ドイツ 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

短編アニメ「グラファロ もりでいちばんつよいのは?」観た

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Tag:イギリス ドイツ

グラファロ もりでいちばんつよいのは?
原題:The Gruffalo
製作:イギリス・ドイツ’09 27分
監督:ジェイコブ・シュー、マックス・ラング
原作:ジュリア・ドナルドソン(作)、アクセル・シェフラー(絵)
ジャンル:★ファミリー

【あらすじ】外を怖がる子リスたちに、母リスは小さなネズミの物語を聞かせる。木の実を求めて森を歩いていたネズミは、道中でキツネ、フクロウ、ヘビという天敵に出会ってゆく。か弱いネズミは知恵を絞り、天敵をかわしてゆくが…。

小さいお子さんと一緒に見たくなるような短編アニメーション。絵本が原作なんですね。
天敵に追われる母を見て、食料を取りにいくのも怖がるリスの子たちに、母親が勇気の出るお話をしてあげるという流れ。
小さなネズミが、キツネ、フクロウ、ヘビなどの天敵と出会った時どうするのか?
知恵を絞って危機を乗り切る展開は王道ながら小気味良く、そのホラ話が実は…という展開とその後の機転の良さもあって、幼児向けですが意外と大人も楽しめるかも。
キャラクターの造形も案外可愛いし、まるでクレイアニメのような質感のCGも温かみが感じられます。キノコをぴょんぴょんと渡って行ったり、たんぽぽの綿毛を掴んでふわ~っと飛ぶシーンなど、森の描写も良かったです。
ちいさなネズミから勇気をもらった子リスたちが、率先して外の木の実を取りに行くラストに、「リスのお母さんやるな!」と思いました。
良作ファミリーアニメだったと思います。

ちなみに、続編の「グラファロのおじょうちゃん」も観ました。そちらは怪物の幼い娘が主役で、父親に「森には怖い怪物がいる」と教えられていたのに、夜中にその怪物を見に森へ、というお話。
何でも自分の目で確認しなさいという教訓なのかもしれませんが、危険だから行っちゃダメだという親の言葉まで無視されたら困るのでは…(汗)

映画「誰でもない女」観た

 | サスペンス  Comment(0) 
Tag:ドイツ ノルウェー

誰でもない女
原題:ZWEI LEBEN(TWO LIVES)
製作:ドイツ/ノルウェー’2012
監督:ゲオルク・マース
原作:ハンネロール・ヒッペ
ジャンル:サスペンス/ドラマ

【あらすじ】ノルウェーで母や夫、子供たちと幸せに暮らしていたカトリーネ。だが、1990年のベルリンの壁崩壊後、彼女の元にスヴェンという弁護士が訪ねてくる。戦後にドイツ兵の子を出産した女性への迫害について、ノルウェー政府を訴えるため彼女の母親に証人になってほしいと言うのだが…。

第二次世界大戦時に行われたレーベンスボルン計画を下敷きにしたストーリーには色々と考えさせられました。
ナチスに関する作品はたくさん見てるのに、まだまだ知らないことばかりです。
かつてドイツでは、人口増加と民族浄化のため、より純粋なアーリア人とされるノルウェー人女性との間に子供を作るよう推奨されてたんですね。レーベンスボルン(生命の泉)計画というもので、ドイツ国内やノルウェーにたくさんの母子保護施設が開設されたそうです。(他にも、占領地でアーリア人的特徴のある子供の誘拐も行われた)
でも、ドイツ兵の子供を産んだノルウェー人女性たちは、ドイツに子供を奪われ、終戦後はノルウェー政府によって「対敵協力者」として強制収容所に入れられてしまう…。

物語は、ノルウェー政府に損害賠償を求めるため、主人公の母親の証言が必要だという弁護士の出現で動き出します。
主人公の不可解な行動と頻繁に入る過去回想から、少しづつ浮かび上がってくる哀しい真実…。やがて判明する悲劇と、母親の受けた衝撃に涙せずにはいられません。
家族の心がバラバラになりつつも、今まで感じたものは本物だったと信じようとしていたのが救いでした。ママと呼べたこと、窓越しに見つめる母親の表情を観て、これは母と娘の映画なのだとわかります。
…主人公が、孫を乗せた乳母車を店の前に置いて離れるシーンがなければ、もっと確信持てたけど!

回想の入れ方がやや煩雑な印象だったし、ラストはハッキリと映像で描かない方が余韻に浸れたと思うものの(尾行の車のシーンだけで十分)、地味ながら観てよかったと思える作品でした。
原題は「ふたつの人生」。誰でもないということはないので、邦題は微妙です。
ちなみに、イラストは主人公が待ち合わせに使った公園なんだけど、大きな十字架が印象的でした。レーベンスボルンと何か関係ある慰霊碑か何かかもと思って調べるもわからず。ドイツのどこだったっけなぁ…。

映画「ワルキューレ」観ました

 | 戦争  Comment(8) 
Tag:ドイツ

ワルキューレ
原題:VALKYRIE
製作:アメリカ、ドイツ’08
監督:ブライアン・シンガー
ジャンル:★サスペンス/ドラマ

【あらすじ】第二次大戦下、劣勢のドイツ。アフリカ戦線から奇跡の生還を果たしたシュタウフェンベルク大佐は、軍内部のレジスタンスメンバーたちから作戦を聞くが、成功の見込みがないと協力を辞退する。だが、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」を耳にし、“ワルキューレ作戦”を利用することを思いつき…。

戦争ものだと顔が見分けられなくてついていけなくなることが多い私ですが、今回は大丈夫でした。うん、わかりやすいって素晴らしい!
ビル・ナイは言われないと気付かないくせに(私好みのおじいちゃんだなとは思ってた)、トム・クルーズはいつも一目でわかるんですよね。たぶん、若い頃から年を重ねていくのを見てるからだと思う。顔も特徴的だし。
で、トムの眼帯&軍服姿が意外とカッコよかったです。片目と指と手を失って、それでも自分にしか出来ないことに命を賭ける姿に痺れました。

家族の描写も、さらっと描かれているのに印象に残ります。とくに子供たちが無邪気に劇を始めるところ。
可愛い娘の顔をじっと見つめ、家族を危険に晒していいのかと思う一方で、この子たちが将来ドイツ人であることを恥じるような、ドイツ人であるために後ろ指指されるようなことがあっていいのかと、葛藤しているのが伝わってきて。
その後、息子がかけたレコードの「ワルキューレ」を聞いて、ハッと作戦をひらめくシーンも、画的に静かながらグッときます。

彼らが動き出してからもグイグイ引き込まれましたね~。一人の人間が怖気づいたり失敗したりすれば全てが台無しになってしまう…。その上、不測の事態が起こるのは当たり前で、それを機転と度胸で乗り切っていくスリルがたまらないです。”ヒトラーが生きているかどうか”という情報だけで状況が一気に変わってしまうのも面白かったし。
ただ、あの爆弾の説明を聞いていたら、会議の場所が変わった時点で威力が半減するのはわかってたと思うんだけどなぁ。最後のチャンスだったんでしたっけ?

処刑のシーンも印象的でした。ドイツ人はヒトラーだけではないという想いは伝わると、顔を上げて死んでいく姿や、主人公を庇って死んだ中尉…。シュタウフェンベルクの目を見て力強く頷く様子は「後悔はしていない」と言っているよう。
トムはドイツ人には見えなかったけれど、ぜんぜん気にならなかったです。
最後に彼の家族は無事だったとあって、心からホッとしました。

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映画「ヒトラーの旋律」観ました

 | 戦争  Comment(0) 
Tag:リトアニア ドイツ

ヒトラーの旋律
一瞬だけお互いの立場を忘れられそうだったタバコ休憩。
原題:GHETTO
製作:ドイツ/リトアニア’06
監督:アウドリアス・ユツェナス
ジャンル:戦争/ドラマ

【あらすじ】1941年ナチ占領下のリトアニア。ユダヤ人のビルニュス・ゲットーを担当しているのは、芸術を愛するが冷酷な若きナチ将校キッテルだった。彼はユダヤ警察の隊長ゲンツを使い、ユダヤ人たちに劇場のステージでの上演を命じ…。

Gyaoで鑑賞。ネタバレもあるよ。
青年将校の気まぐれひとつで殺されかねないゲットーで、彼の思いつきから劇場を蘇らせ、死と隣り合わせの舞台をやる…という実話を基にした作品。
調べたところによると、すでに強制収容所でリトアニアのユダヤ人の大半が殺された後で、ドイツの物資不足を補うためか、生き残りをゲットーに集めて働かせていた時期の終盤頃が舞台みたいです。
働けば給料も支払われて、工場が稼動してからは食事にもそれほど困ってない様子だったのが不思議に見えました。

たくさんの死を見てきただけあってみんな生き残るために必死なんだけども、そんな中でも自分さえ良ければいいという人と、危険を顧みず同胞を救おうとする人たちがいます。
たくさんの人たちを救うために、ドイツにとって必要とされる生産性のあるゲットーでなければならないと、働けない老人や病人を選別して処分したゲンツの苦悩と覚悟に泣かされました。
そして、赤ん坊を助けるために身代わりになった女性にも…。
若き将校キッテルは、確かに残忍で狂っているけれども、彼を狂わせたのも戦争だというのが伝わってきます。時折見せる、年相応の表情、感情が哀しい。
ヒトラーなんてまるで尊敬していない彼が、唯一愛していたのは音楽だったのか…?
女性を撃った後の手が微かに震えていたように見えた事や、銃を棄ててサックスを持って行くのが印象的でした。
音楽がなければ観てられなくて、”命をかけた偽りのステージ”であっても音楽があるひと時は彼らにとって多少の救いになっていたというのが皮肉かも。彼の最後の置き土産は、そんな救いなんてかき消してしまうようなものだったけど…。

ところどころ(日本人には?)説明不足で状況がわからない事もあるものの、最後まで目が離せないものがありました。
ヒロインを演じる「暗い日曜日」のエリカ・マロジャーンをはじめ、キッテルやゲンツ、腹話術師やその相棒、金の亡者のヴァイスコフなど、俳優陣はみんな良かったです。
原題はゲットーで味気ないので、この邦題は良かったと思います。

映画「ベルンの奇蹟」観た

 | 家族  Comment(2) 
Tag:ドイツ

ベルンの奇蹟
原題:DAS WUNDER VON BERN/THE MIRACLE OF BERN
製作:ドイツ’03
監督:ゼーンケ・ヴォルトマン
原作:クリストフ・ジーメンス
ジャンル:★ドラマ/スポーツ

【あらすじ】1954年夏、敗戦後ドイツの工業地帯エッセン。サッカーが大好きな11歳のマチアスは、地元のサッカー選手ラーンを心から慕っていた。だがある日、戦争で捕虜になっていた父リヒャルトが11年ぶりに帰ってくる。厳格な父親であろうとする父に、マチアスや家族は戸惑い…。

とても優しい気持ちになれる作品でした。
1954年のワールドカップを題材にしているものの、メインはある家族のドラマです。
個人的にはサッカーパートはあんまり印象に残ってなくて、むしろスイス合宿での青い空が印象に残ってますね。主な舞台が薄暗いドイツの炭鉱町なので、そのギャップが主人公の心情にリンクしてました。
戦争帰りで家族との距離を埋められず、つい威圧的になってしまう父親のせいで、大好きなサッカーから遠ざかってしまうんですよ。彼にとってサッカーは希望そのものなので、ラーンが行ってしまえば太陽も翳ってしまいます。
しかも、この父親が不器用すぎて見てられない…。悪い人ではないというのはわかるものの、もし主人公と同じ立場だったらあんなふうに理解を示すことはできないと思います。
主人公の周りの人は誰も彼もがいい人で、彼が辛い時は必ず支えてくれる人がいるし素晴らしい助言をくれたりするので、できすぎだなぁと思う瞬間はあったものの、素直な気持ちで観れば感動ものでした。
実は主人公は出征後に生まれたので父親とは初対面なんだけども、だからこそ捕虜として過ごした辛い日々の事を聞けたし、父親も素直に話すことができたのかなぁと思います。やはり辛い気持ちを吐き出させる事が第一ということでしょう。父親の話をサッカー中継より優先したとこは尊敬します。
同じ表情で笑う父子、新聞記者と奥さん、主人公の友達の女の子なども良かった。
ただ、誕生日のくだりは…バケツの中を映す必要があったの?
↓以下ネタバレ注意!

日本だとウサギは捨てるところがないと言われていたし、ドイツと言えば腸詰というくらいで食べつくすイメージなんですが…。
調理技術がなかったのかもしれないけど、あんな体験をした父親が、まだまだ貧しいのにあんなに可食部や毛皮を棄てているのは違和感があるというか、それをわざわざ見せるのはショッキングなシーンを入れたかっただけなのではと疑ってしまいます。
ショックを受ける表情と悲鳴だけでよかったような…?
ここさえなければ私的にほぼ満点だったので残念です。

映画「列車に乗った男」観ました

 | ドラマ  Comment(8) 
Tag:スイス イギリス フランス ドイツ

列車に乗った男
原題:L' HOMME DU TRAIN
製作:フランス・ドイツ・イギリス・スイス’2002
監督:パトリス・ルコント
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】シーズン・オフのリゾート地。くたびれた革ジャン姿の中年男ミランが列車から降り立ち、ひょんなことから知り合った初老の男マネスキエの自宅に泊まることに。少年に詩の個人教授するだけの平凡な日々を過ごすマネスキエと、流浪のアウトロー・ミランという対称的な2人だったが…。

Gyaoで鑑賞。ベタベタしないふたりの男の友情が、ふっと笑みがこぼれるような可愛らしさとあたたかさを含みながら描かれてました。
もうね、マネスキエが可愛いんですよ!
水がなくて頭痛薬が飲めずに困っていた男ミランを自宅に招くんだけども、さっさと薬を飲んで去ろうとする彼に、話し相手がほしいというオーラを全身で発しつつも、おしゃべりは我慢してほどほどに切り上げるところとか。結局他に泊まるところがなくて帰って来た彼を、ウキウキしながら一番いい部屋に案内するところとか。冒頭から見ててニヤニヤしちゃいました。
他にも、こっそり彼のジャケットを着て、鏡の前でワイアット・アープごっこをする姿は胸キュンだし、ピアノを弾きながら「わたしは刺繍以外なら、20世紀初頭の女性の教養は身につけている」とか、床屋で「出所直後とスポーツ選手の中間みたいな髪型にして」とか、銀行で「一度でいいから銀行を襲ってみたい」と言って周りをギョッとさせたりと、とにかく可愛いくて面白いおじいちゃんなんです。
これだけ並べると最初に書いた”ベタベタしない友情”ってのが嘘っぽいかもしれないけども、基本的にマネさんが一方的に話しかけたりしてるばっかりで、ミランが心を開いた頃にはマネさんも落ち着いてきているので(笑)、描かれる友情はホントさらっとしてます。
お互い自分のなりたかった人生を送っていて、そこに憧れと敬意を抱くようになっていくんですよね。
お店で騒ぐ迷惑な客に注意したり、夫に我慢し続ける姉に本音をさらけ出すように言うといった、マネさんにとっての大冒険ができたのも、勇気付けてくれるミランという存在があったからです。
ミランも自分とはまるで違う価値観を持つマネさんの影響を受け、人生を振り返ってみたり。
ふたりが何気なく、でも大切にこの数日を過ごしているのが丁寧に描かれていました。
ラストは”旅立ち”をやや曖昧に描いていて最初は戸惑ったものの、やはり特別な出会いだったんだと感じられるもので良かったです。(おそらく贈り物の室内履きを履きながら)ピアノを弾く男と、列車に乗る男の表情がいい!
列車の音のようなリズムのED曲を聴きながら、余韻に浸れました。

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映画「血の伯爵夫人」観ました

 | 伝記/自伝/実話  Comment(9) 
Tag:フランス ドイツ

血の伯爵夫人
原題:LA COMTESSE
製作:ドイツ・フランス’09
監督:ジュリー・デルピー
ジャンル:★ドラマ/ロマンス/伝記

【あらすじ】16世紀、ハンガリー貴族の名家出身で、伯爵夫人となったエリザベート。荘園管理に采配を振るう彼女だったが、夫が急死して、やがて青年イシュトヴァンと愛し合うように。彼の父親により2人は引き離されるが、それを知らぬ彼女は若さや美しさに執着し始め…。

Gyaoで観てとても気に入り、監督を調べて納得。主演女優であり「パリ、恋人たちの2日間」の監督で「恋人までの距離」シリーズのセリーヌをやってたデルピーさんじゃないですか。
わたし的に相性がいいというのもありますが、この作品は”吸血鬼のモデルとなった歴史的な殺人鬼”を題材にしているのに、同情を誘うというか、嫌悪感を抱かせず上手に引き込んでくれます。
彼女との仲を引き裂かれた恋人イシュトヴァン目線で語られるので、彼が愛したエリザベートと、後から人づてに聞いた”殺人鬼”としての彼女と、はっきり分けて見せているからでしょうか?
それに、財産を狙って彼女を陥れようとする人物が描かれており、史実通りの彼女のおぞましい姿を見ても、無実を信じたくなってしまいました。
何気に殺人シーンより怖かったのが、恋人の髪を大切にするエピソード。「飢餓海峡」の八重さんを思い出し、やっぱり爪じゃなくて髪だよなぁと思ってたら、体内(心臓の辺り)にそれを埋め込んで縫合するという八重さん以上のサイコっぷりを見せられて唖然としました…。
また、エリザベートの庇護下になければ魔女狩りの対象になっていたと思われるダルヴリアが印象的で、エリザベートを愛し、側に仕え、キスだけを求める彼女との関係が切ない!
狂っていき、疎まれても決して彼女を見捨てず、最後までエリザベートの身を案じ、老いて死ぬのは自然で美しい事なんだと気付かせようとする彼女の深い愛は、イシュトヴァンとの激しい恋よりも心に残りました。
日本では未公開どころかDVDすら出てないのが悲しいです…!

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映画「フィムファールム2」観た

 | アニメ/人形アニメ  Comment(1) 
Tag:チェコ ドイツ

フィムファールム2
原題:Fimfarum2
製作:チェコ共和国・ドイツ’06
監督:ヤン・バレイ、ヴラスタ・ポスピーシロヴァー、アウレル・クリムト、ブジェチスラフ・ポヤール/ヤン・ヴェリフ
ジャンル:ファンタジー/人形アニメ
シニカルなユーモアに包まれた4つのお伽ばなしを描いたチェコ人形アニメ。

「海はなぜ塩辛い:More, strycku, proc je slane?」ヤン・バレイ
貧乏でも正直で家族思いの男が、親切な悪魔の助言で何でもほしいものを出してくれる魔法のミルを手に入れる。たちまち彼は豊かになり、町の人たちにも分け与えるが、強欲な兄が嫉妬し…。

「三姉妹:Tri sestry a jeden prsten」ヴラスタ・ポスピーシロヴァー
イースターエッグを売ったお金を酒場で使い果たしてしまった三姉妹。帰り際、ルビーの指輪を拾うが、三人で分けられず「夫を一番面白くかついだ者」が持ち主になると決め…。

「ダマスカスのせむしたち:Hrbaci z Damasku」アウレル・クリムト
戦争で片目を失い、背中にはコブがある三兄弟がいた。醜い姿を馬鹿にされた一人がつい人を殺してしまい、三兄弟は町から追放されてしまう。三人一緒では惨めさも三倍だと別々の道を歩み始めるが、やがて兄弟の一人だけが成功し…。

「親指小僧:Palecek」ブジェチスラフ・ポヤール
子供のいない夫婦が魔法のマグカップによって小さな可愛い男の子を授かった。夫婦の愛情に包まれ、小さいながら賢く育った少年は、父親の仕事を手伝うように。だが、それを観た紳士が彼を買いたいと言い出し…。

****************
全体的に人形のデザインが若干不気味で、いい具合に汚れた感じが味があって作風にあってました。
ブラックユーモアに満ちているんですよね~。とくに「三姉妹」が酷い(笑)
あらすじの時点でそうとう酷い妻たちなんですが、この後、夫が自分から歯を抜くように仕向けたり(悪魔か!)、もう死んでいると思い込ませたりします。
そんな経緯があって、どうして最後はみんなで笑い転げて、指輪の事も忘れて幸せそうに家路につくことができるのか…。
ぽかーんとさせられたものの、このデザインのおかげで完全にお伽話と割り切れたので、結構楽しめました。
「海はなぜ塩辛い」も地獄への入り口がレトロなエレベーターのようだったり、デスクワーク続きの魔王が農夫の男に追いつけなかったり、妙にセンスが光ってました。
物欲が満たされて”幸せ”になる描写がまさに”現代人”(薄暗い部屋でTVに没頭する子供など)なところも皮肉が効いてます。
魔法アイテムの秘密を教えてくれた悪魔は魔王とケンカしてるらしいけど、やっぱり人間を堕落させるお仕事は怠らない!(笑)
「ダマスカスのせむしたち」はイマイチ意味がわからず楽しめませんでしたが、「親指小僧」の方はストーリー的にもキャラ的にも一番童話らしくて良かったです。
自分から紳士に買われて、涙する父親を振り切って旅立ったのは、一人息子として両親に楽させてあげたくて、はやく立派な大人になろうとしたのね。
小さな体で賢く危機を乗り越えていく冒険モノで、一寸法師みたいで親しみも湧きました。
機会があったら1も観たいです。

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第38回ブログDEロードショー「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」

原題:BUENA VISTA SOCIAL CLUB
製作:1999年ドイツ・アメリカ・フランス・キューバ
監督:ヴィム・ヴェンダース
期間:2013/5/10~12
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
それまで知られていなかったキューバの老ミュージシャン一人一人の来歴、演奏・収録シーン、キューバの光景を織り交ぜたドキュメンタリー映画で、ストーリー性は薄い。
監督は「パリ・テキサス」、「ベルリン・天使の詩」のヴィム・ヴェンダース。1999年 アカデミー賞 長編ドキュメンタリー部門ノミネート作品です。

「セピア色の映画手帳」の鉦鼓亭さんからリクエスト頂きました。
選んだ理由は、
「グレン・ミラー物語」とはジャンルが全然違うけど、音楽映画として「グレン・ミラー物語」と並ぶ良い印象を持ちました、もう一度観てみたい作品。
…との事です。
企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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映画「K-19」観た

 | 伝記/自伝/実話  Comment(2) 
Tag:イギリス ドイツ

K-19
原題:K-19 THE WIDOWMAKER
製作:アメリカ・イギリス・ドイツ’02
監督:キャスリン・ビグロー
ジャンル:★ドラマ/サスペンス/アクション

【あらすじ】1961年、米ソ冷戦最中のソ連。原子力潜水艦K-19の処女航海の艦長にボストリコフが任命された。副艦長には経験豊富なポレーニンが就き、艦は出航。しばしば対立しつつも、K-19は順調に任務を成功させていく。だが突然、原子炉の冷却装置にひびが入り…。

ハリソン・フォードのシワが素敵(特殊メイクだった!)と思いながら再見(笑)
初見では艦長と副艦長の対立をメインに観てました。艦長の傲慢さ不器用さに「あ~!そんな言い方して!」とハラハライライラしたり、そんな艦長にあからさまに反発する不穏分子を放っておき、自分も持ち場を離れたりした副艦長に疑問を感じたり。
でも、元はといえばこんな危険なものを乗せた艦に、安い部品を使ったり無理させる上層部が悪い!ということで、今回は艦長との対立についてはわりと冷静に観られました。
完璧とはいかないまでも艦長としての責任を果たそうとするボストリコフと、信頼と結束が何より大事な局面だと(やっと気付いて)、個人的感情は抑え艦長を助けるポレーニンのドラマは見ごたえあります。
そして、再見するまですっかり忘れていて、今回記憶にしっかり刻まれたのが原子炉の事故。ハリウッド映画で、ここまで放射能の恐ろしさを克明に描いた作品は珍しいと思います。いちおう観る人への配慮もあって、被爆レベルは低めの状態のメイクにしたそうですが、それでも寒気がするほど怖かった…。
放射能の影響で吐いているのを見ても、決死の思いで作業に向かう姿。手の震え。倒れつつも最後までやり遂げる決意…。
彼らは英雄になりたかったわけじゃなく、ただ仲間や祖国を守りたかったんですよね。集合写真が切なかったです。
実話を基にしていると言っても、実際にあったのは”進水式でシャンパンが割れなかったこと”と、”原子炉事故があった”という部分だけだとか。でも、放射能の恐ろしさをしっかり伝えてました。

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映画「やわらかい手」観ました

やわらかい手
製作:ベルギー・ルクセンブルク・イギリス・ドイツ・フランス’07
原題:IRINA PALM
監督:サム・ガルバルスキ
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】ロンドン郊外の小さな町。難病の孫に手術を受けさせるため、渡航費を工面しようとするマギー。”接客係募集・高給”の貼り紙に釣られ店を訪れるが、そこはセックスショップだった。彼女の手を見たオーナーは、ある仕事を紹介し…。

何があっても諦めない、たくましいお祖母ちゃんが素敵でした。
何も知らず時給の良さに釣られて入っていった店は、なんと風俗店。おばあちゃんが相手にされるわけがないと思っていたら、オーナーが彼女の滑らかな手に可能性を見出しちゃうんですよ。必死さにほだされたのか、目ざといのか…。とりあえず、手を触りすぎです。
いざ本番というシーンでは、観てる私も身構えてしまったけど、息の詰まりそうな部屋と、壁越しに聞こえる男の声、哀愁漂う音楽など、直接的な描写なしで伝えていて、その上どこかユーモラスな雰囲気が。
”イカせる未亡人”とか、テニス肘ならぬ”ペ○ス肘”とか、変な名前が飛び交ったり、部屋が日に日に彼女色に染まっていくのも面白かったです。
孫の手術の日が迫る中、足りない渡航費を一気に手に入れようと、オーナーと駆け引きするくだりも見ごたえあり。ここで働くようになってから活き活きとしだした彼女は、堂々としていて魅力的です。
(後から、マギーを演じるのが「あの胸にもういちど」のフェイスフルだと知り驚きました。裸に黒のライダースーツの彼女だよ!)
家族にばれてしまう終盤も引き込まれましたね~。息子と嫁の反応がバレる前とは真逆になり、男は父親より息子として、女は義理の娘より母親としての反応を見せるところが面白い。
観終わって、じんわりあったかい気持ちになれる作品でした。
ちなみに、タイトルのイリーナ・パームはマギーの源氏名。邦題のほうが内容を表していて好きかな。

映画「サラエボの花」観ました

サラエボの花
製作:ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、オーストリア、ドイツ、クロアチア’06
原題:GRBAVICA
監督:ヤスミラ・ジュバニッチ
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】サラエボ。シングルマザーのエスマは、娘サラの修学旅行費を稼ぐためナイトクラブで働いていた。一方サラは、同じシャヒード(殉教者)の遺児サミルと友情を深めていく。だが、母が父のことを教えてくれず、次第に不満を募らせていき…。

内容を知って避けていた作品でしたが、そんなに重くないという事で観てみました。
かなり見やすかったです。母親の秘密についてはっきりと明かされるのは後半なんですが、それは娘が抱えるフラストレーションと、過去を思い出したくない母親の気持ちを表しているようで、真実を知ったときの衝撃をメインにしてなかったところが良かったのかもしれません。
娘サラの反応が自然でいいですね~。あまりにティーンエイジャーそのもので時々ムカついたけど、何も教えてくれない母親に反発するようになっていく気持ちはよくわかりました。
娘の修学旅行費を稼ぐため、きっと吐くほど怖いナイトクラブで働くエスマが泣かせます。沈黙を守るかぎり、娘には伝わらない苦労ですよね。辛そうにしている姿を娘に見せられず、独りで耐えている姿が痛ましい。
そんな彼女と惹かれあう、一見強面、でもよく見ると優しい目をしている用心棒のおじさんも素敵でした。たぶん、エスマを送って家の窓に娘の姿を見た時から、彼女の過去には見当がついていて、細心の注意を払って彼女の側にいたんだと思います。ラストのトラブルの後、大丈夫だったのかな?
あと、疲れ果てたエスマをあたたかく迎える親友も良かったです。工場の仲間からカンパを集めてきて、「もう安心よ。泣きたいだけ泣きなさい」と抱きしめるシーンで涙腺が…。
すべてを知って、父親への思慕の念を断ち切るように、サラが自らの髪を切り丸坊主にするシーンも印象的。ラストで笑顔を見せるエスマに希望が持てました。
ちなみに、原題はグルバヴィッツァで、もっとも激しい戦闘が行われた地区の名前だそうです。邦題はセラピーでエスマたちが歌っていた「砂漠にも花は咲く~」からきているみたいですね。エスマにとってのサラを示す邦題も素晴らしいです。

映画「名もなきアフリカの地で」観た

 | 伝記/自伝/実話  Comment(2) 
Tag:ドイツ

名もなきアフリカの地で
製作:ドイツ’01
原題:NIRGENDWO IN AFRIKA
監督:カロリーヌ・リンク
原作:シュテファニー・ツヴァイク
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】1938年4月、ナチスの迫害を逃れ、故郷ドイツからケニアに渡ったユダヤ人一家がいた。弁護士の父ヴァルターは農場で働き、お嬢様育ちの母イエッテルは文句ばかり。そんな中、娘のレギーナは料理人オウアらケニア人と打ち解け…。

シュテファニー・ツヴァイクの少女時代の体験を綴った自伝の映画化。
最初は、何もわかってない母親イエッテルの我がままと差別意識が目立って、ドイツの現状を知らないんだから仕方がないとは思っても、なかなか入り込めませんでした。でもその分、自分たちがどんなに幸運なのかを知って、”違い”を尊重する事の素晴らしさに気付いた後の変化が目覚ましい。
幼い娘が子供らしくすぐにアフリカに馴染んで、料理人オウアやケニアの子供らと心通わせていくのももちろん良かったですが、ナチスの迫害を逃れた事や生きる事の意味について考えさせるのは、この夫婦のエピソードでした。
夫については、真っ先に一人でアフリカに逃げてきたのかと思ったけど、あの妻を迎えるには、ある程度生活の基盤を整えてからじゃないとダメだと考えたのかな?
妻の心情の変化にまったく気付かないし、家族の中でたぶん一番アフリカに馴染めてなかったしで、成長したのか悩んでしまったけど、最後の決断は、家族と一緒にいる事が一番大事だと気付いたからですよね。イナゴを必死で追い払う彼の姿に、やっと家族が一つになったと感じました。
イエッテルの浮気とか夫婦の溝とか、祖国があんなことになってるのに、そんなことしてる場合か!と思わないでもなかったけど、レギーナの無垢な笑顔とオウアのあったかい笑顔に救われて、最後まで観ることができました。
イエッテルの「賢い人は違いを尊重する」と、夫の「僕の愛するすべてがこのベッドの上にある」というセリフが印象的。ちょっと長いし淡々としてるけど、なかなかの良作です。

映画「悪魔のくちづけ(1997)」感想

 | ロマンス  Comment(2) 
Tag:イギリス フランス ドイツ

悪魔のくちづけ(1997)
彼女が描きたかっただけー。
製作:イギリス/フランス/ドイツ’98
原題:THE SERPENT'S KISS
監督:フィリップ・ルースロ
ジャンル:ドラマ/ロマンス

【あらすじ】17世紀末の英国。英国一の庭園を建設するため、庭園デザイナー、ミニアを雇った領主トーマス。だが、妻ジュリアナは庭園よりも彼に関心を寄せ、ミニアは不思議な娘テアに惹かれていく。また、ジュリアナの従兄フィッツモリスも現れ…。

サスペンスと思わせて、ぜんぜんそんなんじゃないという、悪い意味で謎めいた作品でした(笑)
虚栄心を刺激され庭園造りに没頭する領主と、庭園より若い男に興味津々な妻、その妻に横恋慕する威厳も怪しさも足りない悪役。そして、庭園建設が進むにしたがって、生気と正気を失っていく魔女っぽいヒロイン…。
家庭崩壊とか陰謀とかサスペンス要素は詰め込まれているのに、なんかこうコスプレっぽいし、親子の問題は投げっぱなしだし、悪役の最期とかブラックコメディみたいだったし、よくわからないまま終わってしまいました。
何よりダメだったのは、出来上がる庭園がぜんぜん美しくないんですよね。花も緑もほとんどないなんて…!
主人公の心境の変化とともに、植物にあふれた庭園に変えていくか、彼が美しい自然に感動するシーンでも入れればよかったのにと思いました。
ちなみに、「悪魔のくちづけ」というのは(原題のSERPENT'Sは蛇と悪魔、両方の意味)、庭園の中央に配置された、蛇が自分の尾をくわえている絵を型どったものの事で、この庭園デザイナーのサインのようなもの。
とくに物語には関係しません!

映画「天空の草原のナンサ」観た

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Tag:ドイツ

天空の草原のナンサ
ツボにはまっちゃって…(笑)
製作:ドイツ’05
原題:DIE HOHLE DES GELBEN HUNDES(THE CAVE OF THE YELLOW DOG)
監督:ビャンバスレン・ダヴァー
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】モンゴルの草原で、羊の放牧をして平和に暮す一家がいた。6歳になる少女ナンサは、洞窟で子犬と出会いツォーホルと名付け連れ帰る。だが、オオカミの仲間かも知れないと父親は飼うことを許してくれず…。

ストーリーはなんてことなくて、失われつつあるモンゴル遊牧民の生活とナチュラルな子供たちの姿を見守る作品なんですが、それよりも途中で出てきたお土産の動く犬のおもちゃの禍々しさにやられてしまいました。
え、なんですか、このホラー映画に登場しそうなおもちゃ。ぜんぜん可愛くないし、何か憑いてない?
目を緑色に光らせて、キャンキャン鳴きながら歩く様子が頭から離れません。これを買ってきた父親と、もらって喜ぶ子供たちの感覚がわからない(笑)

…まあそれはともかく、他はのんびり雲を眺めるような感覚で観られました。ゲル(パオ)を解体する様子も興味深かったし、子供が乾いた糞を積み上げて遊ぶ様子にはちょっと引きました(病気とか大丈夫!?)。子供たちがやたらと自然体だと思ったら、この家族は本当の遊牧一家らしく、この作品も半ドキュメンタリーなんですね。
どうして犬を飼っちゃいけないの?と訴えるナンサに、「ひらいた手のひらを噛めないように、目の前にあっても手に入らないものもあるんだよ」と母親が教えるとこが良かったです。
ほのぼのした草原のラストシーンで、国政選挙への参加を呼びかける宣伝カーが横を通り過ぎるのが印象的。
ちなみに原題はどちらも「洞窟の黄色い犬」。劇中で語られる黄色い犬の昔話から。

映画まとめ感想

この前、寝不足の状態で朝食を準備していたら、キャベツを刻んでいただけなのに爪の真ん中から先端に向かってザクっと(5mmくらいだけど)やっちまいました。どんだけ弱いの私の爪!
まあ、オロナイン塗って絆創膏で固定してたら、案外くっついてきたんで一安心。なんせ、しょっちゅう爪の(指の?)先端を切り落としていて、どんどん爪が短くなっていたので、これ以上なくなると困るんですよ。というか、いい加減包丁の使い方を覚えろって話ですが。
そんなわけで、イラストを描くのが面倒なのでまとめ感想です。

『伊豆の踊子(1974)』
(日’74、西河克己監督)
山口百恵ちゃん主演のやつですね。百恵ちゃんの可愛さもさることながら、他の役者さんも親しみを感じる方ばかりで安心して観られました。妙に吉永小百合版と被るなぁと思ってたら、同じ監督さんだ。そんなに「伊豆の踊子」好きなんですかね?
全体的によかったけど、カオルが刺青の男に絡まれるシーンで終わって後味悪かったです。原作では”いい思い出にしないで迎えに行けばよかった”みたいに後悔してたような気もするので、その苦い想いを表現したかったのかな。個人的には、映像よりモノローグで表現してくれた方がよかったです。
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『タイムライン:TIMELINE』
(米’03、リチャード・ドナー監督)
冒頭から入り込めませんでした。考古学熱を爆発させて勝手に過去に行ったじいさんが、息子や教え子を危険に巻き込むとわかって助けを求めるのがちょっとね。まさか素人ばかりで助けに来るとは思いもよらなかったのかもしれませんが。お姫様と教え子の恋愛模様は絵になっててよかったです。

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『ブーリン家の姉妹:THE OTHER BOLEYN GIRL』
(英・米’08、ジャスティン・チャドウィック監督)
貴族の醜いあれこれで子供が犠牲になる話はあんまり好きじゃないんですが、あんな浮気者の王様を愛そうと努力するメアリーは健気ですね。でも、金髪のスカーレット・ヨハンソンには興味ないんだ。彼女の賢い母親が可哀そうでなりませんでした…。

『この自由な世界で:IT'S A FREE WORLD...』
(英・伊・独・スペイン’07、ケン・ローチ監督)
いきなり解雇されて見返してやるって頑張っていたのが、だんだんと”弱い立場の人間を食い物にする”ことに味を占めていくシングルマザーのはなし。自分と息子の生活を守るために頑張ってる普通の人が、自分で気付かないうちに人間性を失っていくのが怖い。あんな母親の姿をみたら、息子はもっとグレるだろう。わたしの理解力が足りないのかもしれないけど、どんな悪事をして誰に裏切られたのか、お金を全部返してどうやってラストのように上手く仕事を軌道に載せたのか、いまいちわかりませんでした。

映画「ヒトラーの贋札」観ました

 | 戦争  Comment(0) 
Tag:ドイツ オーストリア

ヒトラーの贋札
(201/4/2に単独記事に直しました。この作品へのコメント等は過去記事に残ってます)
原題:DIE FALSCHER
製作:ドイツ・オーストリア’07
監督:ステファン・ルツォヴィツキー
原作:アドルフ・ブルガー
ジャンル:★戦争ドラマ/サスペンス

【あらすじ】第二次世界大戦の最中、ナチスは精巧な贋ポンド札の製造する”ベルンハルト作戦”を計画。ザクセンハウゼン強制収容所に、世界的贋作師サリーらユダヤ系技術者が集められる。彼らはユダヤ人でありながら破格の待遇を受けるが…。

実際はブルガーのようにあからさまに反抗したら即銃殺ですが、大筋は史実どおり。ゼラチンを質の悪いものにこっそり変えたのは別の人らしいです(笑)
主人公が原作者ブルガーではなく、サリーというのが興味深いですね。元犯罪者のサリーがコーリャとの交流を通して人間らしさを取り戻し、葛藤する姿がよく描かれてました。
ただ、ハンディカメラの映像はなんかわざとらしかったかな。
贋札を捨てて、ただ生きる喜びを分かち合うみたいに女性と踊るラストが印象的です。

映画「シリアの花嫁」観ました

 | 社会派  Comment(6) 
Tag:イスラエル フランス ドイツ

シリアの花嫁
製作:イスラエル・フランス・ドイツ’04
原題:THE SYRIAN BRIDE
監督:エラン・リクリス
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】イスラエル占領下のゴラン高原、マジュダルシャムス村。そこで暮すドゥルーズ派の人々は、シリアへの帰属意識から無国籍を貫いていた。そんな中、境界線の向こうへ嫁ぐ日を迎えた花嫁モナは浮かない顔をしていて…。

忙しいのもそろそろ終わりそうですが、疲れてるので難しいことは省いてサクっと感想いっちゃいます。
とにかく、花嫁モナの姉アマルが格好いい!
自身も家庭の問題を抱えていて、ひとりの時に泣いていたりするんですが、何よりも家族の絆を大切にしています。モナが笑顔で嫁げるように、バラバラになった家族をひとつにしようと奔走するんですね。
というか、家族の絆をかろうじて保っていたのは彼女だったようで、ロシア人と結婚して絶縁状態にあった弟とも手紙のやり取りを続けていました。一人で泣いていたアマルのもとへやってきて、どうしてここがわかったのかという問いに、アマルの手紙の一節を諳んじる弟ハテム。僕もこの手紙が支えだったと語るシーンは涙腺が緩みます。
手紙という家族の絆が心の支えとなり、彼らが挫けず頑張れたように、モナにも強く生きてほしいから”決して消える事のない家族の絆”を感じさせてあげたい。そんな想いが伝わってきました。

やがて、アマルの頑張りも報われ、しきたりやプライドに縛られていた父親はハテムの肩を抱いて和解。家族の強く温かく絆に、モナの表情にもアマルのような凛とした強さが…。
ラスト、一人でシリアに向かって歩きだすモナの姿と、”希望”という意味の名を持つアマルの笑みが深い余韻を残します。

映画「善き人のためのソナタ」観ました

 | 社会派  Comment(4) 
Tag:ドイツ

善き人のためのソナタ
製作:ドイツ’06
原題:DAS LEBEN DER ANDEREN
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】1984年、壁崩壊前の東ベルリン。国家に忠誠を誓う国家保安省(シュタージ)の局員ヴィースラー大尉は、反体制的疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手クリスタを監視しはじめる。だが、しだいに彼らの生き方に心を動かされ…。

わたし的に、こういう作品のいちばん怖いところは、自分がそこにいたら確実に口を割るか滑らすかして、身近な人を裏切ってしまうだろうと、そんな”もしも”がありありと目に浮かぶところ。まあ、この時代にわたしが生きていても、シュタージに目を付けられることはない…と思いたいですけど。
そんなわけで、弱さにつけ込まれ悲惨な目に遭ったクリスタにはとても同情してしまいました。自分のファンだと励ましてくれた相手が、あんな形で目の前に現れたら、もう混乱と絶望であっさり心が折れてしまっても仕方ないな、と。ヴィースラーの最後の言葉が、ちゃんと彼女に伝わっていればいいんですが…。

そして、わたしには真似できないポーカーフェイスで、多くの人を追い詰めてきたヴィースラー。仕事への幻滅と(今さら?)、初めて知った世界への感動から、彼らを守る側になっていく様子が心温まります。たぶん、現実はこんなに甘くはないんでしょうけど、慣れない事を一生懸命にやろうとする彼の眼が今までと違って優しくて(ブレヒトの詩集を朗読するシーンとか)、余計なことを忘れてこの物語に入り込むことが出来ました。

驚いたのは、終盤にドライマンが自分の盗聴記録と、それに関わった局員のデータを簡単に閲覧できたということ。これって復讐されたりするんじゃないの?と不思議に思ったんですけど、実際はシュタージの腐敗というのはほぼなかったようで、だからこそ堂々と公開してるんですね。ドイツでこの作品は”よくできたファンタジー”として高く評価されているようです。
ちなみに原題の意味は、ドイツ語でも英語でも”他人の人生”。う~ん、邦題は頭を使わずに決めた感じがプンプンしますね。

映画「そして、私たちは愛に帰る」観た

 | 社会派  Comment(2) 
Tag:ドイツ トルコ

そして、私たちは愛に帰る
製作:ドイツ/トルコ’07
原題:AUF DER ANDEREN SEITE
監督:ファティ・アキン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】ドイツ、ブレーメン。定年を迎え、同じトルコ出身の娼婦イェテルを囲い孤独を紛らわすアリ。息子ネジャットは戸惑うが、彼女がトルコにいる娘アイテンのために頑張っていると知り、好感を抱く。一方、アイテンは政治活動に身を投じており…。

BSで何度かオンエアしていたけれど、重そうなのでずっとスルーしていた作品。先日、例の93分の映画枠でオンエアがあり、吹替えだったらということで鑑賞しました。
ドイツとトルコ、二つの国にまたがった、すれ違う三組の親子の死と愛と再生のドラマです。登場人物はわがままだったり、冷たかったりと共感しづらいし、すれ違い展開も強引なくらい。でも、遠く離れて暮していても、心が離れてしまっても、死によって引き裂かれても、愛によって繋がっているんだなぁと強く感じさせる作品でした。
物語の発端となる2つの死。そのおおもとの原因とも言える、ドイツにおけるトルコ人移民問題と、トルコに対するEUへの加盟論争などの社会情勢については、ぼんやり「そんな事があったのか」というくらいにしかわかりませんでした。
でも、娘の死のきっかけとなったアイテンを、娘の想いに応えるように赦し、救おうとしたスザンヌ。そして、軽蔑に値することをしてしまった父のなかに、深い愛情と孤独をみつけ、迎えに行くネジャット(冒頭はこのシーンから始まる)の”愛”。言葉にすれば簡単なんだけども、そこにたどり着くまでには絶望や悲しみ、怒りがあって、それを乗り越えてやっと迎えた心の平安なんですよ。
ネジャットが浜辺で父の帰りを待つラストに、温かく優しい気持ちになりました。
ちなみに、原題を直訳すると「向こう側に」、英語題の意味は第三章のタイトル「天国のほとりで」です。

映画「マーサの幸せレシピ」観ました

 | 家族  Comment(4) 
Tag:ドイツ

マーサの幸せレシピ
製作:ドイツ’01
原題:DREI STERNE
監督:サンドラ・ネッテルベック
ジャンル:★ドラマ/コメディ

【あらすじ】料理に絶対の自信を持ち、しばしば客と衝突するシェフのマーサ。突然の事故で姉を亡くした彼女は、姪のリナを引き取り一緒に暮らし始める。食事をとろうとしないリナだったが、新しく入ったシェフ・マリオの料理を美味しそうに食べ…。

オリジナルのほうです。Gyaoでやってたので久しぶりに観てみました。リメイク版「幸せのレシピ」には「リトル・ミス・サンシャイン」のオリーヴ役アビゲイルちゃんが出てましたね。
やはり最初に観たせいか、オリジナルのほうがしっくりきます。なんというか、気難しい孤独なマーサはわたしのなかではもうこの人マルティナ・ゲデックなんです。リメイクを観た時は既視感ばかり気になって、いいとは思うんだけどいまいち入り込めませんでした。

前半のやや陰鬱な空気が、リナやマリオの登場によりゆっくりと明るくなっていくのがいいんですよね。マーサの表情が柔らかくなっていくと同時に、冷たくからっぽだったマーサの家が暖かく賑やかになっていくのがわかります。何度も映される”キッチンが見える廊下”がマーサの変化を表しているようでした。
そして、マリオのつくる料理もいい!
何も食べないリナの前で、大げさに、でも本当においしそうに食べているパスタが食欲をそそります。
料理がでてくる映画はたくさんあるけれど、やはりイタリア料理が一番おいしそうに見える気がします(どれがイタリア料理かよくわからないけど!)。彼とリナがマーサのキッチンで料理をした後、めちゃくちゃになったキッチンを見て過呼吸に陥るマーサが笑えました。

感情を表に出さず、辛くても隠れて泣いていたマーサが、彼らと過ごすうちに見せるようになった心からの笑顔
見ているこっちまで笑顔になれる作品でした。
ちなみに原題の意味は、「DREI STERNE」はドイツ語で”三ツ星”、「BELLA MARTHA」はイタリア語で”美しきマーサ”。個人的には語呂がいい邦題が好きかな。

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映画「パリ、恋人たちの2日間」観た

パリ、恋人たちの2日間
でぶにゃんこ”ジャン=リュック”
製作:フランス/ドイツ’07
原題:2 DAYS IN PARIS
監督:ジュリー・デルピー
ジャンル:★ロマンス/コメディ

【あらすじ】付き合って2年になる恋人マリオンの里帰りに付き合い、パリに2日滞在することになったアメリカ人のジャック。だが、あまりにオープンな人々に、彼はカルチャーショックを受けてばかり。その上、街では彼女の元カレに次々と遭遇し…。

これはもう、会話のリズムが好き。「恋人までの距離(ディスタンス)」では主演、「ビフォア・サンセット」では脚本にも参加した監督の作品で、わたしはこういう観光気分を味わえる会話劇というのが妙に好きみたいです。
内容はあるようなないような(でも愛はある)…ですが、このリズムが合うひとならいくらでも観てられるんじゃないでしょうか。あけっぴろげなフランス人のきわどい会話の数々に、ジャックといっしょになっておおいにカルチャーショックを楽しめばいいと思います。
まあ、フランス人に知り合いはいないので本当にこんな人たちなのかはよくわからないし、アメリカ代表みたいになってるジャックも標準的なアメリカ人なのかかなり疑問(どちらかというと変わり者のような?)
気に入ったのは、冒頭で嘘の道順を教えたアメリカ人観光客にばったり再会するシーン。「何が”スモール・ワールド・ネットワーク理論”だ」とこぼしていた彼が、こんな時にこんな再会を果たすなんて…。マリオンの元彼遭遇率もすごいんですけどね。
他にもいろいろ冒頭から笑わせてくれたんですけど、時間が経ったので忘れてしまいました(笑)
再見しても初見と同じように楽しめそうです。

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映画「怒りの荒野」観た

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Tag:イタリア ドイツ

怒りの荒野
製作:イタリア/ドイツ’67
原題:I GIORNI DELL'IRA
監督:トニーノ・ヴァレリ
ジャンル:★西部劇

【あらすじ】メキシコ国境近くの町クリフトンで”娼婦の息子”と蔑まれてきた掃除夫の青年スコット。ガンマンになる夢を胸にひたすら耐えてきた彼は、流れ者のガンマン、タルビーと出会い弟子入りを決意。やがて、彼は師に匹敵するほどに腕を上げ…。

これはもう、カッコよすぎでした。ツッコミどころもあるけれど、子供の頃に観ていたら確実に西部劇にはまってしまいそうな魅力があります。まさしく王道という感じ。原題の意味は、エキサイト翻訳では「怒りの日」でした。
老獪なガンマン・タルビーと、彼に純粋な憧れを抱く青年スコット。”ガンマン十ヶ条”を教えながら、さらりと決めてくれるタルビーが渋くて素敵です。でも後半、ガンマンがああいう場所に落ち着こうとするのは格好悪いかな?
無垢な笑顔を失くしてしまったスコットが、十ヶ条を唱えながら敵を倒していくクライマックスにしびれました。

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動物映画をたくさん観たよ

南極の春
ゴールデンウィークを狙ってかドキュメンタリー、動物映画をたくさんオンエアしていたので、まとめて感想です。
まずはイラストに描いた…

『南極の春:RUSH HOUR IN ANTARCTICA』

2005年フランス、リュック・ジャケ監督(TV用ドキュメンタリー)
繁殖期を迎えたアデリーペンギンやウェッデルアザラシ、ユキドリ、ナンキョクオオトウゾクカモメなどの子育ての様子を追った作品。「皇帝ペンギン」の監督だけあって面白かった。ひとつの場所でいろいろな生き物が子孫を残そうと頑張ってます。皇帝ペンギンと違い、アデリーペンギンは協力し合ったりはしないんだね。

『皇帝ペンギン~撮影日誌~:DES MANCHOTS ET DES HOMMES』

2004年フランス、リュック・ジャケ、ジェローム・メゾン監督
「皇帝ペンギン」とあわせて観るべきメイキング映像。ペンギンと同じく命張ってます。あと、メイキングだけじゃなく、ちゃんとペンギンの様子も見られた。撮影スタッフに興味を抱くペンギンが可愛い。

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『ディープ・ブルー:DEEP BLUE』

2003年イギリス/ドイツ、アラステア・フォザーギル、アンディ・バイヤット
海洋ドキュメンタリー。映像は美しいけれど、欲張りすぎてそれぞれの生態まで見せてくれない。これを観るくらいなら、編集する前のTVシリーズ「ブルー・プラネット」(全8巻)を観た方がいいと思う。ただ、シャチが獲物を放り投げるシーンだけは良かった。シャチの恐怖映画が観たい。

『子猫物語』

1986年日本、畑正憲監督
動物虐待映画。最初は可愛いと思って観ていたけれど、しだいにチャトランやプー助が危険な目に遭うようになって観てるのが辛かった。茶虎の子猫を何匹も使い捨てにしていたという噂もあるくらいで、崖から海へ落ちるシーンは本当に死んでもおかしくない状況。他の動物映画も実は…?と思うと怖くなった。

『ペリ:THE STORY OF PERRI』

1957年アメリカ、N・ポール・ケンワージー・Jr、ラルフ・ライト監督、フェリックス・ザルテン原作
ディズニー製作の子リス・ペリの物語。ほぼドキュメンタリーだけど、原作があるとのこと。撮影スタッフが作り出した状況の中に動物たちを放し、望む結果になるまで繰り返したということか?
ペリの父親が食べられちゃったんだけど…。

『砂漠は生きている:THE LIVING DESERT』

1953年アメリカ、ジェームズ・アルガー監督
またもやディズニー製作。「死の谷」と呼ばれる砂漠にすむ生き物の生態を撮った作品。あんな砂漠にも意外と生き物が生息しているのだと驚いた。豪雨の後に現れる花たちも感動的。よくできていると思うけど、これも作為的なものを感じる。レミングの集団自殺を有名にしたドキュメンタリー「白い荒野」もディズニーによるヤラセだという噂。

『灰色グマの一生:KING OF THE GRIZZLIES』

1969年アメリカ/ロン・ケリー/アーネスト・トムソン・シートン
やっぱりディズニー製作。灰色グマと原住民の青年との友情的なものがドキュメンタリータッチで描かれます。ファミリー向けとしてはなかなかなんだけども、熊がね…。以前、熊がメスに自分の子供を産ませるために子グマを殺すという話しを聞いてから、熊は苦手です。

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第8回ブログDEロードショー「スモーク」

 | ブログDEロードショー  Comment(0) 
Tag:日本 ドイツ

原題:SMOKE
製作:アメリカ・日本・ドイツ’95
監督:ウェイン・ワン
開催:2010/3/26~3/28

「RELAX TIME」のユウ太さんが選んで下さいました。

<理由>
  1. 1・シンプルに、なによりも自分がまた観たいと思っている作品だから
  2. 2・意外に知られていない、未見の方も多いという隠れた名作だから
  3. 3・なにかと忙しい3月という月は、時間に追われたり疲れが出る時期だと思います。そんな時にゆっくり、本当にゆっくりまったりと観れる作品だから。
  4. 4・そんな作品を観る機会も少ないと思うし、是非皆さんにと強く思うから。

企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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映画「厨房で逢いましょう」観ました

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Tag:ドイツ スイス

厨房で逢いましょう
製作:ドイツ/スイス’06
原題:EDEN
監督:ミヒャエル・ホーフマン
ジャンル:★ロマンス/ドラマ

【あらすじ】南ドイツの保養地で小さなレストランを営む天才シェフ、グレゴアは、休憩時間ににはカフェのウェイトレス、エデンを眺めて過ごしていた。ある日、ふとした事から彼の作ったプラリネを口にした彼女は、すっかり彼の料理の虜となり…。

冒頭から、巨漢の男が鴨の毛をむしりながら、愛おしそうに話しかけキスをするキモチワルイシーンで始まったので、かなり観賞意欲をそがれました。
彼がどういう人間かというと、幼い頃に妊娠した母親の見事な腹を見て感動し、自分もそんな立派な腹を持ちたいと努力を重ね。その結果、医者にセックスを禁じられるほどの肥満体と、味への飽くなき探究心を手に入れたのでした。
彼が料理を作る様子は妙にグロテスクで、食材にねっちょねっちょソースを塗りたくったり、タコを撫でてうっとりしながら足を味見してみたりと、食欲が失せる気味悪さ。しかも、彼の料理は”官能料理”と謳われるほどで、それを食べた人はあまりのおいしさに皿まで舐め尽くしてしまうほど。そんな異様な光景が続くので、彼が”おとぎばなしに出てくる悪い魔法使い”のような気がしてきました。
しかし、そんな彼の魔法にかかったエデンは、内に秘めた欲望をむき出しにして”悪い魔法使い”すら食い尽くす”モンスター”と化してしまうのです。

きっかけは、噴水に落ちそうになった娘を助けてもらったことでした。幼い娘を放って公園で昼寝とか、始めからかなり危なっかしい母親です。仕事で疲れているんだろうけど。
そのお礼に娘の誕生日に招待し、彼はチョコレートケーキを持ってきてくれます。娘はチョコアレルギーなのに、あんまり欲しがるから食べさせてしまいました。疲れとか関係なく危ない母親です。(その後、チョココーラソースなるものも食べさせていたけど、治ったのだろうか?)
その時、口にしたプラリネ (ナッツなどのペーストをチョコに混ぜたお菓子。または一口サイズのチョコ) の虜となったエデンは、レストランに不法侵入したり、あらゆる口実をつくって彼の料理を食べようとするんですね。ある程度仲良くなればもうこっちのもの。夫が仲間とストリップバーに出かける火曜日になると、他人の目も気にせず彼の厨房を訪ねます。
もう、誰も彼女を止められません。

そんな図々しい客なのに、グレゴアは幸せいっぱいです。丹精こめてつくった料理を彼女が食べて、天にも昇るような恍惚とした表情を浮かべるのを見るだけで、彼の想いは満たされるのです。
彼女の方も、彼の想いの込められた料理で満たされ、夫との関係を修復して幸せを取り戻していきます。(ベッドで身体にクリーム塗ったくって夫を誘うシーンには苦笑)
そして残酷にも、グレゴアのおかげですべてが順調だと、妊娠もわかって最高に幸せだと彼に報告するのでした。

グレゴアは彼女と彼女の夫のせいで大変な被害を被ることになるんですが、それでも彼女を愛し続けるんですよね。決してハッピーエンドとはいえないラストなのに、彼の目が最初の頃の”料理以外のものを恐れる”目ではなくなっていることに希望が持てます。
でも、思わぬ事故だったとはいえ、あんなことになっても彼の料理を食べに現れるとは、やっぱり彼女はモンスターだなぁ…(笑)

映画「0:34 レイジ34フン」感想

 | ホラー/パニック  Comment(0) 
Tag:イギリス ドイツ

0:34 レイジ34フン
製作:イギリス/ドイツ’04
原題:CREEP
監督:クリストファー・スミス
ジャンル:ホラー

【あらすじ】ロンドン、チャリング・クロス駅。深夜0時34分の最終電車を待つケイトは、ベンチで一眠りしている間に駅構内に取り残されてしまった。そこへ何故か電車が到着し、彼女は駅から出るためそれに飛び乗る。だが、まもなく電車は止まり…。

なかなか良さげなホラーだなぁと思って観たら、見事に裏切れられました。
主人公の女性が”薄情な現代人”の典型みたいなひとで、面倒ごとには関わろうとしないし、そのくせ自分が困れば「親切にしてよ!」って態度です。
そんなんだから、一人で駅に取り残されて殺人鬼に追われても、彼女に感情移入できなくて傍観者になった気分。つまり全然恐くありません。
でも、薄暗い地下鉄、姿の見えない追跡者、出会うのは彼女が会ったことのある人ばかり、小さな扉をくぐるとホームレスの住処が…という始まり方には、悪夢を見ているときの感覚と近いものがありました。直前に彼女がうたた寝をしていることもあって、このまま不条理な恐怖に突き落とすのか…と思えばそうでもない。何故か後半はスプラッター系に。

わたしはグロ耐性が高いほうなんですが、終盤に連続でやられるとさすがに嫌な気分になりました。しかも、殺人鬼を殺すシーンが(見える中では)一番グロイって…。主人公どうなのよ?
殺人鬼の正体は、大体想像がつく程度にヒントがでるので腑に落ちないことはないと思うんですが、地下鉄とまるで関係がないのがね。どうにもすっきりしない気分でラストを迎えます。
ラストは、冒頭でホームレスに冷たかった彼女を皮肉っていて、意外にも良かったです。
ちなみに、原題のCREEPは”這い回る”とか”ぞっとする”という意味ですが、おそらく”気味が悪いやつ”を意味するスラングの方でしょう。
ロンドンの地下鉄という、ホラーにおあつらえ向きな舞台をいかしきれていなかったのが残念!

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映画「上海の伯爵夫人」観た

上海の伯爵夫人
つやつやのグランドピアノに映る華やかな社交界
製作:イギリス・アメリカ・ドイツ・中国’05
原題:THE WHITE COUNTESS
監督:ジェームズ・アイヴォリー
ジャンル:ロマンス/ドラマ/歴史劇

【あらすじ】1936年、上海。ロシア革命で故郷を逃れ、娘カティアのためホステスとして働くソフィア。彼女はある日、ある事件で家族と視力を同時に失い、酒びたりの日々を送っていた元外交官ジャクソンと出会う。彼女こそ夢の実現に必要な存在だと確信したジャクソンは、夢のバー”白い伯爵夫人”を開き彼女を迎えるが、やがて日本軍による上海侵攻が始まり…。

抑圧された雰囲気のなか、静謐で気品溢れるラブストーリーが綴られます。
ただ、本当に”抑えた”感じなので、やや盛り上がりには欠けるかもしれません。
片や娘さえ幸せになれるならと考えがちなソフィアと、片やかつて思い描いた夢に逃避するジャクソン…。どちらも”自分の人生”には絶望している気がして、情熱というものが感じられないんですよね。
資金作りが”競馬”というのも投げやりですし、店が完成するまでの過程もほとんど描かれていませんでした。
そんな二人がいかにして最後の壁を取り払うのか…というのが見所でしょうか。
娘のカティアや義妹、謎の日本人の存在感もなかなかのものです。

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映画「會議は踊る」観ました

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Tag:ドイツ

會議は踊る
製作:ドイツ’31
原題:DER KONGRESS TANZT
監督:エリック・シャレル
ジャンル:★ミュージカル/ロマンス/ドラマ/コメディ

【あらすじ】1814年、ウィーン会議。次々とヨーロッパの大物が集まるなか、手袋屋の娘クリステルがロシア皇帝に花束を投げつけ逮捕される。皇帝は彼女を救い恋に落ちるが、皇帝の会議出席を妨害したい宰相メッテルニヒはそれを利用しようと動きだす。

タイトルは、オーストリア将軍リーニュ公の「会議は踊る、されど進まず」という言葉から。会議よりも舞踏会や晩餐会の時間の方が長かったそうです。
そんなウィーン会議を舞台に、自分の思い通りに会議を進めたい宰相と、彼の策略を上手くかわしつつ恋も楽しむ皇帝。皇帝に恋するクリステルや、彼女に恋する宰相の秘書官。面倒なことばかり押し付けられる皇帝の影武者などが描かれます。
魅力的な登場人物たちが音楽とダンスに彩られ、愉快で楽しい雰囲気に包まれていました。
馬車に迎えられ皇帝の別荘に行くクリステルが、高まる気持ちを抑えきれないように歌いだすシーンは誰でも胸が弾むはず。
ほかにも、宰相が朝一番に盗聴器で使用人たちの話を聞いていたり、”チャリティーのための有料キス(宰相の策略)”をする影武者の横に、口を拭ったハンカチの山が出来たり、会議中なのに音楽に誘われて椅子を揺らし、最後にはほくそ笑む宰相と揺れる椅子だけが残されたりと、思わずニヤリとしてしまう愉快な演出が盛りだくさんでした。
ほろ苦いラストでは、馬車で歌ったものと同じ「ただ一度だけ」が切なく響きます。

映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」観た

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Tag:ドイツ

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
製作:ドイツ’97
原題:KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR
監督:トーマス・ヤーン
ジャンル:コメディ/ドラマ/犯罪

【あらすじ】末期がんで同室になったルディとマーチンは、海を見たことがないという話になり車を盗んで病院を飛び出す。しかし、その車はギャングのもので大金が積んであった。そうとは知らず、ふたりは車にあった銃で好き勝手始めてしまう。

もう数日しか生きられないふたりが出会い、海を目指しておかしな珍道中が始まります。
このふたり、余命わずかと知っているので気が大きいです。基本的に人を傷つけるような事はしませんが、飲酒喫煙当たり前。柵は壊すは、強盗はするは、パトカーを奪うは、ほとんどノリだけで行動してます。大金を見つけてからも、リッチ気分を味わいつつお手軽な善行をして思う存分楽しんでいました。
銃と大金とマヌケな追跡者のせいで緊張感ゼロのぬるい展開なんですが、ときおりマーチンが苦痛に襲われ現実を思いだしたり、短い時間の中で育まれたふたりの友情を垣間見たりと、ぬるいだけでは終わりません。
ギャングに銃を突きつけられ、二人がギュッと手を握り合うシーンが心に残りました。

追記(2010/8/17)
gyaoでやってたので、つい観てしまいました。
ずっと、ストックホルム症候群と同じ意味で違う名前のがあったけど、何だったかなぁと悩んでいたんですが、これにでてきてました。ヘルシンキ症候群ですね!
ついでに違いを調べてみたところ、ストックホルムは事件が起こった場所、ヘルシンキは研究・発表した大学の場所にちなんで付けられたそうです。映画で何度かヘルシンキ~の方を見かけたけれど、海外ではそっちが一般的なんだろうか?