チェコスロバキア 忘却エンドロール

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映画「チェコの古代伝説」観た

チェコの古代伝説
製作:チェコスロバキア’52
原題:STARE POVESTI CESKE
監督:イジー・トルンカ
原作:アロイス・イラーセク
ジャンル:歴史劇/ファンタジー

【あらすじ】チェフによってプルタバの湖畔に辿り着いた人々がいた。彼らは木を倒し、家を造り、農耕を始め、その地に根付いていった。その地はチェフの名にあやかって”チェヒ”と名付けられ、彼の死後リプシェという女性が国を治める。だが、やがて彼らのなかに女性の支配者を望まないものが現れ…。

人形アニメ大国チェコの巨匠イジー・トルンカの作品です。
この前の「バヤヤ」がわたし好みだったので楽しみにしていたんですが、今回は歴史劇なうえ説明がほとんどなく、あまりストーリーを楽しむ事が出来ませんでした。
解説を調べてみたところ、建国の歴史を6つのエピソードで描いていたらしく、思い返してもどこからどこまでが一つのエピソードだったのかすら判別できない始末。人間でさえ見分けられない時があるのに、沢山の人形が登場して名前をほぼ呼ばないのはキツいです。チェコの歴史に詳しい人じゃないと、一回で理解するのは難しいかも。

とはいえ映像の美しさは相変わらずで、恋人たちが森で夢のようなひと時(ひざ枕でいちゃいちゃ)を過ごすシーンや、湖での描写は目を見張るほど。youtubeあたりで”jiri trnka”と検索すると幾らでもでてくるようなので、気になる方はそちらでどうぞ。(面倒臭がりでスミマセン) 元々セリフがほとんどないので、言葉が分からなくても問題ないと思います。
トルンカ作品は三つしか観てませんが、「飛び立つ鳥」「芽吹く植物」「音楽とダンス」がよく出てくるんですよね。
…何か意味があるんでしょうか?

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「バヤヤ」観ました

映画「バヤヤ」観ました

バヤヤ
製作:チェコスロバキア’50
原題:BAJAJA
監督:イジー・トルンカ
原作:ボジェナ・ニェムツォヴァー
ジャンル:★ファンタジー/ロマンス

【あらすじ】母親が去り悲しみに包まれる家で、父親とふたり貧しく暮らす青年がいた。ある晩、白馬に姿を変えた母親が現れ、彼は導かれるままに旅立つ。やがて、3人の美しい姫のいる国に辿り着くが、彼女たちは三匹の竜に身を捧げる運命にあった。

チェコの民話をもとにした、幽玄な美しさをもつ長編人形アニメーション。
騎士の鎧に身を包んだ青年が、竜への供え物になろうとしていた3人の姫を助けます。姫たちは騎士に想いを寄せるものの、鎧を脱いだ彼には気付かず…というお話。
セリフは少なく、人形の動きもややぎこちないものですが、顔の角度や光の具合で表現される”感情”が素晴らしく、まるで人形たちが生きているかのように見えました。
とくにヒロインである末姫の優美な身のこなしや、悲しみを湛えた表情は(描かれた顔が変わった訳ではないのに)神秘的なほど。そんな彼女を元気づけようとする老道化師も可愛らしく、耳をぴょこぴょこさせたりでんぐり返しをしたり、何も出来なくて落ち込んだりと感情豊かに描かれています。
セリフどころか説明もほとんどないため、何故母親は馬になったのか、母親の罪の償いが息子による竜退治でいいのか、そのあいだ取り残された父親は可哀想すぎやしないか、など気になる点もいくつかありますが、観終わって出会えてよかったと思える傑作でした。
他の作品も機会があったら是非観てみたいと思います。(BSでやってくれるかな?)

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