アニメ/人形アニメ 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「千と千尋の神隠し」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(1) 
Tag:日本 宮崎駿

千と千尋の神隠し
製作:日本’01 125分
監督:宮崎駿
ジャンル:★ファンタジー/アドベンチャー

【あらすじ】引っ越の途中で、両親と共に奇妙な世界へと迷い込んだ少女千尋。勝手に神々の食べ物を食べた両親を豚にされ、自身も働かなければ豚にされてしまうと知る。ハクという少年の助けで、彼女は湯屋で働く事になるが…。

ジブリ作品の中だと「猫の恩返し」の次に好きな作品ですね~。何が好きって、さみしんぼうのカオナシが可愛くて可愛くて…。もうイラストに描いた編み物をするシーンなんて、可愛すぎて「スキ♥」って感じですし、話しかけてくれた千尋に懐いて愛が暴走しちゃうところも大好きです。もう寂しくて寂しくて、食べちゃいたいくらい千尋が好きなんだなぁとキュンキュンしました。
銭婆のところへ行く千尋におとなしくついて行くところも、インプリンティングされた雛鳥みたいで可愛いじゃないですか。あんなに暴走してたのが、憑き物が落ちたかのように(実際には取り込んだ相手をその欲望ごと吐き出しきった感じ)いい子になってついて行くんですよ。ネズミになった坊が目を輝かせて列車の窓を見ている横で、お行儀よくしてるのがもう!
カオナシが何なのかは描かれてませんが、この八百万の神たちが暮らす国にいる存在だから、きっと何かの神なんでしょうね。私の想像だと、長年使った道具に宿る付喪神の類で、昔はみんなに必要とされていたのに、時代の変化ですっかり人々に忘れ去られた存在なのかなと思いました。
ついでに、この列車に乗ってる影みたいな人たちは亡くなった人で、あの列車の行き着く先は黄泉の国なのかなぁと。こういう想像の余地があるところも、この作品の好きなところです。
例えば、序盤で神様の食べ物をむさぼり罰を受ける両親のエピソード。色んな国に存在する神話やおとぎ話によく出てくるエピソードで、神様の食べ物を目の前にしたら大抵の人間は我慢できないんですが、千尋はまだ俗世の穢れに染まってないから大丈夫なんだろうなぁと思ったり。あと、彼らが神隠しされてたのはたぶん3か月くらいで、きっと一家失踪事件とかテレビでニュースになったりして…。その間の支払いとかどうなるんだろう?(汗)

そして、やっぱり千尋とハクですね。出会いからして胸きゅんです。いきなり両親が豚にされて、自分も消えそうになって、ハクに助けてもらったかと思ったら「ハク様と呼べ」とか「ハクは湯婆婆の手先だ」とか言われて頭の中ごちゃごちゃで泣き出してしまうのも仕方がない。
でも、それでも信じる心を失わない千尋が好きです。どちらかというと臆病な子だったのに、本当に色々あって、化け物みたいになったカオナシに追いかけられてもまったく動じない強い子に!
ハクに乗って飛びたち、やっと彼との出会いを思い出したシーンは何度見ても鳥肌ものです。
気になるハクのその後ですが、湯婆婆に八つ裂きにされてもいいと言っていたものの、ただの口約束だし湯婆婆も本気じゃなかったというか怒りに任せて言っただけで、あの和やか楽しいムードの後には毒気も抜かれて追放くらいで済ませたと思います。あと坊が怒るでしょ、大好きな千尋のボーイフレンドだもん。
川(の神)として再会できるのか、それとも人間か何かに生まれ変わって再会できるのかはわからないけど、いつかきっと再会できると思います!

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映画「猫の恩返し」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(2) 
Tag:にゃんこ 日本

猫の恩返し
日’02 75分
森田宏幸/柊あおい
★ファンタジー/ドラマ

【あらすじ】助けた猫が猫の国の王子だったために、猫たちにはた迷惑な恩返しを受けることになった女子高生ハル。王子との結婚まで決められ困っていた時、突然”猫の事務所を探して”という不思議な声を聞き…。

可愛い。とにかくかわいいです。猫も可愛いけど、素直でまっすぐなハルが可愛い。ジブリヒロインに多い、近寄りがたいオーラがなくって、どこにでもいそうな元気で可愛い女の子って感じなのがいいんですよね。
猫と結婚させられそうになって「嫌だー」とか言ってたのに、バロンと出会って第一声が「カッコいい」(笑)
その後もバロンにときめいているんだけど、彼女の言う通りバロンがカッコよすぎるのでぜんぜん不自然に感じません。
しかも、猫化してからもハルはハルで可愛いんですよ。あのヘンタイ王が執心するのも頷けます。

これを書いているのが「耳をすませば」の雫っていうのも、またいいじゃないですか。バロンが生き生き描かれているのも、彼が雫ちゃんのミューズ、もといイマジネーションの源だから当然。彼が登場するシリーズのうちの一作品なのかな~とか、雫ちゃんめっちゃネコ好きだなあとか、もう小説家としてデビューしたのかなぁとか、想いを馳せつつ観たので2作品同時に楽しんだ感じです。

あと、猫の国ののんびりした雰囲気と、ここぞという時に頼れるムタやトト、意外とまともな王様の側近さんのキャラなども良かったです。
あ、猫の国の王子は山田孝之さんが声をやってたんですね。気付かなかった。
終盤のカラスたちの階段を下りていくシーンはさすがジブリという感じで躍動感あったし、去り際のバロンがまたカッコいいし、髪を切ったハルちゃんが可愛くて大満足でした。好きです。

映画「風の谷のナウシカ」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(11) 
Tag:宮崎駿 日本

風の谷のナウシカ
製作:日本’84 116分
監督:宮崎駿
ジャンル:★ ファンタジー/ドラマ/アクション

【あらすじ】風により”腐海”の毒から守られていた”風の谷”。そこでは心の優しい王女ナウシカと、彼女を慕う国民たちが手を取合い暮していた。そんなある日、オームに襲われた輸送船が墜落。それに積まれていた兵器を巡り、この地は争いの渦に巻き込まれてゆく。

久しぶりに再見しました。ひたすら王蟲が可愛い!!!
私の虫好きの原点かもしれないです。大きいのも大好きですが、抱っこできるサイズの王蟲がもう可愛くて可愛くて。これは守ってあげたくなりますよね!
たぶんナウシカって、クラリスやシータ、ラナ並みに聖女or聖母ヒロインなんだけど、私が王蟲だいすきだから感情移入しやすいんですよ。空を舞うメーヴェを乗りこなすサマも素敵だし、憎しみに駆られて人を殺してしまったというエピソードもあって完璧聖女というわけじゃないところもとっつきやすい。
まあ、よく考えると優秀な戦士で、研究者で、動物と心を通わせられて、メーヴェを乗りこなして、飛行機も操縦できて、度胸があって優しくて、明るくて、カリスマで、可愛くて、スタイルも良くて、お前欠点とかあるのかよ?というくらいのパーフェクト・ヒロインですが。

あと、王蟲も好きだけど、彼らが暮らす腐海とそれに侵食されつつある荒廃した世界も大好きです。
原作の設定を聞きかじっていたので、初見時よりも”巨神兵をつくった時代の人間はクソ”っていうのがわかって、そんな前人類の思惑なんて関係なく必死に生きていく人々の姿に応援したくなります。
巨神兵も人間の欲望によって生み出されたのに、あんな風に利用された上に”存在しちゃいけない”扱いで哀れに感じました。

ユパ様も超かっこいいし、曲もいいし、昔持ってたアニメソングのカセットに入ってた歌も思い出したりと懐かしかったです。なんで使わないんだろうなぁ?

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映画「ベイマックス」観た

 | アニメ/人形アニメ  Comment(2) 
Tag:にゃんこ

ベイマックス
原題:BIG HERO 6
製作:アメリカ’2014 102分
監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
ジャンル:アドベンチャー/コメディ/ファミリー

【あらすじ】幼くして両親を亡くし、兄タダシと叔母キャスのもとで育った天才少年ヒロ。兄の通う最先端のロボット研究を行えると喜んでいた矢先、兄を謎の爆発事故で失う。心を閉ざすヒロだったが、タダシが作ったケア・ロボット“ベイマックス”が彼を癒そうと動き出し…。

映像が素晴らしかったです。
近未来の世界にもすんなり入っていける登場人物たちの生き生きした様子に心を鷲掴み。
さらにぽよぽよしたベイマックスの可愛いことと言ったら。普段は箱型に収納されていて、助けを求める声を聞きつけると膨らんでぽよぽよ歩いてくるんですよ。寒い時は内部のヒーターを稼働して抱き着くところも素敵。
憎しみに染まりそうになるヒロに、タダシの想いを伝える展開も感動的でした。

…ただ、それらが素晴らしいだけに細かいところがちょこっと引っかかってしまったり。
兄の死の真相を知ってからのヒロの明るさに違和感を覚えたり(テンションが上がるのはわかるんだけど楽しそうすぎて…)、序盤の科学オタクたちの作るものが明らかに兵器寄りだったり。
あと、バッテリー問題はいつ解決したんだろうとか、ラストのカードを抜いたら動けないのではとか…。
オンエアを観たのでカットされてた可能性もありますが、いまいち乗り切れませんでした。
でも、まん丸にゃんこが可愛かったので続編があったら観ます!

映画「パンダコパンダ」観ました

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Tag:日本 高畑勲
パンダコパンダ

『パンダ・コパンダ:Panda Go Panda』

製作:日本’72 35分
監督:高畑勲
ジャンル:★ファミリー/ファンタジー

【あらすじ】おばあちゃんが法事で田舎に出かけることになり、たったひとりで留守番することになったミミ子。そこへ、子パンダのパンちゃんとお父さんパンダのパパンダが現れ、そのままミミ子の家に居候することに。ミミ子もパンちゃんのママになって大はりきりだったが…。

超久しぶりに再見。ちゃんとストーリーのある作品だったんですね。断片的な映像と、耳に残るテーマ曲しか覚えてませんでした。
おおらかで大ざっぱで、パンダがしゃべっても誰も驚かないエブリデイ・マジック系。みんなノリだけで行動してる感じに癒されます。(見たのは肝試し企画の真っ最中)
ミミ子がパンちゃんのママになって、パパンダがミミ子のパパになって、不思議で楽しい生活が始まるのがいいですね。家の周りが竹藪で、食事の時もテーブルにドーンと竹が載っていたり。

パパンダの口癖が「とくに竹やぶがいい」というのも怖可愛いです。
パンダといえば笹だと思ってたけど、竹もバリバリ食べるのが普通に怖い!
あの硬い竹(直径10cmくらい)をバリっとかみ砕くのを間近で見たら、ミミ子のように受け入れる自信ないわぁ…。トトロの原型で、口が大きくて丸呑みされそうでした。
あと、パパンダが来てから家具や家を壊されまくって、おばあちゃんが帰ってきたら卒倒しそう(でも、帰ってくる気配がぜんぜんないのは何故?)

しかし、ミミ子が嬉しいことがあるとスカートも気にせず逆立ちする子で、パンツアニメかというほどパンツが印象に残ってしまいました(笑)
6歳くらいかと思ってたけど、おしゃべりが達者だし、家事も一通りこなすから10歳くらいだったのかな?
パンちゃんのママをやってる時のませた感じと、パパンダに甘える子供らしさのギャップが可愛いです。
ラストのオチも微笑ましくて、思わずニッコリできる作品でした。(動物園に見に来る人たちはお布施したいのだろうか 笑)

『パンダ・コパンダ 雨ふりサーカスの巻』

製作:日’73 38分

【あらすじ】ミミ子とパンちゃん、パパンダの家族は、幸せな毎日を送っていた。そんなある日、家に子トラのドラちゃんが迷い込む。街にはサーカスがやってきており、迷子になってしまったのだ。サーカスでドラちゃんのママともお友だちになるミミ子たちだったが、その夜、大雨が降って…。

二作目があったんですね~。こっちはポニョの水没シーンを連想しました。幻想的で美しく、やっぱり怖いです(笑)
あと、サーカスのトラちゃんが「くまのプーさん」のティガーみたいだし、トラちゃんを見つけるまでの過程「僕の~を食べた」「僕の~を壊した」はたぶん「白雪姫」?
水没した街を見て「素敵!」というミミ子にドン引きだけど、夢の世界だと思えばまあ。
悪い人はひとりもいなくて、水中で汽車が走る、本当におとぎ話のような作品です。

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映画「シュガー・ラッシュ」観ました

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シュガー・ラッシュ
原題:WRECK-IT RALPH
製作:アメリカ’2012 101分
監督:リッチ・ムーア
ジャンル:★ファンタジー/アドベンチャー/ファミリー

【あらすじ】閉店後のゲームセンターでは、一日の“仕事”を終えたゲーム・キャラクターたちがそれぞれの生活を送っていた。30年間も悪役を演じてきたラルフは、ある時、ヒーローになりたいと自分のゲームを脱出。お菓子の国のレース・ゲーム“シュガー・ラッシュ”に迷い込んだ彼は、仲間はずれのおてんば少女ヴァネロペと出会い…。

なかなかの感動作でした。
かなりざっくり言うと「ノートルダムの鐘」を現代ウケするよう焼き直ししたような感じ(ラストもだいぶハッピーに)なんだけど、にぎやかなゲーム世界の懐かしさや可愛らしさがミックスされて、印象はだいぶ違います。
とくにヒロインは友情担当と恋愛担当に分かれていて、ラルフとの友情を深めるヴァネロペちゃんがとても魅力的。ラルフと同じように厄介者扱いされて独りぼっちだった彼女が、ラルフと一緒になって自分の居場所を作ろうとする展開が熱いです。
最初は反発してたラルフが、いつのまにか彼女のために必死になって、最後は命がけで守ろうとする気持ちの変化がしっかり伝わってくるので、思いっきり感情移入できるんですよね。

一方、この明るく楽しいゲームの世界だと、彼を追い詰めた張本人であるフェリックスや同じゲームの住人たちの残酷さがより際立ってました。まったく酷いことをしているという自覚がなくて、ラルフが「悪役はもう嫌だ!」と言って飛び出していってしまったのを、急に変なことを言い出してどうしたんだ?という様子。
もうムカつくのを通り越して怖いです(汗)
まあ実際、こういうのって本人たちに自覚がないケースも多いからなぁ…。
ラストにはラルフへの優しさを見せるようになったものの、住民たちの謝罪がないので若干もやもやしました。

でも、だからと言ってよくないというわけではなく、嫌でたまらなかったビルから落とされる瞬間が、ヴァネロペの幸せを見守ることができる大好きな瞬間に変わったというところはホロリとしました。
欲を言えば、ホームレスたちに家を作ってあげるくだりで、ラルフが新居で暮らす様子もちらっと見せてほしかったかな。ヴァネロペがみんなに受け入れられるシーンや、フェリックスとヒロインの結婚式など、他のキャラの幸せ目一杯なシーンがあるので、ラルフの控えめな幸せが微妙に寂しそうに見えるんですよね。
…まあ、それもこの作品の味わいではあるのですが。

あと、ゲームの世界らしい描写も面白かったです。
なんせ序盤から、有名なゲームの悪役たち(クッパやベガ)が集まってグループセラピーを受けてたりするし(笑)
タコ足配線されたコンセントの中が駅のホームのようになっていて、ゲームキャラクターたちがゲーム世界を行ったり来たりしているというのも楽しい。
レースゲームのコースの途中に、作り途中のエリアへ入る裏技があったりと、ゲーム好きにはたまらないです。
エンドロールの後には、ディズニーお馴染みの”お城のロゴ”が不具合でちらつくという演出もあるんですが…今回のオンエアではエンドロールが超ミニ画面で早送りになっててよく見えなかった!(涙)
いつかちゃんとしたのを観てみたいです。

映画「風立ちぬ(2013)」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(10) 
Tag:日本 宮崎駿

製作:日本’2013
監督:宮崎駿
ジャンル:★ドラマ/ロマンス/青春

【あらすじ】大学卒業後、晴れて少年時代からの夢だった飛行機の設計士となった堀越二郎。1933年夏、ドイツとの技術差を痛感していた彼は、以前助けた菜穂子と軽井沢で運命の再会を果たすが…。

評判が微妙だったので期待してなかったけど、とても良かったです。宮崎駿監督作品で楽しめたのは「千と千尋の神隠し」以来かも。
アニメ的な表現が「何かに没頭する人」の感じを見事に再現していたし、「風立ちぬ」のタイトル通り風を感じる作品でした。
小説「風立ちぬ」の映像化作品はまったく入り込めなかった私ですが、この作品のロマンス部分は不思議と抵抗なかったです。花嫁衣装をまとって花の舞うなか歩くシーンは、美しすぎて泣けてきたくらい。
純粋可憐なジブリヒロインらしく醜さなんてひとつも描かれないけども、紙飛行機を飛ばして無邪気に笑い合っていた様子を思い浮かべると、それでもいいかなと思えてしまう。
少なくとも、彼らは限られた時間を「目一杯美しく幸せな時間」にしようと意識して過ごしてたのは伝わってきて、それが逆に描いてない醜い部分の存在を意識させなくもない…ような?

あと面白かったのが主人公のキャラですね。交通事故に遭わないか心配になるくらい「ふらっ」と夢の世界に入ってしまう人で、飛行機の事となると子供のように目を輝かせるところや、設計している時の真剣な表情、素直で端的な台詞回しがしっくりきます。
正直彼の声は好きではなかったものの(せめて学生時代にもう一人…)、彼の言動が面白くてそれだけで笑ってた時間が結構あったり。さばの骨の曲線を見て「美しい…」とか「牛は好きだ」とかツボでした(笑)
他には、効果音をボイスパーカッションでやっているところが凄いです。凄い=素晴らしいではないけども、地震の地響きを表現するくだりは恐怖を煽る感じで良い。ただ、プロペラ音などところどころ違和感があったので、使いどころをもっと限定した方がよかったとは思いました。…ボイパの人、口が疲れただろうなぁ。
好き嫌いが分かれそうな作品ですが、個人的には「美しいものを作りたい!」という情熱に共感できたし、その情熱のせいで最愛の人を最優先できない事、情熱の産物が多くの人の命を奪ってしまうという事への葛藤、罪悪感も、何度も描かれる彼の心象風景からしっかり伝わってきて、見ごたえある作品だと思いました。

映画じゃなく主人公への批判ばっかり書いてる人がいるけど、いつの時代にも、なりふり構わず好きな事に没頭して何かをやり遂げる人がいて、この作品はそれをよく描いていたと思います。
こういう天才タイプは生まれた時代に左右されず自分の使命を果たそうとするし、だからこそ科学技術の急速な発展があって、その恩恵(戦争ではなく天才の)にあずかっている以上、彼らの行動に対してまったく無関係とは言えないと思うんですよね。
責任の事を言うなら、主人公・堀越二郎ではなく戦争を起こしてしまう人間そのものにあると思います。
彼の飛行機だって時代が違えば人のためになっただろうし、戦時中だってパイロットを守るために性能を良くしようと頑張ったはずで、結局は使い方しだいでしょう。
別にこの作品は彼の行為を肯定しているわけじゃないと思うし、私はこの作品から、本来なら美しいものを作り出す才能を汚してしまう戦争なんて二度とごめんだ、という思いを感じました。

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短編映画「Junk Head 1」観ました

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Tag:日本

製作:日本’2013 
監督:堀貴秀
ジャンル:★SF/アニメ

【あらすじ】人口が激減した遠い未来、人類は不死とも言える寿命を得た代償に生殖能力を失った。やがて、労働力として生み出したクローン生命体と対立。1200年後、人類は下層で生きるクローンの生態調査を始めるが…。

これはすごいですね!
今朝、gyaoで配信期間ギリギリだと気付いて観たほぼ一人で4年かかって作られた30分のコマ撮りアニメ(HPで公開中)。デザインが超私好みで、クリーチャー好きにはたまりません。(ややグロいシーンあり)
「攻殻機動隊」を思わせる人類の進化した姿や、SF色濃厚な世界設定、ダンジョンのような下層世界が素敵でした。
首だけになってしまった主人公が(まだ生きてる)おとぼけ三人組のクローンに拾われるところから始まるんですが、この三人がいい味出してるんですよ。
クローンにも色々あって、人間のようなタイプと、おとなしい無害な動物タイプ、獰猛な肉食獣タイプがあって、彼らはもちろん人間タイプ。ちょっと小柄だし、子供なのかな?
彼らと一緒にいる中盤は、コミカルでほのぼのしてました。クローンを生み出したのは人間だから、主人公を”神様”と呼んだり、記憶喪失でぽけっとしてる主人公に振り回されたり、彼らもちょっと抜けてたり。
私の好きなマンガ「宇宙家族カールビンソン」のノリと似てるかも(笑)
後半は主人公が単独行動をとっちゃって、アクションとか見ごたえあるものの、ちょっと寂しい。続編にも登場するかな?
たぶんみんなデタラメ語をしゃべってて、字幕がついてます。ひとりでつくるための工夫なんだろうけど、ゲームでよく使われるから馴染み深いというか…。わたしが好きなマンガやゲームや映画の雰囲気・要素があるから、こんなに懐かしい感じがするのかも?
HPには、本編動画とメイキング動画、設定やキャラ情報、続編制作支援(特典付き)の募集とかいろいろ載ってます。
これからも活躍してほしいなぁ♪

映画「ほしのこえ」観た

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Tag:日本

ほしのこえ
製作:日本’02
監督:新海誠
ジャンル:SF/青春/アクション

【あらすじ】中学3年の夏、美加子は国連宇宙軍の選抜に選ばれたことを昇に告げる。翌年、美加子は地球を後にし、昇は普通に高校へ進学。地球と宇宙に引き裂かれたふたりはメールで連絡を取り続けるが…。

ファンタジー企画一作目は25分のSFアニメ「ほしのこえ」。
最初はただ「これを一人で作るなんてすごいなぁ」と思いながら観ていたんですが、だんだんとふたりの距離が離れて、メールのやり取りすら思う通りにいかなくなってくるに従って切なさがこみ上げてきました。
想いをこめたメールが届く時、彼らはまだ変わらずにいるのだろうか…?

メールって手紙と違って手軽で気軽なイメージがあるけども、そういうツールを使っても、シチュエーションによってはこんなにも想いを表現できるものなんですね。
宇宙の孤独感、距離と時間が隔てる彼らの想い、切なさに、ジーンときます。
戦闘中、ロボットの中で制服着用は違和感ありましたが、彼女が”日常”を忘れないために着ていると思えば納得できない事もないかな。宇宙服なしでも安全なロボット兵器ということで…。
短い時間にも関わらず、この世界観にどっぷり漬かれました。

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映画「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」観ました

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Tag:日本 高畑勲

赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道
製作:日本’2010
監督:高畑勲
原作:ルーシー・モード・モンゴメリー
ジャンル:★ファミリー/ドラマ

【あらすじ】カナダ、プリンスエドワード島。孤児院からカスバート家に引き取られてきた少女アンは、この島の美しさに心躍らせていた。だが、実はマリラとマシュウがほしがっていたのは、働き手となる男の子で…。

これはよかったわ~。アニメシリーズを編集した劇場版で、アンがあの家で暮らすと決まるまでのお話だけを描いてます。
駅で出会ってから歌うようにしゃべり続けるアンは、わたしが今まで抱いていたイメージそのものでした。原作は未読だけど、これでこそアン!
これだけ思ったことを何でも口にしてしまう彼女なら、「女の子なんて何考えてるかわからなくて怖い!」と思っていたマシュウに受け入れられたのも納得です。
それに、自分の故郷にあそこまで感動して好きだと言ってもらって、嫌な気分になる人はいませんよね。
頑なに反対していたマリラの心情も丁寧に描かれており、生活に余裕があるわけでもない彼らが計画を変えてまで彼女を引き取る事になる展開も、説得力ありました。
飲み込みが早くてしっかり者で、前向きで優しく、美しいものを美しいと素直に受け止めるアン。彼女と一緒にいると、世界が輝いて見えそう!
この作品って、もしかしてミュージカル向き?
印象的だったのは、「前に引き取ってくれたところの奥さんはよくしてくれたのか?」とマリラに尋ねられる場面。
「そのつもりだったのよ。できるだけ親切にしようしてくれてた。それが分かっていれば実際はそうでなくってもそれほど気にならないわ。」と話すアンは、本当に強くて優しい。
TVシリーズの続きや原作も観たいなぁ!

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映画「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ(前・後)」観た

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Tag:日本

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ
(クリックで拡大)
製作:日本’2012
監督:新房昭之
原作:Magica Quartet
ジャンル:ファンタジー/ミステリー/アドベンチャー

【あらすじ】中学二年生のまどかの前、不思議な転校生ほむらが現れる。彼女は助言らしきことを言うも、まどかに対して冷たかった。その後、彼女と親友のさやかは、謎の空間に迷い込み、そこで”魔女”を倒す”魔法少女”マミと出会い…。

ミステリー企画の二作品目は、たまたまオンエアしていたこちらで(汗)
正直あまり好みではないものの(戦い方とか)、映像センスはさすがという感じだし、TVの再編集版とは思えないほどのテンポのよさで、深く考えたら醒めてしまいそうな展開でも、ぐいぐい引っ張ってくれました。
ただ、やはりTV版を観てないせいか、登場人物の行動には違和感を覚えることが多かったです。
まず、マミさんと出会ってからの交流が少なくて、彼女の「自分で決めていいのよ」という言葉と裏腹に、”寂しい”、”一緒に戦ってほしい”という想いが全面的に伝わってくるシーンばかりだったので、ちょっと怪しい勧誘のひとに見えてしまいました(笑)
なので、まどかたちがあの出来事でショックを受けるのはわかるものの、さやかがあそこまでほむらちゃんに敵意を持つのか良くわからないんですよね。正義感が強いというより、喧嘩っ早いような。
まあ、動物虐待を目撃したからでしょうけど、観客にはQBの不気味さの方が伝わってくるので、わかりにくいです。
日常シーンは冒頭のみといってもいいくらいなので、まどかにも感情移入できませんでした。彼女、緊急時に家族を思い浮かべることもないし…。
ついでに、ひとみがお見舞いに来る描写もなかったので、将来性がなくなったら即行捨てそうな女に見えたり(昼ドラか!)
というわけで、やっぱりちゃんと理解するにはTV版を最初に観た方が良かったのかなぁ。まあ、この欝展開を6時間も観てられないですが(アニメとマンガは笑いがないと無理な人間なので)。
この先どうなっていくのか、前編はいろいろ考えながら観られて、ミステリー企画のチョイスとしてはなかなかだったと思います。

後編は、登場人物それぞの性格もわかってきて、さやかちゃんがどれだけ普通だったかしみじみわかりました。
マミさんもほむらちゃんも精神的に強靭すぎ…。終盤「戦える魔法少女がもうほむらちゃんしかいない」ってどういうこと!?
ラストは何でもあり展開なものの、”魔法少女たちの希望・願いまで否定したくない”というまどかの想いがあって、かろうじて踏みとどまったというか。
何より、さやかちゃんが自分のエゴ…というか素直な気持ちを認めて、その上で相手の幸せを望むと言えたくだりがいいですね~。
QBの故郷の事も見せてほしかったなぁ。彼らの事は、よっぽどの暇人っていうことくらいしか分からなかった…。「魔法少年はだめなの?」とか聞いてみたいです(笑)

映画「AKIRA」観ました

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Tag:日本

AKIRA
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製作:日本’88
監督、原作:大友克洋
ジャンル:★SF/アクション

【あらすじ】第3次世界大戦後の2019年、ネオ東京。バイクの事故で転倒し、軍に連れ去られた鉄雄。彼の幼馴染である金田は、鉄雄を探している折に反政府ゲリラの少女ケイと出会う。その頃、鉄雄は人体実験により不思議な能力に目覚め…。

わたしの肝試し大会、最後の作品。ホラーじゃないけど長年のトラウマ映画です。
まずは緻密な描き込みにビックリしました。猥雑な街の様子は「ブレードランナー」を髣髴とさせて私好み!
そこに暴走族の少年たちによる乱闘が起こるんだけど、絶対死人でまくりという殺伐としたシーンなのに、バイクの走る映像がカッコいい!
ランプの残像とBGMが相まって疾走感出てました。
このBGM「金田のテーマ」がいいんですよね~。どことなく未来的なのに、青森ねぶた祭りの「ラッセーラー」という掛け声が入り、さらに楽器は東南アジアっぽい?
テンションがあがる曲なのに、そのアンバランスさが一緒に不安感も煽ってくれて、この先なにが起こるのかハラハラしてしまいました。
そして登場する青白い皺だらけの子供たち。いったいどれくらいの間”実験体”として生活していたのか…。見た目は老人でも声は子供そのもので、胸が締め付けられます。
彼らを番号で呼ぶ科学者と、名前で呼ぶ軍人の違いが印象的でした。どんな事情があるにせよ、こんな恐ろしい実験は悪魔の所業です。
そして、長年のコンプレックスから暴走していく鉄雄も、こんな力を手にしなければ、あんな事にはならなかったと思うと切ない…!
きっと金田と対等でいたい、認められたいと思っていただけなんだよね…。
また、勝手に頭の中をいじられた恐怖や、子供たちが見せる悪夢がおぞましく、今回の企画で観たどのホラーより怖かったです。
でも、意外な事に例のトラウマシーンは悲しい方が勝って、怖いとは思いませんでした。鉄雄の悲痛な叫びが胸に刺さります…。
ラストはよくわからなかったし、アキラとかあの力とかこの世界のこともぼんやりとしかわからなかったものの、それを補って余りある完成度の映画で、トラウマも克服できたし、本当に観てよかった!!
永久保存しようと思います♪

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アニメ「伝説巨神イデオン」TVシリーズ&劇場版観たよ

伝説巨神イデオン小
製作:日本’82
監督:富野喜幸
原作:矢立肇、富野喜幸
ジャンル:★SF/ドラマ/戦争

【あらすじ】植民星ソロ星で、異星人文明の遺跡を発掘していた地球人移民。そこへ、伝説の無限エネルギー「イデ」探索中の異星人バッフ・クランが現れ、両者の混乱から武力衝突へと発展する。移民の子供コスモたちが窮地に立たされた時、第6文明人の遺跡が合体し…。

これは凄かったです…子供向けのアニメというには壮絶すぎる内容。終盤はもうこれホラーだよね!?
ロボットアニメって、普通ロボットがカッコいいじゃないですか。それで、主人公がそれに乗って戦い、辛いことや悲しいことを知って、それを乗り越えて成長する姿が描かれたりします。
でも、これはなんか違う!
デザインはパッとしないけども、イデオンは間違いなく最強レベルのロボットです。イデオンが本気出したら、人類どころか宇宙だって滅ぼせそうだし、バリアを発動できればどんな攻撃でも防げるでしょう(頻繁に計画停電が起こるけど…)。
それなのに、その強さを知れば知るほど、”カッコいい”ではなく”恐ろしい”と感じてしまうんですよね。登場人物たちのなかで膨れ上がるイデオン(正体不明の存在)への恐怖、不安が画面越しに伝わってきます。
また、主人公(だけでなく登場人物の多く)の成長は目覚しいけども、辛いことや悲しいことを乗り越えた、その先が見えない…。
物語が進むにつれてひしひしと迫る絶望感…これでもかというほど人間の愚かしさを見せつけ、そのなかで帰る場所も逃げ場も失った主人公たちの心情の変化、種族を越えて信じ合おうとする姿を描きながらも、否応なしに戦うことに適応していく哀しさが胸に突き刺さります。10歳くらいの少年デクの戦場での冷静さを見てたら、だんだん泣けてきた…。

TVシリーズで描ききれなかった結末が劇場版の発動篇で、そこで明かされるイデの目的と、畳み掛けるような展開にはゾッとしてしまいました。
ラストはみんな幸せそうですが、それはもう戦わなくていいという安堵であり、イデの意思を肯定していたわけではないとは思います。でも、人間がこれまで通り愚かな行為を繰り返すのなら、これしか真の平和をもたらす方法はない…そう突きつけられたような気がして、それを否定できない自分がいて恐ろしくなったり。
見終わって呆然としてしまいました。

イラストは戦闘民族ばりに血気盛んなヒロイン、カーシャ。最初は「異星人なんて根絶やしにすればいいのよ!」的なセリフに「こえー女!」と思っていたけど、終盤になって本音では”戦いを終わらせたい=もう戦いたくない”という事だったんだなぁと思えて好きになっちゃいました。
全体的に女性陣がすばらしく可愛い面を持っています。
あと、面白いシーンも多くて、とくに前半は大笑いでした。ソロシップの登場シーンで、ギジェが「何故、わざわざ地中から…!?」というのがお気に入り。
後半のコスモの「我ながらよく当たる」もいいよね~。一度ヘルメットが壊れて、コスモのアフロがモコッとはみ出てるシーンなんか、笑わせようとしているとしか(笑)
デクといつも一緒にいるリスみたいな動物が、きちんとオーダーメイドの宇宙服を着ているのも可愛かった。ラストにデクと一緒にいたっけ…?
一番好きなのは痛々しくて人間らしいシェリルさんでした。絶望したのは彼女だけって…彼らタフすぎでしょ。
エンディングテーマ「コスモスに君と」は名曲です。後半に入ると泣ける泣ける…。この歌を歌っているのと、ヒロインの一人カララの声優が戸田恵子だと最後の最後で気付いてビックリした(笑)

映画「言の葉の庭」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(5) 
Tag:日本

言の葉の庭
製作:日本’2013
監督:新海誠
ジャンル:ロマンス/アニメ

【あらすじ】靴職人を目指す高校生のタカオは、雨の日は学校をサボり、近くにある庭園で靴のスケッチを描いていた。そこで、謎めいた女性ユキノと出会う。ふたりは約束もないまま、雨の日の公園で逢瀬を重ねるようになり…。

雨の中、人気のない公園で、学校サボってる男の子と一緒の空間にいるというのが私的にファンタジーなんですが(私なら風のように消えます)、美しいアニメーションや雨の風景と相まって、その雰囲気に浸れました。
ふたりの距離感や、短歌の使い方、湿度まで感じられそうな透明感のある風景(同じ公園でも様々な顔を見せてくれる!)がとてもステキ。梅雨の時期に観たかったかな。
それに、ふたりの心情も静かにしっかり描写していたと思います。
タカオのユキノへの憧れや焦燥感(ユキノの素足の寸法を測るシーンがエロティック!)、夢を追う事を嘲笑う大人への失望、理解者のいない寂しさ…。
そんな彼の心に安らぎを与えていたユキノも、悩みや不安、寂しさに押しつぶされそうになっていることが、しだいにわかってきます。
その悩みは現代社会らしい設定なんですが、それにもかかわらず、彼らの今までの繋がりはなんだか昭和らしい香りがして、豪雨の中の告白シーンなども、懐かしささえ覚える安心感がありました。
前半が淡々と静かだっただけあって、このくだりはまさに激しい通り雨のよう。
過ぎ去った後の明るい空がとても爽やかでした。
あ、あとどうでもいいですが、生卵は食器の縁で割っちゃダメよ(笑)

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「ほしのこえ」観た

映画「フィムファールム2」観た

 | アニメ/人形アニメ  Comment(1) 
Tag:チェコ ドイツ

フィムファールム2
原題:Fimfarum2
製作:チェコ共和国・ドイツ’06
監督:ヤン・バレイ、ヴラスタ・ポスピーシロヴァー、アウレル・クリムト、ブジェチスラフ・ポヤール/ヤン・ヴェリフ
ジャンル:ファンタジー/人形アニメ
シニカルなユーモアに包まれた4つのお伽ばなしを描いたチェコ人形アニメ。

「海はなぜ塩辛い:More, strycku, proc je slane?」ヤン・バレイ
貧乏でも正直で家族思いの男が、親切な悪魔の助言で何でもほしいものを出してくれる魔法のミルを手に入れる。たちまち彼は豊かになり、町の人たちにも分け与えるが、強欲な兄が嫉妬し…。

「三姉妹:Tri sestry a jeden prsten」ヴラスタ・ポスピーシロヴァー
イースターエッグを売ったお金を酒場で使い果たしてしまった三姉妹。帰り際、ルビーの指輪を拾うが、三人で分けられず「夫を一番面白くかついだ者」が持ち主になると決め…。

「ダマスカスのせむしたち:Hrbaci z Damasku」アウレル・クリムト
戦争で片目を失い、背中にはコブがある三兄弟がいた。醜い姿を馬鹿にされた一人がつい人を殺してしまい、三兄弟は町から追放されてしまう。三人一緒では惨めさも三倍だと別々の道を歩み始めるが、やがて兄弟の一人だけが成功し…。

「親指小僧:Palecek」ブジェチスラフ・ポヤール
子供のいない夫婦が魔法のマグカップによって小さな可愛い男の子を授かった。夫婦の愛情に包まれ、小さいながら賢く育った少年は、父親の仕事を手伝うように。だが、それを観た紳士が彼を買いたいと言い出し…。

****************
全体的に人形のデザインが若干不気味で、いい具合に汚れた感じが味があって作風にあってました。
ブラックユーモアに満ちているんですよね~。とくに「三姉妹」が酷い(笑)
あらすじの時点でそうとう酷い妻たちなんですが、この後、夫が自分から歯を抜くように仕向けたり(悪魔か!)、もう死んでいると思い込ませたりします。
そんな経緯があって、どうして最後はみんなで笑い転げて、指輪の事も忘れて幸せそうに家路につくことができるのか…。
ぽかーんとさせられたものの、このデザインのおかげで完全にお伽話と割り切れたので、結構楽しめました。
「海はなぜ塩辛い」も地獄への入り口がレトロなエレベーターのようだったり、デスクワーク続きの魔王が農夫の男に追いつけなかったり、妙にセンスが光ってました。
物欲が満たされて”幸せ”になる描写がまさに”現代人”(薄暗い部屋でTVに没頭する子供など)なところも皮肉が効いてます。
魔法アイテムの秘密を教えてくれた悪魔は魔王とケンカしてるらしいけど、やっぱり人間を堕落させるお仕事は怠らない!(笑)
「ダマスカスのせむしたち」はイマイチ意味がわからず楽しめませんでしたが、「親指小僧」の方はストーリー的にもキャラ的にも一番童話らしくて良かったです。
自分から紳士に買われて、涙する父親を振り切って旅立ったのは、一人息子として両親に楽させてあげたくて、はやく立派な大人になろうとしたのね。
小さな体で賢く危機を乗り越えていく冒険モノで、一寸法師みたいで親しみも湧きました。
機会があったら1も観たいです。

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「真夏の夜の夢(1959)」観ました(チェコ人形アニメ)

映画「夜のとばりの物語」観ました

夜のとばりの物語
原題:LES CONTES DE LA NUIT
製作:フランス'2010
監督:ミッシェル・オスロ
ジャンル:★ファンタジー/ロマンス/アドベンチャー

【あらすじ】古い映画館の映写技師と好奇心旺盛な少年と少女を進行役に紡ぐ幻想的な6つの愛の物語。

ファンタジー企画で観た二作品目です。わたしの風邪はほぼ治ったんですが、家庭内感染が拡大しちゃってイラストはもう少し後になりそう。オムニバスだったおかげで、ちょっとした時間に少しづつ観られました。
「プリンス&プリンセス」と同じで、映写技師のおじさんと少年少女がお話を作って演じるという設定で始まります。このノリが好きなんだよな~。

一話目は「狼男」
いきなり美しい影絵の世界を堪能できます。湖に映る月が綺麗…。狼男のくせに、人間の時は自分に親切にしてくれた相手が誰かも気付かないなんてね~。妹がもっとはやく告白してれば…。ツッコミどころはあったものの、御伽噺らしい展開でよかったです。

二話目は「ティ・ジャンと瓜ふたつ姫」
主人公が本当にのんきな青年で笑えました。死者の国に迷い込んで観光気分♪
障害を優しさで乗り越え、そのおかげで三つの試練をクリアできる展開も定番でいいね。でも、最後のオチにあんぐり。善い人だけど、男としては…。

三話目は「黄金の都と選ばれし者」
「わたしが美女だとわかってる?」と連呼するヒロイン(笑)
生贄の美女を救うのも冒険譚につきもの。ハッピーエンドだけど、住む家がなくなったのは大変そうです。黄金の都の遺産ともいえる”歌”のちからで、みんな頑張れるかな?

四話目は「タムタム少年」
物語的には面白かったけど、アフリカ民族はもっと音楽やダンスを重要なものだと考えてる気がして、あんなに五月蝿がるのに違和感を覚えてしまいました。もしかして、昔話とか伝説的なものだったのかな?

五話目は「嘘をつかなかった若者」
物語もいいけど、その前の「こんなお姫様は嫌」と怒り出す女の子が良かった。彼らが演じているんだと思い出させるこのつなぎが好き。
そして、お姫様は確かに嫌な女でした。けれども、それを頼んだのは父親だ!
愛馬の命どころか娘まで賭けの道具にするとは…。でも、一番好きなお話です。

六話目は「鹿になった娘と建築家の息子」
これまたお城や妖精の家が美しいですね~。タイトルに偽りありなのと、カラスを悪く言いすぎなのが引っかかったものの、愛の力で解決するところがこの作品のいいところ。エンドロール中に爺さんが妖精に諭されていて笑えます。愛ですよ、愛!

全体的に「プリンス&プリンセス」ほど物語に引き込まれることはなかったけれど、大好きなオスロ監督の美しい影絵の世界を堪能できたので大満足でした♪

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「プリンス&プリンセス」観ました

気がつくと口ずさんでいるアニソン特集

 | アニメ/人形アニメ  Comment(17) 

寒いですね~。千葉でも昨日雪が降りまくりましたが、もう溶け始めてドガンッと屋根から落ちる音にビビッたりしてます(笑)
そんなわけで、指が凍えて絵を描きたくないので、「想い出のゲーム音楽特集」に続きアニソン特集です。私がつい口ずさんじゃう懐かしの曲ばかりで、アニメじゃないのもちょっと混じってるかも。

第一位「キテレツ大百科OP スイミン不足
睡眠不足の時に歌うと楽しい気分になれます。キテレツ大百科で一番好きな曲。

第二位「おーい!はに丸OP
これはアニメじゃないし、内容もさっぱり覚えてないのにOPだけ異様に覚えてます。歌詞までちゃんと覚えてたし!

第三位「ひょっこりひょうたん島OP
テンションがあがると歌ってます。海賊たちのろうそくの歌も好きです。

第四位「ドラゴンボールED ロマンティックあげるよ
ブルマが好きだったから、観て良し聴いて良しなEDでした。…それにしても、ブルマの(恥ずかしい名前をつけずにいられない)呪われた血筋には、サイヤ人の血も勝てなかったなぁ。ぐれなかったトランクス君はすごいよ。

第五位「とんがり帽子のメモルOP
これも内容さっぱり覚えてないけど、メモルは今みても可愛いな。しょっぱなから「おしゃまなちーび」とか主人公をけなすところが好きです(笑)

第六位「ぼくの地球を守って
口ずさむのは劇中でリン君が歌う「森のこやぎ」の方なんですが、メッチャ好きな曲なので。菅野よう子が好きなんです。(他にも「ウルフズレインED Gravity」や「マクロスプラス VOICES」とかも好きだー。

第七位「機動戦士ガンダム第08MS小隊 嵐の中で輝いて
ガンダムで一番好きな曲かな?サビしか歌えないんですけどね…。

第八位「アンパンマンED 勇気りんりん
楽しい時に歌っちゃいます。歌詞は未だうろ覚えだけど(笑)
アニメはカバオ君の邪悪さばっかり印象に残ってますねー。バイキンマンより先にこいつをどうにかしろと思ってた。

第九位「アニメ三銃士 夢冒険
定番ですね。改めて聴いてみたら歌下手だな…。脳内で美化されてたかも。でも好きです。

第十位「たこやきマントマン OP
謎の中毒性(笑)おなかがすくと超ローテンションで歌ってしまう。

改めてアニソンばっかり歌ってる自分に気付いてしまいました…。みなさん知っている曲はあったでしょうか?
抜けている部分もある気がするので、わたしはこれよっていうのがあったら教えてくださいね~。ではでは。

映画「つみきのいえ」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(6) 
Tag:日本

つみきのいえ
製作:日本’08
監督:加藤久仁生
ジャンル:★ファンタジー/ドラマ

【あらすじ】海面上昇で水没しつつある街。水位が上がるたび、積み木のように上へ家を建て増し、穏やかにひとり暮らしをしていた老人がいた。そんなある日、彼はお気に入りのパイプを海中へと落としてしまい、それを拾うためにダイビングするが…。

たった12分の無声アニメーションなんですが、とても心にしみる作品でした。
水彩風の柔らかいタッチで、海ににょきにょきはえた奇妙な街を描いていて、その不思議な光景を観ているだけでも楽しいです。
孤独な老人の小さな冒険も感動的。水没してしまったかつての家に潜っていくたびに、鮮明によみがえる記憶…。
冷たく薄暗い水の中なのに、こんなにも温かい気持ちになれるなんて!
心洗われるようでした。
ナレーションなしで観ることをおススメします。

映画「チリンの鈴」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(0) 
Tag:日本

チリンの鈴
製作:日本’78
監督:波多正美
原作:やなせたかし
ジャンル:★ドラマ/ファンタジー

【あらすじ】狼ウォーに母親を殺された子羊チリン。強くなければ生きられないと、チリンは仇であるウォーに弟子入りする。やがて3年の月日が経ち、狼ウォーの相棒として、周囲の動物に恐れられるようになったチリンだったが…。

ヤバイ!超痺れました!!
可愛い子羊(その他2作品のキャラ)が描かれたジャケットだったので、こんな展開になるとは思ってもみませんでした。時代劇や西部劇、「ランボー」などが好きな人におススメです!
冒頭から湿っぽい曲が流れて、悲しい物語なんだろうと覚悟はしていました。でも、ラストはそんな単純なものじゃなくて、寂しさと虚しさと喪失感が押し寄せてくるような感覚。最初は湿っぽいと思ったテーマ曲が、その余韻をさらに深いものにくれるんですよね…。
ウォーとチリンの関係は、「ドラゴンボール」のピッコロと悟飯を思い出しました。親を殺したウォーに弟子入りし、力を求めるチリン。その間に、親子のような感情が芽生えてゆきます。
ハードボイルドなウォーが魅力的でした。名台詞が多くて、なかでも「悲しみで心の牙を砥げ!」というセリフと最後のセリフが印象的。
ラストは、強さを求めた者の寂しい末路が容赦なく描かれます。サンリオとは思えないシビアな展開…。46分と短い作品ですが、生きることや親子の愛情、そして憎しみや恐怖から生まれる強さについて考えさせられました。
子供には重い内容ですが、しっかりと大事な事を心に刻み付けてくれる、そんな名作アニメだったと思います。
この作品を教えて下さった方、ありがとうございました!

映画「メアリー&マックス」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(0) 
Tag:オーストラリア

メアリー&マックス
製作:オーストラリア’08
原題:MARY AND MAX
監督:アダム・エリオット
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】メルボルンに住む8歳の少女メアリーは、電話帳から変わった名前を選んで手紙を出した。コミュニケーションが苦手で孤独な日々を送っていたNYの肥満男マックス・ホロウィッツは、それにタイプライターで丁寧な返信を綴り…。

人形のストップモーションアニメです。
手作り感あふれるキャラクターや街並み、最初は少女と中年男の微笑ましい手紙のやりとりから始まる事などから、ほのぼのストーリーを思い描いていたんですが、案外重くて深いドラマで驚かされました。重いというか、けっこうな鬱展開です。
デフォルメされたキャラクターから、変なところも個性なのかと思いきや、実はアスペルガー症候群というリアルな理由があったり。かと思えば、車椅子のおじいちゃんが家を出ようとすると、何かしらトラブルが発生して出られないというコメディ要素もあって、予測が付かないところが怖い。
でも、大きな障害を乗り越えて、ふたりが数十年にわたり心を通わせていくのには心あたたまりました。幼い頃のメアリーの手紙の文章から伝わってくる純粋さと健気さと孤独感。それに共感し、精一杯自分なりの返事を出すマックス。何もかもが灰色の街ニューヨークと、セピア色が優しいメルボルンの町を、ふたりの手紙と想いとチョコレートが往復します。
彼らの友情は、鬱展開をも乗り越える、感動を与えてくれました。
印象に残ったのは、泣けないマックスのためにある贈りものを用意するエピソードと、精神的に参ったメアリーが、フラフラとサイドテーブルの上に立つシーン。世にも哀しい「ケ・セラ・セラ」が響き、彼女が指揮者のように腕を振ると、壁にかけられた幸せな頃の写真が踊りだします。
最後までほろ苦いドラマに魅せられました。

映画「プリンス&プリンセス」観ました

プリンス&プリンセス
製作:フランス’99
原題:PRINCES ET PRINCESSES
監督:ミッシェル・オスロ
ジャンル:★ファンタジー/ドラマ/ファミリー

【作品詳細】TVシリーズとして製作した短編アニメ「もしもの映画」から、王子と王女をめぐる物語を厳選したオムニバス。「プリンセスとダイアモンド」「少年といちじく」「魔女」「泥棒と老婆」「冷酷なプリンセス」「プリンス&プリンセス」の全6話。

影絵みたいなお伽話の詰め合わせです。
謎の博士が作った機械で衣装や舞台を作り出し、少年と少女が、思いつくままにプリンスとプリンセスの物語を演じているのかな。細かい設定はよくわからないけど、妙に淡々として、ロマンチックだったりシュールだったりと、変な魅力がありました。
「プリンセスとダイアモンド」は、呪いに囚われたお姫様を救うお話。111個のダイヤモンドを砂時計が落ちる(数分)までに拾って、首飾りを完成させるという無茶な試練に、心優しい青年が死をも覚悟して挑戦します。正統派メルヘンの世界。
「少年といちじく」は、季節はずれのいちじくの実を女王に献上する青年の出世物語。いちじくを味わう女王の「んぅ~ん!」というセクシーな声が笑えます。食べてばっかの女王に尽くす青年に、恋愛感情はあったんだろうか?
「魔女」は、以前観た「キリクと魔女」の原型かな。同じ監督さんだったんですね。城の中の描写がひときわ美しかったです。
「泥棒と老婆」は、日本を舞台にしたお話。少女が老婆役をやりたがって始まったんだけど、老婆というより妖怪の一種だったような。内容は”泥棒はいけないよ”っていう教訓話で、当然の事ながら王子と王女がでてきません。
「冷酷なプリンセス」は、未来のお話。求婚してくるプリンスたちと、日没まで王女から隠れきれば結婚、見つかったら死刑という冷酷なゲームをしていたプリンセスに、ウタドリ使いの青年が挑むお話。未来設定以外はロマンティックなメルヘンの世界。プリンセスの心情も描かれていて、一番見ごたえあったかな。
最後はタイトルにもなってる「プリンス&プリンセス」。最後にこれをもってくるとは(笑)
メルヘンの世界の化けの皮を剥ぐような、シュールなお話。王子が王女にキスをすると…。オチがピリリと効いてます。

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映画「ルパン三世 カリオストロの城」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(16) 
Tag:日本 宮崎駿

ルパン三世 カリオストロの城
製作:日本’79
監督:宮崎駿
原作:モンキー・パンチ
ジャンル:★アクション/犯罪コメディ

【あらすじ】ニセ札を作っていると噂の小国カリオストロ公国へやって来たルパンたち。そこで、悪漢に追われる少女クラリスを助けるが、再び連れ去られてしまう。彼女は大公家のひとり娘で、カリオストロ伯爵によって城に幽閉されているのだった。

そういえば最近は観てないということで再見してみました。
そしたら記憶違い発覚。これにロボット兵はでてないんだね!?
調べたら、ロボット兵がでるのはTV第2シリーズの最終話「さらばいとしきルパンよ」でした。個人的にロボット兵は嫌いなので、この作品の好感度UPです。
まあそれがなくても、ルパンは格好いいし、次元は可愛いし、不二子ちゃんはいい女だからOKですが。この3人大好き!
とくに、偽札に埋もれながらはしゃぐ次元が好き。この前、「荒野の七人」の登場人物を調べていて、次元がナイフ投げのブリットをもとにしたキャラクターだと知ってビックリしたんだけど、わたしの知ってる次元は渋いうえに可愛いよ? 少年のようにはしゃいじゃうよ? むしろ、五右衛門のほうが寡黙でしょ?(シャイだけど)
そして、ルパンを語るのにこのひとは外せない銭形のとっつぁんも、普段の三割り増し素敵でした。がむしゃらでさわがしく、でも決めるときはビシッと決めてくれます(ラストのセリフはちょっと恥ずかしい)。
中盤はルパンと息ぴったりで、さすが長年追いかけてるだけあるなぁとか思っていたら、ふたりは大学の先輩後輩だったんですね。
ってことは年齢差ほとんどないのに”とっつぁん”呼ばわり!?
…いやでも、そういえばわたしの同級生にも”とっつぁん”って呼ばれてるひと居たわ(笑)

そんな感じでいつものメンバーは多少雰囲気違ってもいつものメンバーで懐かしく思いました。
そして、ゲストキャラクターである、クラリスと庭師(アルムおんじそっくり!?)、ロリコン伯爵…はどうでもいいや、はもう宮崎駿作品のキャラクターまんまです。小さい頃から観てるから違和感なく溶け込んでみえるけど、あんまりクラリスが純真無垢なんで近寄りがたいオーラを感じました。わたし的にはちょっとワルなふじこちゃんのほうが好きかな。
ラストシーンはほんといいですね。あそこで抱きしめてたら二度と観ないところだけど、やっぱりルパンは格好いい!

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映画「サマーウォーズ」観た

 | アニメ/人形アニメ  Comment(6) 
Tag:日本

サマーウォーズ
製作:日本’09
監督:細田守
ジャンル:SF/アドベンチャー/青春

【あらすじ】仮想都市OZが人々の日常生活に深く浸透している近未来。数学オリンピック日本代表になりそこねた高校生の小磯健二は、憧れの先輩、夏希に頼まれ夏休みに彼女の田舎に一緒に行く。そんな時、健二は謎のメールを受信し…。

わたし、この監督さんの描く日常のちょっとした会話なんかが好きなんですよね。あの間の取り方が心地いいです。そして、夏全開!というところもいい。後半はネット側を描いてばかりで今回はあまり満喫できなかったけれど、情緒ある夏の映画っていいと思います。

さて感想ですが、何よりお祖母ちゃんの存在感が際立ってました。なぎなた振り回すのはどうかと思うけど(笑)、絆の大切さというものを体現して生きてきたような人です。
この事件をかろうじて解決(一歩間違えば大惨事だった…)できたのは、あの場所に”特別な人たち”が揃っていたおかげなんだけども、そんなご都合主義な展開も彼女の存在があってこそだったと思うと納得できます。主人公もお祖母ちゃんに認められなかったら追い返されてただろうしね。あと、主人公の友人が縁の下の力持ちという感じでよかったです。

…思い返すと、あまり主人公が目立ってなかったような?
運悪くアバター使われたり、そのために犯人扱いされたり、カズマ君(女だと思ってた)の信頼を得たり、暗号解読したり…。え~と、他には…?
うん、まあ、最後に脳がショートしそうなほど頑張ってましたし、じゅうぶんですよね。

とまあ概ね楽しく観れたんですが、終盤みんなで『うぉ~~~!!』ってなったり変身したりするとこは恥ずかしくて観てられませんでした。相変わらずこのノリにはついていけません。
相変わらずというのは、昔観た細田監督の作品「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」でも同じ展開だったからです。今回この作品をつくったのは、高評価だった「ぼくらのウォーゲーム」が”デジモン”の映画であるために一部のひとにしか観てもらえなかったためでしょうか。
仲間との絆から家族との絆に重点を置き換え、夏休みに子供と一緒に観られる作品になってたと思います。

映画「秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II 私を愛した黒烏龍茶」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(0) 
Tag:日本

秘密結社 鷹の爪 THE MOVIEII 私を愛した黒烏龍茶
コンピューター・ウイルスの”ブルース・ウイルス”攻撃!
製作:日本’08
監督:FROGMAN
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】世界征服を企む秘密結社”鷹の爪団”の吉田は、DXファイターがブログ炎上で干されているのをニュースで見て、サイバー攻撃での世界征服を思いつく。さっそくレオナルド博士の発明でサイバースペースに潜入する鷹の爪団だったが…。

これは面白かった! 前作もそうだったけど、終りまでずっと笑ってました。
鷹の爪団も総統たちも相変わらずのダメっぷりだったし、前回お亡くなりになったフィリップが新発明のリモコンで復活って!それを利用しちゃうフィリップも凄いけど、レオナルド博士はほんとに何でもアリなのね。熊なのに、そして可愛いのに。(笑)
前回大活躍だった菩薩峠くんは、やっぱり何でもアリのエスパーなので、今回は病気でリタイア。活躍はしなかったけれど、総統の親心(?)を垣間見れました。(本当の息子にも見せてやって!)
そして、悪どい正義のヒーローDXファイターは、落ちぶれてオオサンショウウオたちと家族ごっこ…寂しすぎます。本当の家族はどこいった?
サイバースペースで吉田くんたちを導く美津子さんも、彼らレギュラー陣に負けず劣らずいいキャラしてました。最後のあれはちょっと酷かったけれど…。

この映画の後の話が、ちょっと前までTVシリーズでやっていたんだけど、だんだん本当に性質の悪い組織になってきているのが哀しかった…。その点、この作品ではまだ純粋さを保っている感じで良かったです。
ばかばかしい脱力コメディなので観る人を選びそうですが、合う人ならメチャクチャ楽しめる作品だと思います。

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映画「アズールとアスマール」観た

アズールとアスマール
製作:フランス’06
原題:AZUR ET ASMAR
監督:ミッシェル・オスロ
ジャンル:アドベンチャー/ファンタジー

【あらすじ】ヨーロッパ。アラビア人の乳母の息子アスマールと、兄弟のように育ったアズール。だが、領主である父親は彼らを引き離し、乳母親子は屋敷を追い出された。やがて、立派に成長したアズールは、乳母の話していた妖精を救うため旅立つ。

色彩豊かで美しいけれど、リアルとは言い難い独特な絵柄のアニメーション作品。テンポや間も独特なので、絵と相まって独創的な世界観を確立していると思います。リアリティだけを追求したCGアニメーション作品とは違って、不思議な魅力に溢れていました。

同じ監督の作品「キリクと魔女」を観たときも思ったんですが、”母親”の言葉に魔力が宿っていそうな迫力があります。
始めに母親が世界のことを話して聞かせ、子供はそれを丸ごと信じて話が進んでいく。話をするまでは現実にあるどこかの国という雰囲気なのに、母親が世界の不思議を話すことで現実にファンタジーが入り込んでしまった…という印象を受けました。
また、キリクの母親は達観した様子で危機的状況でも悠然としていましたし、この作品では追い出された乳母が教祖(?)に成り上がっていたりと、どこか他のキャラクターたちとは違う”高みの存在”のよう描かれ方をしています。
つまり、この世界は母親が作ったもの…この物語自体が枕元で母親が話す御伽噺という感じなんですよね。なのでストーリーは普遍的なものになっています。

可笑しかったのが、試練を乗り越えた王子(的な存在)と結婚しないと呪いが解けない妖精が、素敵な男性じゃなければ試練を乗り越えても姿を現さないようにしていたこと。ま、結婚相手なんだから選んで当然だけどね。それで、同時に二人たどり着いてしまい、どっちと結婚しようか真面目に悩みだすのも妙に笑えました。
こういうノリが好きなら楽しめるかもしれません。でも、映像は一見の価値ありです→公式サイト(解説が消えるのが早すぎて読めん…)

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「プリンス&プリンセス」観た

映画「風が吹くとき」観ました

 | アニメ/人形アニメ  Comment(4) 
Tag:イギリス

風が吹くとき
製作:イギリス’86
原題:WHEN THE WIND BLOWS
監督:ジミー・T・ムラカミ
原作:レイモンド・ブリッグス
ジャンル:★戦争/パニック/サスペンス

【あらすじ】イギリスの片田舎で年金生活を送る老夫婦ジェームズとヒルダ。国際情勢の悪化で三日以内に戦争が始まるというニュースに、彼は政府のパンフレットに従い屋内核シェルターを造り始める。だが、それは余りにも科学的根拠のないものだった。

「スノーマン」の作者が描いたグラフィックノベルを映画化したアニメーション作品。ほのぼのした絵柄に反し、被爆で衰弱してゆくふたりを淡々と描いており、観た後ずっしり重い気分にさせられます。
わたしがこの作品を初めて観たのはおそらく5歳で、夏休みに学校の体育館で上映していたのを観たんだと思います。子供には重過ぎる内容ですが、その頃わたしは感受性が皆無で「ドアで爆弾防げるわけないじゃん、馬鹿じゃねーの」くらいにしか思ってなかったんですよね。しかも、被爆のことも理解していなかったし。暗くて退屈な映画という印象しか持ってませんでした。
でも今回観直してみて、老夫婦のあまりの無関心さに恐ろしくなってしまいました。
もし、これが核攻撃でなく空襲や災害後の物語だったとしても、彼らは直前まで興味を持たないし(奥さんは直前でも持たないだろうけど)、目の前の状況を無視して政府の言う通りに行動するだけだったんじゃないでしょうか。
お互いを思いやる姿は美しいのですが、現実を見ずに自分で考える事を放棄し、ただ政府(あるいは神?)を妄信する姿は愚かであり、人間として大切なものが欠けているように思えます。
反核についてもですが、色々な事を考えさせられる作品でした。

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映画「機動戦士ガンダム 第08MS小隊ミラーズ・リポート」観た

機動戦士ガンダム 第08MS小隊ミラーズ・リポート
製作:日本’98
監督:加瀬充子
原作:矢立肇 富野由悠季
ジャンル:SF戦争

【あらすじ】宇宙世紀0079年。ジオンの新型モビルスーツ”アプサラス”と接触した第08小隊の隊長シロー。その時いちど姿を消した彼に対し、軍上層部はスパイ容疑をかける。情報部から来たアリス・ミラーは、彼からエリア847での出来事を聞きだし…。

ガンダムシリーズOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の劇場版で、長編アニメの途中に入る”おさらい総集編”のような内容。よって、結末が描かれておらず、OVAを観てない人には尻切れトンボに感じるかも。
OVA含めての感想としては、主人公のシローが熱血タイプでアマちゃんで士官なうえに、敵のアイラと戦うよりもいちゃいちゃしてる事が多かったりで、あまりガンダムを観てる気がしないです。でも、ガンダムということに拘らなければ、観やすくて割と面白い作品でした。
キャラクターはけっこう極端な性格が多く、好き嫌い分かれそうですが、シローに想いを寄せるゲリラの少女キキは可愛かったです。私的に、ZZのエルピー・プル、Zのファ・ユイリィの次くらいに好きなガンダムヒロイン。

あと、実は私”巨大な人型のロボット”というやつが大の苦手なんですよね。じゃあなんでガンダム観てるかというと、初めてまともに観たのが「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」で、ドラマ性重視だと知ったからなんですが。ま、それは置いといて。そんな私がこの作品の”陸戦型ガンダム”だけはカッコイイと思いました。(ちなみにザクは可愛いと思います。)
私のイラストで伝わるか分かりませんが、シンプルでバランスが良さそうなところが好きです。

ところで、今夜はBS2で「機動戦士Vガンダム」ですね。数話だけみたいですけど、例のカテジナさんがどう変貌したかは観れると思います。私も最初と最後だけ見直してみようかな(笑)

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「機動戦士ガンダムUC episode1:ユニコーンの日」観ました

映画「真夏の夜の夢(1959)」観ました

真夏の夜の夢(1959)
製作:チェコ’59
原題:SEN NOCI SVATOJANSKE
監督:イジー・トルンカ
原作:ウィリアム・シェイクスピア
ジャンル:★アート

【あらすじ】妖精の女王ティターニアを振り向かせるため、森の王オーベロンはいたずら者の妖精パックに”一目見た者を好きになる魔法の花”を取りに行かせた。その頃、婚礼の準備で賑わう町から、恋に悩む4人の男女と素人劇団が森にやってくる。

小学校の頃いちど読んだきりの「真夏の夜の夢」に、トルンカの人形アニメで再びまみえる事となりました。前回観た「チェコの古代伝説」と比べると入り込みやすいんですが、喜劇というよりは幻想的な世界を楽しむ芸術作品という感じです。町のこじんまりした様子から、森の妖精たちが舞い踊る夢のような場面に移ったときは世界が変わったようでした。

気になったのは、オーベロンとティターニアが私の覚えているのと違うんですよね。私の記憶ではこの2人夫婦だった気がするんですが、こちらではオーベロンが言い寄っているだけのように見えるし、魔法の花を使う理由も振られた腹いせのようでした。(器ちいせぇ…)しかも、最後は花を使って自分に惚れさせて…。彼が最低な男になっていて、最後まで幻想的な雰囲気に浸れなかったのがちょっと残念。

この後、朝を迎えて恋人たちは町へ戻り、素人劇団が劇を披露します。
人形たちがライオンや恋人たちの前に立ちふさがる壁の扮装をしたり、丸顔のおじさんがランタンで顔を照らして月を演じていたり、不思議な感じで可愛らしいんですよね。
妖精たちがつくりだす世界と、人間のつくりだす世界の二つを楽しめたと思います。

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映画「チェコの古代伝説」観た

チェコの古代伝説
製作:チェコスロバキア’52
原題:STARE POVESTI CESKE
監督:イジー・トルンカ
原作:アロイス・イラーセク
ジャンル:歴史劇/ファンタジー

【あらすじ】チェフによってプルタバの湖畔に辿り着いた人々がいた。彼らは木を倒し、家を造り、農耕を始め、その地に根付いていった。その地はチェフの名にあやかって”チェヒ”と名付けられ、彼の死後リプシェという女性が国を治める。だが、やがて彼らのなかに女性の支配者を望まないものが現れ…。

人形アニメ大国チェコの巨匠イジー・トルンカの作品です。
この前の「バヤヤ」がわたし好みだったので楽しみにしていたんですが、今回は歴史劇なうえ説明がほとんどなく、あまりストーリーを楽しむ事が出来ませんでした。
解説を調べてみたところ、建国の歴史を6つのエピソードで描いていたらしく、思い返してもどこからどこまでが一つのエピソードだったのかすら判別できない始末。人間でさえ見分けられない時があるのに、沢山の人形が登場して名前をほぼ呼ばないのはキツいです。チェコの歴史に詳しい人じゃないと、一回で理解するのは難しいかも。

とはいえ映像の美しさは相変わらずで、恋人たちが森で夢のようなひと時(ひざ枕でいちゃいちゃ)を過ごすシーンや、湖での描写は目を見張るほど。youtubeあたりで”jiri trnka”と検索すると幾らでもでてくるようなので、気になる方はそちらでどうぞ。(面倒臭がりでスミマセン) 元々セリフがほとんどないので、言葉が分からなくても問題ないと思います。
トルンカ作品は三つしか観てませんが、「飛び立つ鳥」「芽吹く植物」「音楽とダンス」がよく出てくるんですよね。
…何か意味があるんでしょうか?

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「バヤヤ」観ました

映画「バヤヤ」観ました

バヤヤ
製作:チェコスロバキア’50
原題:BAJAJA
監督:イジー・トルンカ
原作:ボジェナ・ニェムツォヴァー
ジャンル:★ファンタジー/ロマンス

【あらすじ】母親が去り悲しみに包まれる家で、父親とふたり貧しく暮らす青年がいた。ある晩、白馬に姿を変えた母親が現れ、彼は導かれるままに旅立つ。やがて、3人の美しい姫のいる国に辿り着くが、彼女たちは三匹の竜に身を捧げる運命にあった。

チェコの民話をもとにした、幽玄な美しさをもつ長編人形アニメーション。
騎士の鎧に身を包んだ青年が、竜への供え物になろうとしていた3人の姫を助けます。姫たちは騎士に想いを寄せるものの、鎧を脱いだ彼には気付かず…というお話。
セリフは少なく、人形の動きもややぎこちないものですが、顔の角度や光の具合で表現される”感情”が素晴らしく、まるで人形たちが生きているかのように見えました。
とくにヒロインである末姫の優美な身のこなしや、悲しみを湛えた表情は(描かれた顔が変わった訳ではないのに)神秘的なほど。そんな彼女を元気づけようとする老道化師も可愛らしく、耳をぴょこぴょこさせたりでんぐり返しをしたり、何も出来なくて落ち込んだりと感情豊かに描かれています。
セリフどころか説明もほとんどないため、何故母親は馬になったのか、母親の罪の償いが息子による竜退治でいいのか、そのあいだ取り残された父親は可哀想すぎやしないか、など気になる点もいくつかありますが、観終わって出会えてよかったと思える傑作でした。
他の作品も機会があったら是非観てみたいと思います。(BSでやってくれるかな?)

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