたドラマです。競馬ファンなら知らない人はいないという名馬セクレタリアトが人々を沸かせたレースシーンは、疾走感と迫力があって見応え十分。この”31馬身差”というのがいかにとんでもない記録なのか、競馬を知らなくても映像から伝わってきました。
30年経った今でも、この記録は破られていないそうです。

そして、主人公であるペニーさんの意志の強さには痺れますね~。普通の(けっこう裕福な家庭の)主婦だったのが、父親の言葉を信じ、自分を信じ、セクレタリアトを信じて競馬界を突き進みます。
牧場経営を独学で身に着け、父の代からいた悪徳調教師とはキッパリ縁を切り、自分と同じ負けず嫌いな調教師ルシアンと騎手のロンを見つけ出して味方につけるんですよ。彼らを口説き落とすエピソードは彼女の性格がよく表れています。
もとから綺麗な人なんだけど、自分の生きがいを見つけてからは生き生きと輝いてました。

また、脇を固めるルシアンやロン、黒人の厩務員エディや牧場事務のハムさんも魅力的です。
とくにペニーの父親の最も信頼する秘書ハムさんが印象的で、それに敬意を表してセクレタリアト(事務局)という名前をつけたほど。
大事な試合の前に落ち着きがない彼女が「私に役立てることがあまりにもわずかで」と言った時、ルシアンが「私もいつか君の半分でも役立てるように頑張ろう」と言ってあげるシーンがすごく素敵。思わずジーンときてしまいました。
そして、このルシアンを演じているのがマルコヴィッチさんだったとは…。どうりで親しみのある顔だと。
セクレタリアトの運命のレースの前に、今まで持ち歩いていた”負けた馬の記事”を全部燃やすところがグッときます。

全体的にとても感動したんですが、夫と兄の反対を押し切って牧場と一家とセクレタリアトの運命を賭けて突き進むペニーさんには、やや引いてしまうところもありました。無理をさせればセクレタリアトの命にもかかわることだったし、人間の都合で走らされて死んだりしたら…と思うことも。
でも、彼が本当に走るために生まれてきたような馬だと伝わってきたので、次第にそれも気にならなくなっていきました。
セクレタリアトは、例えるなら闘争心の固まりだった「ロッキー」のようなタイプ。お馬さんは賢い生き物ですし、レースの意味も、勝利の味も、人々の称賛の視線もぜんぶ理解していたはずです。
もしペニーが走るのをやめさせていたら、それこそ彼にとって”人間の都合で”自由を奪われたことになるとすら思えます。
ルシアンやロンが言っていたように、彼は本当に走るのが大好きなんだと信じられました。

残念ながら、オンエアでは実際のレース映像などは見られませんでした(DVD特典なら観られる)が、ペニーさんはカメオ出演しており、ちらほら画面に映っています。記者会見の時とか、応援席の時とか。

ちなみに、この映画だけ観るとセクレタリアトとの出会いが幸運だったとも取れますが、こちらの競馬に詳しい方の記事を読んだら印象が変わりました。映画では描かれなかったセクレタリアトの先輩馬リヴァリッジのことも覚えておきたいです。
…その前に「セクレタリアト」が覚えられないどころか、すらすら言えないんですけどね!

映画「アルゴ」観ました

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アルゴ
原題:ARGO
製作:アメリカ’2012 120分
監督:ベン・アフレック
ジャンル:★サスペンス

【あらすじ】1979年11月イラン。民衆がアメリカ大使館を占拠して、52人の職員を人質にとる事件が発生。脱出してカナダ大使の私邸に逃げ込んだ6人の職員を救出するため、CIAの人質奪還の専門家、トニー・メンデスに白羽の矢が。絶望的な状況の中、彼は奇想天外な計画を練り上げ…。

すっかりあらすじを忘れていたので、まっさらな気持ちで楽しめました。
なかなか会えない息子と、同じ映画を見ながら電話する主人公メンデスが素敵ですね~。どんな時でも、いやこんな時だからこそ息子との時間を大切にするいいお父さんです。
そこから救出作戦のヒントをひらめくところも、さすがプロ。

協力的な特殊メイクアーティスト・チェンバースと、ノリノリな映画プロデューサーのレスターも好感持てます。自分の腕を買われたことが嬉しいし、こんなスリリングなことはめったに体験できないから、お金も名声も関係ないぜ!という感じが。完成するはずのない映画をあそこまで盛大に製作発表する度胸といい、彼らにとってはこの作戦自体が映画制作のようなものだったのかもしれません。
「アルゴ、クソくらえ!」を合言葉に一致団結するところが面白かったです。

一方で、6人が匿われている家のメイドが彼らの正体に気付いたり、革命軍は子供を使ってシュレッダーにかけた職員名簿を復元していたりと、時間が経てば経つほど危険は大きくなっていくのが伝わってきてハラハラ。
しかも、命がけで助けに来ても作戦を納得してもらうだけでも一苦労なんですよね。私ならいくら練習しても無理なので、そんな作戦じゃ命を捨てるようなものだと一蹴する気持ちもわかります。
でも、そこは優秀なエリートさんたち。お互い命がかかっている状況なので、腹を括ればどうにか出来ちゃうんですね~。

空港に着いてからは、もう手に汗握って祈るような気持ちで観てました。
緊張の面持ちでミッションに望むメンデスらと、一度中止になった作戦を元通り実行できるよう奔走する上司、そして復元される職員名簿…どれかひとつでもタイミングが違っていれば命はないという緊張感がたまりません。携帯電話がない時代は、電話の呼び出し音ひとつでサスペンスが盛り上がる!
飛行機が飛び立つシーンにここまで興奮したのは「飛べ!フェニックス」以来かも。飲酒OKのアナウンスでホッとさせられるとは(笑)
彼女が亡命する様子が描かれていたのと、メンデスがこっそり「アルゴ」の見本を一枚持ち帰って、息子の部屋に飾るラストも余韻があって良かったです。

実際には、メンデスやアメリカのみなさんだけでなく、カナダの方々の協力があってこその成功だったようですが、それでも彼の勇気には感銘を受けました。
事実を上手く映画的に脚色してあって、楽しめる作品になっていたと思います。
SF映画「アルゴ」は完成していたらどんな感じだったのかなぁ?

映画「奇跡の人(1962)」観ました

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Tag:アーサー・ペン

奇跡の人(1962)
原題:THE MIRACLE WORKER
製作:アメリカ’62 106分
監督:アーサー・ペン
原作:ウィリアム・ギブソン
ジャンル:★ドラマ/伝記

【あらすじ】生後19ケ月で熱病に罹り、視力と聴力を失ったヘレン。両親の努力もむなしく、7歳になってもコミュニケーションを取ることは難しかった。そんな時、自身も盲目を克服した女教師アニー・サリヴァンが現れ、暗闇の中にいるヘレンを言葉という光で救い出そうとするが…。

とにかくヘレンの演技が素晴らしくて圧倒されました。本当に目が見えず耳が聞こえないかのような演技です。
そして、サリヴァン先生が食事のしつけを始めてからがさらにすごくて、『ヘレンVSサリヴァン』と題したくなるような壮絶なバトルを繰り広げてくれます(笑)
スプーンを握らせてはヘレンがそれを投げ捨て、すかさず次のスプーンを握らせ…のエンドレスのくだりは、ふたりとも髪を振り乱して本気で闘ってるよう。
激しい演技のぶつかり合いに、もはや『このふたりすげー』としか思えなくて、演技を演技として捉えてしまうのはある意味物語に入り込めてないような気もするけど、それでも目が離せないんですよね。”演技合戦”と”ヘレンとサリヴァンの根競べ”がいい具合に重なって、本気度が伝わってきてるんだと思います。

試行錯誤しながら少しづつ指文字を教えていくくだりもよかった。それが物の名前だということも、自身が求めていたものだということもわからず、ゲームとして覚えていくヘレンと、言葉が彼女に光を与えると信じて根気良く教え続けるサリヴァン先生。
一方両親は、不安や寂しさ、哀れみなどを抑え込みながら、じっと約束の日を待ちます。今まで色んな人に匙を投げられて、もうヘレンが自分たちと同じ人間だとは考えないように…とさえ思い始めていた彼ら(主に父と兄だけど)が、一縷の望みをかけて待っているからこそ、サリヴァン先生の努力を応援したくなります。
ヘレンの兄の心変わりの描写はあっさりしていたものの(弟と同じ名前だったくらいだし、原作ではもっと出番が多そうなのに)、突然やってきた”その時”の描写も感動的でした。
特別なきっかけがあったとかじゃなくて、本当にふいに目の前が開ける感じ。どうして今までわからなかったんだろうと頭の中がクリアになっていくような感覚って、誰でも一度は味わったことありますよね。
その感動に打ち震える瞬間を、パティ・デュークが見事に演じてくれました。
…彼女の演技が突出しすぎて他の人が霞んで見えるくらいでしたが(汗)

しかし、この作品で描いているのはヘレンが言葉を理解するまでなんですね。原題の意味は「奇跡をおこす人」=サリヴァン先生のことだから、ここまで十分ともいえるけど…。ヘレンが社会福祉に身を捧げていく後編とかあれば喜んで観たのに!

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映画「月のひつじ」観ました

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Tag:オーストラリア

月のひつじ
原題:THE DISH
製作:オーストラリア’00
監督:ロブ・シッチ
ジャンル:★ドラマ/コメディ/実話

【あらすじ】1969年7月、最初の月面着陸へ向けてアポロ11号が宇宙へ飛び立った。月面歩行の瞬間を世界中に生中継するため準備を進めていたNASAだったが、スケジュールが遅れたために予定変更となる。その結果、オーストラリアの片田舎パークスの、巨大なパラボラアンテナ・通称「ディッシュ」がその大役を担うこととなり…。

かなり前に一度観て、ずっと記憶に残っていた作品を再見してみました。
やっぱりいいですね~。コミカルでほのぼのしてて、でもみんな同じように熱い想いを持っている。月面歩行の中継が行われた当時のことを知っている人なら、感動すること間違いなしです。
そうでなくても、冒頭から”宇宙を目指してきた人類の軌跡”を実際の映像と共に紹介していて、打ち上げシーンなどを見てると、それだけでテンション上がってきました。
しかも原題にもある巨大パラボラアンテナ「ディッシュ」も美しく、老人がそれを感慨深げに見上げるシーンから魅入ってしまいます。これを見たらアンテナ萌えに目覚めるかも?(笑)
イラストは劇中何度も登場するディッシュの姿。朝昼晩と時間帯が違って、それぞれ違った美しさがありました。

また、原題の「ディッシュ」とは程遠い「月のひつじ」という邦題は、人口よりひつじの数が多いパークスの町で、月面着陸の中継を行ったことを指しています。微妙にピントがズレた邦題なんだけども、私の中では月とオーストラリアと「ディッシュ」がピッタリ繋がって記憶に残っていたから、案外良いタイトルということでしょう。
この邦題を目にすれば、あの大きなお皿の上で、オーストラリアの草原を眺めたり、夜空を見上げて宇宙に想いを馳せるシーンが目に浮かびます。
所長が亡き妻の夢を語っていたシーンもこの場所でした。名シーンです!

そして、どことなく可愛らしく描かれた登場人物たちが魅力的なんですよね。
偉人か夢想家か、どちらに転んでも町に名前が残るとそわそわハラハラしている町長と、いつもラブラブな奥さん、反抗期まっさかりの娘と、家族の誰よりも宇宙に詳しい息子。この一家にはホント和みました。
もちろんパークス天文台で頑張る所員も個性的で、「ジュラシック・パーク」のサム・ニール演じる責任感の強い所長クリフ、奥手な電子機器担当グレン、NASA職員に対抗意識を燃やすアンテナ操作担当ミッチ、そして宇宙に想いを馳せるNASA職員のアルも、みんな宇宙を夢見ています。

ミッチはやや性格に難があるものの、やる時はやる男。真剣な表情でアンテナを操作する姿がカッコいい!
すれ違うこともありながら、最後にはみんな気持ちを一つにして、人類の夢を支える一員として中継に全力を尽くす姿に痺れました。
その中継を今か今かとテレビの前で待ち構え、始まってからは目を皿のようにして映像を見つめる世界の人々の姿。そして、今の中継がパークスからだと聞いて歓声をあげる町の人々…。
観ているこっちも嬉しくなって泣いてしまいました。

ちなみに実話を基にしており、脚色部分は町の人たちのキャラクター設定と、勤めていた人数(実際は20人)、NASA職員との摩擦、停電事故くらいだったようだから、けっこう忠実な部類ですね。
実際のエピソードについては、こちらの「シネマの舞台裏」というブログで大変詳しく紹介されていて参考になりました。とくに、パークス天文台がアポロ13号の生還にも一役買っていたというエピソードにはグッときましたよ~。映画を観ながら、ずっと「アポロ13」のことを思い出してたので、繋がりがあって嬉しいです。

また、撮影は実際にパークス天文台で行われ、制御室の様子は当時を知る人がタイムスリップしたようだと驚くほど忠実に再現したんだとか。クリケットで遊ぶシーンなどは、実験を中断してまで撮影に協力してくれたという話もあって、パークスの人たちにとって本当にこの”ディッシュ”が誇らしいものなんだとわかります。(*例のごとく英語のwikipediaの翻訳を参考にしたので間違っている可能性あり)
観ている間、整備ミスやNASAに嘘をつくなどのエピソードは、脚色にしても彼らを馬鹿にしすぎでは?(アメリカ製作かと…)とチラッと思っていたので、本人たちが納得して忠実さよりも楽しめることを優先したのだとわかり、ますますこの作品が好きになりました。
心温まる良作です。

映画「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」観ました

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マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと
元気があったらいつか着色するかも。
原題:MARLEY & ME
製作:アメリカ’08
監督:デヴィッド・フランケル
原作:ジョン・グローガン
ジャンル:ドラマ/ファミリー

【あらすじ】ジャーナリストのジョンとジェニーは、フロリダで新婚生活をスタートさせた。まだ子供を持つ気になれないジョンは、彼女に子犬を贈ることに。ジェニーは、一匹だけセール価格だったクリーム色のラブラドール・レトリーバーを選ぶ。マーリーと名付けて一家に迎え入れるが、彼は誰の手にも負えないほど元気が有り余っていて…。

HACHI 約束の犬」では泣けなかった私が、身構えてなかったのもあってか、こちらでは泣いてしまいました。
前から犬の躾けができない飼い主は嫌いで、この夫婦も飼い主としての努力と常識が足りないと思うんですが、あれだけ言うことを聞かないのに本当に辛い時にはそっと寄り添ってくれるマーリーを見てたら、ふと「人間以外でも脳の発達障害ってあるんだろうなぁ」と気付いてしまって…。
そう考えたら、教科書的なやり方でマーリーを自分たちに合わせるより、自分たちがマーリーに合わせる方がかえって良かったのかもしれないと思えたんですよね。
今まで躾けができないなら飼うな!とか思ってたけど、すべてが飼い主の努力不足とは限らないかもしれないと、考えを改めるきっかけになりました。

まあ、よくあの犬と同じ家で子供を育てる気になれたなとか、もっとしっかり避妊しろよとか、赤ん坊から目を離して仕事なんかとか(マーリーの方がしっかり見てたかも)、飼い主としてのマナーだけは守れよとか、色々思うところはありましたが…。でも、あんな厄介なわんこを最後まで手放さずにいるというのが、まず私には無理だし、それだけで彼らの絆の深さに感動してしまいました。
それに、考えてみれば一匹だけセール価格で売られていた時点で、おそらくジェニーはマーリーが問題児だと気付いていたと思うんですよね。だからこそ”安いから”という理由で買うような人には任せられないと考えて、自分が責任もって最後まで飼おうと決意したのかなと。(予想以上に辛くて弱音を吐いてたけど)

犬ではなく家族を中心に持ってきているのも好感が持てたし、夫婦のことや子供や仕事のことなど、プチセレブじゃなくても突き当たる普遍的な問題を描いていて良かったです。
邦題はいかにもコメディ風で、ここまで家族のドラマが中心とは思ってませんでした。
終盤のジョンの選択には驚いてしまったけど、アメリカでは普通のことなんでしょう。本人の意思がわからないのに独りで決めちゃうのはどうかと思うものの、(映画の中の)彼らの場合は本当に心が通じ合ってる気がしたので受け止められました。
猫派のわたしでも、犬との絆っていいなぁと思える作品です。

映画「ライトスタッフ」観ました

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ライトスタッフ
原題:THE RIGHT STUFF
製作:アメリカ’83
監督:フィリップ・カウフマン
原作:トム・ウルフ
ジャンル:★ドラマ/アドベンチャー

【あらすじ】ソ連との技術競争の真っ只中。ロケットの弾道飛行に成功したアメリカの次の目標は、有人宇宙ロケットだった。空軍パイロットの中でも特に優れた資質“ライトスタッフ”を持つ男たちが宇宙飛行士を目指す中、イエーガーはひたすら音速飛行の限界に挑む。

ハリウッド白熱教室でもやってたけど、映像表現が色々と凝ってる作品でした。同じ訓練を受ける猿と人間の繰り返しの他に、投げるシーンから放物線のような飛行機雲、傾けたグラスのウイスキーと夕焼け、おしっこを我慢する様子の後に水撒き・注がれるお茶・ウォーターサーバーのタンク、舞い散る粒子に焚き火の火の粉と満点の星空などなど、私が気付いただけでもこれだけあったので他にもっとあるかも。どちらかと言うと静かな作品なので、こういうところで工夫して長時間楽しませてくれるんですね〜。

初見では登場人物を見分けるので精一杯だったけど、今回はほとんど大丈夫でストーリーに集中できました。
改めて観てみて印象に残ったのは、夫の帰りを待つ奥様方です。「彼女らに聞いてみたいわ。 夫が生きて帰らない確率が4回に一回だったらどうするかって」という台詞がグサリ!
具体的な数字を聞くと彼らがどんなに無謀なことをしているかわかって、何が彼らをそんなにも惹きつけるのか考えずにはいられません。
私はずっと限界に挑戦したいという気持ちからだと思っていたけど、こちらの方のレビューを読んだら、職業軍人としてパイロットになった彼らは生活のために命を張っていて、記録を競い合ったり宇宙を目指していたのは後付の理由だろうと仰っており、そういう見方もあるのかと目からウロコでした。確かに、軍人ってほいほい転職できなさそうだし、後は己れを信じて突き進むしかないですよね。

そうやって頑張れるのは愛する家族あってこそで、取材を無理強いされようとしていた奥さんに、嫌ならやらなくていい!とキッパリ言うエピソードは、支えてくれる奥さんへの愛情がよく伝わってきました。
このジョン・グレンと奥さんが仲良しでホント可愛かったです。吃音があり、時に”お高くとまってる”と誤解されることもある奥さんなんですが(この誤解が解けたとわかるのが、ロングショットでの会話だけなのが物足りない…)、そんな彼女の言葉をやさしい眼差しで受け止めるジョンとの濃密なラブラブ空間がもう…新婚さんですか?という感じです(笑)
この夫婦だけでなく、奥様仲間もパイロット仲間もみんな、身勝手な役人たちや技術者、マスコミたちに負けまいと、お互い助け合ってました。

また、初見で印象に残っていた飛行パイロットとしての道を貫いたイエーガーのエピソードもやはり素晴らしかったです。宇宙飛行士のメンバーが仲間たちと一丸となって戦っているのに対し、彼はストイックなまでにひとりで限界に挑み続けます。
でも、彼にとっても奥さんの存在は欠かせないもので、違う場所で違うものを目指していても、彼らはみんな根っこは同じ。”ライトスタッフ:正しく優れた資質を持った者”であり”扱いにくいテストパイロット”であり、”共に戦う仲間”なんでしょうね。
「最高のパイロットは?」「目の前にいるさ」がお決まりの台詞のゴードンが、終盤にふと真剣に語り出したシーンからも、それがわかります。
彼のイエーガーに対する尊敬の念にはホロリときました。

ちなみに、もう一つ印象に残ったエピソードで、ガスの乗ったポッドのハッチが開いた原因について調べたところ、現在では、「確率は低いがあり得た事故」という事になっているそうです。
彼はとても信頼されている宇宙飛行士だったそうで、それを知ってなんだか嬉しくなったり。ただ、皮肉にも彼が亡くなったのは”ハッチが開かなかったため”なんだとか。運命のいたずらですね…。
色々調べるきっかけにもなって、再見して良かったです。

映画「ソウル・サーファー」観ました

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ソウル・サーファー
原題:SOUL SURFER
製作:アメリカ’2011
監督:ショーン・マクナマラ
原作:ベサニー・ハミルトン、シェリル・バーク、リック・バンシュー
ジャンル:★ドラマ/青春/実話

【あらすじ】カウアイ島。家族や親友に囲まれ、母親に人魚だと言われるほど海とサーフィンが大好きな13歳の少女ベサニー。だが、プロへの夢に一歩近付いたという時、彼女はサメに襲われ左腕を失ってしまう。家族の支えもあり、すぐにサーフィンを再開したベサニーだったが…。

主演がアナソフィア・ロブちゃんだとすぐに気付けました。濃い顔だから覚えやすい(笑)
実話ものなので安心して観れると思っていたら、なんだか最初から海中からの画が不穏で、夜のサーフィンのくだりでは何か起こるのではとハラハラ。
そして、安心させてから一転、心臓がぎゅうっと縮むような出来事が。
人間って脆いですね…サメがパクッとやっただけで、さっきまであった腕がなくなってしまうなんて。
突然の悲劇の知らせを受けた家族の衝撃は、それまで丁寧に家族の様子を描写していたのもあって、まるで自分の事のように感じられました。あの元気な少女の青白い顔を見たら、不安で立っていられなくなるかも。
親友アラナの叫びも胸に刺さるようで、この時点で涙ボロボロになってしまいました。

たった13歳の少女がここから、ここからどうやって立ち直っていくのか?
やはり家族や親友、そして「行き詰ったら見方を変えてみなさい」と言ってくれた先生の存在が欠かせません。もちろん彼女自身の強さやサーフィンを愛する気持ちによるものも大きいけれど、彼女がいくら強くても、周りに支えてくれる人がいなければサーフィンを続けることはできなかったと思います。
彼女が頑張りたい時はそれをサポートし、落ち込んだ時はそっと見守り、マスコミが押し寄せたらしっかり守る。一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に戦ってくれる家族と親友が、どれだけ彼女に勇気を与えてくれたことか。
ボランティアの時、自然と孤児の少女に優しさを分けてあげられたのも、彼らが自分にしてくれたようにやっただけ。傷ついて不安で仕方ない時、どうしてもらったら心が癒されたのか、彼女は周りの人たちの優しさからそれを学んでいました。
そして、海やサーフィンの楽しさを教えることで、自分がいかにそれらが大好きだったのか、その自分の大好きなものでどれだけの人たちを励ますことが出来るのか、塞がり始めていた世界が一気に広がるんですね。

終盤の大会での描写は素晴らしく、彼女たちが海に魅せられる理由がわかります。
後から調べて知ったんですが、このシーンの撮影には本人がスタントとして出演していたそうで、どうりで佇まいや動きの切れが違うわけです。アナソフィアちゃんのシーンではCGで片腕を消すという撮影方法をとっているので、重心が微妙にズレているような気がしないでもない。(サーフィン経験なしで、毎日4時間ベサミー本人に指導を受け1ヶ月でサーフィンを習得した彼女は素晴らしいけどね!)
大会後のインタビューで「今なら両腕で抱きしめるより、多くの人を励ますことができる」と力強く答えた彼女の笑顔に感動しました。
あと、「人生はサーフィンに似ている。波に飲み込まれたら また次の波に乗ればいい」も名言だと思います。
EDではBritt Nicoleの歌う「Set the World on Fire」にのせて、ベサミー本人が怪我後サーフィンの練習をしている時の映像などが流れ、本当にあったことなんだなぁとしみじみ感動できました。
勇気を分けてもらえる作品だと思います。
ちなみに、タイトルの意味は、勝つことを目的としない、波に乗る真の喜びを知るサーファーのことだそうです。

映画「イップ・マン 序章/葉問」観ました

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Tag:香港
イップ・マン序章

『イップ・マン 序章』

香港’08、ウィルソン・イップ監督
【あらすじ】1930年代の中国広東省佛山。家族と共に平穏な日々を送る詠春拳の達人、イップ・マン。その実力と人格で人々の尊敬を集め、挑戦しに来る武術家たちに負けることはなかった。だが、日中戦争が勃発し…。

gyaoで鑑賞。序盤からくすくす笑わせてくれました。実話というより伝記で、脚色満載なんだろうけど、カッコよければすべてよし!
普段紳士で物腰穏やかだけども、いざとなれば目にも留まらぬ速さで相手を牽制。そんな彼に惚れこむ人が多いのも頷けます。
道場破りサンチャウと戦うシーンも面白くて、奥さんにモノを壊さないでね!と釘を刺されてたのに、さっそく壺を割られ、サンチャウが「弁償する!」と言って戦闘を続けるのが笑えた。
「パパが反撃しないと物が壊れるって」と伝言があって、そこから半分本気出して戦うところはめちゃカッコよくて、ギャップにくらっときます。
でも戦時中のエピソードで、それしかない人たちから仕事奪っちゃダメでしょう(仁の心らしい)。
あと、実際はイップ・マンから家や財産を没収したのは日本軍ではなく共産党政府らしいけど、日本人の中にも中国人の中にも、愚かな人と信念を持った人が平等に描かれてるのは好感持てました。

『イップ・マン 葉問』(2010)

【あらすじ】1950年、イギリスが統治する香港。家族と共に広東省佛山より移住してきた詠春拳の達人、イップ・マン。家族を養うため、詠春拳の武館を開いて弟子をとる事に。だが、香港では武館開設のための掟があり…。

前作からそうだったけど、完全に「ロッキー」でした(笑)
でもイップ・マンの人柄と、アクションが見所だからね。
貧乏で武館のチラシを絵が好きな息子(10歳くらい?)に描いてもらっているシーンがちらっとあって、ほほえましい。
サモ・ハン・キンポーと小さなテーブルの上で戦うくだりは痺れました。テーブル板が割れて、空中回転した挙句両者とも並べられた椅子の上に着地のシーンはカッコよすぎでしょ。
ワイヤーアクションだとわかるものの、そこまでぶっ飛んでないから素直にかっこえーと見惚れちゃいます。
後半は、英国ボクサーとの対決でまさにロッキー状態。それでも十分楽しめました。
ラスト、小さいブルース・リー役の男の子が登場してニヤっとさせられます。
ちなみに、これらの作品の他に同じタイトルで「誕生」「最終章」がありますが、別の監督が撮った別のシリーズのようです。主演も違うけど、ところどころキャストが同じで見てて混乱するらしい(笑)

TV映画「戦火の奇跡~ユダヤを救った男~」観ました

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Tag:イタリア

戦火の奇跡/ユダヤを救った男
原題:PERLASCA. UN EROE ITALIANO
製作:イタリア’02
監督:アルベルト・ネグリン
原作:エンリコ・デアグリオ
ジャンル:★戦争/伝記/ドラマ

【あらすじ】スペイン内戦時、国民戦線軍に義勇心から参加した事があるイタリア人ジョルジョ・ペルラスカ。商用でナチス支配下のハンガリーを訪れ、そこでユダヤ人の苦難を目の当たりにする。首都ブダペストで保護されるユダヤ人と数日を過ごした彼は、スペイン公使館から責任者が避難してしまったのを知り…。

Gyaoで鑑賞。持ち前の正義感と勇気、そして行動力やお金、コネなど使えるものは何でも使って、いまできる事をガンガンやっていく主人公に圧倒されました。彼の度胸と機転のよさ、意思の強さに度肝を抜かれます。
リストに名前が載ってる者を助けられるとなったら、知ってる名前は全部呼んで、さらにその人からもっと名前を聞き出すんですよね。
子供が収容所行きの列車に乗り込もうとしていたら、とっさに名前を捏造して話を合わせるようアイコンタクトで乗り切って。
でも、それに感づいていても「どうせ運ぶ途中で数%死ぬ。彼らはその中に含まれていたと思えばいい」と言い切ってしまうナチス将校が怖い…。
暴力描写は控えめなものの、仕事だからと淡々とユダヤ人を運び、殺していくナチスの怖さはしっかり伝わってきました。後編の河での処刑はよくもそんなことができるなというムゴさ…。
主人公の姿を間近で見て感銘を受ける弁護士さんや、故郷に帰るチャンスを捨てて戻ってきた主人公に一瞬で英雄を見る目に変わった若者、判断を誤ったことを後悔し続けていた医師、本来の自分を取り戻しきらびやかな生活をしていた頃よりいいと笑う伯爵夫人など、周辺の人たちもしっかり描かれていて見ごたえあります。
「彼は36人の一人だ。どの時代にも必ず36人の正しき人がいる。彼らがいるから神は地上を破壊しない」
ラストの言葉に、きっとそうなんだろうなぁと思えました。

映画「血の伯爵夫人」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(9) 
Tag:フランス ドイツ

血の伯爵夫人
原題:LA COMTESSE
製作:ドイツ・フランス’09
監督:ジュリー・デルピー
ジャンル:★ドラマ/ロマンス/伝記

【あらすじ】16世紀、ハンガリー貴族の名家出身で、伯爵夫人となったエリザベート。荘園管理に采配を振るう彼女だったが、夫が急死して、やがて青年イシュトヴァンと愛し合うように。彼の父親により2人は引き離されるが、それを知らぬ彼女は若さや美しさに執着し始め…。

Gyaoで観てとても気に入り、監督を調べて納得。主演女優であり「パリ、恋人たちの2日間」の監督で「恋人までの距離」シリーズのセリーヌをやってたデルピーさんじゃないですか。
わたし的に相性がいいというのもありますが、この作品は”吸血鬼のモデルとなった歴史的な殺人鬼”を題材にしているのに、同情を誘うというか、嫌悪感を抱かせず上手に引き込んでくれます。
彼女との仲を引き裂かれた恋人イシュトヴァン目線で語られるので、彼が愛したエリザベートと、後から人づてに聞いた”殺人鬼”としての彼女と、はっきり分けて見せているからでしょうか?
それに、財産を狙って彼女を陥れようとする人物が描かれており、史実通りの彼女のおぞましい姿を見ても、無実を信じたくなってしまいました。
何気に殺人シーンより怖かったのが、恋人の髪を大切にするエピソード。「飢餓海峡」の八重さんを思い出し、やっぱり爪じゃなくて髪だよなぁと思ってたら、体内(心臓の辺り)にそれを埋め込んで縫合するという八重さん以上のサイコっぷりを見せられて唖然としました…。
また、エリザベートの庇護下になければ魔女狩りの対象になっていたと思われるダルヴリアが印象的で、エリザベートを愛し、側に仕え、キスだけを求める彼女との関係が切ない!
狂っていき、疎まれても決して彼女を見捨てず、最後までエリザベートの身を案じ、老いて死ぬのは自然で美しい事なんだと気付かせようとする彼女の深い愛は、イシュトヴァンとの激しい恋よりも心に残りました。
日本では未公開どころかDVDすら出てないのが悲しいです…!

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映画「英国王のスピーチ」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(13) 
Tag:オーストラリア イギリス

英国王のスピーチ
原題:THE KING'S SPEECH
製作:イギリス・オーストラリア’2010
監督:トム・フーパー
ジャンル:★ドラマ/伝記

【あらすじ】英国王ジョージ5世の次男ジョージ6世は、幼い頃から吃音に悩んでいた。だが人前に出ることは避けられず、治療を受けるものの改善の兆しは見られず。妻エリザベスはスピーチ矯正の専門家というオーストラリア人のライオネルを訪ね…。

実話モノですが、英国王室に詳しい訳でもないし、政治的な意図がはたらいていてもわからないので、”どこかの吃音に悩むおじさんが、なんか大切なスピーチのために専門家と一緒に頑張る物語”という目線で観る事にしました(笑)
すごいね~、全国民に向けての失敗できないスピーチというとてつもないプレッシャーのなかで、最後までやり抜いて見事に成功させるなんて!
わたしだったら吐いてぶっ倒れるか、過呼吸でぶっ倒れるか、その前に逃亡してただろうから、素直に感動しました。
吃音といっても、今でもわかってないところが多いだろうし、同じ吃音の症状があっても原因は人によって違うみたいだから、ライオネルさんが言うような「本人にやる気があれば治る」というものでもなかったと思います。”克服(付き合っていく自信的な意味で)”ならできるだろうけど…(原語では何と言ってたんだろう?)
そんな中、弱音は吐いてもくじけずにやり抜けたのは、やはり彼の真面目さ、責任感の強さがあったからでしょうね。いい加減なひとなら「失敗しても知らん」とそもそもこんなに苦しんだりしないと思います。
どうしても果たさなければならないと真剣に考えていたからこそ、「自分でいいのだろうか、勤まるのだろうか」と不安になっているのが伝わってきました。
奥さんも子供たちもライオネルさんも、最後まで信じて見守ってくれて、心がほんわかします。それも彼の真面目で優しい人柄があったからでしょう。
全体的に見ると笑えるシーンや感動シーンは少なくて、最後の最後に爽やかな感動が味わえるくらいですが、私もコンプレックスの塊のような人間なので、見ている間中「頑張れ、頑張れ!」とハラハラしながら観られました。
主演ふたりの演技も素晴らしく、見ごたえあるドラマだったと思います。

映画「僕はラジオ」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(0) 

僕はラジオ
原題:RADIO
製作:アメリカ’03
監督:マイク・トーリン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】1976年、ジョーンズ・コーチの指導のもと、猛練習に励んでいたハナ高校アメフトチーム。知的障害を持つ黒人青年へのいじめをきっかけに、ジョーンズは彼を気に掛けるように。青年は練習を手伝ううちに、”ラジオ”の愛称でみんなに愛されるようになるが…。

実話を基にした地味に良い話でした。
最初は”ラジオ”が選手として頭角を表すのかと思ったら、チームの一員でもムードメーカー兼、監督助手という感じで、チームに一体感を与えてくれるんですね。先日観た「モア・ザン・ア・ゲーム」でもチームが家族のように信頼し合って初めて発揮できる”つよさ”というものがあるんだなぁと思ったので、彼がチームにもたらしたものはとても大きいと感じました。
持ち前の優しさと明るい性格で学校中に愛される存在となったラジオもさることながら、まだ偏見の強い時代に彼を受け入れた彼らもすごい!
冒頭から見ていると、この町の人たちはスポーツで強く繋がっていて、試合後はいつも選手の父親たちと理髪店に集まり、ジョーンズの報告を聞いたり、今後の事を話し合ったり、とっても仲がいいんですよ。
その結束があり、彼らからの信頼厚いジョーンズが気に掛けているということもあって、ラジオを受け入れることができたのかもしれません。
もちろん、彼の存在を快く思わない連中もいますが、たとえ悪意を向けられても、ラジオはただ純粋にスポーツやチームを愛していて、それが意地悪な少年にも伝わったのにはウルッときました。
ラジオを心から愛する母親との描写もあたたかく、彼女がいたからラジオがこんなにも純粋で優しく育ったんだと納得。
家族よりもラジオや選手たちに時間を割いていたジョーンズが、ラジオとの交流を経て、家族、とくに寂しがっていた娘と向き合うエピソードもよかったです。ラジオを救う事が自分を救う事に繋がったとわかる、過去の”何もしなかった自分”の事を告白する姿にジーンときます。
ラストは実際の彼らもみられて、その心からの笑顔に、本当に実際にあったことなんだと改めて感動。
人と人とを結びつけるスポーツの素晴らしさ、優しさは循環していくものだと伝えてくれる作品でした。

映画「ボトル・ドリーム」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(2) 

ボトル・ドリーム
原題:BOTTLE SHOCK
製作:アメリカ’08
監督:ランドール・ミラー
ジャンル:★ドラマ/コメディ

1976年パリ。しがないワイン評論家スパリエは、ブラインドテイスティング大会に出品するワインを求め、カリフォルニアのナパバレーを訪れる。そこで、最高のシャルドネを作ろうとするシャトー・モンテレーナの経営者ジムとボーの親子に出会い…。

ワイン業界を揺るがした「パリ・テイスティング事件」を基にした作品。ワインに詳しくないから楽しめるか心配だったけど、とっても面白かった!
登場人物みんながワインを愛しているのが伝わってくるんですよね。ワイン作りがそのまま生き方に直結しているというか、ブドウ畑で育った訳じゃないからこそ、ワインに生き方を学んでいるというか。
「ワインは、水が結びつけた太陽の光」とか「水をもらえず苦しんだブドウは風味が増すが、水と肥料をたっぷりもらったブドウからはまずくて退屈なワインしか生まれない。人と同じだ」などのセリフが印象的。
ワイナリーの親子ジムとボーの衝突や、夢のために苦しみながらも踏み出す姿も良かったけど、ワイン業界で名を売るためにやってきた評論家スパリエもいいですね。
野心家だけどワインに対しては素直なんですよ。ナパのワインを一口飲んだら真剣になって美味いワインを探しだします。
彼が試飲代を払ったら、瞬く間に噂が広まって、町中からワインを持って人が集まってきたのには笑えました。

彼がワインを飛行機に持ち込もうとした時の、ボーの活躍は何気に感動的。このワインが自分たちの、カリフォルニアの誇りになると信じて、その想いによって人々の心を動かし、ピンチを乗り越えます。
ワイン廃棄事件でも必死に走り回って、ワイナリーを救うことが父親だけでなく自分の夢になっているというのが伝わってきました。
大会での様子も小気味良くて、ちょっとした笑いもあり、爽やかな感動を与えてくれます。
ヒロインのエピソードはいらない気もしたけど、未公開なのが信じられないくらいの秀作でした。

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映画「告発のとき」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(4) 
Tag:ポール・ハギス

告発のとき
原題:IN THE VALLEY OF ELAH
製作:アメリカ’07
監督:ポール・ハギス
ジャンル:サスペンス/ドラマ

【あらすじ】2004年11月1日、元軍警察のハンクのもとに、イラクから帰還した息子マイクが行方不明だとの連絡が入る。彼は息子の行方を捜すため、基地のあるフォート・ラッドへ向かい、独自に捜査を始めるが…。

邦題から法廷モノと勘違いして観てしまったものの、反戦のメッセージがずしりと響いてきて、ぐいぐい引き込まれました。
邦題は、イラク戦争を続けるアメリカを告発する作品という意味では合ってるけども、作中で語られる、旧約聖書のダビデとゴリアテの逸話の舞台「エラの谷」を意味する原題の方が誤解がなくていいかも。
その物語を気に入った女刑事の息子が「なぜ王様は戦うのを許したの?まだ子供なのに」というセリフが痛烈。

でも、一番印象に残ったのは、主人公の奥さんでした。事件の捜査に没頭する夫に放っておかれ、息子の荷物さえ触るなと命じられて、家でひとり過ごしていた彼女。終盤、帰ってきた夫との会話シーンもありません。
それなのに一度電話の向こうで大泣きした以降は、怖いくらい静かで、夫が帰ってきたことも気にとめてないように見えるんですよね。
…日常生活を普通に送りつつも、心は別の場所…悲しみの暗い沼の底にしずんでしまったようで、そんな様子に胸が締め付けられました。
一方、息子の死の原因を探って黙々と情報を集める夫も、彼なりに悲しみを乗り越えようとしているのが伝わってきます。一時は「どうして一緒にいてやらないのか」と思ってしまいましたが、二人にはそれぞれ悲しみと向き合う時間が必要だったのかも。

ただ、ちょっと気になった事がいくつかあって…
1)イラク戦争は、ベトナム帰還兵である主人公が衝撃を受けるほどの闇を抱えていたのか。(主人公はイラク戦争の酷さをまったく想像できなかったのか)
2)軍上層部はどの時点から事件の真相を知っていて、どこまで関与していたのか。
3)青年が自殺した理由は、良心の呵責か、女刑事に責めらたからか、それとも殺されたのか。息子の腕時計をポケットに入れたのは誰か。
4)どんな手がかりでもほしい時に、息子が生前送った荷物をどうして確認しようとしなかったのか。

まあ、2と3は実際の事件を基にしてるんだから、真実は闇の中という事なんでしょう(はっきり描かなかったのは疑ってるから?)。4は麻薬でも入っていたらと思うと怖くて確認できなかったのかな?
1は主人公が直接ベトナム戦争の惨さを目にしなかったとしても、聞いて知ってたはずですよね。知っていても、イラク戦争はそこまで酷いわけがないと思っていたという事でしょうか?
つまり、主人公はイラク戦争を支持していた懲りないアメリカ人の代表?
彼が逆さまの星条旗を掲げるラストが心に重くのしかかります。

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映画「わが街 セントルイス」観ました

わが街 セントルイス
靴の穴をパクパクさせて「やあジャック!」
原題:KING OF THE HILL
製作:アメリカ’93
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
原作:A・E・ホッチナー
ジャンル:★ドラマ/回想録

【あらすじ】1933年、大恐慌時代のセントルイス。12歳の少年アーロンは、優しい母と職探しに明け暮れる父、甘えん坊の弟と、安アパートとして使われるホテルで暮らしていた。だが、やむを得ぬ事情で家族はばらばらになり…。

ソダーバーグの作品ってどんなのがあったっけと調べたら、前から気になっていたタイトルがあったので、さっそく観てみました。
これも回想録を基にしているらしく、当時の閉塞感やそれに屈しないアーロン少年の明るい生き方が描かれていて、とてもよかったです。
ユーモアを持つ賢い少年で、じわじわと絶望感が迫る状況でも、穴の開いた靴と靴をおしゃべりさせたり、雑誌の切り抜きのご馳走を美味しそうに食べたり、切なくなるくらい健気で前向きなんですよね。
周りの人がふと見せる優しさや微笑が、どんなに小さなものでも彼の元気や希望に繋がっているんだと思います。
時には嘘を吐いたり盗みをしたりもするアーロンだけども、守ってくれる大人もいない中、入院中の母や預けられている弟、てんかんで学校に行けない少女、ホテルを追い出された画家など、たくさんの人への優しさを忘れません。
卒業式にお祝いに来てくれた兄貴分や、無愛想だけど根は優しいエレベーターガールもステキでした。
一方、冷たい父親や、悪役(と言うほどではないのかもしれないけど)のホテル従業員や悪徳警官のキャラも、大恐慌時代の厳しさを感じさせてよかったです。
ラスト、父親の言うとおりにしていたら家族がどうなるかわからないと感じたのか、自分たちだけで荷物をまとめ、悪役二人に軽く復讐するところが、痛快というほどではないけどニヤリ。
ちなみに原題は「ガキ大将」の意味ですが、子供たちの遊びで”高いところにいる王様を落として兵隊、戦士が成り上がる”ゲームがあるらしいです。

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映画「グレンとグレンダ」観た

グレンとグレンダ
原題:GLEN OR GLENDA
製作:アメリカ’53
監督:エドワード・D・ウッド・Jr
ジャンル:ドラマ/ドキュメンタリー

【あらすじ】服装倒錯が社会から差別的な扱いを強く受けていた時代。服装倒錯者グレンは婚約者には内緒で女性の格好をし「グレンダ」として街を歩くのが好きだった。だが、やがて隠しているのが後ろめたくなり…。

エド・ウッド」を再見して、彼の作品について調べていたら、これがパブリックドメインになったという事で、動画サイトにアップされていたので観てみました。
心の準備が出来ていたからか、そこまで酷くは感じなかったというか、動画サイトがある時代に生まれていたら大活躍だったんじゃ…と切なくなったり。生まれるのが早すぎたのかなぁ。
まあ、作品が最低ではないと言っても、服装倒錯にいたる経緯や、その原因、神様も間違える事があるんだというような事を、くどくどくどくど繰り返すし、資料映像や同じシーンの使い回しも多いから、けして上手くはないんですけどね。
抽象的、暗喩的表現(だいぶわかりやすい部類)も多いから、そういうのが苦手な人は面白くないかも。しかも、製作会社に言われて、意味不明なお色気シーンが加えられているし!
あと、性同一性障害についてはおまけ程度で、ポスターを見て映画館に来た人はそりゃあ怒ったでしょう。詐欺同然です。
でも、服装倒錯者や性同一性障害についてもっと知ってもらいたい、受け入れてほしい!というエドの熱い想いは伝わってきて、わたしでもちょっとグッときたくらいなので、同じような悩みを抱えている人なら共感、感動したことでしょう。

また、ベラ・ルゴシの狂言回しは、演技の上手さとホラーテイストで浮いてはいるものの、見ごたえありました。「エド・ウッド」の俳優さんの役作りの素晴らしさもわかったし、一見の価値あり!
エドの熱演もいいですね。ショーウインドウを物欲しげに眺めつつ、ガラスに映る自分の姿とマネキンを比べてしまったり、恋人に贈ると言ってネグリジェを買おうとして、つい手触りを確かめすぎてしまったり。実感こもってます。
ドロレスが意外と真面目に演技していると思ったら、映画の趣旨を知らない時の演技か~。まあ、こういう明かされ方は嫌だよな…。
「エド・ウッド」が好きなら十分楽しめる作品だと思います。

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映画「エド・ウッド」観ました

エド・ウッド
原題:ED WOOD
製作:アメリカ’94
監督:ティム・バートン
ジャンル:★伝記/ドラマ

【あらすじ】ある日、往年のドラキュラ俳優ベラ・ルゴシと出会った映画青年エド。ふたりは瞬く間に意気投合し、ルゴシは俳優としてもう必要とされてないと嘆いた。そんな時、自分にぴったりの映画が製作されると知り、ルゴシを出演させることを条件に、その映画で監督デビューを飾るが…。

再見。やっぱり大好きです。映画が大好きな気持ちと、映画を愛する人への尊敬が伝わってきて、映画好きには心地良いんですよね~。
冒頭から雰囲気たっぷりで、吸血鬼の語りや、墓場をうねうねと進みながら墓石の文字を映していくタイトルバックが素敵。
あえてモノクロなのも効果的でした。途中、ドレスの色をおじさんに尋ねたら「どちらが赤だ?色の見分けなんてつかんよ」と言ってて笑えます。
ベラとの出会いから無二の親友になっていく様子も微笑ましくて、彼の演技を目を輝かせて見つめる様子は、純粋にただの一ファンという感じ。
この人をまたスクリーンの世界に連れ戻したいという気持ちや、弱っている彼を思い遣る気持ちがひしひし伝わってきて、もう序盤からうるうるしてしまいました。
一方で、何がなんでも映画を撮りたいという姿勢や、どんなに作りや演技を妥協しても自分が伝えたい事はしっかり伝えるところなど、服装倒錯者で孤独を感じていた彼の、そういう強いところも見せてました。

もし彼らが出会ってなかったら一体どんな道を歩んでいたのか…。でもきっと出会う運命だったと思えるふたり。
彼らが心から映画を愛し、映画という居場所を求めているから、彼らに協力してくれる人々も、いつも大変そうなのに楽しそうにやってるんですよ。
こういうところが、ティム・バートンや多くの人の心を掴んだんでしょうね。
ルゴシの最後のフィルムを観ながら、熱っぽく語る姿が印象に残ります。

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映画「グレン・ミラー物語」観た

 | 伝記/自伝/実話  Comment(4) 

グレン・ミラー物語
原題:THE GLENN MILLER STORY
製作:アメリカ’54
監督:アンソニー・マン
ジャンル:★伝記/音楽

音楽に情熱を燃やすグレン・ミラーは、商売道具のトロンボーンを質屋に出し入れする生活を続けていた。そんな時、バンドメンバーに選ばれ演奏旅行に参加、旅先で大学時代の恋人へレンと再会する。やがて二人は結婚し、彼女の支えで自分のバンドを結成するが…。

かなり長い期間を描いた作品なので、序盤からテンポ良くサクサク進みますが、電撃結婚の流れも彼ならありえるなぁと思えるのが凄い。人物の特徴を上手く捉えてるし、俳優さんも成りきって演じているからでしょうね~。
そして、奥さんがマジで理想の奥様という感じで、夫婦で仲むつまじく夢に向かって進んでいく様子に引き込まれました。
倹約&へそくりで夫の窮地を救ってしまう奥様が素晴らしい。彼女がいなかったら夢は叶わなかったでしょう。人間は自分には無いものを持っている相手に惹かれるんだなぁと妙に納得したり(笑)
また、お金では解決できないような壁にぶち当たっても、まさしく愛で乗り切ってしまいます。今は苦しくても、愛する人がいれば、流れが変るまで信じて耐えられるんです。
彼の名前を聞いてもどんな曲があるのか思い浮かばなかったけど、聞き覚えのある曲ばかりで聴き入っちゃいました。どういう経緯でつくられたのかわかって聴くと、感動もひとしお!
まだ完成してない曲と、完成してからの曲の違いも面白かったです。
笑いあり涙あり。好感が持てるつくりで楽しく見られました。

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映画「K-19」観た

 | 伝記/自伝/実話  Comment(2) 
Tag:イギリス ドイツ

K-19
原題:K-19 THE WIDOWMAKER
製作:アメリカ・イギリス・ドイツ’02
監督:キャスリン・ビグロー
ジャンル:★ドラマ/サスペンス/アクション

【あらすじ】1961年、米ソ冷戦最中のソ連。原子力潜水艦K-19の処女航海の艦長にボストリコフが任命された。副艦長には経験豊富なポレーニンが就き、艦は出航。しばしば対立しつつも、K-19は順調に任務を成功させていく。だが突然、原子炉の冷却装置にひびが入り…。

ハリソン・フォードのシワが素敵(特殊メイクだった!)と思いながら再見(笑)
初見では艦長と副艦長の対立をメインに観てました。艦長の傲慢さ不器用さに「あ~!そんな言い方して!」とハラハライライラしたり、そんな艦長にあからさまに反発する不穏分子を放っておき、自分も持ち場を離れたりした副艦長に疑問を感じたり。
でも、元はといえばこんな危険なものを乗せた艦に、安い部品を使ったり無理させる上層部が悪い!ということで、今回は艦長との対立についてはわりと冷静に観られました。
完璧とはいかないまでも艦長としての責任を果たそうとするボストリコフと、信頼と結束が何より大事な局面だと(やっと気付いて)、個人的感情は抑え艦長を助けるポレーニンのドラマは見ごたえあります。
そして、再見するまですっかり忘れていて、今回記憶にしっかり刻まれたのが原子炉の事故。ハリウッド映画で、ここまで放射能の恐ろしさを克明に描いた作品は珍しいと思います。いちおう観る人への配慮もあって、被爆レベルは低めの状態のメイクにしたそうですが、それでも寒気がするほど怖かった…。
放射能の影響で吐いているのを見ても、決死の思いで作業に向かう姿。手の震え。倒れつつも最後までやり遂げる決意…。
彼らは英雄になりたかったわけじゃなく、ただ仲間や祖国を守りたかったんですよね。集合写真が切なかったです。
実話を基にしていると言っても、実際にあったのは”進水式でシャンパンが割れなかったこと”と、”原子炉事故があった”という部分だけだとか。でも、放射能の恐ろしさをしっかり伝えてました。

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映画「しあわせの隠れ場所」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(7) 

しあわせの隠れ場所
原題:THE BLIND SIDE
製作:アメリカ’09
監督:ジョン・リー・ハンコック
原作:マイケル・ルイス
ジャンル:ドラマ/スポーツ/伝記

【あらすじ】夫と娘、息子の4人で幸せに暮らす裕福な白人家庭の夫人リー・アン。ある真冬の夜、彼女はひとり寂しく歩く巨漢の黒人少年マイケルに目を止め、自宅へ招き入れるのだった。住む場所や学校を転々としていた彼と、しだいに心を通わせていく一家。やがて彼は、アメリカン・フットボールの才能を開花させ…。

実話モノで、不遇な黒人少年がとある出会いで成功していくお話なんだけども、成功する過程より、見ず知らずの他人が家族になっていく過程に重点を置いていました。
経済的な面ではまったく問題がなかったとはいえ、どんな人間かもわからない、無口で体格のいい黒人少年を家に招き入れるのには勇気がいったと思います。今の世の中、物騒な話も多いですし、金持ちな白人というだけで敵意を持たれる事だってあります。しかも、美人な娘さんと幼い息子がいる家庭です。ただの自己満足ではできない、どうしても放っておけなかったという人情からの行動なんですよね。
彼女自身も自問自答している様子で、裕福な奥様たちの茶飲み友達の露骨な反応を見るたびに、自分を振り返って、確認しながらゆっくり距離を縮めていく感じが良かったです。
自己主張の弱い、奥さんのいう事ならなんでも「よろこんで!」とOKしてしまいそうな夫(省略された?)の、「たまねぎのように、皮を一枚づつ剥がしていくしかないさ」というセリフが効いてました。
また、人懐っこい息子との交流も心温まります。大人に不信感を抱いていたマイケルが彼らの優しさを素直に受け入れられたのも、この子の存在があったからでしょう。瞬く間にマイケルと”仲の良い兄弟”になり、ずっと前から一緒にいたみたいに補い合ってるのが素敵。大人顔負けのやり手なところも面白かったです。
お姉さんも頑張ってたし、コーチや教師、家庭教師など、たくさんの人の優しさが描かれてました。
ちなみに、原題には”近づくものが見えない側、死角、盲点”という意味があり、アメフトではマイケルのポジションだった”右サイド”の事を指すようです。邦題はその部分が表せてないのが残念かな。
それにしても、あの母校への強い愛着って一般的なものなんですかね~?

映画「フリーダム・ライターズ」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(6) 

フリーダム・ライターズ
製作:アメリカ’07
原題:FREEDOM WRITERS
監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
原作:フリーダム・ライターズ(生徒たち)&エリン・グルーウェル
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】1994年、ロス郊外のウィルソン公立高校に、理想と情熱を持った国語教師エリン・グルーウェルが赴任する。だがそこでは、2年前のロス暴動以来、教室内でも人種間の対立が。その日を生きるのに精一杯で、将来のことなど考えようともしない生徒たちに、彼女は日記帳を配るが…。

こんなに感動したのは久しぶりかも。教育ドラマに弱いのもあるけど、素晴らしい実話だし、素晴らしい映画だったと思います。
今まで、何度もこういう境遇にある子供たちを題材にした作品を観てきたのに、まだまだ認識が甘かったのだと思い知らされました。冒頭から、ギャングのリーダーの娘がどういう大人たちに囲まれて、こういう生き方しか知らずに成長したのかよくわかります。
”18歳まで生きられれば十分。仲間を守って死ぬのは名誉なこと。”
15,6の生徒たちの口から語られる言葉が重い…。本当にいつ殺されてもおかしくないし、「殺られる前に殺る」くらいの気構えで毎日登校しているんですよね。
彼らにとって、本当に毎日が戦争と同じなんです。

エリンがそんな彼らの心を開いていく過程もとても自然で、淡々と進んでいくのに涙が何度もこみ上げてきました。黒人生徒に対する嫌がらせを注意した事からホロコーストの話になり、生徒たちと本気で話し合うくだりから、もう目が離せません。
とくに、人種間の確執を取り除くために行ったラインゲームは目からうろこでした。彼女が考えたんでしょうか?
先生が質問し、イエスなら教室の中央にあるラインを踏むというだけのゲームなんだけど、ラインまでくると今まで敵として見ていた相手と顔を向き合わせる事になるんですよ。
趣味なんかの軽い質問から始まり、しだいに彼らの日常に踏み込んだ質問に変わっていき、「友達を殺された事があるか?」という質問に、ラインまで来た生徒の多さ…。互いに顔を見合わせて、ここで彼らは初めて気付きます。自分たちが同じような悲しみと苦しみを背負っていると。

それからの生徒たちの変化には本当に感動しました。彼女から与えられたものだけではなく、自分から新しい世界に踏み出して行きます。表情も今までとまるで違って、希望を持った若者の顔になって!
彼女のやり方を快く思わないベテラン教師たちや、エリンに引け目を感じて離れていく夫、意見は違ってもずっとエリンを心配して見守ってくれた父親など、周りの人々の反応も自然で、実話モノでは必ず思う”脚色はしてるんだろうな”という考えもまったく浮かんできませんでした。永久保存決定です!
ちなみに、タイトルの意味は”自由のための書き手たち”。日記をまとめた本のタイトルであり、日記を書いた彼らのこと。授業で教わった、人種差別政策に抗議した13人の大学生 ”自由のための乗り手”をもとにしてます。

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「P.S. アイラヴユー」観ました

映画「フランシスコの2人の息子」観た

 | 伝記/自伝/実話  Comment(2) 
Tag:ブラジル

フランシスコの2人の息子
”2人の息子”とあるけど、息子はぜんぶで何人いたんだろう?
製作:ブラジル’05
原題:2 FILHOS DE FRANCISCO - A HISTO'RIA DE ZEZE' DI CAMARGO & LUCIANO TWO SONS OF FRANCISCO
監督:ブレノ・シウヴェイラ
ジャンル:伝記/ファミリー/音楽

【あらすじ】ブラジルの田舎町。小作農として働くフランシスコは、愛する妻と7人の子どもたちと貧しいながらも仲むつまじく暮らしていた。ある日、彼は子供たちの将来のため、長男ミロズマルにアコーディオン、次男エミヴァルにはギターを買い与える。兄弟は独学で歌と演奏を身につけていくが…。

ブラジルの国民的スター、ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノが成功するまでを描いた実話モノ。TV用のカット版を観たので、若干物足りなかったというか、完全版見せろ。
とりあえず、子供たちが健気で歌声も可愛かったですね。お父さんに言われて始めたようなものなのに、お父さんに褒めてもらいたくて頑張って練習していくうちに、自分の意思で、音楽が好きでやってるという風に変わっていくのが伝わってきました。それに家族想いだから、それがお金になると分かったら自ら駅で稼ごうとするんですよ。
そんな健気な子供たちなんだけども、こんなに良い子に育ったのも、息子たちを信じ必死に働く父親と、貧しくても文句も言わず夫と家族を支える奥さんのおかげでしょう。
ただ、ほとんど描かれてないけどケンカは絶えなかったと思う。ケンカ→仲直り→出産→ケンカ・・・という風に子沢山になったんじゃないかなぁと想像してみたり(笑)
「息子を有名にしてやる」と胡散臭い男に言われて、10歳くらいの男の子ふたりを預けてしまったくだりは危なっかしかったですけどね~。奥さんが怒るのも当然、人攫いじゃなくてよかった…。
とある不幸に襲われ、そこからミロズマルが立ち直るまでの過程はばっさりカットされてて後半はテンション下がってしまいましたが、彼らが大人になって売れない日々が続いても、昔と変わらず信じている父親がいて感動しました。
終盤の父親の涙ぐましい工作には思わずニッコリ。やっぱ憎めないわ、この人。
ラストは本物の一家が登場。「町のひとたちが言ってたように、自分は頭がイカレてたよ~、ハハハ!」と話すお父さんが可愛かったです。

映画「エリン・ブロコビッチ」観ました

エリン・ブロコビッチ
製作:アメリカ’00
原題:ERIN BROCKOVICH
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
ジャンル:★ドラマ/伝記

【あらすじ】カリフォルニア州。3人の子持ちでシングルマザーのエリンは、交通事故に遭い、引退間際の弁護士エドに弁護を依頼。口の悪さが災いして和解金を取り損ねるも、強引に彼の事務所で働く事に。やがて、恐ろしい環境汚染の実態を知り…。

再見しました。ジュリア・ロバーツ主演で一番好きな作品かも。
主人公のエリンが思った事をズバズバ言っちゃうタイプで、しかも物事の本質を見抜いて、自分が正しいと思ったら真っ直ぐ突き進む人なので、観ていて気持ちがいいです。
年をとって保守的になってしまった弁護士エドとは、口論になる事もしばしば。でも、最初は仕方がなく相手をしてやっていたエドが、彼女の本気で大胆で心優しいところに触れていくうちに、まるで口論を楽しんでいるかのようになっていくんですよね。
600名以上にのぼる環境汚染の被害者たちがまとまる事ができたのも、それぞれの家を訪ね、親身になって話を聞き、できると信じさせてくれる彼女だったからこそでしょう。
忙しくなるにつれ、子供たちと過ごす時間も減ってしまうんだけど、ずっと子供たちの面倒を見てくれていた恋人との口論の中で、「初めて人から尊敬され、感謝された」と打ち明けるのが印象的。
あとは、企業側の弁護士が水を飲もうとした時、「特別に用意したのよ、ヒンクリー(汚染地域)の井戸水。」と言って相手を凍りつかせたシーンも最高でした。
事実をもとにしつつ、うまく脚色して、何度見ても楽しめる作品になってると思います。

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映画「インビクタス/負けざる者たち」観た

インビクタス/負けざる者たち
製作:アメリカ’09
原題:INVICTUS
監督:クリント・イーストウッド
原作:ジョン・カーリン
ジャンル:ドラマ/伝記/スポーツ

【あらすじ】1990年、アパルトヘイトに反対し27年間も投獄されていたネルソン・マンデラ。釈放後、南ア初の黒人大統領となるが、人種対立と経済格差は依然として解消されない。彼はラグビーW杯を国民融和の絶好のチャンスと捉え…。

「マンデラの名もなき看守」を観といて良かったです。きれいに繋がるので、すんなり入り込めました。マンデラさんの事を描いているとは知らなかったので、この順番でオンエアしてくれたBSプレミアムに感謝!
彼は人格者な上に頭がよく、話術と行動力も兼ね備えて、同志たちに心から慕われているのも頷けました。彼の精力的な仕事ぶりに気をもみながらも、しっかりついてくるSPと秘書がいいです。
弱小ラグビーチームのキャプテン・フランソワに会い、彼の魂に火をつけ、それがチームに、国全体に広がっていく展開も見ごたえありました。
でも、中盤の最初の勝利あたりからは、思ってたより盛り上がらないというか…。てっきり、マンデラにもらった詩を、試合の前にみんなに聞かせて士気高揚させるのかと思ってたら、共有せずに独り占めなんだもの(彼がもらったんだけどね)。
わたしが映画でならスポーツを楽しめるのは、その競技を知らなくても、人の魅力で見せてくれるからなんですよね(スポーツ中継を見ても、騒音、人がいっぱい、としか思えない)。なので、フランソワやチームの絆をもっと掘り下げてくれないと、試合を観ても楽しめなくて。
フランソワが刑務所見学でかつてのマンデラの姿を思い描くシーンや、白人と黒人でギクシャクしてたSPが子供のようにラグビーで遊ぶシーン、フランソワの父親が黒人のメイドにも観戦チケットを買ってあげたシーンなどは良かったので、後半盛り上がれなかったのが残念でした。
あの後、マンデラと娘は仲直りできたのかなー?

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映画「野性のエルザ」感想

 | 伝記/自伝/実話  Comment(2) 
Tag:イギリス

野性のエルザ
この後、二匹でネコパンチの応酬が始まります。
製作:イギリス’65
原題:BORN FREE
監督:ジェームズ・ヒル
原作:ジョイ・アダムソン
ジャンル:ドラマ/自伝

【あらすじ】ケニアの動物保護官ジョージは、人食いライオンを射殺。襲い掛かってきたメスもやむなく射殺し、遺された3匹の子供を連れ帰る。動物好きな妻ジョーイと共に育て、一番小さなエルザをとくに可愛がるが、やがて家では飼えなくなり…。

何故か狼少女の話だと思い込んでました。エルザってライオンだったんですね~。子供の頃も大人になってからもライオンが可愛かったです。
でも、この作品を観ていて一番泣けてきたのが、動物園に引き取ってもらおうとしていたのに、気が変わってとくに可愛がっていたエルザだけ連れて帰ってきたシーン。両親を殺され、仇であると知らずに懐いていた人間にも捨てられ、その上、兄妹(姉妹?)と引き離されるなんて…と思ったら泣けてきました。
最終的には野生に還したわけですが、途中まではペットとして飼ってただけだったし、兄妹と引き離した事も後悔してる様子はなく、ジョーイたちには共感できませんでした。
ただ、エルザを野生に還すと決心してからの様子は、わが子の旅立ちを見守る両親のようで良かったです。狩りが上手く出来ず、1週間さまよった後の本物のエルザの写真は痛ましかったけど、それが自分たちのせいだと自覚しつつも最後まで諦めなかったのは、やはりエルザへの深い愛情あっての事だと思います。始まりはどうあれ、一緒に過ごして本当の家族になれたのでしょう。
彼らはその後もライオンなどを野生に還す活動を続け、ジョーイは解雇したスタッフに殺され、ジョージは盗賊に捕まったドイツ人を助けようとして殺されてしまったそうです…。
ちなみに原題の意味は「生まれながらに自由」。彼女がエルザを動物園に入れたがらなかった理由です。

映画「ジュリー&ジュリア」観た

 | 伝記/自伝/実話  Comment(14) 

ジュリー&ジュリア
製作:アメリカ’09
原題:JULIE & JULIA
監督:ノーラ・エフロン
原作:ジュリー・パウエル、ジュリア・チャイルド
ジャンル:★自伝/ドラマ

【あらすじ】1949年。フランス料理に魅了さたアメリカ人主婦ジュリアは、名門料理学校に通い、やがてレシピ本執筆に情熱を注いでいく。一方、現代のNYでは、作家を夢見るOLのジュリーが、料理ブログでジュリアのレシピ524品に挑戦していた。

料理映画というより、人生を豊かにするコツを教えてくれる映画という印象でした。
まあ、料理はたくさん出てくるんですけどね。あのバターたっぷりな料理を見てたら胸焼けを起こしそうに…。あと、ロブスターを生きたまま茹でるのはダメー!
いつも行き当たりばったりで料理を作っている私には、ジュリーの「レシピ通りにやると、ちゃんとクリームになってほっとする」という言葉がわかるようなわからないような。彼女の”料理を通じてジュリアに少しでも近づきたい”という気持ちも、料理に対してそんな風に考えた事はなかったけど、特別なひとに繋がるものならどんな些細な事でも特別だと思える気持ちはわかりますね。ここらへんは先日観た「ある日どこかで」に通じるものがあるかも。

そんな彼女の尊敬するジュリアは、大柄でいきいきした人のよさそうなオバチャン。メリル・ストリープというと怒ったりカリカリしたりする役ばっかりのイメージだったけど、こんな穏やかな役も演じるとは。さすがです。
ジュリーパートで彼女が成功するとわかっているんですが、そのための努力や、彼女を支えた人々、とくに深い愛情で結ばれた理解ある夫とのことが描かれていて引き込まれます。
ジュリーが夫とケンカして、「ジュリアなら家庭を犠牲にしたりしなかったはず」とまるで実際の彼女を知ってるみたいに言っていて、料理好きで素敵な夫がいるという共通点だけでなく、本当にふたりはどこかでつながっているような気がしました。
最後はちょっと寂しいものもあったけど、ジュリーのジュリアへの想いは変わらず…むしろ大きくなって、笑顔で終わったのが良かったです。

映画「名もなきアフリカの地で」観た

 | 伝記/自伝/実話  Comment(2) 
Tag:ドイツ

名もなきアフリカの地で
製作:ドイツ’01
原題:NIRGENDWO IN AFRIKA
監督:カロリーヌ・リンク
原作:シュテファニー・ツヴァイク
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】1938年4月、ナチスの迫害を逃れ、故郷ドイツからケニアに渡ったユダヤ人一家がいた。弁護士の父ヴァルターは農場で働き、お嬢様育ちの母イエッテルは文句ばかり。そんな中、娘のレギーナは料理人オウアらケニア人と打ち解け…。

シュテファニー・ツヴァイクの少女時代の体験を綴った自伝の映画化。
最初は、何もわかってない母親イエッテルの我がままと差別意識が目立って、ドイツの現状を知らないんだから仕方がないとは思っても、なかなか入り込めませんでした。でもその分、自分たちがどんなに幸運なのかを知って、”違い”を尊重する事の素晴らしさに気付いた後の変化が目覚ましい。
幼い娘が子供らしくすぐにアフリカに馴染んで、料理人オウアやケニアの子供らと心通わせていくのももちろん良かったですが、ナチスの迫害を逃れた事や生きる事の意味について考えさせるのは、この夫婦のエピソードでした。
夫については、真っ先に一人でアフリカに逃げてきたのかと思ったけど、あの妻を迎えるには、ある程度生活の基盤を整えてからじゃないとダメだと考えたのかな?
妻の心情の変化にまったく気付かないし、家族の中でたぶん一番アフリカに馴染めてなかったしで、成長したのか悩んでしまったけど、最後の決断は、家族と一緒にいる事が一番大事だと気付いたからですよね。イナゴを必死で追い払う彼の姿に、やっと家族が一つになったと感じました。
イエッテルの浮気とか夫婦の溝とか、祖国があんなことになってるのに、そんなことしてる場合か!と思わないでもなかったけど、レギーナの無垢な笑顔とオウアのあったかい笑顔に救われて、最後まで観ることができました。
イエッテルの「賢い人は違いを尊重する」と、夫の「僕の愛するすべてがこのベッドの上にある」というセリフが印象的。ちょっと長いし淡々としてるけど、なかなかの良作です。

映画「ミュージック・オブ・ハート」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(4) 

ミュージック・オブ・ハート
製作:アメリカ’99
原題:MUSIC OF THE HEART
監督:ウェス・クレイヴン
ジャンル:★ドラマ/音楽/伝記

【あらすじ】シングルマザーのロベルタは、ハーレム地区の小学校でバイオリン・クラスの臨時教員となる。子供たちの心を掴み、次第に認められていくロベルタ。10年後、希望者が殺到する彼女のクラスは、市の予算削減のため打ち切られる事になり…。

貧しい地域の子供たちにバイオリンを教える事によって、自信をもって強く生きていくことを伝える女性のお話。内容も実話を基にしている事も「レッスン!」と似ているんだけども、あちらは口当たりがよくて誰でも気軽に楽しめる作品なら、こちらはじっくり映画を楽しみたい人向け。主人公ロベルタの家庭の問題から、バイオリン教室を通じての彼女と子供たちの変化、そしてクラス廃止の危機をみんなで乗り越えていく様子を描いています。先が読めても、地味でも、じわじわと感動が湧きあがるような作品でした。
いろいろな問題で苦労している子供たちが、バイオリンに触れている時の笑顔が心に残りますね。「いつもの厳しい先生が好き」というセリフからも、バイオリンが大好き、もっと上手くなりたい、という気持ちが伝わってきてきます。
音楽の力は本当に偉大だと思うし、音楽じゃなくても、芸術やスポーツや学問でもなんらかの活動でも、心から好きだと思えるものを持っているって素晴らしい。その何かと出会えるように、ずっと続けられるように、サポートしようという周りの大人たちの気持ちも素晴らしいと思いました。
ラストのコンサートを成功させたのは、(コネを最大限利用して東奔西走した友人もすごいけど)どんな困難があろうと子供たちを信じて一緒に頑張ったロベルタと、何より最後まで諦めずに練習し続けた子供たちの努力の賜物だったと思います。しみじみ感動。
…にしても、監督がウェス・クレイヴンとは。後から知ってビックリしました(笑)

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