ミッシェル・オスロ 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「夜のとばりの物語」観ました

夜のとばりの物語
原題:LES CONTES DE LA NUIT
製作:フランス'2010
監督:ミッシェル・オスロ
ジャンル:★ファンタジー/ロマンス/アドベンチャー

【あらすじ】古い映画館の映写技師と好奇心旺盛な少年と少女を進行役に紡ぐ幻想的な6つの愛の物語。

ファンタジー企画で観た二作品目です。わたしの風邪はほぼ治ったんですが、家庭内感染が拡大しちゃってイラストはもう少し後になりそう。オムニバスだったおかげで、ちょっとした時間に少しづつ観られました。
「プリンス&プリンセス」と同じで、映写技師のおじさんと少年少女がお話を作って演じるという設定で始まります。このノリが好きなんだよな~。

一話目は「狼男」
いきなり美しい影絵の世界を堪能できます。湖に映る月が綺麗…。狼男のくせに、人間の時は自分に親切にしてくれた相手が誰かも気付かないなんてね~。妹がもっとはやく告白してれば…。ツッコミどころはあったものの、御伽噺らしい展開でよかったです。

二話目は「ティ・ジャンと瓜ふたつ姫」
主人公が本当にのんきな青年で笑えました。死者の国に迷い込んで観光気分♪
障害を優しさで乗り越え、そのおかげで三つの試練をクリアできる展開も定番でいいね。でも、最後のオチにあんぐり。善い人だけど、男としては…。

三話目は「黄金の都と選ばれし者」
「わたしが美女だとわかってる?」と連呼するヒロイン(笑)
生贄の美女を救うのも冒険譚につきもの。ハッピーエンドだけど、住む家がなくなったのは大変そうです。黄金の都の遺産ともいえる”歌”のちからで、みんな頑張れるかな?

四話目は「タムタム少年」
物語的には面白かったけど、アフリカ民族はもっと音楽やダンスを重要なものだと考えてる気がして、あんなに五月蝿がるのに違和感を覚えてしまいました。もしかして、昔話とか伝説的なものだったのかな?

五話目は「嘘をつかなかった若者」
物語もいいけど、その前の「こんなお姫様は嫌」と怒り出す女の子が良かった。彼らが演じているんだと思い出させるこのつなぎが好き。
そして、お姫様は確かに嫌な女でした。けれども、それを頼んだのは父親だ!
愛馬の命どころか娘まで賭けの道具にするとは…。でも、一番好きなお話です。

六話目は「鹿になった娘と建築家の息子」
これまたお城や妖精の家が美しいですね~。タイトルに偽りありなのと、カラスを悪く言いすぎなのが引っかかったものの、愛の力で解決するところがこの作品のいいところ。エンドロール中に爺さんが妖精に諭されていて笑えます。愛ですよ、愛!

全体的に「プリンス&プリンセス」ほど物語に引き込まれることはなかったけれど、大好きなオスロ監督の美しい影絵の世界を堪能できたので大満足でした♪

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「プリンス&プリンセス」観ました

映画「プリンス&プリンセス」観ました

プリンス&プリンセス
製作:フランス’99
原題:PRINCES ET PRINCESSES
監督:ミッシェル・オスロ
ジャンル:★ファンタジー/ドラマ/ファミリー

【作品詳細】TVシリーズとして製作した短編アニメ「もしもの映画」から、王子と王女をめぐる物語を厳選したオムニバス。「プリンセスとダイアモンド」「少年といちじく」「魔女」「泥棒と老婆」「冷酷なプリンセス」「プリンス&プリンセス」の全6話。

影絵みたいなお伽話の詰め合わせです。
謎の博士が作った機械で衣装や舞台を作り出し、少年と少女が、思いつくままにプリンスとプリンセスの物語を演じているのかな。細かい設定はよくわからないけど、妙に淡々として、ロマンチックだったりシュールだったりと、変な魅力がありました。
「プリンセスとダイアモンド」は、呪いに囚われたお姫様を救うお話。111個のダイヤモンドを砂時計が落ちる(数分)までに拾って、首飾りを完成させるという無茶な試練に、心優しい青年が死をも覚悟して挑戦します。正統派メルヘンの世界。
「少年といちじく」は、季節はずれのいちじくの実を女王に献上する青年の出世物語。いちじくを味わう女王の「んぅ~ん!」というセクシーな声が笑えます。食べてばっかの女王に尽くす青年に、恋愛感情はあったんだろうか?
「魔女」は、以前観た「キリクと魔女」の原型かな。同じ監督さんだったんですね。城の中の描写がひときわ美しかったです。
「泥棒と老婆」は、日本を舞台にしたお話。少女が老婆役をやりたがって始まったんだけど、老婆というより妖怪の一種だったような。内容は”泥棒はいけないよ”っていう教訓話で、当然の事ながら王子と王女がでてきません。
「冷酷なプリンセス」は、未来のお話。求婚してくるプリンスたちと、日没まで王女から隠れきれば結婚、見つかったら死刑という冷酷なゲームをしていたプリンセスに、ウタドリ使いの青年が挑むお話。未来設定以外はロマンティックなメルヘンの世界。プリンセスの心情も描かれていて、一番見ごたえあったかな。
最後はタイトルにもなってる「プリンス&プリンセス」。最後にこれをもってくるとは(笑)
メルヘンの世界の化けの皮を剥ぐような、シュールなお話。王子が王女にキスをすると…。オチがピリリと効いてます。

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「夜のとばりの物語」観ました
「アズールとアスマール」観た

映画「アズールとアスマール」観た

アズールとアスマール
製作:フランス’06
原題:AZUR ET ASMAR
監督:ミッシェル・オスロ
ジャンル:アドベンチャー/ファンタジー

【あらすじ】ヨーロッパ。アラビア人の乳母の息子アスマールと、兄弟のように育ったアズール。だが、領主である父親は彼らを引き離し、乳母親子は屋敷を追い出された。やがて、立派に成長したアズールは、乳母の話していた妖精を救うため旅立つ。

色彩豊かで美しいけれど、リアルとは言い難い独特な絵柄のアニメーション作品。テンポや間も独特なので、絵と相まって独創的な世界観を確立していると思います。リアリティだけを追求したCGアニメーション作品とは違って、不思議な魅力に溢れていました。

同じ監督の作品「キリクと魔女」を観たときも思ったんですが、”母親”の言葉に魔力が宿っていそうな迫力があります。
始めに母親が世界のことを話して聞かせ、子供はそれを丸ごと信じて話が進んでいく。話をするまでは現実にあるどこかの国という雰囲気なのに、母親が世界の不思議を話すことで現実にファンタジーが入り込んでしまった…という印象を受けました。
また、キリクの母親は達観した様子で危機的状況でも悠然としていましたし、この作品では追い出された乳母が教祖(?)に成り上がっていたりと、どこか他のキャラクターたちとは違う”高みの存在”のよう描かれ方をしています。
つまり、この世界は母親が作ったもの…この物語自体が枕元で母親が話す御伽噺という感じなんですよね。なのでストーリーは普遍的なものになっています。

可笑しかったのが、試練を乗り越えた王子(的な存在)と結婚しないと呪いが解けない妖精が、素敵な男性じゃなければ試練を乗り越えても姿を現さないようにしていたこと。ま、結婚相手なんだから選んで当然だけどね。それで、同時に二人たどり着いてしまい、どっちと結婚しようか真面目に悩みだすのも妙に笑えました。
こういうノリが好きなら楽しめるかもしれません。でも、映像は一見の価値ありです→公式サイト(解説が消えるのが早すぎて読めん…)

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