香港 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「スネーキーモンキー/蛇拳」観た

 | アクション  Comment(6) 
Tag:香港 にゃんこ

スネーキーモンキー/蛇拳
原題:蛇形刀手/SNAKE IN THE EAGLE'S SHADOW
製作:香港’76 96分
監督:ユエン・ウーピン
ジャンル:★アクション

【あらすじ】道場でこき使われてばかりいる青年・簡福は、ひょんなことから知り合った老人と仲良くなる。老人はすぐに去ってしまったが、彼が残したヒントをもとに簡福は拳法の練習を始めるのだった。しかし、やがて最後の蛇拳使いである老人を狙って刺客が現れ…。

久しぶりに再見したら、なんか敵の鷹爪拳使いが桃白白みたいで、もしかして鳥山さん、この映画のファン?と思ったり。なんで初見時には気付かなかったんだろー。
内容は「酔拳」とほとんど変わらない気がしたけど、蛇拳使いのじいちゃんが型を伝えるために足跡を残していて、ジャッキーがそれを見て必死にじいちゃんの動きを思い出して一人で練習するくだりが痺れます。道場の遣いっ走りをさせられながらも、時間のある時はひたすら足の動きをなぞって、だんだんと動きがキレッキレになっていくんですよね。
卵を使った修行のくだりも懐かしくて、手の動きがちゃんと蛇の動きに見えます。
修行シーンはいつもさらっと流しているのに、意外とそういうところがカンフー映画の一番カッコいいところなんだなぁと改めて気付かされました。

それにしても、タイトルは蛇拳なのに、最終的には猫拳(正式名は覚えてない)だったよ!
猫と蛇の戦いのシーンが思ったより長くて、ここだけドキュメンタリーのよう。可愛くて強いです。
この作品の主人公は、道場の師範に断りなく他所の拳法を教わり、師範がやられそうになったら老人との約束を破って蛇拳を使い、さらには勝手にアレンジしてオリジナル拳を完成させてしまうとは、なかなか見上げた根性してますね(笑)
まあ、武術とはこうやって進化していくものなんでしょう。

あと、「○○モンキー」というタイトルはどういう意味なんだろうと思っていたら、修道士のmonkからきてたのか。ネイティブなひとは、名詞にyをつけてなんでも形容詞みたいに使うことがあるみたいです。

映画「少林寺2」観た

 | アクション  Comment(0) 
Tag:中国 香港

少林寺2
原題:少林小子
製作:中国・香港’83
監督:チャン・シン・イェン
ジャンル:アクション/コメディ/ファミリー

【あらすじ】川を挟んで中国武術の武当派・鮑家と少林派・天龍家が住んでいた。それぞれ8人の娘と息子がおり、天龍家の当主と鮑家の長女は恋仲だったが、技を盗まれると恐れる父親が邪魔をする。三龍をはじめとする息子達は、父親の恋を成就させようとするが…。

2作目は、ファミリー向けのコミカルなアクション映画に変貌していて意外と面白かったです。前作どころか少林寺とも全く関係ない話になってますけどね!(笑)
川の両岸に、8人の娘がいる武当派一家と、8人の息子(孤児)がいる少林派一家が住んでいて、ケンカしたりいちゃいちゃするっていう設定がまずほのぼのします。オープニングがアニメーションだし、監督や出演者は前作と同じなのに雰囲気がまったく違いました。
しかも、リンチェイをはじめとする8人の息子たちが、育ての親に恩返ししようと奮闘するのが可愛いんですよ。出演者の半数くらいが10歳前後の少年少女で、体を目一杯使ってアクションする様子には驚いてしまいました。コミカルな演技も大人顔負けだったし、リンチェイと一緒に物語を楽しく盛り上げてくれます。
目的は育ての親の恋を成就させることなんだけど、成功すればお母さんができると一生懸命。まずは両家の仲直りということで、娘たちの気を引いたり、技を教えようとしたり、息子が生まれれば獅子舞と贈り物で祝ったりと、健気に頑張ります。その間にリンチェイと三女の恋が発展するのもあって、アクションよりラブコメの印象の方が強いかも。
あと、家族の愛情も垣間見えて、とくに三女が川に沈められる罰を受けるくだりはコミカルかつ、ほっこりします。川に沈められるのは線香が燃え尽きるまでなので、一家で必死に息を吹きかけて父親も必死に娘を引き上げるんですよね。…でも、そんな父親の姿を三女は知らないという。
終盤は両家の若者たちと父親が盗賊と大乱闘して、本格アクションではないのかもしれないけど見ごたえありました。
意外と家族で楽しめる作品だったと思います。

映画「イップ・マン 序章/葉問」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(4) 
Tag:香港
イップ・マン序章

『イップ・マン 序章』

香港’08、ウィルソン・イップ監督
【あらすじ】1930年代の中国広東省佛山。家族と共に平穏な日々を送る詠春拳の達人、イップ・マン。その実力と人格で人々の尊敬を集め、挑戦しに来る武術家たちに負けることはなかった。だが、日中戦争が勃発し…。

gyaoで鑑賞。序盤からくすくす笑わせてくれました。実話というより伝記で、脚色満載なんだろうけど、カッコよければすべてよし!
普段紳士で物腰穏やかだけども、いざとなれば目にも留まらぬ速さで相手を牽制。そんな彼に惚れこむ人が多いのも頷けます。
道場破りサンチャウと戦うシーンも面白くて、奥さんにモノを壊さないでね!と釘を刺されてたのに、さっそく壺を割られ、サンチャウが「弁償する!」と言って戦闘を続けるのが笑えた。
「パパが反撃しないと物が壊れるって」と伝言があって、そこから半分本気出して戦うところはめちゃカッコよくて、ギャップにくらっときます。
でも戦時中のエピソードで、それしかない人たちから仕事奪っちゃダメでしょう(仁の心らしい)。
あと、実際はイップ・マンから家や財産を没収したのは日本軍ではなく共産党政府らしいけど、日本人の中にも中国人の中にも、愚かな人と信念を持った人が平等に描かれてるのは好感持てました。

『イップ・マン 葉問』(2010)

【あらすじ】1950年、イギリスが統治する香港。家族と共に広東省佛山より移住してきた詠春拳の達人、イップ・マン。家族を養うため、詠春拳の武館を開いて弟子をとる事に。だが、香港では武館開設のための掟があり…。

前作からそうだったけど、完全に「ロッキー」でした(笑)
でもイップ・マンの人柄と、アクションが見所だからね。
貧乏で武館のチラシを絵が好きな息子(10歳くらい?)に描いてもらっているシーンがちらっとあって、ほほえましい。
サモ・ハン・キンポーと小さなテーブルの上で戦うくだりは痺れました。テーブル板が割れて、空中回転した挙句両者とも並べられた椅子の上に着地のシーンはカッコよすぎでしょ。
ワイヤーアクションだとわかるものの、そこまでぶっ飛んでないから素直にかっこえーと見惚れちゃいます。
後半は、英国ボクサーとの対決でまさにロッキー状態。それでも十分楽しめました。
ラスト、小さいブルース・リー役の男の子が登場してニヤっとさせられます。
ちなみに、これらの作品の他に同じタイトルで「誕生」「最終章」がありますが、別の監督が撮った別のシリーズのようです。主演も違うけど、ところどころキャストが同じで見てて混乱するらしい(笑)

映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」観た

 | ロードムービー  Comment(4) 
Tag:フランス 香港 中国

マイ・ブルーベリー・ナイツ
キスシーンをきちんと描いたのははじめてかも?
製作:香港/中国/フランス’07
原題:MY BLUEBERRY NIGHTS
監督:ウォン・カーウァイ
ジャンル:ロマンス/ドラマ

【あらすじ】NYのとあるカフェ。オーナーのジェレミーが焼くブルーベリー・パイを食べ、少しだけ心癒やされたエリザベス。だが、それでも別れた恋人を忘れられず、宛のない旅に出るのだった。点々と旅する中で、愛を求め愛に傷つく人々と出会い…。

ロードムービーと見せかけて、オムニバスに近かったような?
旅というより2回職場が変わっただけに見えるので、ロードムービーの醍醐味は薄いですが、その2つのエピソードはエリザベスのロマンスよりかは見ごたえあったかも(笑)
まあ、嫉妬深い警官の夫のせいで妻が窒息しそうになるなんて、どこかで観たようなエピソードだし、ギャンブラーなナタリー・ポートマンはしっくりきませんでしたが。
で、メインのロマンスはというと…とにかく相手の男性が可哀そうでした。このエリザベスって女、性質悪くないですか?
ジェレミーが自分に惚れてると確信した上で旅立ち、自分の事を忘れないように手紙を出して気を持たせるんですよ。元彼をきっぱり忘れてから彼と向き合いたいってことなんだろうけど、彼女がどこにいるのか電話をかけまくって探すジェレミーの姿をみたら、「計画通り」とほくそ笑んでいるエリザベスの顔が浮かんできてしまって(笑)
口にクリームつけて寝た振りまでしちゃうし、とんだ”子悪魔ちゃん”でした。
一応それなりに楽しめたけど、このカメラワークというか切り替え?は、せわしなくて好きになれません。

映画「ブレードランナー」観ました

 | SF  Comment(16) 
Tag:リドリー・スコット 香港

ブレードランナー
製作:アメリカ/香港’87
原題:BLADE RUNNER
監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック
ジャンル:★SF

【あらすじ】植民惑星から4体の人造人間=レプリカントが脱走した。彼らの捕獲を依頼された元”ブレードランナー”デッカードは、地球に潜入した彼らを追う。一方、逃亡中のレプリカントたちは、4年という寿命を覆そうと生みの親を探していた。

シュワちゃんの「バトルランナー」とごっちゃになって、今まで見逃していました(笑)
ほんと、何故今まで見逃していた!と自分を叱りたい!SF映画でベスト5に入るくらい好きな作品かも。
まず、舞台となる未来の街がいいんですよね~。昔、大好きだった「デスピリア」というイカレたゲームがちょうどこんな感じで、ゲームの世界が現実になった様で感激してしまいました。こういうのがサイバーパンクっていうのか!
そして、若いハリソン・フォード演じるハードボイルドな主人公が程よく胡散臭くていいんだけども、観ているうちに彼のことなんかどうでもよくなるくらいレプリカントが主役でした。
真実を知ってしまった時のレイチェルの涙とか、愛する人を失って自分の寿命も迫っているロイが、自分が生きていた証を残そうとするかのような行動をとるところとか、ツボすぎてやばかったです。
好きな映画に出会えた時のこの高揚感、ゾクゾクしますね!
例のごとく93分番組で観てしまったのが残念だったけど、いつの日か必ずディレクターズ・カット版を観てみたいと思います。

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映画「ベルベット・レイン」観た

 | 犯罪  Comment(0) 
Tag:香港

ベルベット・レイン
製作:香港’04
原題:江湖
監督:ウォン・ジンポー
ジャンル:★犯罪/サスペンス/ドラマ

【あらすじ】黒社会を牛耳るホンと、彼の忠実な弟分で冷酷無比なレフティ。ホンの暗殺計画の噂によって、固い絆で結ばれた2人の間に微妙な確執が生まれる。一方、一旗あげようと目論むイックとターボは、鉄砲玉を選ぶクジ引きに参加し…。

ちょっとカッコつけすぎだし、流れが途切れ途切れに感じるところもあったけれど、なかなか良かったです。とくに、こういう題材なのに銃撃戦がないのが素敵。香港では銃より刀らしい(今はどうか知らないけど)。これだけで、かなり好感度UPです。
腹心として、友人として、ホンとその家族を守るために冷徹になろうとするレフティと、それを制止するホンとのやり取りもよかったです。互いに相手の事を想って言ってるんだけど、考え方が違うからその想いまですれ違いそうに。レストランで向かい合いながらの会話シーンは、ゆらゆらと揺れる演出も相まって見ごたえがありました。
代々黒社会の世話になり、家族を守るために命を賭けなければいけないイックや、何も恐れず彼に尽くすターボという、若い二人との対比もいい。
イックと惹かれあう娼婦のヨーヨーが、失うのを恐れながらも彼を送り出すシーンはうるっときてしまいました。
原題の「江湖」は黒社会のことで、ベルベット・レインは日本だけのタイトル。”ビロードのような雨”ってのは、終盤に雨に打たれるふたりの心情的なもの…かな?

映画「墨攻」感想

 | 歴史・実録ドラマ  Comment(8) 
Tag:中国 日本 香港 韓国

墨攻
製作:中国・日本・香港・韓国’06
原題:A BATTLE OF WITS
監督:ジェイコブ・チャン
原作:森秀樹、酒見賢一、久保田千太郎
ジャンル:アクション/歴史劇/ドラマ

【あらすじ】紀元前370年頃の中国、攻撃をせずに守り抜く”非攻”を信念とする集団”墨家”がいた。趙の大軍10万の兵を前に、全住民わずか4千人の梁城は墨家に援軍を求める。だが、やって来たのは粗末な身なりの男、革離ただ1人だった。

前半が非常にカッコよかったです。
中国戦国時代に実在した、博愛主義の思想に基づき、各地の守城戦で活躍した武装防御集団”墨家(ぼっか)”。そこからやってきた革離が見せる守城戦術がリアルに描かれています。(レッドクリフみたいにCG満載ではない)
ただ、恋愛対象として無理やり登場させたと思われる女隊長が、王の前で普通に発言したりと、一気に現実に引き戻される瞬間もあったり。恋愛要素はあってもいいけど、時代錯誤な女性を出すのをやめてほしい…。
後半は画面が暗くてよく見えないし、ストーリーは中途半端だし、もったいないなぁと思える作品でした。
個人的には、腐敗した墨家のなかで孤立した革離の苦悩とかを描いてほしかったところ。墨家の決定を無視してひとりで助けに来た、だけで済ましてしまうなんて…!
墨家そのものにスポットを当てていれば、もっと楽しめた気がします。

映画「プロジェクトA」観ました

 | アクション  Comment(10) 
Tag:ジャッキー・チェン 香港

プロジェクトA
原題:A計劃
製作:香港’84 105分
監督:ジャッキー・チェン
ジャンル:★アクション/コメディ

【あらすじ】横行する海賊を取り締まれず失敗続きの海上警備隊。ついに陸上警備隊に吸収されてしまうが、間もなくイギリス海軍船が襲撃される。ロンは乗組員救出と海賊逮捕を目的とした”プロジェクトA”の指揮を任されるのだった。

うーん、久しぶりに観たけれど面白いですね。
小さい頃から何度も観ているのに、自転車で逃げ回ったり時計台を落ちたりのアクションをみていると胸が躍ります。
それに、サモ・ハン・キンポーとのテンポのいい掛け合いも楽しい!
喧嘩しつつも闘う時は息ピッタリなのがいいんですよね。ふたりが一緒にいるとそれだけで楽しいというか、おもしろ懐かしい感じです。
また、ラスボスもいいんだな~。まさしく海賊の親玉って感じで貫禄もあって、そして何より強い!!
3~4人掛りで手投げ弾まで使って倒したので、主人公たちが卑怯者に見えてしまいました(笑)
あと、西洋文化が入り込んできた時代っていうのも雰囲気があって好きです。モノクルをかけたジャッキーも格好良かったし。

たぶん未見だった「プロジェクト・イーグル」を見逃したのは痛かったけれど、この作品を再見できてよかったです。やっぱりジャッキー最高!(イラストは似なかったけどね…)

『プロジェクトA2 史上最大の標的』
製作:香港’87 105分
2作目も再見したので追記(2017/4/28)。一作目と続けて観てたらどうだったかわからないけど普通に楽しかったです。正義の心を持つ警察署長ジャッキーはカッコいいし、絵画の人物に紛れるシーンや、家の中で何人も隠れて鉢合わせしそうになるくだりが楽しい。最近、ジャッキーの出演作をいくつか見たところ、たぶん私はジャッキーによる監督&主演のジャッキー映画が好きなんだな。町の中などを逃げながら、断続的に流れるように戦うジャッキーが好きです。

映画「サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋」観た

 | ファンタジー  Comment(0) 
Tag:香港

サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋
製作:香港’03
原題:地下鉄
監督:ジョー・マ
ジャンル:★ロマンス/コメディ/ファンタジー

【あらすじ】ある偶然から、胡散臭い結婚相談所を経営するヤッミンと出会った盲目の女性ホイヤ。だが彼は、新開発の痩せるジュースを飲んだ翌朝に失明してしまう。友人に八つ当たりし閉じこもる彼を、ホイヤは杖となり外に連れだすのだった。

時期外れにも程があるけれど、クリスマスの奇跡を描いたラブ・ファンタジーです。微妙にちぐはぐした感じがあり、サブストーリーの方はわかりにくかったりするんですが、ほのぼのラブストーリーにキュンキュンできました。
もう、二人が可愛いんですよね。街の音を言い当てるゲームをしているうちに、彼女の音ばかり気になってしまったり、触っただけで自分のものだとわかるようにシールを貼っていて、お互いにシールを貼り付けあったり、拒絶反応がぎりぎり出ないくらいのむず痒い恥ずかしさがツボ。
彼らの周りにいる人たちもいい人ばかりで、とくにホイヤの父親がナイスでした。ケンカした二人を引き合わせる方法がロマンティック! 娘想いのいい父親です。
あと、幼い頃に視力を失ったホイヤの描く、夢の世界が素敵です。一面の花畑に囲まれた駅にはオレンジでお手玉をするピエロがおり、到着したおもちゃの電車がビルの谷を走りぬける。原案が絵本だということで、ファンタジックな可愛い世界になってました。

サブストーリーは、失恋した男女が(天使の計らいによって)間違って届けられたメッセージカードをきっかけに、心を通わせていくというもの。こちらはコミカルな要素はなく、せつない言葉の数々もあっていい雰囲気。でも、つながりが唐突でわかりにくいのが難点か。
それと、天使は姿を見せないほうがわかりやすかったかな(普通の青年なんだもの)。
ちょっと強引だし混乱するところもあるけれど、クリスマスに観たくなる心温まる作品でした。

映画「さらば、わが愛/覇王別姫」観ました

 | ドラマ  Comment(4) 
Tag:チェン・カイコー 香港

さらば、わが愛/覇王別姫
製作:香港’93
原題:覇王別姫
監督:チェン・カイコー
原作:リー・ピクワー
ジャンル:★文芸ドラマ

【あらすじ】1924年、北京。妓楼の母親に捨てられ、京劇の養成所に入れられた豆子(トウツ)。いじめられる彼をかばったのは石頭(シートウ)で、厳しい修行の日々も兄弟のように支えあい耐えるのだった。やがて、彼らはスターとなるが…。

京劇や中国の歴史に疎くついていくのが大変でしたが、とても見ごたえのある重厚なドラマでした。(以下、ネタバレ注意!)
舞台の上でしか自分を見いだせない男が主人公で、前半は辛い子供時代と石頭との友情が描かれています。
養成所に入れるため母親に六本目の指を切り落とされ、女形として心の底から”女”に成りきることを強制され、”慣わし”で西太后の宦官の慰み者にされ…。あまりにも悲惨な子供時代で、彼が自分で選んだことといえば「京劇と石頭を愛する事」だけだったように思えます。
京劇はあんなにも美しいのに、その裏で虐待にも等しい修行が行われ、子供を変態老人に差し出す醜い”慣わし”があるというのが…。また、追いかけられ捕まるだけといっても、ああいうシーンを子供が演じるのはいつ見ても胸が痛みます。

後半は、スターになった彼の”報われぬ愛”と”過酷な運命”が描かれます。
愛する小樓(石頭から改名)が結婚し、しかも相手はかつて自分を捨てた母親と同じ”遊女”。自暴自棄になった彼はパトロンに身を任せ、アヘンに溺れてゆきます。やがて、激動の時代となり文化大革命が起こった時、彼らは群集につるし上げられてしまいます。
面倒見がよく頼れる存在だった小樓が、暴力に屈し蝶衣(豆子から改名)と妻を裏切るシーンは妙にリアルでした。
小樓の妻・菊仙の存在感も彼らに負けておらず、嫉妬に狂う蝶衣を冷静にあしらうのが小憎らしいです。アヘン中毒の彼を看病してからは、しだいに優しさを見せるようになるものの、蝶衣は受け入れようとはしないんですよね。
ラストは原作とは違うようですが、これまでの蝶衣を見ていれば納得できるものだったと思います。

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映画「ワンナイト・イン・モンコック」観ました

 | 犯罪  Comment(0) 
Tag:香港

ワンナイト・イン・モンコック
製作:香港’04
原題:旺角黒夜
監督:イー・トンシン
ジャンル:★サスペンス/犯罪ドラマ

【あらすじ】クリスマス・イヴの夜。暴力と犯罪の街モンコックでは、些細な事から始まった組織抗争を終結させるため、ミウ警部らによる掃討作戦“ワンナイト・イン・モンコック”が始まろうとしていた。組織に雇われた殺し屋フーは、偶然出会った同郷の売春婦タンタンをカモフラージュに使うが…。

クライム・サスペンスというとドンパチが始まるイメージであまり好きではないんですが、これはそんなこともなく (流血は結構あるけど)、切ない雰囲気漂う私好みの作品でした。
メインは殺し屋と売春婦の逃走劇で、警察はもちろんギャングや同郷の手配屋、タンタンに絡んでいた客など、周りは敵だらけという状況のなか、ふたりのこころの交流が繊細に描かれます。
明るくタフに生きているように見えるタンタンには、家族のため貧しい故郷から出稼ぎにきて、いつしか売春婦として空虚な毎日を送るようになっていたという影がありました。そして、冷静沈着に見えた殺し屋フーも、音信不通になった恋人を探すという本当の目的があり、物価の高い香港で人探しをするためにやむなく殺し屋になったという事情があります。
「小さな不幸に慣れてはいけない、抵抗してればいつか良くなる」という彼の言葉が、こころにずしんと響きました。

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」3作観ました

 | 歴史・実録ドラマ  Comment(2) 
Tag:香港

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ
人物と手すりで力尽きた。
製作:香港’91(Iのみ)
原題:武状元黄飛鴻
監督:ツイ・ハーク
ジャンル:★アクション/歴史劇

【あらすじ】19世紀半ば、西洋との不平等条約のことで祖国の将来を憂えるウォン・フェイフォン。医師であり高名な武道家でもある彼の元には、連日のように挑戦者が押しかけてきた。そんななか、血の繋がりのない叔母が西洋から帰ってくる。

小さい頃からジャッキー・チェンが大好きで、こんな人がお父さんだったらなぁ…なんてことを考えていた私ですが、他のクンフー映画はあまり観た事がなかったので今回の放送を楽しみにしてました。
一作目は人を見分けるのに必死で (だって、同じ様な服と髪型なんだもの) 楽しむ余裕がなかったものの、二作目からはウォン・フェイフォンの流れるようでキレのあるアクションを存分に楽しめました。
個人的にアクション映画には苦手な要素が多く(マシンガン、ムキムキマッチョ、スパイ、復讐etc...)心配してたんですが、杞憂に終わって嬉しいです。
ワイヤーアクションも大げさすぎなかったし、何かに気をとられる事なくクンフーの魅力を堪能できたと思います。
また、血の繋がらない叔母(父親の義妹?)との恋愛模様も可愛かったです。
ほぼ同い年のフェイフォンに「叔母上」と呼ばれるのを嫌がったり、護身術をならっていた時、壁に映った二人の姿がダンスしてるように見えてうっとりしたり、おくてのフェイフォンと2人きりのシーンに和みました。
機会があったら、また一作目を見直してみたいと思います。

映画「イエスタデイ、ワンスモア」観ました

 | 犯罪  Comment(0) 
Tag:香港

イエスタデイ、ワンスモア
製作:香港’04
原題:龍鳳鬥
監督:ジョニー・トー
ジャンル:★ロマンス/ドラマ/犯罪

【あらすじ】盗癖のある富豪トウ夫妻は、夫からの離婚宣告で突然の破局を迎える。2年後、家宝の宝石目当てに資産家の息子と結婚しようとしていた彼女の前に、夫が現れ宝石が消えうせる。夫の仕業と確信し奪い返そうとする彼女だったが…。

宝石をめぐる駆け引きだったはずが、いつのまにか”想い”のさぐり合いになっていくのが面白かったです。夫の真意がわからなくてヤキモキしている夫人が可愛いんですよね。”レースに賭けて勝ったらオッズの分だけ質問できる”というゲームの時も、宝石のありかより離婚の理由とか聞いてしまうし。部屋に入れる前に大急ぎで”男がいた痕跡”を用意している姿には笑えました。しかも、元旦那も同じことしてるよ。
そんな二人の二転三転する駆け引きを楽しんでいたんですが、最後に元旦那の真意を知ってその優しさにぼろぼろ泣いてしまいました。
…本当に素敵なカップルだと思います。

映画「ゴッド・ギャンブラー」シリーズ観ました

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Tag:香港

ゴッド・ギャンブラー
記憶喪失の真の原因。
製作:香港’89(Iのみ)
原題:賭神
監督:バリー・ウォン
ジャンル:★アクション/コメディ/ギャンブル

【あらすじ】ギャンブラーの頂点に立つ”賭神”コウは、やくざに頼まれ賭博勝負を引き受ける。しかし、ひょんな事から記憶喪失になり、その原因を作ったトウは彼を引き取る。子供の様になってしまったコウだったが、ギャンブルの才能は健在で…。

シリーズを観たと言っても完全版とII・IIIと完結編だけで、他にも色々あるらしいんですが、今のところギャオで観れるのはこれだけでした。
感想はというと、文句なしに面白かったです。
まずは、しょっぱなからカッコいいギャンブル・アクション(こんなジャンルあるのかな?)を見せてくれます。
私はギャンブルとかぜんぜん知らないのでなんと言う勝負なのかは分かりませんが、麻雀牌を取り合って棒のようなもので切り結び、それに弾かれて牌が空中を舞ったりします。サイコロ博打の壺振りでも、「これ本当にギャンブルなのか!?」と疑いたくなる程の力技が炸裂しました。
そしてギャンブラーの皆さん、強いのは賭け事だけではありません。
一見穏やかな表情の主人公ですが、逆恨みで命を狙われるのは日常茶飯事。ナイフを持ってようが銃を持ってようが涼しい顔でやっつけてしまいます。渋い護衛ロンさんのアクションも必見です。
ところが、そんな非の打ち所のない主人公が、あるチンピラのせいで記憶喪失になっちゃうんですよね。

ここから一気にハートフル・コメディに変貌です。
彼らは、記憶喪失どころか子供返りしてしまった彼を”チョコレート”(彼の好物)と名付け、ギャンブルの才能を最大限に利用しようとします。
でも、なんだかんだやってるうちに本当の友情が芽生え…。
とまあベタな展開なんですが、テンポのいいギャグと痛快なアクション、そしてホロリとくる場面もあって目が離せない面白さとなっています。
これは完全版だけに言えることではなく、正当な続編である完結編ではドラマ部分が重みを増し、完全版に引けを取らない見ごたえ充分な作品に仕上がってました。
機会があれば、他の作品も観てみたいと思います。

映画「北京ヴァイオリン」観た

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Tag:チェン・カイコー 中国 香港

北京ヴァイオリン
製作:中国/香港’02
原題:TOGETHER
監督:チェン・カイコー
ジャンル:★ドラマ/音楽

【あらすじ】母の形見のヴァイオリンを3歳から弾き始め、毎年入賞するほどの実力を身に付けた13歳の小春(シャオチュン)。息子の成功を夢見る成は、貧しさにも負けず必死に彼の才能を伸ばそうと奔走する。

とても優しい雰囲気に包まれた御伽話のような映画でした。
息子の幸せを願い、なりふり構わずその才能を伸ばせる環境を整えようとする父親。母を想いながらヴァイオリンを弾き、父と一緒なら何でも頑張れる息子。そして彼らの深い愛情に感化される周りの人々。
ちょっとほのぼの過ぎる感じはありますが、音楽も良いし心温まる作品です。
癒されたい時にはおすすめですよ。

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映画「インファナル・アフェアI・II・III」を観尽くしました

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Tag:香港

インファナル・アフェア
製作:香港’02(Iのみ)
原題:無間道
監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック
ジャンル:★犯罪ドラマ/サスペンス

【あらすじ】香港マフィアのボス・サムによって警官学校に送り込まれたラウ。そして、警視に見込まれサムの下に送り込まれた潜入捜査官ヤン。10年の年月が流れ、二人は神経をすり減らしながらも忠実に任務をこなしていたが、ある事件を境にスパイの存在に気付かれてしまう。

I~IIIまで一気に観ました。というか、魅せられました。
とくに印象に残ってるのは、ヤンと「馬鹿のキョン」の関係の変化。
そして、それでも変わらないキョンの友情。
ああゆう憎めない感じの人、大好きです。
いろんな人達の「絆」が描かれていているので、観る人によって印象に残る場面は変わってくると思いますが、やっぱりIの最後の屋上のシーンは、私の「忘れられない映画のワンシーン」ベスト5に入ります。