スペイン 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ミッドナイト・イン・パリ」観ました

 | ファンタジー  Comment(6) 
Tag:スペイン ウディ・アレン

原題:MIDNIGHT IN PARIS
製作:スペイン、アメリカ’2011 94分
監督:ウディ・アレン
ジャンル:★コメディ/ファンタジー/ロマンス

【あらすじ】ハリウッドの売れっ子脚本家ギルは、小説家に転身しようと処女小説の執筆に励んでいた。婚約者イネズと憧れの地パリを訪れるが、イネズの男友達ポールが楽しい気分を台無しに。ひとり真夜中のパリを彷徨っていると、一台のクラシック・プジョーが現われ…。

今回のファンタジー企画最後の作品。再見が続いてたので、最後が未見のこの作品で良かったです。(イラストはいつか追加します)
これほど自然に流れるように時を超える作品は珍しいですね。見た目的にはあまりファンタジーしてないんですが、(視聴者も)すんなりこれを受け入られる感覚がとてもファンタジーでいいんですよ。
すんなりと言っても、最初の主人公の驚きようはあんぐりって感じですが(笑)

なんというか、かの時代の芸術家たちの浮世離れした雰囲気が、主人公の夢への陶酔感と見事に溶け合って、観ているだけでその空気に酔ってしまいそうなんですよね。
これはギルが惹かれるアドリアナの夢が叶った時にも感じられることで、女優さんの演技も上手くて、不思議な高揚感でフワフワした気持ちになっている時を思い出します。
でも、そのフワフワにいつまでも浸ってないで、ちゃんと考えて、気付いて、決断した主人公が描かれるところがまたいいんですよ。夢想の楽しさから、自分の足で立って目標に向かって行く時の万能感みたいな、別の陶酔感に切り替わります。
真のヒロインと美しい夜のパリを歩くシーン(「ブロードウェイと銃弾」を思い出した)も印象的で、夢を追う人々が集まるこの街が舞台だからこそ魔法が存在できるんだなぁと思えました。

一番の謎は、どうしてまったく合わないあの二人が婚約したかってこと。身体の相性が良くて、お互いにそこそこ裕福だったからという理由しか思いつかない…(苦笑)
それと、ギルはアドリアナの書いた本の結末まで読む日が来るんだろうか?
彼女のその後が書かれているだろう本には触れずに終わるのも、この作品らしくて良いと思います。

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映画「見知らぬ医師」観ました

見知らぬ医師
原題:WAKOLDA
製作:アルゼンチン/フランス/スペイン/ノルウェー’2013
監督:ルシア・プエンソ
ジャンル:サスペンス/ホラー

【あらすじ】1960年代のアルゼンチン、パタゴニア。自然に囲まれた町で民宿を営むことになった夫婦は、最初の客としてとあるドイツ人医師を迎え入れる。彼は、実年齢よりも幼く見える12歳の娘リリスに興味を示し、彼女も彼を信頼するようになっていくが…。

<ネタバレあり>
ミステリーではないけど、ミステリアスな雰囲気のある作品でした。
まあ、ナチスに詳しい人なら早い段階で医師の正体はわかるんだろうけど、最初から最後までとある少女の目線で描かれているので、彼が何をした人間なのか詳しいことは描かれず「本当はとても怖いおじさんだった」という曖昧な不気味さだけが漂ってきます。
彼が言葉巧みにその家族に近づいていく姿に、何か恐ろしいことが起きるのではないかとハラハラしながら見てました。

ホラー的な描写はないのだけど、”少女や胎児を実験体としか見てない”という静かな狂気に、背筋が寒くなってきます。彼の手帳に描かれた詳細なスケッチやメモからも、”実験体”が自分と同じ人間であるということを一切意識してないのが伝わってくるんですよね。
そんな彼に丸め込まれ、良かれと思って自ら”実験体”になってしまう母娘が危なっかしい。
それと比べると父親はかなり冷静で警戒しているものの、やはり長年の夢に出資してくれるとなると油断してしまいます。…その金がどこからきたものなのか、考えもしなかったでしょう。

その父親の夢というのが人形の大量生産で、機械的に作られていく人形のパーツを満足げに眺める医師のシーンは、上手い暗喩だったと思います。「人形は全て同じにした方がいい」と彼を説得していたのも印象的でした。
実は、原題のワコルダはリリスのお気に入りの人形の名前で、彼女と医師の出会いも人形を拾ったのがきっかけ。
その人形は胸に心臓のからくりが埋め込まれた父親のオリジナル作品で、彼女は他と違うからその人形を選んだと言います。成長が遅れていて背が低い自分と同じだから。
だからこそ、それを治療してくれる”先生”を慕って信じてしまうんですよね…。
彼に限らず、悪意を持つ者はこうやって簡単に忍び寄ってくるのかもしれません。

淡々としながらも、じわじわと恐怖が迫ってくるのは、これが実話に基づいているからでしょうか。実際に逃亡中に実験をしていたかはわかりませんが、正体を隠してアルゼンチン人の一家と暮らしていたというのは事実だそうです。
鑑賞後、死の天使と呼ばれたナチス将校ヨーゼフ・メンゲレについて調べると、もっと恐ろしくなるかも。

映画「サン・ルイ・レイの橋」観ました

サン・ルイ・レイの橋
原題:THE BRIDGE OF SAN LUIS REY
製作:スペイン・フランス・イギリス’2004
監督:メアリー・マクガキアン
原作:ソーントン・ワイルダー
ジャンル:★歴史劇/ドラマ

【あらすじ】18世紀、ペルーの都市リマ。山奥の聖地へと続くサン・ルイ・レイ橋が落ち、偶然居合わせた5人が不慮の事故で命を落とす。目撃者の修道士は、彼らの死の理由…神の意思を知るため、6年もの歳月をかけて彼らの人生と共通点を探るが…。

Gyaoで鑑賞。ほんのりネタバレしてるかも?
宗教色の強い作品かなぁと身構えてしまったんですが、異端審問とかあるものの、一番大切なのは”愛”という普遍のテーマなので問題なかったです。
まあ、異端審問やこの時代の事をわかっていた方がわかりやすいですけどね。大雑把にまとめると、こんな調査をせずにはいられない神を疑う心の持ち主は、教会にとって不都合ということでしょう。彼の影響を受けて、信者たちが自分の頭で考え出したら扱いにくいという事です。
でも、この作品において彼の行動や理屈に大した意味はなくて、彼らの物語を伝える事が役目だったと思いました。

5人それぞれ思うところはありましたが、やはりキャシー・ベイツ演じる公爵夫人が印象に残りました。
おそらくユーモアのセンスのある頭のいい人なのに、それが誤解されて愚かな変人扱い(原作では吃音があるらしい)。頻繁に娘への手紙を書き続けているものの娘は冷たく、酒に溺れてふらつく(そして失敗して嗤われる)姿が哀しい…。
「ベラスケスの絵のネックレスが見事だったから、(絵の中の)王妃から貰い受けた」なんて表現してしまうお母さん、素敵ですよね?
映像化されたそのシーンも素晴らしかったです。

途中、彼女の世話をしていた修道女のペピータが、「帰りたい」という内容の手紙を夫人に見つかってしまうんですが、その時「美しい手紙ね」と言われて「こんなもの」とばかりに捨ててしまうのは、自分を恥じたからでしょうか?
夫人の届かない手紙を大事に全部とっておいたのも彼女だし、誰よりも夫人の才能と孤独を知っていたわけだから、自分の弱さや夫人には及ばない文章、夫人を悲しませたかもしれないという事で、いたたまれなくなってしまったのかなぁと思いました。

この作品、基本的に心情を表すセリフが少ないので(修道士の調査に基づいてるから)、何考えてるかわからないシーンが多いです。
想像力を働かせないと置いてきぼりくらうかも…。
でも、最終的には修道院の院長がまとめてくれるから難しくはないです。
「みな、誰かに愛され、そして忘れられる。
~生者の国と死者の国を繋ぐのは愛。愛だけは残る、唯一意義のあるもの。」

5人の犠牲者すべての物語を目にした後だと、このセリフが深く心に響きました。
衣装や美術は素晴らしいし、キャストも豪華で見ごたえある秀作です。

映画「パンズ・ラビリンス」観ました

 | ファンタジー  Comment(15) 
Tag:メキシコ スペイン

パンズ・ラビリンス
原題:EL LABERINTO DEL FAUNO/PAN'S LABYRINTH
製作:メキシコ・スペイン・アメリカ’06
監督:ギレルモ・デル・トロ
ジャンル:★ファンタジー/ドラマ/ホラー

【あらすじ】1944年、内戦終結後のスペイン。母カルメンと新しい父親ビダル将軍の元へやってきた少女オフェリアは、ゲリラの鎮圧にあたる冷酷な父を嫌っていた。ある夜、彼女は妖精に導かれ、迷宮で牧羊神パンと出会う。彼は、オフェリアが地底の魔法の国のプリンセスの生まれ変わりだと言い出し…。

もうすぐ次の企画なのに肝試し大会6作品目。ホラーっていうよりファンタジーですけど。
この雰囲気好きですね~。「不思議の国のアリス」を思いっきりダークにした感じ。
中盤に出てくる化け物だけは悪趣味(見方によっては遊び心があって可愛い?)で、このために万人受けしない作品になってる気もします。でも、登場シーンは短いので、キモいモンスターが苦手な人でも頑張れば観られるかな。
その他のファンタジー要素はほんのり怖い雰囲気があって、昔のマペット系モンスターを思い出しました。彼らより、オフェリアの義父の方が怖いかも。
現実の殺し合いとダークファンタジーのバランスが素晴らしい作品ですね。それでいて、オフェリアの母親と弟への愛情や、ゲリラに協力するメルセデスたちの悲しみなんかも良く描かれていて。
ラストの解釈も色々あるようですが、わたしは妖精たちの姿や王妃様の姿に、とくに意味はないと思ってます。よく不思議な存在が”子供たちが信じないと存在できない”っていうのがあるじゃないですか。あれって、人間とコンタクトを取れる形になる事を”存在できる”と言ってるだけだと思うんですよ。大昔から姿のない不思議な存在はあったけれど、人間が誕生してから、人間の想像した名前や姿かたちを借りる事で、人間と関わるようになったみたいな。
なので、オフェリアの読んでいた本や、彼女の記憶から姿や物語を借りて、ファンタジーを必要としていた彼女を救ったんじゃないかと。
幾つかの別れが悲しいものの、私的にはハッピーエンドとして観られました。好きな作品です!
ちなみに、原題は「ファウヌスの迷宮」。ギリシャ神話のパンに対応するのがローマ神話のファウヌスなんだとか。

映画「永遠のこどもたち」観た

 | ホラー/パニック  Comment(12) 
Tag:スペイン メキシコ

永遠のこどもたち
製作:スペイン・メキシコ’07
原題:EL ORFANATO
監督:J・A・バヨナ
ジャンル:★ホラー/ドラマ/ミステリー

【あらすじ】自分が育った孤児院を買い取り、障害を持つ子どもたちのための施設として再建しようとしていたラウラ。そんな時、7歳の息子シモンがイマジナリー・フレンドを相手に遊ぶようになる。施設の開園パーティの日、シモンが忽然と姿を消し…。

久し振りに怖いホラーに出会えました。ホラー映画で怖いと思うことってあまりなかったんですけど、これは怖かったです。普通のひとと感覚がずれてるのかも?
終盤のあの儀式めいたやつ、やばいですよ。あんなことしたら出るって、絶対。
と、真っ暗な部屋でエアロバイクをこぎながら見ていたわたしは思いました(ホラーは暗闇で見たい派)
わたしは心霊現象とかあったことないんですが、いちおう家系的には遭遇体質らしいので、やばいと思うところ、ものごとには絶対近づかないようにしてます。…怖いもん。
というわけで、彼女と同じ事が出来るかというと絶対に出来ないし、もし彼女の身になったらと思うと背筋が凍るようでした。しかも、彼女の必死な想いも伝わってくるから、目が離せないし!
結末は、あの夫婦と同じ様にポジティブに受け取ることも出来るし(というかそう願いたい)、ネガティブに捉えて、これからも同じ事が繰り返されていくだろうと恐怖してもいいし、観る人によって変わりそうなところもよかったと思います。
個人的に、イラストのシーンと、ラストに夫が約束のペンダントを見つけ(返してもらい)、全てを悟って寂しげに微笑むシーンが印象に残りました。
ちなみに原題はスペイン語で、孤児院の意味です。

第22回「オール・アバウト・マイ・マザー」を観ませんか?

原題:TODO SOBRE MI MADRE
製作:スペイン’99年
監督:ペドロ・アルモドバル
開催:2011/9/23~9/25
オール・アバウト・マイ・マザー
「陽面着陸計画」のなるはさんが選んで下さいました。

<理由>
  • アカデミー賞外国語映画賞受賞作品
  • スペインが舞台の映画を観たい
  • 強い母親の姿を観たい

企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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映画「それでも恋するバルセロナ」観た

それでも恋するバルセロナ
原題:VICKY CRISTINA BARCELONA
製作:スペイン/アメリカ’08
監督:ウディ・アレン
ジャンル:コメディ/ロマンス

【あらすじ】婚約中の堅実派ヴィッキーと、自由奔放に愛を求める情熱家クリスティーナ。バルセロナでバカンスを楽しんでいた彼女たちは、画家フアンと出会う。ふたりとも彼にのめり込んでいくが、突然フアンの元妻マリア・エレーナが現われ…。

前半はどうしようもないなぁと思ってみていたんですけど、奇妙な三角(四角?)関係になってからは意外性があって面白かったです。複雑な関係なのに、案外さっぱりしているんですよね。気分屋なクリスティーナがこちらの予想をいい具合に裏切っていき、緩衝材みたいな役割を果たして泥沼を回避してました。
どうしてそこでそうなるの?と思わないでもないけど、クリスティーナならあり得そうな気もします。
ドロドロしたのが好きな人には肩透かしかも。
あと、ペネロペ・クルス演じるマリアが強烈すぎて、ヴィッキーの影が薄くなってしまったのが残念。
原題は「ヴィッキー、クリスティーナ、バルセロナ」…並べただけですね。

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映画まとめ感想

この前、寝不足の状態で朝食を準備していたら、キャベツを刻んでいただけなのに爪の真ん中から先端に向かってザクっと(5mmくらいだけど)やっちまいました。どんだけ弱いの私の爪!
まあ、オロナイン塗って絆創膏で固定してたら、案外くっついてきたんで一安心。なんせ、しょっちゅう爪の(指の?)先端を切り落としていて、どんどん爪が短くなっていたので、これ以上なくなると困るんですよ。というか、いい加減包丁の使い方を覚えろって話ですが。
そんなわけで、イラストを描くのが面倒なのでまとめ感想です。

『伊豆の踊子(1974)』
(日’74、西河克己監督)
山口百恵ちゃん主演のやつですね。百恵ちゃんの可愛さもさることながら、他の役者さんも親しみを感じる方ばかりで安心して観られました。妙に吉永小百合版と被るなぁと思ってたら、同じ監督さんだ。そんなに「伊豆の踊子」好きなんですかね?
全体的によかったけど、カオルが刺青の男に絡まれるシーンで終わって後味悪かったです。原作では”いい思い出にしないで迎えに行けばよかった”みたいに後悔してたような気もするので、その苦い想いを表現したかったのかな。個人的には、映像よりモノローグで表現してくれた方がよかったです。
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『タイムライン:TIMELINE』
(米’03、リチャード・ドナー監督)
冒頭から入り込めませんでした。考古学熱を爆発させて勝手に過去に行ったじいさんが、息子や教え子を危険に巻き込むとわかって助けを求めるのがちょっとね。まさか素人ばかりで助けに来るとは思いもよらなかったのかもしれませんが。お姫様と教え子の恋愛模様は絵になっててよかったです。

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『ブーリン家の姉妹:THE OTHER BOLEYN GIRL』
(英・米’08、ジャスティン・チャドウィック監督)
貴族の醜いあれこれで子供が犠牲になる話はあんまり好きじゃないんですが、あんな浮気者の王様を愛そうと努力するメアリーは健気ですね。でも、金髪のスカーレット・ヨハンソンには興味ないんだ。彼女の賢い母親が可哀そうでなりませんでした…。

『この自由な世界で:IT'S A FREE WORLD...』
(英・伊・独・スペイン’07、ケン・ローチ監督)
いきなり解雇されて見返してやるって頑張っていたのが、だんだんと”弱い立場の人間を食い物にする”ことに味を占めていくシングルマザーのはなし。自分と息子の生活を守るために頑張ってる普通の人が、自分で気付かないうちに人間性を失っていくのが怖い。あんな母親の姿をみたら、息子はもっとグレるだろう。わたしの理解力が足りないのかもしれないけど、どんな悪事をして誰に裏切られたのか、お金を全部返してどうやってラストのように上手く仕事を軌道に載せたのか、いまいちわかりませんでした。

映画「南から来た用心棒」感想

 | 西部劇  Comment(12) 
Tag:イタリア フランス スペイン

南から来た用心棒
製作:イタリア/フランス/スペイン’66
原題:ARIZONA COLT
監督:ミケーレ・ルーポ
ジャンル:西部劇

【あらすじ】手下を補充するため盗賊ゴルドが監獄を襲うが、囚人の一人アリゾナだけは彼に従わず去っていった。ゴルドの手下に姉を殺されたジェーンは、彼に敵討ちを頼むのだった。アリゾナはどうにか仇を討つが、ゴルドに両手両足を撃ちぬかれ…。

主人公が人間的に格好良くないため(いろいろ中途半端)、ジェンマを格好良く撮れば撮るほどいけ好かない感じがしてしまいました。
盗賊ゴルドも逃げさせた相手を後ろから撃つのが好きな極悪非道な人物で(しかも顔に似合わず射撃の名手)、派手に人が殺されるので観る人を選びそう。まあ、悪役らしい悪役で素晴らしいともいえるけれど。

でも、アリゾナにくっついてるウィスキーという元ゴルドの手下が、いい味だしてるんですよね!
アリゾナを初めて見た時、思わず「カッコイイ」と呟いたり、仲間に置いていかれたところを彼に拾われて心底嬉しそうな顔をしたり。いかにも西部劇にでてくる小汚いおじさんなんですが可愛げがあります。酒瓶(?)が手投げ弾というのも彼ならではで面白い!
金の臭いを嗅ぎつけて、次々と内ポケットやら靴のなかやらから金を見つけ出すシーンでは大笑いしてしまいました。

終盤の対決もなかなか見ごたえがあり、(殺伐としてるのに)最後までコミカルさを失いません。
全体的にどっかで観たことあるような感じがぬぐえませんが、こういうのが好きな人なら楽しめると思います。DVDはプレミアがつきとんでもない事になってるようなので、気になる方は再放送時に録画することをおススメします。(ブルーレイが出ました!)

映画「ボルベール<帰郷>」を最後まで観たよ

 | 家族  Comment(4) 
Tag:ペドロ・アルモドバル スペイン

ボルベール<帰郷>後編
製作:スペイン’06
原題:VOLVER
監督:ペドロ・アルモドバル
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】以前、録画に失敗して半分(というか2/3だったけど)しか観れなかったので、ちゃんと観直しました。
前半は再見なんですが、やっぱり面白いですね。女たちがせっせと墓掃除をしていて、「未亡人が多いのね」とか話しているのが意味深長。あの地域はスペインでもっとも精神疾患が多いと劇中でも言っているし、彼女たちの周りで二度もあんな事があったし、なんかいろいろあったのではと考えてしまいました。
あと、スペイン式挨拶が冒頭から凄かったです。親族や友人と”ちゅっちゅ、ちゅっちゅ”うるさいくらいで、人が多い時はまさしくキスの嵐といった感じ。いったい何回ちゅっちゅしたんだろう(笑)
また、ライムンダが歌うシーンは何度観てもジーンとしてしまいます。彼女自身が歌ってるのかと思っていたら、フラメンコ歌手のエストレージャ・モレンテさんが歌っていたんですね。あの熱唱ぶりは演技だったのか…!

で、問題の後半なんですが、ライムンダと母イレネの過去には結構ずーんときましたね。こういった事件は本当に苦手なので、娘パウラの時と同じく”語られるだけ”で回想シーンがなかったのがわたし的に救いです。おかげで気分が悪くなる事もなく、彼女たちの強く逞しい母親としての姿に改めて感動することができました。
いつもなら自首しなくていいのかとか思うところですが、あの男どもには当然の報いなのでほとんど気にならず。まあ、親しい隣人アグスティナ(ライムンダなみに何度も名前がでるひと)は可哀相でしたが、おそらく真実に気付いていたのに、あの決断。どこまでも女が強いです。姉のソーレも地味ながら良かった。

ラスト、幽霊としてしか生きてこれなかったイレネが涙をぬぐいながら歩いていく姿が印象的です。本来ならこのまま余韻を味わえたんだろうけど、シネマルシェという番組はエンドロールを流してくれないらしい…。残念。

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 | 家族  Comment(2) 
Tag:ペドロ・アルモドバル スペイン

ボルベール<帰郷>前半
製作:スペイン’06
原題:VOLVER
監督:ペドロ・アルモドバル
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】遅くまで働いていたライムンダは、帰宅して父親を刺し殺してししまった娘パウラを見つける。彼女が死体処理に奔走していると、今度は伯母が急死したとの報せが入った。姉ソーレが葬儀へ出席するが、そこで死んだ母イレネと出会い…。

半分だけ観ました。というか、録画失敗しました。なんとなくCMが印象に残っていて楽しみにしていたのに残念…。
とりあえず前半は面白かったです。ごちゃごちゃと色々な出来事が起こるのに”ちぐはぐ”な印象はなく、母娘(×2)がこれからどうなるか気になり一気に観れました、前半を(泣)
内容的には、冒頭から墓掃除だし、生きているうちに自分でお墓を買って掃除するとか、叔母が痴呆症、親が焼け死んだ、母親が行方不明の友人が癌で入院などなど…大半が重いです。しまいには、襲われそうになった娘が父親を刺し殺し、ライムンダが事件隠蔽に奔走することになるんですね。
でも、ライムンダの溢れんばかりの”活力”や、鮮やかな色彩、妙にコメディタッチな雰囲気によって、不思議と暗い気分にはなりません。それどころか、不謹慎にも次は何が起こるかとワクワクしてしまいました。
そして、現れたのは死んだはずの母親。殺人に幽霊というとサスペンス・ホラーになりそうですが、この母親は怨念とは無縁で可愛かったです。おならでライムンダに気づかれそうになっていたのには思わず噴出しそうになりました。
ライムンダとは昔何かあったようで、陰から見つめるだけで彼女の前になかなか姿を現すことができません。この後、仲直りできたんでしょうか? …先が気になります。
それにしても、彼女が太った娼婦に金を払い、夫の入った冷蔵庫を林(?)に捨てに行くシーンでは、桐生夏生著「OUT」のようなグロい展開になるのではとハラハラしてしまいました。実際は埋めるだけでしたが、あの冷蔵庫が発見されたら、すぐ足がつきますよね。そして、冷蔵庫の持ち主に迷惑が…信頼されていたのに、ちょっと酷いなぁ。

★は前半だけの評価なので、後半を観たら変わる可能性もあります。あと、ネタバレが嫌で細部を確認しなかったので、間違った事を書いているかもしれません。そこら辺はどうぞ悪しからず。

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映画「理想の女(ひと)」観ました

理想の女(ひと)
製作:イギリス/スペイン/イタリア/アメリカ/ルクセンブルク’04
原題:A GOOD WOMAN
監督:マイク・バーカー
原作:オスカー・ワイルド
ジャンル:★ミステリー/ドラマ/ロマンス/コメディ

【あらすじ】南イタリアの避暑地で美しい女性アーリンと出会ったウィンダミア夫妻。妻へのプレゼント選びを彼女に手伝ってもらったロバートは、いつしか社交界での噂の的となる。一方、何も知らない妻メグには、プレイボーイのダーリントン卿が近づき…。

いつか再見して感想を書こうと思っていた作品で、今回やっと録画して観る事ができました。
やっぱりアーリン夫人の妖艶な魅力は素晴らしいですね。あの表情やしぐさ、粋なセリフの数々は、何度観ても好いです。
とくに彼女にぞっこんなタビィと話している時の彼女が素敵。彼自身は「自分の魅力は金持ちな事」と言っているけれど、彼女はむしろそういう事を言えてしまう彼の人柄に惹かれているように見えるんですよね。そして、手練手管な彼女が見せた、結婚への恐れのような感情も良かったです。タビィの懐の深さがあればこそ、彼女のあんな面を引き出せたんじゃないでしょうか。
もちろん、ラストの彼女も最高でした。娘の思いがけない言葉や最後の贈り物に、感動を隠し切れない彼女の様子には胸が詰まります。
ただ、再見のせいか”真実”を明かすのが少し早すぎる気もしました。後姿で見間違えるシーンの後で明かすほうが驚きも増すと思うんですが…。

まあ、多少は気になる点があったものの、やっぱり面白いし感動できるし後味もよいし、好きな作品であることには変わりありませんでした。
その意味を知った瞬間に、クライマックスの感動をひときわ大きいものにしてくれる「理想の女(ひと)」という邦題も素敵だと思います。

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 | ラブコメ/ロマコメ  Comment(0) 
Tag:スペイン

製作:スペイン’05
原題:NINETTE
監督:ホセ・ルイス・ガルシ
原作:ミゲル・ミウラ
ジャンル:★ロマンス/コメディ

【あらすじ】1959年、スペインのムルシア。仕事でパリに行ったアルマンドが女に不自由ない生活を送っていると聞き、彼を訪ねることにしたアンドレス。彼に紹介された下宿先に不満を漏らす彼だったが、その家の美しい娘ニネッテとイイ仲になり…。

GyaOで観た作品。
監督とか調べるためにググったら、セクシーなジャケット写真が出てきてビビリました
タイトルといいこれといい、宣伝の方向性を完全に間違っているようです。まあ、ニネッテのサービスカットはちょくちょくあるんですけどね。どちらかというと爽やか系の。

主人公は冴えない中年で、仲間内では一番モテないはずの友人がパリでモテ期と聞き、下心満々でパリ旅行に行くところから物語は始まります。
ところが、友人が用意した下宿先はスペイン人亡命者の家で、お喋り好きだが彼とはまるで話が合わない。そのうえ、狭いし見晴らしは最悪だった。こんなところじゃ嫌だ、明日には出て行く、とりあえず女の子紹介しろ!!と我がまま放題言っていたアンドレスでしたが、23歳の娘ニネッテと出逢い女の子を手配しに行った友人を放って彼女と過ごす事に。(この友人、可哀想な役回りが多いです。)
その日から、具合が悪いだの足を怪我しただの言い訳しながら、居すわり続けて6週間。本当はパリ観光もしたくてたまらなかったのに、彼女に邪魔(誘惑)されて家にこもりきりです。パリの街並みも一切でてきません。
ついには、ニネッテの(想像)妊娠発言で結婚がきまり、怒っていた彼女の両親もちょうど帰国を考えていたところだったので、ムルシアで一緒に暮し始めるのでした。
その後もなんか色々あるんですが、結局はニネッテと両親の望む方向に物事が進んでいってしまうんですよね。彼の店なんて父親に乗っ取られちゃうし。
盛り上がりには欠けるものの、登場人物に愛嬌があり、最後までのほほんとした笑いで楽しめました。残念なのは、邦題とジャケット写真かな…。