ウディ・アレン 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ミッドナイト・イン・パリ」観ました

 | ファンタジー  Comment(6) 
Tag:スペイン ウディ・アレン

原題:MIDNIGHT IN PARIS
製作:スペイン、アメリカ’2011 94分
監督:ウディ・アレン
ジャンル:★コメディ/ファンタジー/ロマンス

【あらすじ】ハリウッドの売れっ子脚本家ギルは、小説家に転身しようと処女小説の執筆に励んでいた。婚約者イネズと憧れの地パリを訪れるが、イネズの男友達ポールが楽しい気分を台無しに。ひとり真夜中のパリを彷徨っていると、一台のクラシック・プジョーが現われ…。

今回のファンタジー企画最後の作品。再見が続いてたので、最後が未見のこの作品で良かったです。(イラストはいつか追加します)
これほど自然に流れるように時を超える作品は珍しいですね。見た目的にはあまりファンタジーしてないんですが、(視聴者も)すんなりこれを受け入られる感覚がとてもファンタジーでいいんですよ。
すんなりと言っても、最初の主人公の驚きようはあんぐりって感じですが(笑)

なんというか、かの時代の芸術家たちの浮世離れした雰囲気が、主人公の夢への陶酔感と見事に溶け合って、観ているだけでその空気に酔ってしまいそうなんですよね。
これはギルが惹かれるアドリアナの夢が叶った時にも感じられることで、女優さんの演技も上手くて、不思議な高揚感でフワフワした気持ちになっている時を思い出します。
でも、そのフワフワにいつまでも浸ってないで、ちゃんと考えて、気付いて、決断した主人公が描かれるところがまたいいんですよ。夢想の楽しさから、自分の足で立って目標に向かって行く時の万能感みたいな、別の陶酔感に切り替わります。
真のヒロインと美しい夜のパリを歩くシーン(「ブロードウェイと銃弾」を思い出した)も印象的で、夢を追う人々が集まるこの街が舞台だからこそ魔法が存在できるんだなぁと思えました。

一番の謎は、どうしてまったく合わないあの二人が婚約したかってこと。身体の相性が良くて、お互いにそこそこ裕福だったからという理由しか思いつかない…(苦笑)
それと、ギルはアドリアナの書いた本の結末まで読む日が来るんだろうか?
彼女のその後が書かれているだろう本には触れずに終わるのも、この作品らしくて良いと思います。

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Tag:ウディ・アレン

おいしい生活
原題:SMALL TIME CROOKS
製作:アメリカ’00 95分
監督:ウディ・アレン
ジャンル:★コメディ/犯罪/ロマンス

【あらすじ】少し間抜けな泥棒レイは、銀行の二つ隣の店が売りに出されているのを見て、地下からの銀行強盗を思い立つ。カムフラージュのため妻フレンチーがクッキー屋を始めるが、思いがけず店が大繁盛してしまい…。

たぶんウディ・アレン監督の名前を覚えた作品ですね。この作品で彼の作品をもっと観てみようと思って、他のはわりと毒があって「あれ?」と思ったような。
再見してみるとなんてことない作品だったけど、それでも大好きです。
何が好きって、トンチンカンなことばかりやってるレイとフレンチーが、可愛くて憎めないんですよ。

レイはどうみても泥棒の才能なんてないし、奥さんが巻き込まれるのも気にしないでスリルを求めるあたりダメ夫すぎるんですが、金持ちになっても今まで通りの生活を好み、上流階級の人々になんと思われようが構いません。
でも、フレンチーが遠い人になってゆくのだけは寂しくてたまらない!
そんなだから、久しぶりのファーストフードに感動する様子や、泥棒計画で目を輝かせる姿などをみてしまうと、フレンチーが彼に愛想を尽かさなかったのもわかる気がしてしまいました。

夫のしょうもない計画に振り回され、文句を言いながらもしっかり自分の役割は果たす健気なフレンチー。手作りクッキーでお客を虜にしたり、上流階級の仲間入りをしようと必死に勉強するところが大好きです。
傍から見たらドン引きレベルの滑稽さなんだけども、生まれ変わるため前向きに頑張る姿を見たら、やっぱり憎めないんですよ。それどころか応援したくなってします。
ヒュー・グラントが演じるインテリ男が嫌な奴で、よけいにフレンチーの単純さや裏表のなさに目が行くのかも。
そして、なんだかんだでラブラブな夫婦の、彼ららしい顛末もよかったです。
思い出の鍵開け技術や、成金生活で身につけた鑑定眼など、何気に成長しているフレンチーが素敵♪

ちなみに原題の意味は「三流の泥棒(ペテン師)たち」で、邦題は原題とは似ても似つかないけども、おいしいクッキーから始まったおいしい儲け話、そして彼らにとっての本当のおいしい生活がこれから始まるんだということで結構合ってるんじゃないでしょうか。少なくとも、初見ですぐ内容と結びついて忘れなかったので、私にとっては良い邦題だったと思います。

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Tag:ウディ・アレン

ブロードウェイと銃弾
原題:BULLETS OVER BROADWAY
製作:アメリカ’94
監督:ウディ・アレン
ジャンル:★コメディ/ドラマ

【あらすじ】1920年代のブロードウェイ。新作の上演が決まって浮かれていた劇作家デビットだったが、スポンサーについたのはマフィアのボスだった。彼に演技力ゼロの愛人オリーブを押しつけられ、自分の脚本にケチをつけられる毎日に爆発寸前。だが、そんな彼を主演女優のヘレンは慰め…。

これは面白かったです。アレンの作品はどんなのがあったのかパッと思い浮かばないけども、今まで見た中でもかなり面白かったと思う。個性的なキャラクターたちの会話は聞いていて飽きないし、これから彼らや舞台がどうなっていくのか先が読めず、ワクワクします。
とくにオリーブのボディガード・チーチの秘めた才能には驚かされました。生まれが違えば彼の人生もまったく違ってたかもなぁ。デビットとの奇妙な友情も面白くてグイグイ引き込まれました。
彼の登場により、主人公デビットが色んなことに気付いていくのもいいですね。
彼が心酔するヘレンという女優は、彼が扱いやすいと見抜いた上で地味なこの役を引き受けたんだけども、新しい脚本には本当に心を掴まれて、つい前の脚本に対する本音がポロリ。
今まで色仕掛けで巧みに彼の心を掴み、やんわりと要求を伝えてまるで彼自身が自分で決めたように仕向けていたから(これが手練手管か!)、その本音でデビットの目が一気に覚めるんですよ。
他の人たちからも、今までの脚本に対する本音がどんどん出てきて、すっかり自信を失い、男として好かれていたのか、アーティストとして好かれていたのかわからなくなって苦悩します。

一方で、ものすごい存在感を発揮するオリーブがいい味出してました。彼女の顛末にはまったく同情できないどころか、ほんのりスカッとしたほど(笑)
これだけ憎たらしいキャラなのに、ボスは彼女のことが大好きなんですよね~。気が利かないとか、役立たずだと罵られたり、浮気されたりしたのに。
その浮気相手が過食症の俳優で、公演が近づくにつれてつまみ食いが止まらなくなるのが面白い。ついには犬のおやつまで盗る始末で、小心者のくせにマフィアの愛人に手を出す意思の弱い男。
よく考えると、ボスも浮気相手もチーチもオリーブの犠牲者かも。何気にファム・ファタールってやつ?

NYでの舞台が大成功して、裏でのごたごたが勘違いで絶賛されてるのが皮肉。ここがタイトルにかかってるんですね。
主人公が最後に何を選ぶのかも良かったし、内幕ものとしても楽しく、映画を見たという充実感が得られました。なんとなく舞台が先かなぁと思ったら逆で、後に監督自ら脚色してミュージカル化されたみたい。
それをまた映画化とかしないかな。

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それでも恋するバルセロナ
原題:VICKY CRISTINA BARCELONA
製作:スペイン/アメリカ’08
監督:ウディ・アレン
ジャンル:コメディ/ロマンス

【あらすじ】婚約中の堅実派ヴィッキーと、自由奔放に愛を求める情熱家クリスティーナ。バルセロナでバカンスを楽しんでいた彼女たちは、画家フアンと出会う。ふたりとも彼にのめり込んでいくが、突然フアンの元妻マリア・エレーナが現われ…。

前半はどうしようもないなぁと思ってみていたんですけど、奇妙な三角(四角?)関係になってからは意外性があって面白かったです。複雑な関係なのに、案外さっぱりしているんですよね。気分屋なクリスティーナがこちらの予想をいい具合に裏切っていき、緩衝材みたいな役割を果たして泥沼を回避してました。
どうしてそこでそうなるの?と思わないでもないけど、クリスティーナならあり得そうな気もします。
ドロドロしたのが好きな人には肩透かしかも。
あと、ペネロペ・クルス演じるマリアが強烈すぎて、ヴィッキーの影が薄くなってしまったのが残念。
原題は「ヴィッキー、クリスティーナ、バルセロナ」…並べただけですね。

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