ミュージカル 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

TV映画「ディセンダント」観た

 | ミュージカル  Comment(6) 

ディセンダント
原題:DESCENDANTS
製作:アメリカ’2015 112分
監督:ケニー・オルテガ
ジャンル:★ファンタジー/青春コメディ/ミュージカル

【あらすじ】オラドン合衆国の王ビーストによってバリアで覆われたロスト島に閉じ込められていたディズニーヴィランズたち。王子ベンは、子供に罪はないとヴィランズの子どもたちを学園に呼び寄せる。生まれて初めて島を出たマレフィセントの娘マルたちは、親の命令でフェアリー・ゴッドマザーの魔法の杖を奪うことになるが…。

ファンタジー企画で観ました。ネタバレあります。
ディーライフで放送してたテレビ映画なんですが、思いのほか面白くて「ハイスクール・ミュージカル」を思い浮かべたら同じ監督さんでした。
ディズニー映画でおなじみの「眠れる森の美女」や「白雪姫」「101匹わんちゃん」「アラジン」の悪役、ディズニー・ヴィランズの子供たちが主役で(タイトルは「子孫」「末裔」の意)、ベルと野獣の息子の戴冠式に招待され、親たちの命令で魔法の杖を奪おうとする話。
ただ同じディズニー実写映画の「マレフィセント」や「101」とは直接関係があるわけじゃなくて、マレフィセント役は「ティンカー・ベル」のロゼッタの声をやってる方だし、クルエラ・ド・ヴィル役も別の方が演じてます。衣装も全体的にショボく低予算丸出しですが、そこはTV用だから(汗)

しかしこの作品、ファンタジーな味付けはされているものの学園ラブコメの王道みたいな展開で、子供たちはみんな完全に現代っ子でした。
「子供に罪はないはずだ」と彼らを呼び寄せたベンは絵に描いたような王子様で、「ティンカー・ベル」のイッケメーン!なテレンスくん並みの好青年なんだけど、その他はムーランの娘も妖精の娘も、みんな良いところも悪いところも持ち合わせた今時の女の子。”犯罪者の子供であること”は意外と気にしてないものの、自分より目立つ存在を排除しようとしたり、逆に仲良くして便利に利用しようとしたりとけっこう腹黒いです(笑)

むしろ、親に愛されたい、期待に応えたいと願いつつ、親の言うとおり”悪い子”になってもいいのか?と悩むヴィランズの子供たちの方が、よっぽどピュアなんですよね。
とくにファレフィセントの娘マルは”悪ぶってるけど根はピュアな美少女”で、杖を奪うためにベンに惚れ薬を盛るものの罪悪感に揺れる姿が乙女!!
このままにしておくのは残酷だからと解毒薬を調合するくだりが胸キュンでした。惚れ薬には「悲しみから流した涙」が必要で、それを入手するのに手間取っていたのに、解毒薬を調合する時にはマル自身が自然に涙を流すんですよ。…もう!可愛すぎるわー!!!

他にも、魔法の鏡を使いこなすイヴィは、努力家で頭もいいのに「本物の王女じゃない」というコンプレックスを抱え、それを乗り越えてマルとも対等な親友になっていきます。
ジャファーに盗みを仕込まれたジェイも、先生のナイスアシストによってスポーツでみんなと協力することの楽しさを知り(チームは家族のようなものと説明したら家庭内も弱肉強食状態で、慌てて「目や耳や腕、脚のどれが欠けても困るだろ?」と言い直した先生ナイス!)、クルエラ・ド・ヴィルの息子カルロスにいたっては、なぜか母親に犬は人間を食べる恐ろしい生き物と吹き込まれ、犬恐怖症を克服する…普通だ!

振り返ってみると本当に普通の少年少女で、ほぼ無法地帯状態にある島で育ったなんて酷い話です。いちおう誰が誰の子供か把握してるのに、そのまま閉じ込められていたわけで…。迫害やん!
だからこそベンの”信じる心”がマルに届いたし、ちょっとした勘違いから恋が始まるんですね~。
終盤の展開もなかなか考えられたもので、マルたちの嘘や母親との対決で一波乱あっても、最後はスッキリいい気分で観終われました♪
明るく楽しいラブコメ・ミュージカルだったと思います。

映画「雨に唄えば」観ました

 | ミュージカル  Comment(18) 
Tag:スタンリー・ドーネン

雨に唄えば
原題:SINGIN' IN THE RAIN
製作:アメリカ’52 102分
監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
ジャンル:ミュージカル/コメディ/ロマンス

【あらすじ】トーキー出現によりハリウッドは騒然としていた。スターだったドンはトーキー映画に出演せざるを得なくなるが、パートナーのリナの声はとても人に聞かせられるものではなかった。試写での評判も散々で絶望する彼に、親しくなった新人女優キャシーに手伝ってもらおうと友人コズモが言い出し…。

実はあまり再見する気の起きなかった作品で、名作と名高いのにどうしてだろうと思って重い腰を上げてみました。
そうしたら前半は思いのほか楽しかったです。
自惚れ屋のドンがキャシーに出会って”好きな子に意地悪しちゃう不器用な青年”みたいになっていくところは面白かったし、コズモの壁登りが見られるところや、三人の「グッドモーニング」、有名な「雨に唄えば」など歌も踊りも最高。観てるだけで楽しくなりますよね。
でも、「踊る騎士」のブロードウェイのくだりが長ったらしくて、せっかく盛り上がっていたのに、いつの間にか真顔で観てる自分が…。そうか~、ここが苦手だったのか。
これって主演の男が口出したんじゃないの?と思ったら彼も監督やってたし。ただ、他に文句を言ってる人もあまりいないみたいなので、私の好みの問題なんでしょう。

また、リナさんとコズモの扱いが悪いのが、いまいち乗り切れない理由みたいです。
リナさんのあの絶対的な自信!周りがどんなに微妙な空気を出していても、気にせず(気付かず)自分の演技や声に自信満々なところはさすがスターだし、宣伝向けのドンの言葉や態度を真に受けてしまう単純なところも可愛いじゃないですか。
確かにキャシーに対する仕打ちは酷いけど、あの映画会社もドンも彼女なしには今の成功はなかったはずです。最初からリナを守る方法を真剣に考えていれば、彼女だって強硬手段に出たりしなかったでしょう。いちおう彼女は自分の持つ正当な権利を主張しただけなのに、あそこまでコケにして心が痛まないのか。
ただ、ふてぶてしいリナさんなら、きっとコメディエンヌに転向して復活できるんじゃないかと思っていたり。最後まで脇役扱いだったコズモと組んで劇場を笑いの渦に…とかいいよね。

大好きな作品とはならなかったけど、どこが苦手なのかハッキリしたし、楽しめた部分も多かったので再見してみてよかったです♪

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映画「トップ・ハット」観ました

 | ミュージカル  Comment(2) 

トップ・ハット
原題:TOP HAT
製作:アメリカ’35
監督:マーク・サンドリッチ
原作:ドワイト・テイラー
ジャンル:★ミュージカル/ロマンス

【あらすじ】ロンドンに招かれたアメリカのダンス・スター、ジェリーは、興業主ホーレスと共にホテルに滞在していた。ひょんなことから下の部屋に住むアメリカ人美女デールと急接近するが、ホーレスの妻マッジが現れ、デールはとんでもない勘違いをしてしまう…。

これは傑作ですね。終盤、ヒロインの株が下がったけども、全体的に粋で楽しいミュージカルでした。
1935年製作と古い作品だし、内容は古典的な勘違い(すれ違い)ラブコメですが、古典的だからこそ上手く作れば時代を超えて楽しめるんだというのを証明してくれます。
ヒロインは現代にも通じる美人さんで、ミュージカル嫌いでなければオススメ。
ダンスと歌がしっかり物語に馴染んでいたし、音楽やダンスもロマンティック。ダンスによって二人の距離が急激に縮まるのも説得力ありました。

ジェリーとデール、ホーレスとマッジの4人が勘違いしつつも、なぜか会話は成り立ってしまって大混乱していくサマは見物ですね〜。コントかよという感じですが、それで100分のうち6割近く持ってるんだからすごい。
さらに、ホーレスと冷戦中の使用人が、休戦協定を結んでデールをスパイする様子も楽しそうでよかったです。最後にはこいつが見事にやってくれた!(笑)
デールを自分のデザインの広告塔くらいにしか思ってなさそうなデザイナーの扱いは、彼にも悪いところがあるとはいえちょっと可哀想でした。まあ、今後あのホテルに行きづらい程度で済んだからいいかな。

印象的なのは、勘違いからビンタされるジェリーのシーン。パーンと思いっきり、違うシーンで2回目もくらうんですが、勘違いする様子すらも可愛いとうっとりするところが(笑)
一方、容赦なくグーパンチするホーレスの奥さんもサイコー。イラストは、ためらうデールに「ほら、もっとくっついて!」とけしかけるマッジの図。デールの勘違いにより最高に面白いシーンになってます。
35年製作なのに、全体的に女性が強い作品でした。

ちなみに、タイトルの意味はジェリーが愛用しているシルクハットのこと。
あと、映画情報サイトで知ったんですが、有名な「カイロの紫のバラ」(未見)で、ラストにヒロインが観ているのがこの作品らしいです。いつか「カイロ~」も観なくちゃ!

映画「ファントム・オブ・パラダイス」観た

 | ミュージカル  Comment(8) 

ファントム・オブ・パラダイス
原題:PHANTOM OF THE PARADISE
製作:アメリカ’74
監督:ブライアン・デ・パルマ
ジャンル:ミュージカル/ファンタジー

【あらすじ】レコード会社の社長スワンに曲を盗まれ、無実の罪で投獄された青年音楽家ウィンスロー。刑務所で歯を抜かれ、脱獄してレコードプレス工場を襲撃するも機械で顔半分を押しつぶされてしまうのだった。復讐のためスワンの前に現れたウィンスローは、彼の口車に乗って愛するフェニックスのために曲を書く。

コミカルなB級映画の雰囲気があるけど、主人公が”ファントム”になるまでの経緯がホント惨くてね…。せめてヒロインのフェニックスがもう少し気高い女だったら嫌な気分もかき消されるだろうにと思いつつ、彼女が俗物だからこそクライマックスのウィンスローの純粋さが引き立つという…。悩ましい!
「オペラ座の怪人」とロックが好きなら楽しめそうですが、クセが強いので好き嫌いは分かれると思います。私はどちらかというと、音楽的には合わなかったかな~。

ただ、ブライアン・デ・パルマのセンスが炸裂していて、声と顔を失ったファントムがデジタル機器によって蘇った姿とか、「サイコ」のパロディとか、ビーフの最期なんかは好きというか、妙に惹かれるものがありました。
そして、悪魔のような男スワンのキャラクターも、醜く顔がただれたファントムなんかよりよっぽどおぞましい。それでいて若者に支持され女性にモテモテ?なんだから、彼の秘密が明かされた時はすぐに納得できます。
あと、やっぱりクライマックスは良かったです。ただひたすら愛した女(≒音楽)のために、自分の命を賭けて戦う男…。最期まで彼女を求めつづける姿に涙腺が緩みました。

とりあえず、ファントムを描きたくて仕方なくなったので記事にした次第です。

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映画「シェルブールの雨傘」観ました

シェルブールの雨傘
原題:LES PARAPLUIES DE CHERBOURG
製作:フランス’63
監督:ジャック・ドゥミ
ジャンル:ミュージカル/ロマンス

【あらすじ】フランス北西部の港町シェルブールで、自動車修理工の若者ギイと傘屋の少女ジュヌヴィエーヴが恋に落ちた。だが、まだ17歳のジュヌヴィエーヴを心配する母親は、娘の幸せを願うあまり口やかましくしてしまう。そんなある日、アルジェリア戦争の徴集礼状がギィに届き…。

Gyaoで7月3日まで。
すべてのセリフが歌になってるミュージカルには抵抗ありましたが、ロマンス映画として楽しめました。
といっても、ストーリーは今観ると陳腐と言えるくらいありがちなもので、先が読めるんでちょっと飽きそうになったり。でも大筋は読めても、物語の中心が人物ではなくシェルブールという舞台に固定されているという面白さや、心理描写の丁寧さのおかげで、歌に慣れてきてからはグイグイ引き込まれました。
しかも予想を裏切る善人揃いだったんですよね~。

てっきり母親は「ロミオとジュリエット」の父親のようなタイプかと思ったら、確かに金持ち男が現れた時に期待はしてたと思うものの、実際に求婚されたら面食らってしまうんですよ。そして、口うるさく「ギイの事は忘れなさい」と言いつつ、彼からの手紙を捨てるような卑怯な真似はしません。(絶対捨てると思ってた私が荒んでる?)
それどころか、縁談の邪魔になる孫の誕生を喜んでおり、産着を買ってきてウキウキしてるほどです。子離れできないながら、いいお母さんだと思いました。

そして、お目当てだった「ローラ(1960)」の後日談がまた良いんですよ。
何を隠そう、ジュヌヴィエーヴに求婚した男というのが、失意の後、宝石商として成功したローランなのです。ずっとローラへの気持ちを引きずっていたのに、ジュヌヴィエーヴを一目見て世界が変わったとか、「超面食いなだけかよっ!」と思わないでもなかったけど、大人の余裕で断っても10年くらいは待ちそうな一途さでしたね(笑)
これは「ローラ」を観てると、彼を応援せずにはいられないと思います。でも、結局宝石で釣るのはどうなの!?

そんな彼に見初められたジュヌヴィエーヴも全然悪い子じゃなかったです。
この作品は浮気物だと聞いていて身構えていたんですが、こんなの自然の摂理であって浮気じゃないでしょ。借金抱えた家の17歳の娘に何を求めてるんだ!(17歳には見えないけど)
妊娠するような事をした時点で、妊娠した場合は子供のためにも側にいられない男が身を引くのは暗黙の了解だと思う。というかあの時、ギイが叔母さんにジュヌヴィエーヴを紹介してれば流れも変わってたのでは?
…まあ、若いから仕方ないけど。
とにかく、彼女の選択は愛する人との子供のためだし、思いっきり悩んでいるところが描かれていたので、むしろ彼への愛が深いものだったと思えました。

あと、おそらく昔から密かにギイを愛していたマドレーヌもいい子で、ジュヌヴィエーヴの結婚式を見て、喜ぶわけでも怒るわけでもなく、ギイが傷つく事を想って悲しみの表情を浮かべる控えめなところが好きです。
失意のギイを立ち直らせるための厳しさや、変わらぬ献身、長らく彼を見てきたからこその不安など、ギイと結ばれるまでの機微が、短時間で丁寧に描かれてました。
彼女には幸せになって欲しいですね。

ラストの再会と別れも切なくて余韻に浸れます。二人の子供がそれぞれフランソワーズとフランソワなのがね…(ホロリ)
ここで彼女は不幸そうだと思う方もいるようですが、彼女は最初から好きな男と離れている時は憂鬱そうにしてたし、クリスマスなのに夫は出張中?みたいだし、あのべったりだった母を亡くしたばかりで精神的に参ってたんだと思いたいです。でなきゃ、雪の降る寒い夜に、幼い娘を窓全開の車内に残したりしないでしょ。相当疲れてますよ、事故りそうですよ!
思い出に引き寄せられてシェルブールに寄ったら、幸せそうなギイに会って憂鬱MAXになってただけで、夫が帰ってきたら可愛い娘と愛する夫と、人が変わったみたいに幸せを満喫してるに一票!
だって、そうじゃないとローランが不憫だもの…。
たぶん「ローラ」を先に観てるかどうかで印象が変わる作品だと思います。

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映画「マペットのクリスマス・キャロル」観ました

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Tag:チャールズ・ディケンズ
マペットのクリスマス・キャロル

原題:THE MUPPET CHRISTMAS CAROL
製作:アメリカ’92
監督:ブライアン・ヘンソン
原作:チャールズ・ディケンズ
ジャンル:ミュージカル/ファンタジー/ファミリー

19世紀のロンドン。冷酷で守銭奴な高利貸しのスクルージは町一番の嫌われ者だった。クリスマス・イブだというのに若い書記クラチットを薄給でこき使い、唯一の身内である甥にクリスマスのディナーに招待されても断ってしまう。だがその夜、かつての共同経営者マーレイ兄弟の亡霊が現れ…。

ファンタジーアニメ企画用にとっておいたんだけど、『マペットはアニメじゃねぇ!!』と気付いて昨晩あわてて観ました(笑)
子供の頃「セサミストリート」を見ていたからかもしれないけど、マペットたちと人間が一緒に暮らす様子にまったく違和感がありませんね。カエルの嫁が豚っていうのが唯一気になったけども…。
ディケンズ役のマペットが狂言回しをしていて、子供にわかりにくいところは説明したり、怖いシーンはちゃかしたり、相棒のネズミとおふざけで盛り上げたりしてくれます。それが邪魔にはなってなくて、子供はもちろん大人が見ても楽しめる作品になってました。
マペットってモコモコしてて暖かそうだし、人が操ってるので安心感があるというか、やはり人間の俳優との親和性が高いのかなと思います。
冒頭から、スクルージがクリスマスへの憎しみを露に悪役オーラを出しているんですが、画面に映るだけで心が和むマペットたちの前でこのオーラを出せるのが凄い!
マペットを憎憎しげに放り投げるところとか、マペットが人形じゃなくて命あるものに見えるんですよ。
演じているマイケル・ケインが他の映像作品のスクルージに比べてカッコよくて、若かりし頃を演じる俳優さんも爽やかイケメンさんを起用しているくらいなのに、冒頭の彼はしっかりと冷酷なスクルージでした。
もう死んでる幽霊たちもマペットが活き活きと演じていて、マーレイ兄弟が重い鎖を引きずりながら、悪びれもせず過去の悪事を歌うシーンは雰囲気出てます。…ドアノッカーがCGで不気味に変化して柔らかマペットの顔になったのは噴いたけれど(笑)
クリスマスの精霊たちは何気に容赦なくて(自業自得なんだけども)、弱ったところに手を差し伸べると見せかけて一気に突き落とす荒療治で改心も納得。
未来の精霊は結構怖くて、顔が見えない死神みたいでした。
ラストはマペットも人間も一緒に楽しく歌うハッピーエンド。散財以外に努力もしている「アメリカン クリスマス・キャロル」のラストが良かっただけに、ディケンズ役が良い方向へ向かっている事をさらっと説明して終わるラストは若干物足りなかったけど、クリスマスに子供と一緒に見たい秀作だと思います。

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映画「チキ・チキ・バン・バン」観た

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Tag:イギリス

チキ・チキ・バン・バン
原題:CHITTY CHITTY BANG BANG
製作:イギリス’68
監督:ケン・ヒューズ
原作:イアン・フレミング
ジャンル:ミュージカル/ファンタジー

【あらすじ】生活力はないが夢多き発明家ポッツは、二人の子供と老父と一緒に貧しいながら幸せに暮らしていた。子供たちのため廃車を修理た彼は、走る時の音から”チキ・チキ・バン・バンと命名。大手製菓会社の令嬢トルーリーも誘いピクニックに出かけ…。

ずっと「グレートレース」みたいなレースモノだと思ってたので、ファンタジー?と不思議に思ってたんですが、後半は改造車で一家が冒険するという空想のお話を描いているんですね。
確かに、あのピカピカの胸キュンな可愛い車でピクニックに行ったら、夢みたいな冒険を想像したくなります!
まあ、本当に親が子供に聞かせる思いつきみたいなストーリーなので、後半ちょっと眠くなりましたが…(汗)
見所は心躍る発明の数々!
発明家につきものの全自動朝食製造マシン(故障気味)とか、鳥人間ロケット(失敗)、全自動散髪機(大失敗)なんかが出てきて、それらを見ているだけで楽しい気分になれます。
ミュージカルとしても楽しく、「モダン・タイムス」みたいなレトロ感が素敵な工場で、従業員たちがいっせいに踊って歌い出すシーンはウキウキです。
馴染み深い「チキ・チキ・バン・バン」の歌も、車のエンジン音などを歌っていて、子供たちの車への愛着が詰まったものだとわかって一層好きになりました。

あと、個人的に面白かったのが、発明家である父親が、発明よりも人を楽しませる事で才能を発揮しているところ。
車を買うためのお金を工面する時も、散髪機で大失敗して逃げ回ってるうちにショーに紛れ込み、そこでお駄賃ゲットしてたし、空想の世界でも、人形のパフォーマンスで人々を魅了し、その隙に悪者を倒すという…。
発明よりパフォーマーの才能があると自覚してるあたり、ちょっぴり切ない!(笑)
ヒロインのオルゴール人形のフリも可愛かったし、子供たちの素朴な歌声も良かったです。
もしCG満載でリメイクしたらすごいのができそうだけど、この”人の手で作られた温かみのある感じ”が好きだなぁ。

映画「クリスマス・キャロル(1970)」観ました

クリスマス・キャロル(1970)
原題:SCROOGE
製作:イギリス’70
監督:ロナルド・ニーム
原作:チャールズ・ディケンズ
ジャンル:ミュージカル/ファンタジー

【あらすじ】クリスマス・イブの晩、ケチな老人スクルージのもとに、死んだ共同経営者マーレイの亡霊が現れる。その亡霊はスクルージに、過去、現在、未来の幽霊を紹介し、スクルージの行く末を見させるが…。

「クリスマス・キャロル」は有名なのに、まともに観たのは初めてです。こういうにぎやかであったかいミュージカルが好きなんだなぁとしみじみ思いました。未来での町の人々が歌い踊る様子はちょっと…だったものの、子供たちの歌声は反則もの可愛いさ!
クリスマスの楽しさと、コミカルかつ幻想的な幽霊たちも良かったです。
主人公は、クリスマスを呪い、人間を呪い、人生を呪うスクルージ。口は悪いしケチだし、空気は読まない主義らしいけど、そこまで悪い人ではありません。自分の過ちを許せず、自分とその人生を愛せなくなってしまった不幸な人だったんですね。
幽霊たちに突きつけられる忘れようとしていた過去…それを目の当たりにして、ふと昔の気持ちが蘇ってきたり、胸が張り裂けそうな後悔に襲われる様子が印象的。
でも、自分では気付いていないけれど、彼の周りには彼を信じていてくれる人が身近にふたりもいます。その上、最後のチャンスまで与えられるなんてややご都合主義っぽいですが、むしろ善良な彼らに対する奇跡がスクルージをも救ったのかも?
改心した彼が、今までの分も取り返さんばかりにクリスマスを皆と分かち合おうとするラストは、(今のところ)お金しかないという感じで物悲しさを感じたり、このままじゃすぐ無一文になって元の彼に戻らないかと不安がよぎったり、それで一家のパパを雇えなくなるんじゃないかと心配になったりもしたけど、あの一家の(とくに病気の坊や)の感謝の笑顔を見たら、前向きに頑張っていけるかもしれないと思えました(商売は得意だろうし)。
人生を愛することの素晴らしさを伝えた良作です。

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映画「シカゴ(2002)」観た

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シカゴ(2002)
原題:CHICAGO
製作:アメリカ’02
監督:ロブ・マーシャル
原作:ボブ・フォッシー、フレッド・エッブ
ジャンル:★ミュージカル/コメディ/ドラマ

【あらすじ】1920年代のシカゴ。スターを夢見るロキシーは、ショーに売り込む約束を破った愛人を撃ち殺してしまう。逮捕され留置所に送られるが、そこには憧れの歌手ヴェルマが。だが、彼女はロキシーを冷たくあしらい、マスコミ操作に長けた辣腕弁護士ビリーと組み…。

久しぶりの再見。やっぱりいいね!
全体的にミュージカル部分にはレトロ感が漂っていて、それが1920年のシカゴの雰囲気とマッチしてました。
法廷はショービジネスと同じだという皮肉も効いてて、とくに、ビリーの操り人形のシーンは、こういった裁判のわざとらしさ、滑稽さがよく出ていてよかったです。
そして、それを演じる俳優陣もはまり役。晴れ舞台を夢見るレニーが、本当に夢で終わっちゃいそうなちょっと冴えない感じなのが良い。ショーの世界に生きるヴェルマを演じるキャサリン、胡散臭いビリーを演じるギアもそれぞれ合ってました。ダンス・歌の上手い下手はわからないけど、ちょっとB級感のある作風にぴったり(笑)
他にも、貫禄を見せる看守長”ママ”とか、哀愁漂うミスター・セロハンも、彼らに負けてません。
エイモスにはマジでうるうる来てしまった。ラストは寂しいけど、きっといつか素敵な奥さんをみつけて幸せになれるよ!
無実の罪で絞首刑になってしまった女囚の切なさも印象的。歌に踊りにウキウキしているところに、ピリリときいてきますね。
ラストは、思いっきりアメリカのダメな部分を明るく楽しく見せていて、清清しいくらい!
馬鹿ね~と呆れつつ、大満足なのでした♪

映画「ショウ・ボート(1951)」観ました

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ショウ・ボート(1951)
原題:SHOW BOAT
製作:アメリカ’51
監督:ジョージ・シドニー
原作:エドナ・ファーバー
ジャンル:★ミュージカル

ミシシッピ川を行くショウ・ボート。アンディ船長と母パーシィに育てられたマグノリアは、一座の主演女優ジュリーを姉のように慕っていた。だが突然、彼女が一座を去り、マグノリアと流れ者の賭博師ゲイロードがその穴を埋める事に。ふたりは急速に惹かれ合い…。

冒頭から心躍りました。ショウ・ボートが町についたとたん、それを待ち焦がれていた人々が、仕事を放って河の方へ走っていくんですよ。みんな表情を輝かせていて、その期待に負けないくらい一座も楽しくて華やいでいるんです。
そして、メインは世間知らずな娘と賭博師の物語なんだけども、そんなふたりより断然輝いていたのが、娘を笑顔で見守るアンディ船長と、陰からそっとマグノリアを助けるジュリー、そして船尾で歌うのが仕事の(違う)黒人青年ジョーでした。
まずお父さんがキュート!
奥さんの尻に敷かれてるものの、娘の幸せを一番に考えていて、いざという時は「笑顔を忘れるな」と励ましてくれます。
直前まで酔っ払って「ハーーッピニューイヤー!!」と連呼してたのが嘘のような良いお父さんっぷり。それに比べてゲイロードの頼りなさは…。
また、ジュリーも主役を食ってしまうくらい素敵でした。一座を去った理由が人種問題だった事にもズシっときましたが、孤独で落ちぶれて酒に溺れても、可愛い妹分マグノリアの事を気に掛け、彼女の幸せを涙を流して喜ぶ姿に感動。
ラストの笑顔を見たら、きっと彼女はもう大丈夫だと思えました。
ジョーが情感たっぷりに歌う「Ol' Man River」も心に響きます。歌のプロなのかな?
プロと言えば、シュルツ夫妻の歌とダンスも素晴らしかったです(後で調べたら元ダンサーの監督兼俳優)。三回くらい別のダンスを見せてくれて、それがぜんぶウキウキするくらい楽しい。古きよき時代のミュージカルという感じで大好きです。
終盤、マグノリアが娘につけた名前が、ケンタッキー、イリノイ、ミシシッピの頭文字KIMをとってキムと名付けた事が明かされますが、河が合流する場所で生まれたという事なのか、それ以上の意味があるのかちょっと気になるところ。
若干主役の影が薄いものの(笑)、何度でも観たいと思えるミュージカル作品でした。

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映画「王様と私」観ました

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王様と私
原題:THE KING AND I
製作:アメリカ’56
監督:ウォルター・ラング
原作:マーガレット・ランドン
ジャンル:★ミュージカル

1862年シャム。王子や王女の教育係として、シャム王の宮殿にやってきたイギリス人女性アンナ。契約では息子と一緒に暮らせる家を宮殿の傍に用意してくれるはずだったが、王はそれを忘れて要求ばかり。封建的で前時代的な王宮で、彼女はなんとかやっていくが…。

「アンナと王様」と同じ原作を基にした作品です。
一番印象に残ったのが、スキンヘッドで目つきの悪いユル・ブリンナーが演じる王様ですね。登場シーンでは怖い印象だったけど、誇張したコミカルな演技と、どこか子供っぽいキャラがミュージカルにマッチしていて、だんだんと可愛く見えたり。
王としても父親としても立派に役目を果たしたいという気持ちを、ストレートに歌い上げるところの好感が持てました。
アンナはイメージどおりのひとで、大きなフープ・スカートで歌って踊る姿が素敵!
ススス~と滑るように歩く様子は妖精さんみたいでした(笑)
子供たちがスカートに興味津々なのもおかしくて、一緒に踊るシーンでは子供たちが円陣を組み、一人の子を囲んでスカートのように見せるなど、遊び心があります。
実の息子との描写が少ないのは残念でしたが、彼女の教えが周りに影響を与えていくという”教師と生徒の関係”はしっかり描かれていて、見ごたえありました。
王様は最初に覚えた言葉”エトセトラ”を事あるごとに使うし、王様への貢物としてやってきた女性は、彼女に貰った本を元に演劇の脚本を書いて奴隷解放を訴えます。そして、氷や雪の存在を否定していた子供たちは、劇の見せ場にそれを効果的に取り入れるんですよね。とくに雪のシーンは最高!
劇中劇の完成度もさることながら、物語の中に彼女とのつながりが見えて、とても感動的でした。
「Shall We Dance?」のシーンもロマンティックで印象的。ダンスのレッスンを受けている間はいつもの子供っぽい王様なのに、「さっき見たのと違う」と気付いてから急にセクシーな男性に。ちょっとドキっとしちゃいました。
ラストの展開にはちょっと驚いたんですが(原作もこうなのかな?)、観られてよかったです。

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映画「リトルショップ・オブ・ホラーズ」観ました

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リトルショップ・オブ・ホラーズ
製作:アメリカ’86
原題:LITTLE SHOP OF HORRORS
監督:フランク・オズ
ジャンル:★コメディ/ミュージカル

【あらすじ】NYスキッド・ロウ。花屋の主人に拾われ、こき使われていたシーモア。ある日、不思議な植物を手に入れオードリーIIと名付けるが、それを店頭に飾ったところ店も彼も有名に、しかし、その植物は実は人の生き血で育つ人喰いエイリアンで…。

小さい頃に何度も観ていて大好きな作品を久し振りに再見しました。やっぱいいですわ~。シーモアもオードリーもオードリーIIも、このリメイク版がしっくり来ます。
冒頭で3人娘が歌い出して「ああ!これだ!」とウキウキしてしまいました。舞台は貧しい地域で主人公たちも恵まれない境遇なんだけども、この全編を彩る明るい音楽のおかげで「ここから抜け出そう!」という前向きな気持ちが印象に残るんですよ。ホラー色もほとんどないし。
サディストな歯医者と別れられないオードリーが、優しいシーモアとのささやかな幸せを夢見て歌うシーンはキュンとしますね。だんだんと歌詞に物欲(洗濯機やシステムキッチン)が表れてくるとこもあるんだけど(笑)、歌いながらそれが叶わぬ夢だと思ってるところがあって切ない!
また、シーモアがオードリーに「いつもシーモアがそばにいるよ」と優しく力強く歌うとこもいい。わたし的に「リトルショップ~」の曲といえば、この曲です。
でも、二人で歌ってたら、「歌ってるとこ悪いけど…」と邪魔が入ったり(笑)
オードリーIIも植物の癖に歌いまくりでした。エイリアンなのに妙に愛嬌があって、CGでは出せない貫禄があります。口の動きも自然だし、電話をかけるシーンもいいですよね~。
サディスト歯科医は、一度しか観てないオリジナルのニコルソンが強烈(ホントはマゾの患者役をやってるのに記憶違い 汗)で、こちらも好きだけど物足りなさも。でも、彼のとんでも治療は笑えます。どうして廃業しないのか不思議。彼に治療されにきた真性ドMな患者にビル・マーレイとの対決も見もの。この人、変な役ばっかりですね…。
そんな強烈な個性を持つ登場人物たちと、ごきげんな音楽でノリノリになれる、お気に入りの作品です。

映画「グリース」観ました

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グリース
製作:アメリカ’78
原題:GREASE
監督:ランダル・クレイザー
ジャンル:★ミュージカル/青春コメディ

【あらすじ】50年代アメリカ。サマー・バケーションで恋に落ちたダニーとサンディ。後ろ髪引かれる思いで別れた二人だったが、父親の転勤で彼女は偶然ダニーと同じ高校へ。だが、不良グループのリーダーである彼は、仲間の手前、素直になれず…。

冒頭はメロドラマかと思ったけど、彼女と再会してダニーの正体がばれてからが面白くって、始終クスクス笑いながら観られました。
まず、ダニーを演じる、若かりしジョン・トラボルタが素晴らしい。50年代アメリカの不良そのものって感じで(見た事ないくせに)、24歳くらいの彼がリーゼント高校生に成りきって、踊って歌ってはっちゃけてます。
彼のミュージカルっていうと「ヘアスプレー」のお母さんが真っ先に思い浮かんでたけど、これからはこの作品ですね。タイトルがどちらも整髪料なのはオマージュかな?
この時代の音楽やファッションなんて興味なかったのに、だんだんカッコよく思えてしまうのは、彼らの目が自信に満ち溢れているからでしょうか。イラストに描いたシーンは、仲間とボロ車を改造しようぜ!と意気込むシーン。彼らが踊りだすと、胸いっぱいに詰まった夢が現実を塗り替えます。ピッカピカに生まれ変わった愛車を思い描きながら、一気にやる気を取り戻していくのが若者らしくてよかった!
また、つい見栄を張ってしまう思春期の男女も面白おかしく描かれてます。ダニーが親友と友情を確かめ合って、思わずハグした後、気まずくなり二人してリーゼントを梳かしだすシーンなんか大笑い。
ラストは、清純派ヒロインが愛のために思いがけない行動に。ダニーは喜びまくってたけど、正気に返ったら他の男にとられやしないか不安になるんじゃないかな(笑)
最後までノリノリで、明るく楽しい気持ちで見られる作品でした。

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映画「カントリー・ベアーズ」観ました

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カントリー・ベアーズ
製作:アメリカ’02
原題:THE COUNTRY BEARS
監督:ピーター・ヘイスティング
ジャンル:★ファミリー/ミュージカル/コメディ

【あらすじ】熊と人間が仲良く暮らす世界。人間の家族として育った子熊ベアリーは、養子と知りショックで家出する。やって来たのは、解散した憧れのバンド”カントリー・ベアーズ”のカントリー・ベア・ホール。だが、ホールが取り壊されると知り…。

気分が落ち込んでいたのもあったけど、ホント心から楽しめました。これぞファミリー映画の王道というありきたりな展開ではあるんだけど、登場するクマたちが今どき珍しいきぐるみってのが懐かし可愛い!
表情まで精巧につくっていて、”熊と人間が仲良く暮らす世界”という設定が違和感ないものになってました。
それに「カントリーベア」のことは観るまで何の事かわからなかったんですけど、ディズニーランドで歩きつかれた時に入る場所で、歌って演奏していたあのクマ達ですね。
アトラクションから映画化したものというと「パイレーツ・オブ・カリビアン」が真っ先に思い浮かぶけど、わたし的にこっちの方が断然好きです。ディズニーらしくミュージカルシーンもあって楽しいし、警官アホコンビの体を張ったベタなギャグもツボでした。悪役を演じるクリストファー・ウォーケンもかなりハジケてます(笑)
何より、彼らの音楽が最高!即、永久保存決定でした。
笑って楽しんで、最後にはホロリとさせる、家族で観るのにもってこいな作品です。

追記(2015/07/14)
やっぱり可愛いですね~。ベアリーの声はオスメント君がやってるらしく、愛くるしいクマのきぐるみの表情も相まって、癒されます。
内容はなんてことないんだけども、何気に伏線をしっかり張っていて、「お、ここでそれがくるのか!」と驚かされることも。上手く行き過ぎ感はあるものの、おバカなノリとゆるゆるなキャラたちをみてると許せてしまうんですよね。
そして旅を経て、「種族は違っても血が繋がってなくても、互いに思いやるのが家族なんだ!」と気付き、兄の方も、たとえクマでも弟は大切な弟なんだと気付くなど、ファミリー映画としてもちゃんとしてます。
一方、両親の方は、自分達がベアリーばかり可愛がるから、お兄ちゃんが拗ねて弟をいじめていると最後まで全く気付いてなかったものの、この映画を子供と一緒に観た親は「自分たちは子供を平等に愛せているかな」と振り返ることができるから、これはこれでいいと思いました。
音楽が良かったのはもちろんのこと、その見せ方も突然歌って踊るだけじゃなく、ストーリーの流れで自然に入るところも良かったです♪

映画「屋根の上のバイオリン弾き」観ました

 | ミュージカル  Comment(6) 

屋根の上のバイオリン弾き
製作:アメリカ’71
原題:FIDDLER ON THE ROOF
監督:ノーマン・ジュイソン
原作:ショーラム・アレイハム
ジャンル:★ミュージカル/ドラマ

ウクライナ地方の小さな村。牛乳屋を営むテビエは、妻や5人の娘とつましくも幸せな毎日を送っていた。年頃となった娘に夫婦は良い縁談を探すが、娘達はそれぞれ自分の道を見つけてゆく。やがて、ユダヤ人の国外追放が始まり…。

はじめは、酔って娘と”嫌なやつ”と言っていた相手との縁談を決めてしまった父親に腹を立てて観ていたんですが、娘の心を知った彼が自分のなかの固定観念を打ち破り、娘の本当の幸せを考え直したことに感激しました。
娘の目をみて、「ほんとうにそれでいいのか?」と自問自答する姿を見るたびに、自分が辛い思いをするとしても娘の幸せを第一に考えた結論を出すたびに、涙してしまいます。とくに、学生闘士パーチックを追ってシベリアへいこうとする娘を送り出すシーンは、涙なくしては観られません。

また、音楽や歌も素晴らしく、ミュージカルらしい楽しいシーンもありました。お気に入りは、口うるさい奥さんを説得するために夢で見た”幽霊のお告げ”を話して聞かせるシーン。「こんな手があったか!」と感心してしまったし、幽霊が舞い踊るのは観ていて楽しかったです。

そして、胸に突き刺さるようなタイミングでみせる、ユダヤ人迫害の動き…。それでも絶対に希望を捨てない彼らの不屈の精神。
屋根の上でヴァイオリンを弾くというのは、不安定な中でも平静を保とうとする”ユダヤ人の不屈の魂の象徴”だそうです。
心に残る名作でした。

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映画「ヘアスプレー」観ました

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ヘアスプレー
キャンディ持った姿がなんだかセクシー
製作:アメリカ’07
原題:HAIRSPRAY
監督:アダム・シャンクマン
ジャンル:★ミュージカル/コメディ/青春

1962年、ボルチモア。人気ダンス番組に出るのを夢見る女子高生トレーシー。番組のオーディションに参加する彼女だったが、太めな体型のために追い払われた。そんなある日、彼女のダンスが番組レギュラー・リンクの目に留まり…。

これ楽しかった~!
トレーシーたちの明るいキャラクター、パワフルな歌声と弾けるダンスにテンションが上がりまくりで、トレーシーたち家族の思いやりには涙してしまいました。(ミュージカルって涙腺ゆるみませんか?)
とくに、天真爛漫でポジティブなトレーシーが素敵。ぽっちゃり体形を見るといつも病気を心配してしまうけど、彼女のダンスを見ればそんな心配も吹き飛びます。よく食べてよく運動して、あんな素敵な笑顔を持っているなら大丈夫ですよね。ほんと、笑顔が可愛かった。
あと、密かに気に入っているのは番組のMCコーニー・コリンズ。番組が始まる時の彼の歌声が今も耳に残ってます。キレのあるダンスも素敵だったし、トレーシーたちが一瞬たりとも見逃すまいと必死に帰宅するのも分かる気がしました。…あの番組、わたしも観たいなぁ。

ストーリーは軽かったけどミュージカルの楽しさは充分で、不満があるとすればデモ行進も踊って欲しかったのと、警官を殴って逃げるのはトレーシーらしくない気がしたくらいでしょうか。
元気になりたいときに最適な楽しいミュージカル映画だと思います

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映画「オズの魔法使」観ました

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オズの魔法使
製作:アメリカ’39
原題:THE WIZARD OF OZ
監督:ビクター・フレミング
原作:ライマン・フランク・ボーム
ジャンル:★ミュージカル/ファンタジー

【あらすじ】ある日、竜巻にのみ込まれ魔法の国へ来てしまったドロシー。彼女は家に帰るため、世界一の大魔法使いオズの元へ旅立つ。途中脳が欲しい案山子、ハートが欲しいブリキ人形、勇気が欲しいライオンと出会い、願いを叶えるため一緒にエメラルドの国を目指す。

小さい頃から何度も観ている作品。gyaoでやっていたので思わず観てしまいました。
家が竜巻に巻き込まれるシーンのお気楽さがいいですね。揺りイスのおばあさんやカヌーのおじさん(?)が手を振り、いじわるな地主夫人グルチさんが悪い魔女に変わり…。(あれ、そういえば、グルチさんがトトを処分する話はどうなったんだろう?…う~ん、なんか言ってたっけ???)
そして、オズの国にたどり着いて、セピアから一気に鮮やかなカラーの世界が広がるシーンは、いまでも胸躍ります。
妖精みたいな格好をした善い魔女と、小さいマンチキンたちに囲まれても、全く違和感がないドロシーも流石。黄色いレンガの道を行けと言われ、律儀に渦巻き状の道を歩いていくシーンも可愛いです。
そして、案山子、ブリキ人形、ライオンととんとん拍子に仲間が増えていって、全員揃ったところで「あぁ、オズの魔法使を観てるなぁ」という気分が盛り上がってくるんですよね。
とくにライオンが可愛いです。トトを脅かしてドロシーにはたかれ、「殴らなくてもいいじゃない」と泣き出してしまうところとか。ドロシーを悪い魔女から救出しようと奮い立ったかと思いきや、「止めろって言って」と情けない声をだすところとか。とにかく可愛い。
悪い魔女があっさり死んでしまうとか、やや物騒な雰囲気もあるけれど、観終わってからの心地良さは何度観ても変わらない夢いっぱいの作品でした。
原作を読みたい方はこちらへ→電子図書館「オズの魔法使い

映画「マイ・フェア・レディ」観ました

 | ミュージカル  Comment(6) 
Tag:ジョージ・キューカー

マイ・フェア・レディ
製作:アメリカ’64
原題:MY FAIR LADY
監督:ジョージ・キューカー
原作:ジョージ・バーナード・ショウ
ジャンル:★ミュージカル

【あらすじ】ロンドンの下町。言語学教授ヒギンズに訛りを指摘された花売り娘イライザ。自分なら彼女を貴婦人にもできるという彼の言葉に、彼女は将来のため教授の指導を受けることに。半年後の舞踏会を目標に、彼女は厳しい特訓に耐えるが…。

ミュージカルは好きなので、楽しめました。
やっぱりオードリーが綺麗です。花売りをしていた彼女をヒギンズはドブネズミ(だったっけ?)と貶していたけど、ぜんぜんそんなことはなく美しかったです。確かに下品な言葉遣いだったけれども、人間的にも彼よりよっぽど魅力的でしたし。
まあ、彼は母親に”社交の場に出てくるな”と言われているような人物なので、こういう性格で合ってるんでしょうね。彼と同じ身分?の友人も、彼の優秀さは認めているみたいだったけど、彼女の扱いについては何か言いたげにしてました。というか何か言ってほしかったです。穏やかで知的で善い人でしたが、押しが足りません。
一番好きなのは、イライザが綺麗な発音で話せるようになって「踊り明かそう」を歌っているシーン。曲もいいけど、彼女が夢心地で歌う姿が印象に残ります。実際は彼女の歌のほとんどが吹き替えなんですね。「Wouldn't It Be Loverly」のオードリー・バージョンっぽいのを見つけたのでどうぞ(youtubeへ)。

終盤、イライザが出て行ってやっと寂しさを自覚したヒギンズが『MOTHER~~!』と呼ぶのが面白い。帰ってきた彼女に「わたしのスリッパはどこだ?」と精一杯の強がりを見せるのも、ちょっと呆れるような可愛いような感じでした。イライザと彼の母親は、これからも結託していくんでしょうね(笑)

ちなみに、原題 MY FAIR LADYは、MAYFAIR LADYをコックニー訛りにしてもじったもの。FAIRは”美しい、金髪で色白の”または”口先だけの、うわべだけの”という意味で、MAYFAIRはロンドンの閑静な住宅地の名前だそうです。

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映画「會議は踊る」観ました

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Tag:ドイツ

會議は踊る
製作:ドイツ’31
原題:DER KONGRESS TANZT
監督:エリック・シャレル
ジャンル:★ミュージカル/ロマンス/ドラマ/コメディ

【あらすじ】1814年、ウィーン会議。次々とヨーロッパの大物が集まるなか、手袋屋の娘クリステルがロシア皇帝に花束を投げつけ逮捕される。皇帝は彼女を救い恋に落ちるが、皇帝の会議出席を妨害したい宰相メッテルニヒはそれを利用しようと動きだす。

タイトルは、オーストリア将軍リーニュ公の「会議は踊る、されど進まず」という言葉から。会議よりも舞踏会や晩餐会の時間の方が長かったそうです。
そんなウィーン会議を舞台に、自分の思い通りに会議を進めたい宰相と、彼の策略を上手くかわしつつ恋も楽しむ皇帝。皇帝に恋するクリステルや、彼女に恋する宰相の秘書官。面倒なことばかり押し付けられる皇帝の影武者などが描かれます。
魅力的な登場人物たちが音楽とダンスに彩られ、愉快で楽しい雰囲気に包まれていました。
馬車に迎えられ皇帝の別荘に行くクリステルが、高まる気持ちを抑えきれないように歌いだすシーンは誰でも胸が弾むはず。
ほかにも、宰相が朝一番に盗聴器で使用人たちの話を聞いていたり、”チャリティーのための有料キス(宰相の策略)”をする影武者の横に、口を拭ったハンカチの山が出来たり、会議中なのに音楽に誘われて椅子を揺らし、最後にはほくそ笑む宰相と揺れる椅子だけが残されたりと、思わずニヤリとしてしまう愉快な演出が盛りだくさんでした。
ほろ苦いラストでは、馬車で歌ったものと同じ「ただ一度だけ」が切なく響きます。

映画「ロバと王女」感想

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Tag:ジャック・ドゥミ フランス

ロバと王女
製作:フランス’70
原題:PEAU D'ANE
監督:ジャック・ドゥミ
原作:シャルル・ぺロー
ジャンル:ミュージカル/ファンタジー

【あらすじ】愛する王妃を病で亡くした王様は、王妃の頼みで彼女より美しい相手としか再婚しないと誓う。そして、沢山の肖像画の中から選んだのは、なんと自分の娘だった。父親からの求婚に困惑した王女は、名付け親の妖精のもとへ相談に行く。

*ネタバレあり*
中世ヨーロッパ風の世界と浮世離れした登場人物、召使や馬は王国カラー(青や赤)に塗ったくられて、妖精や魔法の存在するおとぎ話の世界を演出しています。
亡き王妃の頼みからか、ただの面食いか。王様がたくさんの肖像画をはじいていった結果、いつの間にか王妃よりも美しく育っていた娘の肖像画が残った、というところで物語は始まります。お見合い用の肖像画なんて信用できないと思うんですけどね。
美しい王女(美人さんのカトリーヌ・ドヌーヴ)にさっそく求婚する王様。
「国王の言うことは聞くものだ」と、父親面で権力をかざします。
王女はちょっと困っているようでしたが、ここは軽蔑すべきでしょう。
妖精に相談したところ、無理難題を言って諦めさせる”かぐや姫作戦”を伝授してくれました。
しかし、本気モードの王様は次々と王女の望みを叶え、”太陽の輝きをもつドレス”も国の経済を支える”『金を産むロバ』の皮”さえも王女に贈ります。王女も「こんなにしてくれるんだから、結婚してもいいかも…」と迷い気味。
いや、頑張ったの召使だから。王様命令しただけだから!!
妖精も「父親と結婚するなんていけないことよ」と諭します。そして、てきぱきと王女にロバの皮を被せ、魔法の杖を与えて城から逃がすのでした。まるで、こうなると分かっていたかのように手際がいい…。

この後、赤の国に逃れてた王女は、汚い家で”臭いロバの皮”と人々に蔑まれて暮らし始めます。「なんで私がこんな目に…」とか悲しんでいるものの、魔法の杖があるので家の中には豪華な家具が並んでいるし、困ったことがあっても魔法で解決です。
そして、王子と出会い恋に落ちた彼女は、夢での逢瀬を果たし、指輪を仕込んだ手作りケーキをプレゼント。ついに王子は「この指輪がピッタリ合う女性と結婚する」と国中にふれ出すのでした。
国中の女性が大騒ぎし、”指が細くなる薬”なんてものも売り出されます。
でも、『指がただれた!』と騒いでいたところを見ると、この薬は指を溶かして細くするものみたいです。(怖いよっ!)
国中の女性が集まる中、王女は颯爽と最後に現れ、指輪がはまった途端にロバの皮を脱ぎ捨てます。そして、いい笑顔で太陽のドレス姿を人々に見せ付けるのでした。(なんだか演出が腹黒い…)

こうして王女と王子は結ばれ、父親がどうなったかといえば…。
なんと、妖精と結婚しているじゃないですか!?
どうやら彼女、むかし王様に振られたらしく、王女に協力したのも王様から遠ざけたかっただけの様です。まさか王妃の病も…!?
なんにせよ、そんなことで殺されたロバが可哀想でならない今日この頃。

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映画「嫌われ松子の一生」感想

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Tag:日本

製作:日本’06
監督:中島哲也
原作:山田宗樹
ジャンル:ミュージカル/コメディ/ロマンス/ドラマ

【あらすじ】昭和22年、福岡県大野島。病弱な妹ばかり可愛がる父親の気を引くため、父親が望むように教師となった松子。しかし、盗難事件をきっかけにクビになり、家族と縁を切り家を飛び出す。孤独を恐れ次々と男を替える彼女だったが…。

以前ドラマ版を観て、あまりにも不快だったので1話で観るのを止めた作品。
ためらいつつも映画を観てみたら、その不快なエピソードは削られていて安心して観れました。
と言ってももとが悲惨な話なので、ミュージカルやCGで華やかな演出をしても心から楽しむ事はできず。…まあ、松子という人間に共感できなかった分、落ち込むこともなかったんですが。
他の人の感想を読んだら、”純粋に愛を求める松子に共感した”という方が多かったので、ちょっと驚きました。私的には松子は依存している様にしか見えないし、本当に愛が欲しいならまず家族と向き合うべきじゃないかなぁ、とか思ったり。…それが簡単には出来ないのが人間ですけどね。
あと弟は冷たすぎると思います。憎むのはもっともだけど、故人の遺志は…?

ストーリーはぜんぜん私好みじゃなかったものの、ミュージカルは好きなほうだし、中谷美紀も「ケイゾク」の時から好きなので(主題歌がすき)そこら辺は楽しめた気がします。暗闇で歯が輝くシーンとか、くだらないところも笑えたし。ドラマでの不快な記憶を上書きできたという点でも観てよかったです。

映画「サウンド・オブ・ミュージック」観ました

 | ミュージカル  Comment(8) 
Tag:ロバート・ワイズ

サウンド・オブ・ミュージック
製作:アメリカ’64
原題:THE SOUND OF MUSIC
監督:ロバート・ワイズ
原作:マリア・フォン・トラップ、リチャード・ロジャース、オスカー・ハマースタイン2世
ジャンル:★ミュージカル/ファミリー

【あらすじ】1938年オーストリア。家庭教師としてトラップ家にやってきた修道女マリアは、すぐに子供たちと打ち解ける。しかし、父親は妻を亡くしてから子供たちと距離を置いていた。そんな彼の心を開くため、彼女は子供たちに歌を教え始める。

言わずと知れたミュージカルの名作。
あまりに有名でいつでも観れるので、今までみのがしてました。
山のなかで歌ってるシーンしか知らず、あんなきな臭い展開になると思わなかったんですが、歌と子供たちの可愛さで危機を乗り切ろうとするとはさすが。(実際はこんな劇的じゃなかったようですが)
ちょっと前まで父親の笛の音で整列してたとは思えないくらい、上手にのびのびと歌ってました。
個人的には、「さよなら、ごきげんよう」の歌で「くっくー、くっくー」と背後から顔をのぞかせるシーンが可愛くて好きです。

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映画「チップス先生さようなら(1969)」観ました

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チップス先生さようなら(1969)
製作:アメリカ’69
原題:GOODBYE, MR. CHIPS
監督:ハーバート・ロス
原作:ジェームズ・ヒルトン
ジャンル:★ドラマ/ミュージカル

生徒想いでありながら、生真面目な性格のために生徒たちに嫌われるチップス先生。そんな彼が舞台女優のキャサリンと恋に落ち、やがて結婚する。自分のために仕事を辞めた彼女を、せめて校長夫人にしようと頑張るチップスだったが…。

【あらすじ】やたらとテンションの低いミュージカルだなぁと思いながら観ていたんですが、チップス先生が恋に目覚めた辺りから目が離せなくなり、身を引こうとしたキャサリンを必死に探すシーンで彼の変化に感動していました。あの堅物だったチップス先生が、愛する人をなりふり構わず追いかけるようになるなんて!
そして、彼のそんな変化に子供たちもついてくるようになるんですよね。
そんな充実した教師・結婚生活をすぱんと省略して、いきなり初老のチップスが出てきたのにはちょっと驚いたんですが(TVだからなのか???)、喧嘩はしても深い愛情で結ばれている二人に嬉しくなってしまいました。念願の校長就任を一刻も早く彼女に知らせたくて、再び全力疾走する彼の姿が今でも目に浮かびます。
ここから先は思い出しただけで泣けてくるんですが、突然の悲劇に打ちひしがれる様子や、別れの挨拶で盛大な拍手を贈られ感動に身を震わせる様子は、本当に目の前にチップスが存在するかのような迫力でした。
心に残る愛情に溢れた映画だったと思います。

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映画「オペラ座の怪人(2004)」観た

オペラ座の怪人(2004)
歪んだ愛と憎悪
製作:アメリカ/イギリス’04
原題:THE PHANTOM OF THE OPERA
監督:ジョエル・シューマッカー
原作:ガストン・ルルー
ジャンル:ミュージカル/ロマンス/サスペンス

【あらすじ】1870年代パリ。急遽代役として舞台に上がったコーラスのクリスティーヌ。彼女の美しい歌声に観客は魅了され、オペラ座に来ていた貴族ラウルは彼女が幼馴染だと気付く。再会を喜ぶ二人だったが、彼女はオペラ座の怪人ファントムにさらわれてしまう。

前編だけですが観ました。
シャンデリアが揚がっていくと共に、寂れたオペラ座が当時の姿を取り戻してゆく場面は大変美しかったです。
内容は、ファントムの素顔を見たクリスティーヌが幼馴染のもとに戻り、それを見たファントムが憎しみに身を震わせ…というところまでなのですが、今のところ誰に感情移入したらいいのか分かりません。
ファントムは何やら下心から彼女に近づいたように見えるし、クリスティーヌはファントムに幻想を抱いていてやたらと顔を見たがります。しかも、彼が美形だったら幼馴染の所に戻らなかったような気もします。

…ああでも、本当は彼女は最初からファントムを恐れていたのかもしれないですね。
だって実際、壁の向こうから男が話しかけてきたら怖すぎます。知らないうちに覗き見られていて、その上オペラ座を影から支配していたわけですから、完全に犯罪者です。しかも、変に怖がったり逃げたりしたら、どんな目に遭わされるか分かりません。
彼に一度連れて行かれたときも、「彼の目には孤独と哀しみが…」みたいなこと言っていた事も考えると、これはもうストックホルム症候群である可能性が高いです。

ストックホルム症候群は、強盗犯や誘拐犯と長時間一緒にいた人質などが、犯人に同情してしまう精神の防御反応のことです。犯人に協力的なほうが助かりやすいとか、恋愛感情にすり替えることで恐怖心を紛らわしていたりとか、そんな感じです。
こうやって考えると、クリスティーヌに感情移入できそうです。…とりあえず後編を観ない事には何とも言えませんが。一週間後まで覚えてられるかなぁ。

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映画「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」観ました

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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
製作:アメリカ’01
原題:HEDWIG AND THE ANGRY INCH
監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
原作:ジョン・キャメロン・ミッチェル、スティーヴン・トラスク
ジャンル:★ドラマ/ミュージカル

【あらすじ】性転換し女性になったヘドウィグは、ロックスターのトミー・ノーシスに曲をうばわれ裁判を控えていた。しかし、証拠はなく状況は彼女に不利。苛立ちを隠せない彼女は、自分が女性になった日のことやトミーとの出会いを思い返す。

タイトルにある「ヘドウィグ」ってハリーのふくろうと同じ名前だなぁ、と思い観始めたのですが、これがかなりの拾い物で最後まで目が離せませんでした。
まずタイトルの意味を軽く説明すると、「ヘドウィグ」は主人公が性転換手術をした時母親から貰った名前(あのふくろうメスだったのか。)で、「アングリーインチ」は手術に失敗し1インチだけ残ってしまったアレを「怒りの1インチ」と呼んでるわけです。このたった1インチがヘドウィグの人生を切ないものにしてしまうんですよね…。

でもヘドウィグは、そんな怒りや魂の片割れを求める心の叫びをそのままロックで表現してくれます。その歌声はロックを知らない私でも聞き入るほどで、この作品のためだけにつくられた曲だとはとても思えません。てっきり実在のロック歌手の半生を綴った映画なのかと思ってたくらいですから。
そして歌と並んで素晴しいのが、なんと言ってもヘドウィグの美しさです。彼女の憂いを帯びた瞳には、まるで魔力でも宿っているかのような魅力があります。最初のうちは厚化粧だとかカツラ似合ってないとか思っていたんですが、ある時突然「ゾクリ」とするような美しさを垣間見せるんですよね。その頃にはもう彼女にメロメロになること請け合いです。

終わり方はやや抽象的ではっきりとは分かりませんでしたが、ハッピーエンドなんだと思います。彼との愛の結晶である歌、そして刺青に付け足された片割れ…たぶん彼への未練はあったと思うんですが、ヘドウィグいわく「愛は創造」なので歌さえあれば大丈夫ですよね。
ミュージカル好きでなくても楽しめる作品だったと思います。

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映画「モダン・ミリー」を観ました

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Tag:ジョージ・ロイ・ヒル

モダン・ミリー
やんちゃな青年ジミー。
製作:アメリカ’66
原題:THOROUGHLY MODERN MILLIE
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
ジャンル:★ミュージカル/コメディ

【あらすじ】玉の輿を狙い上京したミリーは、むかいに泊まることになったドロシーと親しくなる。舞踏会で出会った好青年ジミーも加え三人で遊ぶようになるが、彼のどっちつかずの態度にやきもきするミリー。そんな時、ドロシーが事件に巻き込まれ…。

玉の輿を狙って上京した娘さんの話、と言うとどこかで聞いたようなストーリーですが、この作品はコメディとミュージカルが良いアクセントになっていて最後まで楽しく観れました。
一番のお気に入りは、ミリーに会うためボーイフレンドがビルをよじ登っていく場面。最初は「なに馬鹿やってんだ」と笑ってみていたのですが、平然と登っていくさまがあんまり危なっかしいんで、最後には思わず「あっ!?」と叫んでいました。
他にもエレベーターのシーンはなかなか面白いと思います。「調子が悪くて床を蹴らないと動かない」というのをタップダンスで表現していて、乗っている人の気分がそのままダンスに表れているんです。エレベーターのシーンは3~4回あったと思うので、比べてみるのも楽しいかもしれません。

ミュージカル好きでなくても充分楽しめる作品なので、観たことのない方はぜひ一度ご鑑賞ください。

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映画「オリバー!」観た

オリバー!
製作:イギリス’68
原題:OLIVER!
監督:キャロル・リード
原作:チャールズ・ディケンズ
ジャンル:★ミュージカル/ドラマ

【あらすじ】救貧院で育ったオリバーは、ある日お粥のおかわりを頼んだために葬儀屋に売られてしまう。そこでも酷い扱いを受けた彼は、希望を胸にロンドンへ。スリの少年ドジャーと出会い仲間になるが、仕事初日に捕まってしまい…。

窓辺で歌うオリバー少年を描こうと思ったけど挫折しました。あの繊細さを出すのは難しい…。

「オリバー・ツイスト」は一度も観たことないので、しょっぱなから孤児達が列をなして踊りだしたのにはびっくりしました。(というか、ミュージカル作品はこれだけ?) ミュージカルには疎い私ですが、スリ団のアジトでの様子はコミカルで楽しかったです。とくにオリバーが「愛の歌」を歌う様子はたいへん可愛らしい! 楽しい踊りとオリバーの純粋な眼差しが、周囲の悪意やサスペンスな展開を跳ね除けていくようでした。
…機会があったら別のオリバーもみてみたいなぁ。

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