ドキュメンタリー 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「世界の果ての通学路」観ました

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Tag:フランス

世界の果ての通学路
原題:SUR LE CHEMIN DE L'ECOLE
   :ON THE WAY TO SCHOOL
製作:フランス’2012
監督:パスカル・プリッソン
ジャンル:★ドキュメンタリー

【あらすじ】危険な道のりを毎日何時間もかけて学校に通う子どもたちの通学風景に密着した教育ドキュメンタリー。世界の過酷な通学路4つを紹介し、それでも学校に通い続ける子どもたちと家族の想い、そして教育の意義を見つめていく。

想像してたよりはるかに危険でビックリしました。
毎日がアドベンチャーでロードムービー。映画を何本も作れるレベルです。
週に何日通ってるのか知らないけど、10歳前後の兄妹がサバンナを15km小走りで通うとか…。2時間かけて水とカバンと木の棒をもって通う様子は、本気で冒険の旅に出てるようにしか見えません。
途中、象の群やキリンの群がいたら遠回りしていかなければいけないし、とくに象は何人も通学中の子供が襲われてるらしく、うっかり出くわせば命に関わります。
撮影中も一度出くわして、必死に逃げて岩陰に身を潜めるという状況に。
象が去った後、泣きじゃくる妹にサボテンの実をみつけ、それを食べたらにっこり笑って、ふたりで「天の神さま、地の神さま~♪」と歌うシーンが印象的でした。
学校に行くだけでこの大冒険、日本で暮らしている私たちには想像もつかない世界です。

また、馬に二人乗りして登校する兄妹や、険しい山道を毎週(寄宿学校に)通う女の子、歩けないお兄ちゃんのボロ車椅子を押して通学する3兄弟など、”通学”というより”試練”みたいな道のりをゆく彼らに驚かされました。
それでも頑張って通うのは、勉強することで自分の夢を実現できると信じているからなんですよね。家族とともに貧しい暮らしから抜け出すためでもあるし、学校で学ぶことが希望の鍵なんです。
家族にとっては子供たちが希望で、教育ママのように押し付けるのではなく、夢や希望を信じる心を育てつつ子供たちを支えているのが伝わってきました。

印象に残ったのは、寄宿学校に通う女の子が鶏を1羽手提げ袋に入れていて、たまごを食べるのか、それとも授業料?と思ってたら、大量のお菓子と交換したところ(笑)
一週間かけて、友達と交換したりしながら食べるのかなぁ。どこの国でも女の子はスウィーツが大好きですね!

あと、車椅子のお兄ちゃんを押して、道なき道を行く弟二人が健気でねぇ。「急げ、遅刻するぞ」とか「道が悪いから倒すなよ」とか声を掛けてるだけのお兄ちゃんを大変慕っています。
タイヤを直してもらっている時(修理代は?)も、兄は末っ子はおしゃべりし、しっかり者の次男だけがお店の人の相手をしてる。(その後、末っ子と一緒にタイヤを直せるようになっているところはさすが!)
そんなお兄ちゃんだけども、勉強して将来は立派な医者になると決めていて、痛いのを我慢してストレッチや歩行練習をしています。
障害を前世の悪行の結果だと考える人が多いインドですが、そんな彼の頑張る姿を見ているから、みんな応援してくれるんですよね。

やらせっぽいところもあったものの、学ぶことの大切さや、自分がどれだけ恵まれているか気付かせてくれる作品でした。

映画「リトルファイター 少女たちの光と影」観ました

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リトルファイター 少女たちの光と影
原題:BUFFALO GIRLS
製作:アメリカ’2012
監督:トッド・ケルスタイン
ジャンル:ドキュメンタリー

【あらすじ】タイの国技“ムエタイ”。貧しい家庭に生まれ、家族を助けるため8歳でリングに上がった少女たちがいた。大人たちの賭けの対象となりながら闘う2人の少女、スタムとペットの2年間を追う。

観てて胸が痛みました。
貧しさから脱する選択肢が増えるということは、彼らにとって希望になるんだろうけど、幼い少女たちの「家族のために稼ぎたい」という切実な想いが痛いくらい伝わってきて…。
タイには15歳未満のファイターが3万人もおり、とくに女の子の試合は人気が高いそうです。1日働いた賃金の数百倍もの金額を一回で稼ぐことも可能で、スタムとペットのような8歳の少女が、家計を助けるためにリングに上がることも少なくありません。
でも、子供はまだ骨が柔らかいから、時にはひどい骨折をしたり、骨が飛び出すほどの怪我をすることも…。

一方親は、「娘が決めることだから(無理強いはしない)」と言っているものの、やはり大きな期待をかけてしまっています。娘の稼ぎがなければ家が完成しないというほどで、小さな少女にのしかかる重圧がどれほどのものか、想像しただけで辛くなりました。
試合が盛り上がるほどに賭金も釣り上がり、インターバールではまるで「ロッキー」みたいなやりとりが。8歳とは思えない目の鋭さで、勝つことだけを考えているよう。
終盤でペットの親が「冗談で(試合のあった繁華街に)置いてくよ、と言ったら泣いちゃって」とのんきに笑ってて、親の想像と実際に娘が感じているものには、大きな隔たりがあるように感じました。この子、心臓の病気で手術したことがあるのに…。
ただ、彼女たちが真剣にトレーニングを重ねる様子や、家族と過ごしている時の子供らしい笑顔に嘘はなく、稼いだお金はぜんぶ家族のために使って、それで後悔なんてしないんですよね。
過酷すぎる世界だけど、このムエタイで希望を持つことが出来る子供もいるのだという事実に、いろいろと考えさせられました。

映画「ステップ!ステップ!ステップ!」観ました

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ステップ!ステップ!ステップ!
原題:MAD HOT BALLROOM
製作:アメリカ’05
監督:マリリン・アグレロ
ジャンル:★ドキュメンタリー

【あらすじ】NYの公立小学校60校以上で始められた10週間の社交ダンス・プログラム。コンテストに向け必死に練習する彼らの姿を追いつつ、そのなかで様々なことを学んでいく子どもたちと、彼らを取り巻く環境を描き出していく。

社交ダンスに始まり、社交ダンスに終わる。というわけでわたしの音楽映画祭最後の作品はこちらのドキュメンタリー作品です。
最初はぎこちない笑顔で照れながらもダンスを踊っていた子供たちが、次第に心からダンスを楽しむようになっていく姿が感動的でした。
若い綺麗な先生が、「あの(手のかかる)子供たちが、ダンスをしている時は紳士と淑女になるの」と感涙していたくらいで、海外のダンスの授業の効果は素晴らしいですね。
わたしも中学高校とダンスの授業があったけど、みんなやらされている感があったし、最後まで嫌で仕方がなかったです。先生もやる気がなかったせいか民族性の違いか、それとも日本では合唱コンクールの方がメジャーだから?
3.11で受けた心の傷や”違うもの”への不安を、外国の音楽やダンスに触れる事で乗り越えようという目的もあるようで、普段あまり話さない子と組んで踊ったり、宗教のせいでダンスを踊れない子たちもDJとして参加したり、10歳の子供たちがそれぞれキラキラ輝いてました。
人数多すぎて誰が誰だか分らなかったものの(3校に取材してる事すら後半まで気付かなかった)、ませた子供たちのおしゃべりも面白くて、笑わされたり感心させられたり驚かされたり。
女子がすでに将来に安定した生活を望んでいるところが…将来ドラッグを売るような子はダメだとか、そういう子は親がしっかりしてないから可哀そうだとか、私が同じくらいの頃と比べてしっかり者すぎて凄い。
男子の方も負けず劣らず面白くて、とくにサッカーゲームをしている男の子のトークが最高でしたね。しっかり者で褒め上手だし、妙に哲学的(笑)
ラストの大会では、熱気あふれていて、みんな楽しそうで胸が熱くなりました。
Shall we ダンス?」と違ってかしこまった大会じゃないから子供たちの声援も不愉快ではなく、そもそも司会が「声援頂戴!」という感じでコントロールしていて、大人たちは主にそういう時だけ声援送って、後はそれを忘れるくらい熱中してるのが逆に良かったです。
エンドロールで将来とか愛について語ってる子供たちを映していて、最後まで楽しく観られました。

映画「DEEP SEA」「アンダー・ザ・シー」観ました

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Tag:カナダ

DEEP SEA(2006)
『ブルーオアシスII:DEEP SEA(米・加’06)』
『ブルーオアシスIII:UNDER THE SEA(米’08)』
監督:ハワード・ホール
ジャンル:★ドキュメンタリー

海中に住む不思議な生き物たちの生態を描いた40分程度のドキュメンタリー作品2本。
ディーライフでは違うタイトルで放送されていたけど、日本では「ブルーオアシス」シリーズとして劇場公開されてるんですね。あの海の世界を3Dで体験出来たら楽しそうです。
連続で観たのでどっちがどっちだか区別が付かないけども、2作品ともまるで宇宙生物を見ているようでした。
毒クラゲにパクつく海亀や、ウニをバリバリ食べる魚、空飛ぶマカロンみたいな貝、地面から植物みたいに生えてるアナゴなど、面白い海の生物たちの姿が描かれます。舞い踊る小魚たちの煌きもステキ!
どの生物も今の生態系を保つのに一役買っていて、恐ろしいサメだって小魚が中型魚から身を守るのに必要だし、その小魚がいないと珊瑚は藻に覆われて死んでしまう…。
流れるように魅力的な海の生き物たちを描きつつも、自然なままの状態がいかに調和の取れた美しい世界なのかを教えてくれます。
人間もその中にいるということを自覚して、節度を守って生きないと、結局自滅してしまうんでしょうね~。
まあ、たとえ核戦争とかで今の生態系がぶっこわれても、新しい環境に適応した新しい生態系(甲虫天国みたいな)が生まれるだろうし、それが人間からみて美しくない世界でも、それはそれでロマンなんですが(SF好きの病)。
あと、地球温暖化についても触れていて、増えすぎた二酸化炭素のせいで海が酸性化し、サンゴなどが溶けてしまうそうです。
以前観たコズミック・フロントで、地球温暖化の本当の原因は宇宙線の強い地帯に地球が入ったせいとかなんとか言ってた気がするので、二酸化炭素削減の意味について考えた事もありましたが、サンゴや海の生物、ひいては自分たちを守るためだと思えば良いんですね。
いろいろ興味深い内容だったと思います。

ディズニーネイチャー「花粉がつなぐ地球のいのち」観ました

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ディズニーネイチャー/花粉がつなぐ地球のいのち
原題:Wings of Life
製作:アメリカ’2013
監督:ルイ・シュワルツバーグ
ジャンル:★ドキュメンタリー

【あらすじ】ディズニーの自然ドキュメンタリーレーベル「ディズニーネイチャー」の第4弾。食物連鎖の最下層に位置するか弱い蝶や蜂などの生物と花との関係を、花視点で描く。

このシリーズの中ではもっとも情報量が多く、映像も綺麗で見ごたえありました。
ホバリングが魚のようで、カラフルでそれぞれ違う模様のお洒落さんなハチドリは、観ているだけで楽しいです。
マルハナバチもまるっこくて可愛いし、地面に巣を作ったり、天敵はスカンクだとか、知らないことばかり。
働き者のイメージが強いミツバチも、わざわざ農園(アーモンドの花って桜みたい!)まで運ばれていってお仕事してます。農園ごとに飼ってるのかと思ってた。
わたしたちの食料を支えている働き者の蜂さんたちなのです。
ミツバチの謎の失踪事件について少し調べたら、まさにその答えを教えてくれそうなドキュメンタリー映画「みつばちの大地」を発見。いつか観たいなぁ。
あと、サボテンとコウモリの関係も初めて知りました。
妊娠したおなかの大きいコウモリが、赤ちゃんのために栄養をたくさん取ろうと、花の蜜(溢れてた)やサボテンの実を食べる姿は意外と可愛い。
でも、サボテンの実が血も滴るような真っ赤な実で、吸血鬼を連想したり(笑)
蝶の生態も面白かったです。名前は忘れたけど、オレンジと黒の模様で毒があるやつ!
以前アゲハが繋がったまま飛んでるのを撮ったけど、この蝶も結ばれた二匹がそのまま安全地帯へ移動。愛を交わす時間は長いと16時間(?)くらいという事で、ホントお熱いです。
最後は人間が自然を奪って花と送粉者の関係が壊れてしまってきているとか、このまま行くと未来はこんなだぞというCG映像を見せつつ、屋根の上や道路脇、使ってない畑や芝生などに花を植える事から始めようという感じで上手くまとめてました。
虫目線の映像がけっこう臨場感あったし、綺麗な花もたくさん観られて、勉強にもなって、素晴らしいドキュメンタリーだったと思います。
ただし、虫や虫の羽音が苦手という人は観ない方がいいかも!

映画「モア・ザン・ア・ゲーム」観ました

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モア・ザン・ア・ゲーム
原題:MORE THAN A GAME
製作:アメリカ’08
監督:クリストファー・ベルマン
ジャンル:★ドキュメンタリー/スポーツ

NBAを代表する現役スーパースター、レブロン・ジェームズの少年時代に焦点を当て、固い絆で結ばれた彼とチームメイトとの友情と成長を、当事者たちのインタビューと貴重な当時の映像で明らかにしていく。

やっぱりよくできたドキュメンタリーは、ドラマティックですね。
彼ら自身が本当に映画のようなサクセスストーリーを辿ったというのもあるし、CGを上手に使った演出もあってぐいぐい引き込まれました。
写真を加工して奥行きを出してみたり、新聞記事のようにして写真や映像をはめ込んだり、同じ人物の色んな角度の写真を連続で写してぺらぺらアニメみたいにしてみたり、古い資料しかない時期をみせるのにも、視覚的に単調にならないよう工夫されています。
それに、無名だった彼らが最初の大会で見せた逆転劇が本当にカッコいいんですよ~。元の学校では試合に出してもらえなかった小柄なリトル・ドリューが、数分で3ポイントシュートを6回決めた時はマジで痺れました!
最初は彼をバカにしていた観客が、一瞬にして湧き上がるのが痛快です。
また、チームの中心である4人の黒人少年たちと、途中から加わった天才レブロンの友情についてもしっかり掘り下げられています。貧しく複雑な家庭で育った彼らの絆、バスケットボールがいかに彼らの支えになったか、栄光とうぬぼれと挫折、彼らの成長を助け父親のように支えた監督などを描きつつ、彼らの姿を浮き彫りにしていました。
マスコミに叩かれ傷つきながら、強い絆と不屈の精神で立ち上がる姿に感動!
レブロンどころか、バスケットボールのルールすらよくわかっていないわたしでも、最後まで一気に観られました。

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映画「ブラインドサイト~小さな登山者たち~」観ました

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Tag:イギリス

ブラインドサイト~小さな登山者たち~
製作:イギリス’06
原題:BLINDSIGHT
監督:ルーシー・ウォーカー
ジャンル:★ドキュメンタリー

【あらすじ】盲目は前世の悪行が原因との迷信が根強く残るチベットで、自身も盲目のサブリエは盲人学校を設立した。ある日、盲人として初めてエベレスト登頂に成功した登山家エリックを学校に招き、生徒たちに登山の魅力を教えて欲しいと頼むが…。

まず、チベットでの盲人への差別に驚かされました。道ですれ違った老婆が酷い言葉を投げかけ、親だって守ってくれるとは限らない。売られる事もあるし、盲目は前世の悪行が原因という迷信を、盲人の子供自身も信じて受け入れていたりするんですよ。
ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動」を観た時も思ったけど、そういう過酷な環境で育った子供たちは、チャンスを見つければ真っ直ぐそこへ向かって突き進んでいくんですよね。たとえ命がけでも迷わず進んでいく意志の強さに、圧倒されてしまいました。
彼らが挑戦したのは、エベレストの北側にある標高7000mの「ラクパリ」への登頂。足を踏み外せば真っ逆さまという場所も歩くし、高山病で命を落とすこともあります。それを14歳~19歳の6人の盲人の子供に挑戦させるなんて、聞いた時には自分の耳を疑ってしまいました。
自身も盲人の登山家エリック率いるガイドメンバーは、みんな”挑戦”とか”冒険”とか”名声”が大好きな男たちで、子供たちのひたむきさもあって、登山の様子を見ているのは本当に怖ろしい!
後半は、そんな彼らと、真っ向から意見するサブリエ先生との議論が白熱します。”子供たちにとってのゴールは頂上とは限らない”と必死に訴える姿は教育者の鏡。最後、彼ら全員が出した結論と、その結果見ることができた子供たちの楽しそうな姿にジーンとしました。男の子が「HappyTogether」を歌うエンドロールもよかったです。
原題の意味は”目が見えない人の視覚”。登山の途中でサブリエが、「目が見えなくても、風や匂い、様々な音や足元の感覚などから、どんな場所か想像して楽しむ事ができる」と話していたのが印象的でした。

ドキュメンタリー三本立て

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Tag:にゃんこ

ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動

『ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動:WAR DANCE』(米’07、アンドレア・ニックス・ファイン、ショーン・ファイン)

「ミリキタニの猫」の後に観ました。前半は子供たちの語る壮絶な出来事に息を呑み、後半は音楽と伝統舞踊に笑顔で打ち込む姿に、ただ号泣してました。もう言葉にならない。希望と誇りを湛えた子供たちの輝く瞳が忘れられません。

『ミリキタニの猫』(米’01、リンダ・ハッテンドーフ)

想像していたのとは全然違ってビックリしてしまいました。ミリキタニというのは、路上画家をしている80歳の日系人ホームレスの名前で”三力谷”と書きます。このドキュメンタリーは彼の半生を追ってるんだけど、監督さんはたまたま近所の路上で絵を描く彼に興味を覚え、猫の絵を描く様子や話しているところを撮ったりしていたら、9.11の事件が起こり彼を自宅に招く、というのが始まり。聞けば聞くほど数奇な人生を歩んでいて、たくましく自分の道を歩んでいる彼のバイタリティに圧倒されました。色鉛筆で描いた柿の絵や、帰りが遅いリンダに説教するシーン、ちゃんとした道具で日本画を描いているときの活き活きした筆遣いなんかが印象的。

『マザー・テレサ/母なることの由来』(米’86、アン・ペトリ、ジャネット・ペトリ)

三番目に観たのと、以前伝記映画を観たこともあって、そこまで感動とかはしなかったんだけど、いいドキュメンタリーだったと思います。印象に残ったのは、痙攣してるのか震えているのか、やせ細った子供をさすってあげていると、瞬く間に落ち着いて穏やかな表情になる場面。「大切なのは、どれだけのことをするかではなく、どれだけの愛をこめるかです。」という言葉がズシッときます。彼女以外の人が口にしてもキレイごとに聞こえそうだけど、彼女はそれを体現してる人だから。

映画「天空の草原のナンサ」観た

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Tag:ドイツ

天空の草原のナンサ
ツボにはまっちゃって…(笑)
製作:ドイツ’05
原題:DIE HOHLE DES GELBEN HUNDES(THE CAVE OF THE YELLOW DOG)
監督:ビャンバスレン・ダヴァー
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】モンゴルの草原で、羊の放牧をして平和に暮す一家がいた。6歳になる少女ナンサは、洞窟で子犬と出会いツォーホルと名付け連れ帰る。だが、オオカミの仲間かも知れないと父親は飼うことを許してくれず…。

ストーリーはなんてことなくて、失われつつあるモンゴル遊牧民の生活とナチュラルな子供たちの姿を見守る作品なんですが、それよりも途中で出てきたお土産の動く犬のおもちゃの禍々しさにやられてしまいました。
え、なんですか、このホラー映画に登場しそうなおもちゃ。ぜんぜん可愛くないし、何か憑いてない?
目を緑色に光らせて、キャンキャン鳴きながら歩く様子が頭から離れません。これを買ってきた父親と、もらって喜ぶ子供たちの感覚がわからない(笑)

…まあそれはともかく、他はのんびり雲を眺めるような感覚で観られました。ゲル(パオ)を解体する様子も興味深かったし、子供が乾いた糞を積み上げて遊ぶ様子にはちょっと引きました(病気とか大丈夫!?)。子供たちがやたらと自然体だと思ったら、この家族は本当の遊牧一家らしく、この作品も半ドキュメンタリーなんですね。
どうして犬を飼っちゃいけないの?と訴えるナンサに、「ひらいた手のひらを噛めないように、目の前にあっても手に入らないものもあるんだよ」と母親が教えるとこが良かったです。
ほのぼのした草原のラストシーンで、国政選挙への参加を呼びかける宣伝カーが横を通り過ぎるのが印象的。
ちなみに原題はどちらも「洞窟の黄色い犬」。劇中で語られる黄色い犬の昔話から。

動物映画をたくさん観たよ

南極の春
ゴールデンウィークを狙ってかドキュメンタリー、動物映画をたくさんオンエアしていたので、まとめて感想です。
まずはイラストに描いた…

『南極の春:RUSH HOUR IN ANTARCTICA』

2005年フランス、リュック・ジャケ監督(TV用ドキュメンタリー)
繁殖期を迎えたアデリーペンギンやウェッデルアザラシ、ユキドリ、ナンキョクオオトウゾクカモメなどの子育ての様子を追った作品。「皇帝ペンギン」の監督だけあって面白かった。ひとつの場所でいろいろな生き物が子孫を残そうと頑張ってます。皇帝ペンギンと違い、アデリーペンギンは協力し合ったりはしないんだね。

『皇帝ペンギン~撮影日誌~:DES MANCHOTS ET DES HOMMES』

2004年フランス、リュック・ジャケ、ジェローム・メゾン監督
「皇帝ペンギン」とあわせて観るべきメイキング映像。ペンギンと同じく命張ってます。あと、メイキングだけじゃなく、ちゃんとペンギンの様子も見られた。撮影スタッフに興味を抱くペンギンが可愛い。

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「皇帝ペンギン」観ました

『ディープ・ブルー:DEEP BLUE』

2003年イギリス/ドイツ、アラステア・フォザーギル、アンディ・バイヤット
海洋ドキュメンタリー。映像は美しいけれど、欲張りすぎてそれぞれの生態まで見せてくれない。これを観るくらいなら、編集する前のTVシリーズ「ブルー・プラネット」(全8巻)を観た方がいいと思う。ただ、シャチが獲物を放り投げるシーンだけは良かった。シャチの恐怖映画が観たい。

『子猫物語』

1986年日本、畑正憲監督
動物虐待映画。最初は可愛いと思って観ていたけれど、しだいにチャトランやプー助が危険な目に遭うようになって観てるのが辛かった。茶虎の子猫を何匹も使い捨てにしていたという噂もあるくらいで、崖から海へ落ちるシーンは本当に死んでもおかしくない状況。他の動物映画も実は…?と思うと怖くなった。

『ペリ:THE STORY OF PERRI』

1957年アメリカ、N・ポール・ケンワージー・Jr、ラルフ・ライト監督、フェリックス・ザルテン原作
ディズニー製作の子リス・ペリの物語。ほぼドキュメンタリーだけど、原作があるとのこと。撮影スタッフが作り出した状況の中に動物たちを放し、望む結果になるまで繰り返したということか?
ペリの父親が食べられちゃったんだけど…。

『砂漠は生きている:THE LIVING DESERT』

1953年アメリカ、ジェームズ・アルガー監督
またもやディズニー製作。「死の谷」と呼ばれる砂漠にすむ生き物の生態を撮った作品。あんな砂漠にも意外と生き物が生息しているのだと驚いた。豪雨の後に現れる花たちも感動的。よくできていると思うけど、これも作為的なものを感じる。レミングの集団自殺を有名にしたドキュメンタリー「白い荒野」もディズニーによるヤラセだという噂。

『灰色グマの一生:KING OF THE GRIZZLIES』

1969年アメリカ/ロン・ケリー/アーネスト・トムソン・シートン
やっぱりディズニー製作。灰色グマと原住民の青年との友情的なものがドキュメンタリータッチで描かれます。ファミリー向けとしてはなかなかなんだけども、熊がね…。以前、熊がメスに自分の子供を産ませるために子グマを殺すという話しを聞いてから、熊は苦手です。

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映画「ヤング@ハート」観ました

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Tag:イギリス

ヤング@ハート
製作:イギリス’07
原題:YOUNG@HEART
監督:スティーブン・ウォーカー
ジャンル:★ドキュメンタリー/音楽

【あらすじ】1982年、平均年齢80歳のロック・コーラス・グループ”ヤング@ハート”が誕生する。彼らはボブ・シルマンに率いられ、ツアーで多くの人々を楽しませてきた。そしてまた、年に一度のコンサートを6週間後に控え、彼らは歌に情熱を注ぐ。

ドキュメンタリーだと知らずに観たんですが、これがなかなかのみっけもんでした。
とにかくお爺ちゃんお婆ちゃんたちが元気で、彼らの歌を聴くだけでパワーを分けてもらえます。クラシック好きなのにあえてロックというとこもイイ!
新しいことに挑戦できることを心の底から楽しんで、毎日ウキウキしながらボブ先生の厳しい練習に向かってました。
印象に残ったのは「年を取ると出来ないことが増えるというが、できるまで時間がかかるようになるだけ。やりがいあるよ。」という言葉。充実した毎日を送っている彼らは、さらっと格好いいことを言ってくれます。
涙を誘う刑務所慰問では誰もが素敵な笑顔をしていて、歌(音楽)の力って本当にすごいんだなぁと今更ながら痛感。

冒頭で彼らのことを知ったときは、正直、平均年齢80歳の老人たちがロックを歌うのが物珍しくてもてはやされているんじゃないかとも思いましたが、観終わった頃には彼らの生き様に心打たれてました。
あんなふうに人生を謳歌したい!そう思わせてくれる作品です。

映画「アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生」観た

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アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生
製作:アメリカ’07
原題:ANNIE LEIBOVITZ: LIFE THROUGH A LENS
監督:バーバラ・リーボビッツ
ジャンル:ドキュメンタリー/アート

【あらすじ】1970年にローリング・ストーン誌の写真を撮り、それから数々のセンセーショナルな作品を世に送り出してきた女流写真家アニー・リーボヴィッツ。彼女の作品を交えながら、その人生にせまる。

まず断っておくと、私は写真にあまり興味がありません。そして、スターにもその日常にも興味がありません。それどころか、有名人の顔もぜんぜん覚えてないです。
そんな無い事尽くしの状態で不安を抱えての観賞だったんですが…案の定、次々と映される彼女の作品をみても、いいのか悪いのかさっぱり分かりませんでした。たぶん、彼女が撮った写真と他の人が撮った同じ人物の写真を並べられても、わたしには区別がつかないと思います。
また、映画「マリー・アントワネット」の中世の写真や、豪華なセットを組んで撮影した絵画のような写真は綺麗だったです。こんな表現方法があるのかと驚きましたし、彼女の情熱には圧倒されます。でも、それ以上のものを感じることはなかったんですよね。
「オズの魔法使い」の写真に至っては、ちょうど39年の映画を再見したばかりで『イメージが崩れるからやめて!』と叫びそうになる始末。アートっぽい変な格好、ポーズの写真も理解できませんでした。
それで「わたしにはこの作品を理解できる感性はないのかも」と諦めかけていたとき、彼女の家族や身近な人たちの何気ない写真をみて、やっと「おぉ?」と思ったわけです。
かなり終盤だったので、何枚もみて慣れてきたのかと思い巻き戻してみたんですが、確かに”ふとした瞬間の何気ない日常”を撮った写真には、何か心惹かれるものがあります。この短時間で少し感性が磨かれたんでしょうか?
”つくられた空間”という感じの写真にはやっぱり興味が湧かなかったけれど、優しい目線で撮った何気ない写真が好きなんだと気付くことができました。

もっとこんな写真を見たい、自分もこんな写真を撮ってみたい。そして何より、自分がしたい事を思いっきりやってみたいと思える作品です。

映画「皇帝ペンギン」観ました

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Tag:フランス

皇帝ペンギン
製作:フランス’05
原題:LA MARCHE DE L'EMPEREUR
監督:リュック・ジャケ
ジャンル:★ドキュメンタリー

【あらすじ】冬間近の南極大陸。皇帝ペンギンたちが海から100km離れたオアモックへ辿り着いた。産卵を終えたメスはエサを求め海へと旅立ち、メスが戻るまでの120日間、オスは仲間と寄り添い-40度の寒さに耐えながら卵を守り続ける。

動物好きにはたまらない作品。
ヒナが孵ってからはニマニマしっぱなしでした。(キモいな、自分)
南極の一面氷の世界も美しく、この地で生きることの厳しさに比例するかのようです。
そんな厳しい世界で生きる皇帝ペンギンたちが、仲間同士協力し合い、夫婦で支えあいながら新しい命を育む姿が描かれます。(たった3人で撮影したとか!)
彼らの徹底された集団行動には驚かされることが多く、人間もこれくらい厳しい環境で暮すことになったら同じ様に協力し合えるだろうかと考え込んでしまいました。
寒さに対抗するため密集し、内側と外側のペンギンが順々に整然と入れ替わっていくこと。冬の間ブリザードに耐え、やっと卵を産むと、オスが卵を預り体力のないメスが先にエサをとりに行くこと。本能による行動なのだとしても、彼らの生き方は美しく、惹きつけられます。
子供を失ったメスが他のメスの子供を奪おうとすることもあるようですが、最終的には群れを外敵から守る側に回るというのも感動的。
ただ、ナレーションの他にペンギン親子の心の声がセリフとして入るのは、嫌という程ではないにしろ余計な気がします。観る人の想像力に任せてよかったんじゃないかなぁ…。

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映画「エマニュエルの贈りもの」観ました

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エマニュエルの贈りもの
製作:アメリカ’05
原題:EMMANUEL'S GIFT
監督:リサ・ラックス/ナンシー・スターン
ジャンル:★ドキュメンタリー

様々な理由で全人口の一割が障害者という西アフリカのガーナ。右足に障害を持って生まれたエマニュエルは、他の子どもと同じ様に扱ってくれる母親の愛に支えられ、不屈の精神を養ってゆく。やがて、ガーナの障害者の多くが物乞いをしていると知った彼は、障害者の意識改革のため”ガーナ横断”に挑戦する。

ドキュメンタリーですが、そこらの感動ドラマより心に響きました。
彼の偉業にどれだけのひとが勇気付けられ、人生を変えたか…。
元気になるだけじゃなく、考え方まで変えてしまうほどのパワーを持った作品かも知れません。