ロマンス 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「P.S. アイラヴユー」観ました

 | ロマンス  Comment(2) 

P.S. アイラヴユー
原題:P.S. I LOVE YOU
製作:アメリカ’07 126分
監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
原作:セシリア・アハーン
ジャンル:★ドラマ/ロマンス/コメディ

【あらすじ】ニューヨーク。陽気で情熱的なアイルランド人の夫ジェリーとつましくも幸せに暮らしていたホリー。だがある日、彼は脳腫瘍で帰らぬ人に。悲しみのあまり引きこもり状態になっていたホリーだったが、3週間後の誕生日、バースデイケーキとテープレコーダーが入った贈り物が届き…。

クリスマスイブに、何度も涙を堪えてウルウルしながら観ました。オンエア直後じゃなく、このタイミングで観て良かった~。
内容を知らずに観たのでバカップル(この夫婦好き)の話かと思ったら、バカップルなんて思ってごめんなさいな展開に。でも、重くはなくて、するすると最後まで流れるように観られました。

コメディという程ではないんだけど、程よくコミカルで湿っぽくならないんですよね。とくにホリーの親友の”男に片っ端から「独身?ゲイ?仕事は?」と聞いて最終的にはキスで判断していた彼女(名前忘れた!)”が、いい感じに微笑ましいんですよ。
ホリーにとって気の置けない親友っていうのがすごく伝わってきて、ちょっとお下品でも嫌な感じはしません。それどころか彼女のそんなところに救われてるんだろうと想像できて…。彼女が運命の人を見つけた時は素直に良かったねと思えました。

また、夫ジェリーとの出会いや想い出のシーンがちょくちょく挟まって、ふたりの愛の深さやホリーの寂しさが伝わってきます。彼からのメッセージはどれも愛がこもっていて、本当に傍にいるようで、彼がいかに濃密な時間を過ごしてきたのかわかりました。運命の赤い糸で結ばれていると言われても信じられるくらい、一緒にいるのが当然の二人だったんだなぁと。
だからこそ過去と現実を行き交うような構成でも違和感がなくて、とても自然なことだと思えました。

終盤、彼女の相談役だったのがいつの間にか恋に変わっていた彼との流れも素晴らしく、もしこれ以外の展開になっていたら冷めていたかも。
ジェリーの故郷アイルランドが美しく、ホリーやその母親にも特別な地となる展開も納得できました。
この時期にピッタリの愛と再生の物語だったと思います。

関連記事
「フリーダム・ライターズ」観ました

映画「(ハル)」観ました

 | ロマンス  Comment(6) 
Tag:日本

(ハル)
製作:日本’96
監督:森田芳光
ジャンル:ロマンス/青春

【あらすじ】“ハル”というハンドル名でパソコン通信の映画フォーラムに参加した速見昇。それがきっかけで、(ほし)という人物とメールのやり取りが始まる。お互い相手の実像を知らないまま、二人は次第に本音を伝え合うようになり…。

GyaOで鑑賞。パソコン通信という言い方とか色々と時代を感じたけども、顔文字とか変わらないし、顔の見えない相手とのすれ違いも今と同じで、普通に楽しめました。
個人的にハルはあまり好きになれなかったものの、メールで心を通わせていく過程は意外と胸キュン。文字だけの画面が続くのに、音楽が二人の心情を表していて退屈しないんですよね。まあ、人によっては眠くなるかも…。いつもより時間が長く感じたのは確かです(笑)
この時代のパソコン通信って、あの様子を見ると画像はやりとりできなかったんですね。でも、もし簡単に画像を交換できる時代でも、あの二人は写真を交換しただろうか?あんまり想像できないなぁ。
新幹線の見送りのエピソードは、真剣にやっているところ悪いんだけど、ビデオカメラ片手にハンカチ振り合うシュールな画に笑ってしまいました。「ハンカチ振りに行きますね」の台詞からして、素で意味がわからなかったし。
にしても、ストーカーが怖すぎて、いつ事件が起こるかと冷や冷やでした。エロい事ばかり言うローズも、頭がおかしいか犯罪がらみを想像してしまいます。今なら完全にスパムメールだよ(笑)
そんなメールを読んで会おうと思うハルも危なっかしい…。
でも、ローズの正体には驚かされたし、分かってからいくつか伏線が思い当たって唸らされました。
あとは、深津絵里がとても可愛かったですね。心通わせた相手がこんなに可愛いとか、ハルは超幸せ者!!
しかも、不器用そうに見えて様々な職業をこなすスペックの高さ。司書の資格は大学時代に取ってたのかな。…まあ、それを言うなら中国語マスターしたハルもすごいけど。
タイトルはあの男のハンドルネームなんですが、見る前はてっきり深津絵里の事だと思ってました。終盤にわかる、その名前に関する告白も良かったです。何気ないところに運命って転がってるもんですね~。

映画「ジェイン・エア(1996)」観ました

 | ロマンス  Comment(6) 
Tag:イギリス

ジェイン・エア(1996)
原題:JANE EYRE
製作:イギリス’96
監督:フランコ・ゼフィレッリ
原作:シャーロット・ブロンテ
ジャンル:★文芸ドラマ/ロマンス

【あらすじ】幼い頃に両親を亡くし、自分を嫌う叔母の家や、過酷な環境の寄宿学校で子供時代を過ごしたジェイン。強く賢い女性に成長した彼女は、貴族フェアファックス・ロチェスターが引き取った少女アデールのガヴァネス(女性家庭教師)となるが…。

久しぶりに良い文芸ドラマを観たなぁという感じです。
内容は王道で、身分差ロマンスからの実は…な展開なんですが、ヒロインは当時にしては珍しい器量が良くないという設定。まあ、私から見たら十分美人でしたが。
静謐でしっとりした空気が感じられる映像と、雰囲気ピッタリの女優さんたち、イギリスの貴族社会を感じさせてくれる美術や衣装なんかが上手く調和して、見ごたえある作品になってました。
名前は出てこないけど見たことある俳優さんが多いなぁと思っていたら、成長したジェインを演じていたのはシャルロット・ゲンズブールだったんですね。「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール」と「恋愛睡眠のすすめ」以来だなぁ。
原作は知らない(「ブロンテ姉妹」が作者か!)けども、ジェイン・エアという女性が今ここにいると思わせるくらいしっくりきて、聡い瞳をした子供時代からそのまま成長しましたように見えました。子役も良かった♪
意地悪な叔母もブレなくて良かったですね~。終盤でジェインに謝るものの、それは地獄に落ちるのが怖いからで悪いとは全く思っていないところとか。

あと、妙に印象に残るのが病人が本当に病人に見えることですね。青白くて細くて今にも倒れそうな感じ。ヘレンとかとくに。中には病人じゃないのにそう見える人も…(汗)
過酷な子供時代の描写もインパクトあって、洗面器の水が凍るような部屋で寝てて凍死しないのかと心配になったけど、これが実際に作者が通っていた学校をモデルにしたと後から知って更にビックリ。
ヘレンはその学校で亡くなったお姉さんがモデルのようで、この作品によって学校を告発して改善したんだとか。まるでジェインはシャーロット・ブロンテの分身のようです。
終盤は急展開すぎて物足りなかったけども(牧師さんと三角関係になるのかと思った)、それを差し引いても楽しめました。彼女とロチェスターの抑えた感情が繊細に描かれていてやきもきさせられたし、謎のうめき声とかミステリアスな展開も面白かったです。

「ジェイン・エア」は他にも映像化作品がたくさんあるようで、他の作品を観たらまた印象が変わるかもしれませんが、とりあえずゲンズブールのジェインを観られてよかったです。
機会があったら他のも見たい♪

関連記事
第33回ブログDEロードショー「チャンプ(1979)」

映画「チャタレイ夫人の恋人/オリジナル完全版(1993)」観ました

 | ロマンス  Comment(2) 
Tag:イギリス

チャタレイ夫人の恋人(1993)
原題:LADY CHATTERLEY
製作:イギリス’93
監督:ケン・ラッセル
原作:D・H・ロレンス
ジャンル:★文芸/ロマンス

【あらすじ】イングランドの名門貴族クリフォード・チャタレイと結婚したコニー。だが、戦争で彼が下半身不随となり、彼女への愛情は屈折していく。心も体も満たされない毎日に、コニーは森番のメラーズに接近していき…。

タイトルだけ知っていて初めて見たんですが、想像してたのとぜんぜん違って面白かったです。215分の長さもまったく感じず一気に見られました。
これはあれですね、看護婦ボルトン夫人の華麗なるサクセスストーリーってやつですよね?(笑)
コニーとクリフォード両方の信頼を得て、言葉巧みに二人の間にあった溝を修復不可能なレベルにしていく手口はもはやプロ!
心配しているように見せかけて煽ったり、協力的な態度で二人を誘導していくテクには感動すら覚えました。
コニーがメラーズの元へ行く決意をしたくだりで、「やった♪」とメイドと目配せするシーンはニヤニヤですよ。召使たちを”自分が生かしてやってる家畜”同然に扱っていたクリフォードに「彼女は召使じゃない」と言わせるほどの信頼を勝ち得て、さらには邪魔な”奥様”を追い出したんだから、すでにチャタレイ邸は彼女の支配下にあると言っても過言ではありません。
後は、クリフォードが馬鹿やって破産なんて事にならないように上手く操縦していくだけ!
ボルトン夫人の一人勝ち。スッキリ爽やかハッピーエンドでした。
たぶん2年以内にコニーが貧しさに耐えられず逃げ帰ってくると思うけど、クリフォードに子供を奪われて離婚されるでしょうね~。

だいぶ一般的な見方からはズレてしまったかもしれないけど、完全版というだけあってコニーやクリフォードの心情は丁寧に描かれており見ごたえありました。
はっきり言って二人ともどっちもどっちで、ボルトン夫人がいなくてもダメになっていたのは明白なので、感情移入できるのは彼らを冷静に見ているボルトン夫人だけ。むしろ、たきつけることでドロドロ期間を短縮してあげた二人の救世主なんだから、やっぱり彼女が主人公でいいと思うよ!

映画「ONCE ダブリンの街角で」観た

 | ロマンス  Comment(4) 
Tag:アイルランド

ONCE ダブリンの街角で
(画像クリックでyoutube予告編へ)
原題:ONCE
製作:アイルランド’06
監督:ジョン・カーニー
ジャンル:★ロマンス/音楽

【あらすじ】穴の開いたギターで毎日のように街角に立つストリート・ミュージシャン。そんな彼の前に、チェコからの移民で、楽しみは楽器店でピアノを弾く事という女性が話しかけてくる。彼女のピアノに心動かされ、ふたりは一緒に演奏することで絆を深めていくが…。

gyaoで観賞。これはブログDEロードショーで観たかったなぁ。
地味なものの、ありふれた風景、どこにでもいそうな人たちの心情を、音楽によって繊細に描いているから自然に共感できます。
この作品のために書き下ろされた曲がまたいいんですよ。本当にこの登場人物がつくったみたいにしっくりきて、彼らの想いを代弁していました。
とくに「Falling Slowly」の歌詞がいいんですよね。胸に響きます。
どこか懐かしい感じもする曲で、抑揚のはっきりしたところはわたし好みです。
音楽が人と人とを結びつけ、心を動かすというのが何度も描かれていて、楽器屋さんでセッションするところとか、融資を頼みに行ったらギター聴かされるとか(笑)、やる気のなかったレコーディングスタジオの管理人がいつの間にか仲間みたいになっているところがよかった。
後にミュージカルで舞台化されたくらいなので、ホントよく歌ってるんですよ。
まあ、上手くいきすぎ感は否めないし、音楽のPVみたいな雰囲気もあるものの、その音楽さえ合えば楽しめると思います。

ちょっとしたユーモアもあって、冒頭から泥棒と追いかけっこして捕まえたら「5ユーロくれる?」とか言われるし、彼女が街中で掃除機をガラガラ連れて歩いたりするシーンも面白かったです。
あとは、出来上がったCDを父親に聞かせたくだりも感動的でした。電気屋さんの頑固親父という感じだったお父さんが、本当に嬉しそうで。
最後に「もう一度聴きたい」と言う時の笑顔ときたら!
ちなみに、主人公が「彼をまだ愛してる?」と聞いたら彼女がチェコ語で答えるんだけども、その答えは「I love you」だそうです。タイトルが「ONCE」だという事を考えると切ない…!

映画「忘れじの面影(1948)」観ました

 | ロマンス  Comment(4) 

忘れじの面影(1948)
原題:LETTER FROM AN UNKNOWN WOMAN
製作:アメリカ’48
監督:マックス・オフュルス
原作:ステファン・ツヴァイク
ジャンル:★ロマンス/ドラマ

20世紀初頭のウィーン。決闘を明日に控えたステファンは名も知らぬ女からの一通の手紙を受け取る。そこには、彼がピアニストとして嘱望されていた頃、彼の隣室に住んでいた少女の初恋から始まる物語が、その想いと共に綴られていた…。


これはよかったですね~。後半の流れに「あれ?」と思ったものの、結局のところ泣かされました。私的に後半の主役は旦那!

まずヒロインが本当に美しくて儚げで引き込まれるんですよ~。金髪でも赤い口紅をしてないせいか、どの年齢を演じている彼女も素晴らしいと思えました。たぶん16歳~35歳くらいを演じてたんじゃないかな?(当時31歳だと!?
少女の頃に恋に落ちた、美しいピアノの音色を響かせる甘いマスクの青年。貧しいながら出来る範囲でオシャレをしたり、ダンス教室の外から見よう見まねで練習したり、彼の執事?の手伝いをしてこっそり家に侵入したり…、幼くも一途でひたむきな恋模様にキュンとさせられました。

そして、一度しか直接会うことなく、憧れと募る恋心を抱えたまま大人になった中盤。仕事が終わったら彼の家の前で毎日毎日毎日張り込みし(一晩中じゃないよね…?)、ついに再会して”ミステリアスな女”を演じるところがまた可愛い。粘着質だけど余りある可愛さ!
この彼女の行動(自分の素性を隠す)が後の悲劇に繋がるとも知らず、デートを楽しむくだりも胸キュンです。
人力で背景を動かす列車のアトラクションで、もっと一緒に過ごしたいと彼が何度も最初からやり直させて、その後も演奏家が逃げ出すほどダンスを続けたり(笑)
でも、この脳みそ溶けてる男は、彼女に対して(たぶん深層心理レベルで)特別なものを感じながらも、いつもの女遊び程度の感覚で別れちゃうんですよ。しかも、またしても顔を忘れてしまうという…。”忘れじの”面影なんじゃないの!?

その後の彼女の行動は共感できないけれど(悲恋に酔って自分の事しか考えてない気が)、二度目の再会を描いた終盤で、一気にもう一人の男の人生が浮かび上がってきます!
冒頭で、ステファンがすっぽかそうとしていた決闘が一気に重い意味を持ち、どんな結末になっても何も報われないことがわかるんですね。おそらく生き残るだろう彼の事を思うと涙が…。
繊細なタッチの美しいモノクロ映像と、ドラマティックな展開が見事な、悲しいメロドラマでした。
ちなみに、原題の意味は「見知らぬ女からの手紙」。あと邦題と同じタイトルのあの有名な歌とは関係ないです。

B004NXMELI 忘れじの面影 [DVD] の詳細を見る

映画「戦争より愛のカンケイ」観ました

 | ロマンス  Comment(6) 
Tag:フランス

戦争より愛のカンケイ
描いていて幸せな気持ちになりました(笑)
原題:LE NOM DES GENS
製作:フランス’2010
監督:ミシェル・ルクレール
ジャンル:★ロマンス/エロティック

【あらすじ】フランスに同姓同名が1万人以上いるというアルチュール・マルタンは、平凡な40代の鳥類学者。そんな彼が恋に落ちたのは、珍しい名前の自由奔放な娘バヤ・ベンマームード。彼女は“ラブ&ピース”の信条のもと、ファシストと次々に寝ては彼らを転向させていて…。

Gyaoで鑑賞。
政治的娼婦として誇りを持って男と寝る破天荒なヒロインと、保守的で平凡で慎重な男の不思議なラブストーリーでした。
ロマンスものなのに、恋する本人たちと同じくらい(もしくはそれ以上)彼らの両親に重点を置いているんですよね。バヤの父親はアルジェリア移民として苦労し、アルチュールの母親はユダヤ人だという事を隠して生きてきて、それがバヤとアルチュールの人格、人生に強く影響を及ぼしています。
遠い過去からの連なりがあって今があり、過去を知ってこそ今がわかるということでしょうか。
その過去の見せ方も面白く、アルチュールがモノローグで馴初めを語るくだりで、父親の若かりし頃が想像できなくて現在の姿だったり、悩みがあると、アウシュビッツ収容所で亡くなった祖父母(民族衣装のイメージで登場)と相談したり。
そういうところも彼の性格を表してました。

印象に残ったのは、

  • 着替え中に携帯に気をとられて、素っ裸だと忘れて地下鉄まで来てしまうバヤ。
  • 裸の女性の前だと緊張するというアルチュールに、服を着せてもらうバヤ(イラストのシーン)
  • 労働者は芸術家にはなれないと思い込むバヤの父親に、アルチュールが機転をきかせて絵を描いてほしいと頼むシーンと、表情を輝かせて絵を描く様子。
  • 悲劇より楽しかった事があった日を記念日にする方がいいと言った彼が、母親から聞けなかった”あの日”の事を、”初めてクリームを食べた記念日”だったと自分を納得させたところ。
  • 世界中が雑種になれば人種や宗教で争わなくなると、生まれた子供に国籍不明の名前をつけた事。

などなど、色々あって上手くまとめられないけど、ヒロインがめっちゃ可愛くて、クスクス笑えて、なんとなく幸せな気持ちになって、愛で世界は平和になると信じたくなる作品でした。

映画「ニューイヤーズ・イブ」観ました

 | ロマンス  Comment(6) 

ニューイヤーズ・イブ
原題:NEW YEAR'S EVE
製作:アメリカ’2011
監督:ゲイリー・マーシャル
ジャンル:★ロマンス

【あらすじ】ニューヨークの大晦日。タイムズスクエアでのカウントダウン・イベントが迫る中、イベント関係者や、それを楽しみにしている人々らが、特別な想いや決意を抱いてそこに集まる。

安定感のある群像劇で楽しめました。
とくに”目標リスト”の女性イングリッドが良かったです。気弱な彼女が一世一代の勇気を振り絞って行動を起こしたというのが伝わってきたので、彼女が笑顔になるたびに「よかったね!」と言ってあげたくなりました。
配達員の彼もチケットのためとはいえ頑張っていて、イマジネーションを働かせて無茶な願いを叶えていきます。
すべては、今まで暮らしてきた見慣れた街での出来事なのに、彼のおかげでまるで世界が変わったような、夢のような1日に。
これって結構すごい事ですよね。街の隅々まで熟知している彼だからこそ成せるわざ。それを見抜いたイングリッドは観る目あります。

あと、個人的に嬉しい驚きだったのが、好きなミュージカルドラマ「glee」の主人公がエリーズ役で出演しており、思いっきり歌ってたこと!
化粧が濃くて顔を見ただけでは気付かなかったんだけど、歌声を聴いて「え!?」と驚いてしまいました。そうか~、映画デビューか~。
相変わらずの歌声で、劇中で2回も歌っていたし、どちらも印象的なシーンで頑張ってたと思います。色々あって大変だろうけど、これからもその才能を発揮していってほしい!

他にも、一年越しの再会のエピソードの見せ方は良かったです。あの時計のシーン、驚かされました。王道でありながらひねりも利いていて好感持てます。ただ、個人的にはここで”彼女”が来たら良かったかなぁ…なんて。
ボールドロップの責任者のスピーチも何気に感動的で印象に残りました。
群像劇は顔を見分けるのが大変でついていくのが大変だけど、今回は知った顔が多くて観やすかったのも良かったです。
EDのNG集風のおまけも楽しくて、時計下の別バージョンとか、おばあちゃんのカチンコとか、双子の「バレンタインデー」DVDとか笑顔で見終えられます。
この時期に観るにはぴったりの作品でした♪
では、みなさん今年も一年ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。

関連記事
「恋のじゃま者(1986)」観ました

映画「新しい人生のはじめかた」観ました

 | ロマンス  Comment(2) 

新しい人生のはじめかた
原題:LAST CHANCE HARVEY
製作:アメリカ’08
監督:ジョエル・ホプキンス
ジャンル:★ロマンス/ドラマ

離婚してNYで一人暮らしをしているCM作曲家ハーヴェイは、一人娘の結婚式のためロンドンへ。だが、仕事が気がかりで携帯が手放せず、娘にバージンロードは義父と歩くと告げられてしまう。バーでやけ酒をあおっていた彼は、孤独な女性ケイトに声をかけ…。

しみじみといい作品でした。
距離のとり方が優しくてロマンティックなんですよ。
孤独を感じて披露宴会場から一人去ろうとしていたケイトを、ハーヴェイが使われてない隣の会場でピアノを弾いて引き止め、逃げ出そうとした惨めさを思い出させることなくダンスに誘って会場に戻る…ステキです!
一緒にいる時のふたりはとても自然体で、孤独を知る物同士だからこその配慮、というだけではないと思えました。
また、ハーヴェイと家族との溝を埋めた、披露宴での花嫁の父親のスピーチが感動的。
ケイトの後押しがあって、本当に大切なものから逃げ出さなかったハーヴェイ。今まで言葉に出来なかった気持ちをしっかり娘に伝え、わだかまりが解けた瞬間でした。
終盤の超有名なロマンス映画みたいなすれ違いは、ひねりがなさすぎてもっと何かなかったのかと思ってしまいましたが、その後、恩人であり大切な人であるケイトに誠実に向き合う姿に涙が。
ここでも距離のとり方が優しくて、そっと彼女のこころを解きほぐしていくのがいいですね。
初めて話した時と同じ「(電話を切ったのは)僕ともっと話すためなら笑って」というセリフに、彼女が思わず見せた笑顔が可愛い。
靴を脱いで(身長差をなくして)腕を組んで歩き出すラストに幸せな気持ちになれました。
あと、途中で入るケイトの母親と隣人のエピソードが微笑ましくて、物語全体がふわっと明るくなってたと思います。エンディングロールで描かれる彼らのその後もお見逃しなく!

B003OUHSYY 新しい人生のはじめかた [DVD] の詳細を見る

映画「過去をもつ愛情」観ました

 | ロマンス  Comment(0) 
Tag:アンリ・ヴェルヌイユ フランス

過去をもつ愛情
原題:LES AMANTS DU TAGE
製作:フランス’54
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
原作:ジョセフ・ケッセル
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】44年8月パリ解放の日、喜び勇んで帰宅した歴戦の勇士ピエールは、浮気の真っ最中だった妻を思わず射殺してしまう。だが、同情され無罪となり、放浪の末タクシー運転手に。そんなある日、英国貴族の未亡人カトリーヌが彼のタクシーに乗り…。

まず、主人公と同じアパートに暮らす母子の関係にほのぼのしました。
10歳くらいの息子が可愛いんですよ。賢くて商売上手な上に甘え上手。自分が可愛がられているのを自覚しているので、カフェで一休みする主人公にちゃっかりパフェをご馳走になったり(笑)
でも母親想いだから、家計を助けるために商魂たくましく商売に励みます。観光客相手に絵葉書などを売っていたんだけど、商売敵のカメラ売りが現れたら、即行カメラフィルムを商品として扱い始めたり、法外なチップをくれる客がいたと聞けば、すぐに見つけ出して専用の観光ガイドに!
そんな訳で、少年のおかげで主人公は再び美しき未亡人カトリーヌと出会います。再会の場所は音楽を楽しめるレストランで、そこで聞けるポルトガル民族歌謡ファドの「暗いはしけ(youtubeに飛びます)」がまた良いんですよ。主人公が歌詞を翻訳してあげて、それがたまたま今の彼女の心情を表していたというのがロマンティック。この後、ふたりが急接近するのも、このシーンのおかげですんなり納得できました。
ただ、途中から母子の登場はほとんどなくなってしまうのが残念。代わりに二人の幸せを脅かす黒い影、ルイス警部が現れます。つやつやのカウンターに写る歪んだ顔という登場シーンが印象的!
悪人ではないものの、やり方がいやらしいんですよ。彼ら自身よりも彼らの気持ちがわかっているかのように、主人公を手のひらの上で転がして、猜疑心を煽ります。
わたしも思いっきり彼の言動に惑わされてしまいました。
ラストの決断には強い愛と悲壮な想いを感じます。余韻が素晴らしい作品。

関連記事
「地下室のメロディ」観た

映画「ローラ(1960)」観ました

ローラ(1960)
原題:LOLA:DONNA DI VITA
製作:フランス/イタリア’60
監督:ジャック・ドゥミ
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】仕事にあぶれたローランは、幼友達ローラに似た雰囲気の少女と出会う。そしてその矢先、10数年ぶりにローラと再会するのだった。初恋のひととの思いがけない再会に運命を確信するが、彼女は7年前に忽然と姿を消した恋人ミシェルを待ち続け…。

最初はケバイ女だなぁと思って観てたんだけど、彼女の母親としての素顔が見えるにつれ引き込まれてしまいました。主人公がちょっと頼りなげな根暗青年なのも私的に感情移入しやすくていいです(笑)
子供を学校へ送ったり、寝かしつけたり、主人公と再会して話してても子供から目を離さず、こまごまと母親としての描写が入り続けて、最後まで変わらなかったことに感動。さすが「子供のためにギャンブルやめて立ち直る!」と修行の旅に出た夫(恋人?)を7年も信じて待ち続けるだけあります。
強い母親であり、ダンサーとしても男たちを魅了してしまう彼女は、何事にもやる気がなかった主人公が生きる喜びを見出すのも納得なヒロインでした。
また、13歳の美少女を女手一つで育てつつ父親にふさわしい相手を探す女性や、みんなに甲斐性なしと思われている息子の帰りを待ち続けるお婆さんが良かった。母親がみんな素敵なんですよ。
それに、仕事ではふらふらしてる主人公も、彼女への態度や他の人との会話から他人への誠実さが伝わってきて好感が持てます。ついかっとなってヒロインに酷い言葉を投げつけてしまった翌日、きちん誠心誠意謝るのがよい。こういう描写は省略してはいけないよね。
モノクロの美しい映像が、ラストの切なさを際立たせてました。ローラ(ローランでした)のその後が語られるという「シェルブールの雨傘」もいつか観てみたいです!

関連記事
「シェルブールの雨傘」観ました
「天使の入江」観ました

映画「さよならをもう一度」観た

 | ロマンス  Comment(7) 

さよならをもう一度
製作:アメリカ’61
原題:GOODBYE AGAIN
監督:アナトール・リトヴァク
原作:フランソワーズ・サガン
ジャンル:ドラマ/ロマンス

【あらすじ】室内装飾家ポーラは、いつしか5年来の恋人ロジェとの結婚を望むようになっていた。だが、互いに束縛しない約束で、それを言う事もできない。そんな時、彼から紹介された取引先の一人息子フィリップと出会い、彼から熱烈なアプローチを受け…。

最後に「憐れな女…」と思ってしまったものの、フィリップにほだされるところまでは納得できたというか、浮気なのに珍しく嫌悪感は覚えなかったです。バーグマンの演技のたまものかな。
その彼女に恋するフィリップが、出てきた瞬間からマザコンオーラがあふれ出てて、15歳差も気になりません。後から「サイコ」のノーマンをやってた人だと知って納得しました。マザコン男とか甘えん坊なお坊ちゃんがしっくりくる俳優だなぁ(笑)
フィリップを選んでも上手くいったとは思えないけど、ロジェは最悪な選択ですよね~。現代の作品なら二人とも選ばないでしょう。でも、今でも共感できる人は多いのかもしれない!
愚かな選択をしても、変わらず側にいてくれるメイドさんがいい人でした。…給料が良いだけかも知れないけど(笑)

関連記事
「悲しみよこんにちは」観た(同原作者)

映画「サブウェイ」観た

 | ロマンス  Comment(4) 
Tag:リュック・ベッソン フランス

サブウェイ
製作:フランス’84
原題:SUBWAY
監督:リュック・ベッソン
ジャンル:ドラマ/アクション/ロマンス

【あらすじ】美しい人妻エレナに招待されたパーティで、金庫を爆破して重要書類を盗んだフレッド。彼は追ってから逃れ、パリの地下鉄の、さらに深くにある迷路のような地下溝に迷い込む。警察も動き出す中、彼は夢のためにある計画を進め…。

うん、いつも私が見ている夢とだいたい同じ(笑)
街でのカーチェイスとか、入り組んだ地下での追いかけっこ。思いがけない所に扉や通り道があって、あっちこっち行ったり来たり。変な人たちと友達になって、色んな服に着替えて、追いかけられてるのに気にせず自分のやりたいことをやったり…。
『この監督、わたしと同じ夢を見てる!?』と思いたくなるくらい、いつもの夢と感触が同じでビックリです。
夢の中ではテンション異常だし、自分の性別も年齢も色々で、この作品の主人公みたいに「愛する女の腕の中で死んでいく俺、超カッコイィ!」というノリでわざとらしくガクッと力尽きるんだけど、実はまだ意識があって周りの様子をぼんやり満足気に眺めているという終わり方も、「あるある!」って感じで頷いてしまいました(お前だけだ!)
好きでも嫌いでもないけど、ある意味、特別な作品かも。

関連記事
「レオン」観ました
「グラン・ブルー 完全版」観た

映画「エバー・アフター」観た

 | ロマンス  Comment(4) 
Tag:アンディ・テナント

エバー・アフター
製作:アメリカ’98
原題:EVER AFTER
監督:アンディ・テナント
ジャンル:ロマンス

【あらすじ】昔々、優しい父と田舎の屋敷で暮らしていた少女ダニエル。だが、父が再婚相手の男爵夫人とふたりの娘を連れてきた日に急死。10年後、メイドとしてこき使われていたダニエルは、フランスの王子ヘンリーと運命的な出会いを果たし…。

もしも「シンデレラ」のモデルとなった人物が実在していたら、というお話。ファンタジー要素のない現代版シンデレラです。
ドリュー・バリモア演じる”シンデレラ”ダニエルが可愛いですね。小さな頃から男勝りで、王子とのファースト・コンタクトでは「馬泥棒!」と林檎を投げつけ、落馬させるというもの。王子の助けを待たずに自分で戦っちゃうし、継母にいじめられても泣かないし、文句も言わず平然と召使の仕事をこなしたり、さばさばしていてカッコよかったです。
そんな、ドリューにぴったりの、新しい「シンデレラ」の姿にすぐに引き込まれました。
また、意地悪な継母がいいんですよね~。役になりきってて違和感もないし、実際にいそうなリアリティもあります。
ダニエルの中に見える前妻の面影と、亡き夫の面影。別に恋愛感情で結婚したわけではなかったけれど、もし彼が亡くなったりしなければ、自分がこんなに暮らしの事で気がもめることもなかったし、少しは母娘らしくなっていたかもしれない…。そんな感情が見え隠れするシーンもあって、酷い人なのに嫌いになれなれませんでした。
あとは、ダニエルの味方をしてくれる次女も好き。ジプシーのおじさんも素敵だったけど、自分の事をジプシーと呼んだりするのかね?
そんな感じで観ている間は楽しかったんですが、わたし的に印象に残ったのが、ヘンリーのダメさ加減だったんですよ。見せ場らしいものもなかったし、人間として魅力を感じなかったので、ダニエルが彼を選んだのも”王子”だからだと思えてしまいました。ヒロインに担がれて敵前逃亡しても平気なのに、彼女が平民だと知れば怒るとか(笑)
でも、ドリューファンなら観て損はないです。
タイトルは童話でお決まりの結び文句ですね。その後ずっと、幸せに暮しましたとさ。めでたしめでたし。

関連記事
「最後の恋のはじめ方」観た
「アンナと王様」観た

映画「いつか晴れた日に」観ました

 | ロマンス  Comment(7) 
Tag:アン・リー イギリス

製作:イギリス/アメリカ’95
原題:SENSE AND SENSIBILITY
監督:アン・リー
原作:ジェーン・オースティン
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】19世紀初頭、イングランド南東部。ダッシュウッド家の主ヘンリーが亡くなり、法律によって財産は先妻の息子ジョンに相続される。彼の妻と3人の娘エリノア、マリアンヌ、マーガレットは、悲しみにひたる間もなく早速新しい家を探し始め…。

久し振りに恋愛モノを観て大満足できました。
最近、また寒くなって若干イライラしてたんですけど、これを観始めたらフィーリングが合う作品だとすぐにピンときて、寒いのもだるいのも眠いのもぜんぶ忘れて没頭してました。これは”じれったい”恋愛モノが好きな女性にはたまらない作品だと思います。
ストーリーはなんて事ないんですよ。しっかり者の長女と情熱的な次女を対比させながら、それぞれ恋愛で苦難を乗り越え、最後はハッピーエンド。いかにも女性向けな甘い展開なんだけども、登場人物がみんな魅力的だし、やや軽めの雰囲気も見やすいし、なにより姉妹愛、家族愛がいい。
姉妹でロマンスというと「ブーリン家の姉妹」を連想するけど、あちらが重苦しくて寒々しい気持ちになる作品なら、こちらは真逆ですね。姉妹の恋愛事情を家族が把握していて、家族みんなで応援したり心配したり、空気読んで二人きりにしてあげたり(笑)
可愛い娘を裏切った男を”目つきが悪かったわよね”と言うお母さんが可愛い。二人きりにしておいて、外のツリーハウスからふたりの様子を実況する末っ子も可愛い。雨女設定で恋愛も人生もドラマティックに演出できる次女も可愛い。好きな人が結婚しなかったとわかって思いっきり泣き出しちゃう長女も可愛い!この一家、みんな可愛い!!
ついでに、彼らに家を貸してくれた空気読めない世話好きな寂しがり夫人も憎めないし(側にいたら殴りそうだけど 笑)、その夫人に性格がそっくりな娘とどうして結婚したんだというクールに耐え忍ぶ旦那さんも素敵だったし、姉妹の相手役の一途で控えめな男二人もよかった。
とにかく、みんな可愛くて、みんな好きです!
原題の意味は「分別と多感」。邦題は地味だけど、原題だと重っ苦しい文芸モノみたいに感じてしまうから、これくらいがちょうどいいかも。

関連記事
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」観ました
「ウェディング・バンケット」観ました
「プライドと偏見」観ました(ジェーン・オースティン)

映画「悪魔のくちづけ(1997)」感想

 | ロマンス  Comment(2) 
Tag:イギリス フランス ドイツ

悪魔のくちづけ(1997)
彼女が描きたかっただけー。
製作:イギリス/フランス/ドイツ’98
原題:THE SERPENT'S KISS
監督:フィリップ・ルースロ
ジャンル:ドラマ/ロマンス

【あらすじ】17世紀末の英国。英国一の庭園を建設するため、庭園デザイナー、ミニアを雇った領主トーマス。だが、妻ジュリアナは庭園よりも彼に関心を寄せ、ミニアは不思議な娘テアに惹かれていく。また、ジュリアナの従兄フィッツモリスも現れ…。

サスペンスと思わせて、ぜんぜんそんなんじゃないという、悪い意味で謎めいた作品でした(笑)
虚栄心を刺激され庭園造りに没頭する領主と、庭園より若い男に興味津々な妻、その妻に横恋慕する威厳も怪しさも足りない悪役。そして、庭園建設が進むにしたがって、生気と正気を失っていく魔女っぽいヒロイン…。
家庭崩壊とか陰謀とかサスペンス要素は詰め込まれているのに、なんかこうコスプレっぽいし、親子の問題は投げっぱなしだし、悪役の最期とかブラックコメディみたいだったし、よくわからないまま終わってしまいました。
何よりダメだったのは、出来上がる庭園がぜんぜん美しくないんですよね。花も緑もほとんどないなんて…!
主人公の心境の変化とともに、植物にあふれた庭園に変えていくか、彼が美しい自然に感動するシーンでも入れればよかったのにと思いました。
ちなみに、「悪魔のくちづけ」というのは(原題のSERPENT'Sは蛇と悪魔、両方の意味)、庭園の中央に配置された、蛇が自分の尾をくわえている絵を型どったものの事で、この庭園デザイナーのサインのようなもの。
とくに物語には関係しません!

映画「ブロークン・イングリッシュ」観た

 | ロマンス  Comment(0) 
Tag:日本 フランス

ブロークン・イングリッシュ
製作:アメリカ/フランス/日本’07
原題:BROKEN ENGLISH
監督:ゾーイ・カサヴェテス
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】NYのホテルで働く30代の独身女性、ノラは、男運が悪く、いつしか恋に臆病になっていた。そんなある日、情熱的なフランス人、ジュリアンが現れ、彼女に熱烈アプローチしてくる。戸惑いつつも、次第に彼に惹かれていくノラだったが…。

恋に臆病になって踏み出せないノラの不器用さが、ほんと見ていてやるせなくって…。いつの間にやら、どっぷり感情移入して観てました。
男運が悪いと嘆いている前半は普通の恋愛モノ?と思って観ていたんですが、彼女に熱烈アタックしてくるフランス人が現れてからは、恋に臆病になる女性が繊細に描かれます。
ちょっとした事で不安になって、このまま恋愛してもいいのか、また傷つくのは自分なんじゃないかと悩んだり、嫌われるようなことをしてしまったと取り乱したり。それでも、こんな自分に「一緒にパリへ来ないか」と誘うジュリアンに、心動かされないはずはないけれど、不安の方が大きくて一歩踏み出せない…。
普通の恋愛モノ目当てで観た人なら、何やってるんだ!とイライラしまくりの作品かもしれません。
でも、思い切ってパリに来てから、躓きつつも自分からジュリアンを探すノラの姿は、いじらしくて応援せずにはいられませんでした。終盤は上手くいきすぎかもしれないけど、さんざんリアルな女性の揺れ動く心をみてきたので、最後はお伽話な展開でも良かったと思います。
母親に「彼女は上手くやってるのに」と引き合いに出されていた親友が、結婚していてもノラのように悩みを抱えているのもよかった。いつも相談に乗ってくれて、ノラと同じ様にパリで”自分の中に愛と幸せ”を見つけるところもナイスです。
タイトルの意味は公式サイトに長々と説明されていて、かいつまんで言うと「言葉によるコミュニケーションは難しいけど、諦めず、そのやりとりの中に意味を見出そうとすることが大切だから」ということらしいです。

映画「恋愛睡眠のすすめ」観た

恋愛睡眠のすすめプチ
原題:THE SCIENCE OF SLEEP(LA SCIENCE DES REVES)
製作:フランス・イタリア’05
監督:ミシェル・ゴンドリー
ジャンル:★ロマンス/ファンタジー

【あらすじ】ナルコレプシーでしばしば夢と現実の区別がつかなくなる青年ステファン。仕事はもちろん恋愛も失敗ばかりの冴えない人生を送っていた彼は、母が大家をするアパートに住むことに。そこへ、知的な女性ステファニーが越してきて…。

最初はアート系の雰囲気に一歩引いて観てたんですけど、夢か現実か区別がつかず好きな人の前で大失敗したり、嫌われているんじゃないかという不安から幻覚を見たりする様子に、この不思議で目茶苦茶な世界は重度睡眠障害(本人は病気だと知らない?)に苦しむステファンが見ている世界そのものなんだと思えたし、
夢の中のつもりで彼女の部屋に行ったら現実で(つまり不法侵入)、今度こそ嫌われたと泣きながら逃げていって、彼女からの慰めの電話に「70歳になったら結婚してくれる?…失うものはない。」というシーンが切なくて切なくて、思わずもらい泣きしてしまいました。電話で話しながら眠りにつき、夢の世界の彼と、現実の世界の彼女が電話で話しているのもよかった…!
ややとっつきにくい作品だったけど、恋愛で浮かれたり苦悩したりという部分は普遍的なものなので、一度入り込んでしまえば最後まで楽しめると思います。
ちなみにフランス語題の意味は「夢の科学」で英語題は「眠りの科学」。邦題はまあ可愛らしくていいんじゃないでしょうか。

関連記事
第39回ブログDEロードショー「僕らのミライへ逆回転」

映画「恋愛小説家」観ました

 | ロマンス  Comment(13) 

恋愛小説家
製作:アメリカ’97
原題:AS GOOD AS IT GETS
監督:ジェームズ・L・ブルックス
ジャンル:★ロマンス/ドラマ/コメディ

【あらすじ】脅迫神経症で毒舌家のベストセラー作家メルビンは、自分勝手な振舞いで皆に嫌われていた。しかし、強盗に襲われた隣人の犬を預かってから、彼の心に変化が現れ始める。そんな時、行きつけの喫茶店の店員キャロルが店を休み…。

久しぶりに再見したら、内容をいい具合に忘れていて思いのほか楽しめました。ジャック・ニコルソン主演の作品というと「恋愛適齢期」も良かったけど、やっぱりこれが一番好きかも。
誰に対しても、口を開けば嫌味が飛び出してしまうメルビン。脅迫神経症ということで目に入るものすべてにイライラしてしまうんだろうけど、それを”他人を近寄らせない”ことで乗り切ってきたんでしょうね。にしても、ここまで憎たらしい奴になってしまったのは、そこそこ金と名声があるからでしょうか。貧乏なら石鹸を一回使っただけで捨てるなんてやりたくてもできないですし、もうちょっと妥協せざるを得ない環境なら違っていた気がします。
また、嫌々預かった犬と瞬く間に強い絆で結ばれてしまうエピソードでは、彼が案外愛情深い寂しがり屋だとわかり、一気に好感度が上がってしまいました。どんなに酷い言葉が飛び出しても、”本気じゃないんだ”と、つい彼を庇いたくなったり。父親が病的な完璧主義者だったこともあり、憎たらしいけど可哀そうに思えることもありました。

そんな彼が、四苦八苦しながらキャロルを追っかける様子は面白いし、頑張れ!と心の中で必死に応援してしまいます。
ちょっとヒステリックなシングルマザー・キャロルと、同情を誘うほど散々な目に遭う隣人サイモンもよかった!彼らでなければここまで面白くならなかったと思います。
ラストの告白と、早朝のパン屋に二人で入る姿は何度観ても素晴らしいですね。
原題の意味は”良くなり得るであろう最高の”だそうです。

関連記事
「スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと」感想

映画「ビフォア・サンライズ/恋人までの距離(ディスタンス)」観ました

 | ロマンス  Comment(8) 
Tag:リチャード・リンクレイター

恋人までの距離(ディスタンス)
製作:アメリカ’95
原題:BEFORE SUNRISE
監督:リチャード・リンクレイター 
ジャンル:★ロマンス/ドラマ

【あらすじ】パリへ戻る列車の中で、ヨーロッパ旅行中の青年ジェシーと出会ったセリーヌ。意気投合した2人は、途中下車しウィーンの街を見て回る。時間を忘れ、とめどなくお互いの事を話しながら過ごす2人だったが、やがて別れの時間がやって来て…。

久しぶりに再見しました。ほとんど会話だけで成り立つ作品なのに最後まで観る人を惹きつける作品だというのは初見で痛感しましたが、それが再見になっても変わらず楽しめたのが嬉しいです。
好きなシーンは、ホースでつくった虹の向こうにおばあさんを見たとジェシーが話すところ、ふたりがお互いに友人の役を演じての電話ごっこ(もとい告白)、詩人との出会い、『この世に魔法があるなら、それは人が理解し合おうとする力のこと』と話すセリーヌなどなど…。ハッとしたりキュンとしたりするシーンがたくさんありました。

それにしても、初めて会った男と異国の街を一晩中歩き回るセリーヌは、「旅情(1955)」のヒロインとは大違い。ジェネレーションギャップでしょうか。ウィーンの治安もよろしいようで、トラブルも全くありません。これでチンピラに絡まれたりしてたら興ざめなんだけども、ホントにそんな治安がいいのか気になってしまいました。
あと、どうでもいいけど『芝居に行くのを忘れてた』というセリフに毎回グサっときます。というか、この作品の最終的な印象は”芝居に行くのをすっぽかしたカップル”だったり(嘘です、ゴメンナサイ)
あの気の良さそうな青年ふたりは傷ついていないだろうか…?

終盤、ふたりが別れを意識してからの切なげな表情と、別れた後の高揚感と不安が入り混じったような表情がいい。最後の最後までふたりは自然でした。余韻も素晴らしいです。
わたし的には続編の余韻がやや勝るんですが、それでも続編を観た後ではこれの「この後どうなるんだろう…!」という気持ちが失われてしまうのが惜しい。本作が大好きで続編はまだ観ていないという方は、思う存分「恋人までの距離」の余韻を楽しんでからにするのがいいと思います。

関連記事
「ビフォア・サンセット」観ました
「スクール・オブ・ロック」観ました

映画「心のともしび」観た

 | ロマンス  Comment(2) 

心のともしび
製作:アメリカ’54
原題:MAGNIFICENT OBSESSION
監督:ダグラス・サーク
原作:ロイド・C・ダグラス
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

富豪の道楽息子ボブが事故を起こし、心臓蘇生器によりなんとか一命を取り留める。だが一方で、蘇生器を貸した人望厚いフィリップス医師が、心臓発作で亡くなっていた。それを知ったボブは、未亡人となったヘレンに償おうとするが…。

いろいろと出来すぎた設定なんだけれど、ふたりの愛のゆくえを追っていくうちに気にならなくなりました。
メロドラマが大っ嫌いで、この原作を読んで「ありえねー」的な反応をみせたというダグラス・サーク監督が、苦心してつくっただけあります。ふたりの気持ちが変わっていき、しだいに近づいていく様子が丁寧に描かれていました。
それに、映像も美しいし、ちょこっと出てくる生意気な女の子もいい味だしてます。
原題の意味は「崇高な執念」というところでしょうか。この邦題も素敵です。

関連記事
ダグラス・サーク監督2作品感想
B000TKPKAQ ダグラス・サーク コレクション DVD-BOX 1

映画「厨房で逢いましょう」観ました

 | ロマンス  Comment(0) 
Tag:ドイツ スイス

厨房で逢いましょう
製作:ドイツ/スイス’06
原題:EDEN
監督:ミヒャエル・ホーフマン
ジャンル:★ロマンス/ドラマ

【あらすじ】南ドイツの保養地で小さなレストランを営む天才シェフ、グレゴアは、休憩時間ににはカフェのウェイトレス、エデンを眺めて過ごしていた。ある日、ふとした事から彼の作ったプラリネを口にした彼女は、すっかり彼の料理の虜となり…。

冒頭から、巨漢の男が鴨の毛をむしりながら、愛おしそうに話しかけキスをするキモチワルイシーンで始まったので、かなり観賞意欲をそがれました。
彼がどういう人間かというと、幼い頃に妊娠した母親の見事な腹を見て感動し、自分もそんな立派な腹を持ちたいと努力を重ね。その結果、医者にセックスを禁じられるほどの肥満体と、味への飽くなき探究心を手に入れたのでした。
彼が料理を作る様子は妙にグロテスクで、食材にねっちょねっちょソースを塗りたくったり、タコを撫でてうっとりしながら足を味見してみたりと、食欲が失せる気味悪さ。しかも、彼の料理は”官能料理”と謳われるほどで、それを食べた人はあまりのおいしさに皿まで舐め尽くしてしまうほど。そんな異様な光景が続くので、彼が”おとぎばなしに出てくる悪い魔法使い”のような気がしてきました。
しかし、そんな彼の魔法にかかったエデンは、内に秘めた欲望をむき出しにして”悪い魔法使い”すら食い尽くす”モンスター”と化してしまうのです。

きっかけは、噴水に落ちそうになった娘を助けてもらったことでした。幼い娘を放って公園で昼寝とか、始めからかなり危なっかしい母親です。仕事で疲れているんだろうけど。
そのお礼に娘の誕生日に招待し、彼はチョコレートケーキを持ってきてくれます。娘はチョコアレルギーなのに、あんまり欲しがるから食べさせてしまいました。疲れとか関係なく危ない母親です。(その後、チョココーラソースなるものも食べさせていたけど、治ったのだろうか?)
その時、口にしたプラリネ (ナッツなどのペーストをチョコに混ぜたお菓子。または一口サイズのチョコ) の虜となったエデンは、レストランに不法侵入したり、あらゆる口実をつくって彼の料理を食べようとするんですね。ある程度仲良くなればもうこっちのもの。夫が仲間とストリップバーに出かける火曜日になると、他人の目も気にせず彼の厨房を訪ねます。
もう、誰も彼女を止められません。

そんな図々しい客なのに、グレゴアは幸せいっぱいです。丹精こめてつくった料理を彼女が食べて、天にも昇るような恍惚とした表情を浮かべるのを見るだけで、彼の想いは満たされるのです。
彼女の方も、彼の想いの込められた料理で満たされ、夫との関係を修復して幸せを取り戻していきます。(ベッドで身体にクリーム塗ったくって夫を誘うシーンには苦笑)
そして残酷にも、グレゴアのおかげですべてが順調だと、妊娠もわかって最高に幸せだと彼に報告するのでした。

グレゴアは彼女と彼女の夫のせいで大変な被害を被ることになるんですが、それでも彼女を愛し続けるんですよね。決してハッピーエンドとはいえないラストなのに、彼の目が最初の頃の”料理以外のものを恐れる”目ではなくなっていることに希望が持てます。
でも、思わぬ事故だったとはいえ、あんなことになっても彼の料理を食べに現れるとは、やっぱり彼女はモンスターだなぁ…(笑)

映画「ビフォア・サンセット」観ました

 | ロマンス  Comment(6) 
Tag:リチャード・リンクレイター

ビフォア・サンセット
製作:アメリカ’04
原題:BEFORE SUNSET
監督:リチャード・リンクレイター
ジャンル:★ロマンス

【あらすじ】ウィーンでの出会いから9年。ジェシーはあの日の出来事を綴った小説を書き、その読書会で遂にセリーヌと再会する。彼の帰りの飛行機が出るまでの85分間、2人は9年の空白を埋め合わせるように思いを語り合うのだった。

前作を観たのが結構前だったので、作中の”9年越しの再会”の雰囲気つかめるかと思ったが全然そんなことはなく。むしろ、彼らにとっては”何年経っても消えないあの日の思い出”という感じなので、素直に前日に放送していた「恋人までの距離(ディスタンス)」を観ておけばよかったと後悔しました…。
さて、この作品はちょっと変わっていて、限られた時間しか一緒にいられない男女の会話劇をリアルタイムで追っていきます。ジェシーが彼女を家まで送っていく間、カメラは自然な会話を続けるふたりをストーカーのように付回していくんですね(笑)
冒頭の念願の再会シーンから、まるで旧友に会ったみたいに軽妙なやりとりが続きます。時間を惜しむように、それはもう次から次へと言葉が出てくるんですが、9年前の約束をすっぽかした(ちゃんと理由はあったが)彼女をジェシーはなかなか名前で呼べなかった…ような気がします。(すみません、字幕では中盤まで彼女の名前が出なかったと思うんですが、はっきり確認したわけではありません。)
また、「溶けてしまうか確認したい」といきなり彼女に抱きつかれたときの、一瞬こわばった後のジェシーの表情。歌手のものまねで踊りながら「飛行機に乗り遅れるわよ、ぼうや」と声をかけるセリーヌに、「わかってる…」と答える時のなんともいえない表情が良かったです。
甘いようなほろ苦いような余韻が残るラストがたまりません。

映画「街の灯」観ました

 | ロマンス  Comment(12) 
Tag:チャールズ・チャップリン

街の灯
製作:アメリカ’31
原題:CITY LIGHTS
監督:チャールズ・チャップリン
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】一目惚れした盲目の花売り娘に、裕福な紳士だと勘違いされた浮浪者のチャーリー。その夜、酔って自殺しようとする大金持ちの男を助け親友になるが、酔いが醒めれば他人だ。チャーリーは目の手術代を稼ごうとするが…。

ひさしぶりに再見してみました。
う~ん、やっぱりいいなぁ。心が洗われるようです。
セリフ(字幕)なんてわずかしかないのに、それに気付かないくらい夢中になって観てるんですよね。チャップリンのコミカルな動き、それを盛り上げる音楽…冒頭から一気に楽しい気分にさせてくれます。
ボクシングの試合で大笑いしたのはもちろん、裸婦像の前で行ったり来たりするシーン(後ろの穴は何なんだろう?)とか、パーティで酔っ払い同士世話し合っている様子も面白かったです。あと、冒頭の演説に「ぺぺぺーぺぺ、ぺぺーぺぺぺ」という擬音が入っていたのも地味に笑えました。

そしてラスト、チャップリンが浮かべた精一杯の笑顔…。
ふたりの心情を知りたくて、思わず巻き戻して何度も観てしまったんですが、何度観ても涙がこみ上げてくるんですよね。
不朽の名作とはこういうものを言うのだと再確認できました。

関連記事
「キッド(1921)」観ました
「チャーリー」観た

映画「雲の中で散歩」感想

 | ロマンス  Comment(4) 

雲の中で散歩
製作:アメリカ’95
原題:A WALK IN THE CLOUDS
監督:アルフォンソ・アラウ
ジャンル:ロマンス/ドラマ/文芸

第二次世界大戦が終結し、結婚後すぐ出征したポールは再会した妻との間に溝を感じた。そんなある日、出張の途中で悩める女性ビクトリアと出会う。彼女は葡萄の収穫で実家に帰る途中だったが、別れた男の子どもを身ごもっていたのだ。

「父親のいない子供を産むなんて知れたら、厳格な父に殺される。」と嘆く彼女に同情し、一日だけ夫役になると約束したけれど…というラブストーリー。
冒頭で”出迎えもせず、毎日書いた手紙も読んでおらず、話も聞かない”妻と再会し、その後に主人公が旅行してるふうだったので、てっきり妻と別れて新しい人生を探しに出かけたのかと思っていたんですが…。実際は、妻の言うままに好きでもないチョコレート・セールスの仕事をしていただけだと分かってがっくり
出鼻を挫かれた気分でしたが、ビクトリアの家族の可愛げのあるキャラクターと、葡萄園での様子は見ていて楽しかったです。
とくに、とぼけた感じのおじいちゃんと不器用な父親との対比が面白いんですよね。父親がポールを追い出したがれば、おじいちゃんはチョコレート食べたさに歓迎するし、父親が葡萄収穫の速さを競い合っていれば、おじいちゃんは代々伝わる葡萄の木を見せてあげるし。実は、事情どころか二人の想いにまで気付いてる(と思われる)おじいちゃんの行動がナイスです。
また、霜から葡萄を守るために、火を焚いて両腕につけたウチワの様なもので暖かい風を送る作業は幻想的でロマンチック。娘たちによるナマ足さらしての葡萄踏みも楽しげでしたが、潔癖症ぎみのわたしには靴脱いでそのまま樽に入るというのがちょっと…。
途中、ポールが孤児だった事がわかり、それじゃあ妻と別れられないかと思い直したりもしたんですが、結局ポールは最後まで自分から行動しようとせず周りに流されていただけで、ハッピーエンドの感動も薄まってしまった気がします。離婚は自分で決断して欲しかった…。

B001G9EC0I 雲の中で散歩 [DVD]

映画「プライドと偏見」観ました

 | ロマンス  Comment(2) 
Tag:イギリス

プライドと偏見
製作:イギリス’05
原題:PRIDE & PREJUDICE
監督:ジョー・ライト
原作:ジェーン・オースティン
ジャンル:★ロマンス/文芸

【あらすじ】18世紀末のイギリス、女性に相続権がない時代。五人姉妹のいるベネット家の近所に、独身の大地主ピングリーが越してきた。舞踏会の夜、長女がピングリーと惹かれあう一方で、次女エリザベスは彼の親友ダーシーに強い反感を抱き…。

最近、寝不足で何を観ても頭に入ってこなかったんですが、これを観て久々に心が潤ったというか…恋愛映画を観たなぁという満足感を得られました。

まず、勝気で聡明なエリザベスが非常に魅力的で、気に入らない求婚をぴしゃりと断る時などの強気な態度や、嫌いだと思っていた相手にしだいに惹かれていく時の繊細な表情がよかったです。今までキーラ・ナイトレイには興味がなく、「パイレーツ・オブ・カリビアン」といわれても思い出せないくらいだったけど、このエリザベスははまり役でした。
また、姉妹たちもそれぞれ個性的で、よくここまでタイプの違うのが揃ったなぁと言う感じ。冒頭ではしゃいでいる様子はまるで女学生です。娘たちを嫁にやるのに必死な母親の姿も、滑稽ながら女性が低くみられていた時代を強く感じさせます。
そして、忘れてはいけないのがエリザベスを優しく見守る父親の存在。出番が少ないのにも係わらず、彼の娘への愛情がひしひしと伝わってきます。
ラストの安堵と幸福に満ちた表情が印象的でした。

ドラマ版も良くできているそうなので、機会があったら観てみたいです。

関連記事
「いつか晴れた日に」観ました(ジェーン・オースティン)

映画「laundryランドリー」観ました

 | ロマンス  Comment(4) 
Tag:日本

laundryランドリー
製作:日本’01
監督・原作:森淳一
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】幼い頃マンホールに落ちたせいで脳に障害を持つ青年テル。彼は祖母のコインランドリーで、洗濯物が盗まれないよう毎日見張っていた。そんなある日、忘れ物を届けた事で親しくなった水絵が、再び忘れ物をして姿を消してしまう。

*ネタバレ注意*
おとぎ話のような不思議な雰囲気に絶妙な笑い。そして、シビアな展開に驚かされつつ、優しい愛に目頭が熱くなりました。
主人公の行動と障害者である事に引っかかっている方もいるようですが、彼の行動って奇行と言うほどおかしいでしょうか?
それに、「マンホールに落ちて脳に障害が」というのも本当の事かどうかわかりません。彼は祖母の言いつけで一度も帽子を脱ぎませんし、マンホールの上も平然と歩いています(踏んではなかったかも)。
その上、彼は両親の事を覚えておらず、「僕の記憶は大きな氷の中に閉じ込められていて、誰にも取り出せない。」というセリフがあって、なんとなく両親を何らかの事故で亡くして、そのトラウマで健忘を起こしているのでは…と思ったんですよね。
まあ、外傷による記憶障害の方が自然だし、精神障害でも障害には違いないですが。それを言うなら、水絵もリストカットやら盗癖やら障害でてますし。

で、”奇行”とは思えなかった理由としては、忘れ物を届けたときの「あれから毎日毎日洗って、ぼろぼろになってしまった」という言葉。
それはリストカットの血痕をおとすためなんですが、”何度も”ではなく”毎日”と言ったのは、届けに行こうか迷っていたというニュアンスを含んでいたと思うんですよ(まさかヒッチハイクの間に洗っていた訳でもあるまい)。彼は祖母に守られて生きてきたようだし、今までコインランドリーが世界のすべてのようなものでした。それが、ヒッチハイクをしてまで会いにいくというのは、相当の覚悟があったと思うわけです。
何か色々書いててよく分からなくなってきたけど、ようするに、この作品は心に深い傷を負った男女が出会い、支えあい、つまづきながらも前進していくラブストーリーなんだと思います。
…ちょっと妄想入ってますけどね(笑)

関連記事
「リトル・フォレスト 夏」観ました

映画「逢びき」観た

 | ロマンス  Comment(4) 
Tag:イギリス デヴィッド・リーン

逢びき
窓に浮かび上がるローラのニヤケ顔。
製作:イギリス’45
原題:BRIEF ENCOUNTER
監督:デヴィッド・リーン
原作:ノエル・カワード
ジャンル:ロマンス/ドラマ

【あらすじ】毎週木曜には、買い物ついでに映画を観たりして楽しむ平凡な主婦ローラ。ある日、帰りの駅で汽車のススが目に入り、それを医師アレックスが取り除いてくれる。それから何度か顔を合わすうち、ふたりは強く惹かれ合うようになるが…。

ローラと男がいるテーブルにお喋りな友人が割り込み、友人が話しているうちに男は去ってしまう。そして、悲嘆に暮れるローラが回想にふけるところから物語は始まります。
淡い恋心がいつしか深い愛情に変わり、強く惹かれながらも罪悪感にさいなまれる様子がじっくりと描かれ、不倫ものにしては入り込めたと思います。
ただ、病弱な奥さんや息子の事故(脳震盪だけ)の事を忘れてデートを楽しむ彼らの気持ちは分からないし、そうなると最初は良いと思っていた彼女のモノローグもだんだん鬱陶しいものに感じてしまいました。
この作品をいいと思うかどうかは、結局のところ彼女たちに共感できるかどうかで決まりそうです。

「君は遠いところへいっていたね。でも良く戻ってきてくれた」
ラストの旦那さんの優しさには脱帽しました。

関連記事
「大いなる遺産(1946)」観ました
「旅情(1955)」観た

映画「ラヴェンダーの咲く庭で」観た

 | ロマンス  Comment(1) 
Tag:イギリス

ラヴェンダーの咲く庭で
製作:イギリス’04
原題:LADIES IN LAVENDER
監督:チャールズ・ダンス
原作:ウィリアム・J・ロック
ジャンル:ドラマ/ロマンス

【あらすじ】1936年、イギリスのコーンウォール地方。嵐の去った浜辺で青年を発見し、連れ帰って看病する事にした老姉妹ジャネットとアーシュラ。言葉の壁にぶつかりながらも、アンドレアという名のポーランド人でヴァイオリニストだという事が判明。アーシェラは淡い恋心を抱くが、やがて彼は画家オルガと親しくなってゆく。

始まりはさながら「人魚姫」のようで、少女のように胸をときめかせるアーシェラが可愛らしいです。
有名な女優さんらしくどこかで見たような感じはしたものの、彼女の仕草や眼差しを見ているうちに人違いだと思えてしまいます。夢でアンドレアにふさわしい”若かりし頃の自分”に戻っていても、まるで違和感がありませんでした。
また、妹の”実らぬ恋”を心配しながら、夫に先立たれ子供がいないために彼を引き留めようとしてしまうジャネットもよかったです。
ただ、彼女たちの過去がほとんど描かれていないので、(戦争のせいで?)アーシェラが結婚どころか恋愛経験もないらしい事がわかるのが唐突だった気がします。戦争の暗い影がちらほら見えるんですが、あまり深く描いていないのでやや物足りなく感じました。
イワシパイ
…ふたりが美味しいと言っていた「イワシのパイ(stargazy pie)」が衝撃的。

映画「マーティ」観ました

 | ロマンス  Comment(1) 

マーティ
製作:アメリカ’55
原題:MARTY
監督:デルバート・マン
原作:パディ・チャイエフスキー
ジャンル:★ロマンス/ドラマ

弟たちに結婚で先を越され、母に心配されるマーティ。土曜日には友人とナンパに励むが、容姿や体形のせいか振られてばかりだった。そんなある日、ダンスホールにくり出した彼は、同じ様な悩みを抱える地味な女教師クララと出会う。

容姿にコンプレックスを持つもの同士が出会い、惹かれあってゆくお話。
映画の中では美男美女の恋が氾濫していますが、現実にはそうじゃない人のほうが多いわけで、”そうじゃない人”に含まれる身としてはとても共感できる内容でした。ただ、不美人であるはずのクララが普通に清楚な美人なので、そんなひとが不細工呼ばわりされていると(本気でなくとも)軽くヘコみます…。

まあ、それは置いといて、不器用なマーティの恋模様は地味ながら楽しめました。
つい浮かれて自分の事ばかり話してしまったり、険悪なムードに気付かず相談を持ちかけたり、踊りだしそうな勢いで看板(?)を叩いたり…見ていてほのぼのしてきます。
そして、彼の気付かないところで膨らむ母親の”不安”や友人の”妬み”など、身近に起こりうる問題が描かれていたのも良かったです。
終わり方はちょっと唐突でしたが、ひとに勧めたくなるような作品でした。

B000KQFCNO マーティ [DVD]