インド 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「きっと、うまくいく」観ました

 | 青春  Comment(12) 
Tag:インド

きっと、うまくいく
原題:3 IDIOTS
製作:インド’2009
監督:ラージクマール・ヒラニ
ジャンル:青春/コメディ/ドラマ

【あらすじ】超難関の名門工科大ICEに入学したファランとラージューは、そこで自由人ランチョーと出会う。3人はバカ騒ぎを繰り返しては鬼学長の怒りを買いながら、友情を深めていった。だが、ランチョーは卒業と共に姿を消し、その10年後、やっと行方の手がかりをみつけ…。

まとまった時間がとれなくて3回に分けて見ました。まさに娯楽映画という感じで歌と踊りが楽しかったです。
愛すべきバカ3人組が大失敗しながら成長していく青春映画としてもよくできてて、プレッシャーに押しつぶされそうなインドの若者たちに向けた人生讃歌としてもよかったです。
まあ、スピーチのいたずらなんかは笑える感覚がよくわからないし、色々とやりすぎ感、うまく行き過ぎ感はありましたが、お国柄や社会情勢の違いで、求められるものも変わってくるということしょう。インドの学生の自殺率の高さなどを考えると、とにかく笑って泣いて希望が持てるような作品が求められてるのかなぁと。
…これができなきゃダメ、ここで認められなければ価値がないなんてことはない、「きっとうまくいく」と唱えて周りを見回してみれば、別の道がみつかるかもしれない…むしろ自分で新しい道を作ってしまえ!と言っているかのようでした。
この邦題にもなっている「aal izz well(all is well)」という曲が素晴らしくて、指笛を鳴らしながら楽しそうに歌って踊るシーンを見たら、もう細かいことは許せてしまうんですよね。
インドはこの激しい競争社会を勝ち抜いた人々によって急成長をとげているんだろうけど、歪みがあると次の世代にさらに大きくなって現れるものだと思うから、こういう作品も必要かも。というか、この作品が世界中でヒットしてるってことは、それだけ閉塞感を感じてる人が多いってことだろうか…?
他に印象に残ったところと言えば、ファルハーンと父親の和解のくだりと、パンゴン湖と空の青の美しさ。あとは、見事な伏線回収と44歳で若々しい表情をするアーミル・カーンの演技ですね。
ちなみに、チャトゥル(catur)はサンスクリットで「4」という意味だそうです(4バカだった! 笑)

第58回ブログDEロードショー「一緒にインド映画の新しい風に触れてみませんか」

 | ブログDEロードショー  Comment(13) 
Tag:インド

3月もブログDEロードショーを開催いたします。鉦鼓亭さんからリクエストしていただいたのは2作品…

  • ・「きっと、うまくいく」(2009年)
  • ・「マダム・イン・ニューヨーク」(2012年)

どちらでも、お好きな方をご覧になって感想を語り合いましょう!
但し、「きっと、うまくいく」(171分)、「マダム・イン・ニューヨーク」(134分)と長めですので、そのお積りでご覧下さい。

「きっと、うまくいく」(「3 Idiots」(3バカ))
アクション以外、映画要素の全てが詰まってるコメディ。
脚本、演出、役者、全てが申し分なし。
インド最高峰の工科大学に入学した3人のハチャメチャ学生生活と10年後。
下ネタ、悪ふざけ多し、女性には耐えがたい単語で笑いを取るので男性諸氏にお勧め。
「マダム・イン・ニューヨーク」
(「English Vinglish」(Vinglishは造語でジャパニーズ・イングリッシュみたいな意味かも)
インドの国民的女優シュリデヴィ (日本で言えば吉永小百合かな)、15年ぶりの復帰作。
インド版「初めての英会話」
女性に人気のある作品なので、女性の方々向きかも。
※ほぼ同じ頃公開された、W・アレンの「ジゴロ・イン・ニューヨーク」とお間違えのないように。

開催は3月27日(金)~29日(日)です。(これより前に観るのはお控え下さい。後ならいつでもOKです)。
よかったら一緒に同じ時期に同じ作品を観て、みんなでわいわい盛り上がりませんか?
ブログを持ってない方も大歓迎ですし、もちろんレビューは強制ではありません。
みなさんの記事を読んで回るだけでもよし、コメント欄で盛り上がるもよし。それぞれの楽しみ方で映画を愛でましょう♪
企画内容については、サイドバーにある「ブログDEロードショー」欄の”企画概要+参加者名簿”のリンク先をご覧下さい。

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ハイビジョン特集 フロンティア「インド・マレガオンのスーパーマン」観ました

 | TV番組  Comment(2) 
Tag:インド

インド・マレガオンのスーパーマン
原題:Supermen of Malegaon
製作:インド’08
監督:ファイザ・アハマッド・カーン
ジャンル:★ドキュメンタリー

【あらすじ】インド西部のマハラシュトラ州にあるイスラム教徒が暮らす町マレガオン。ここで生み出される低予算映画は「モリウッド」映画と呼ばれ、インドで人気だ。十分なお金も、撮影機材も、経験もない中、制作にあたり奮闘する若者たちの情熱を追う。

まさに「僕らのミライへ逆回転」の世界というか、まあ現実の方がもっと本気で制作してましたけど、素人同然の人が作ったハリウッド映画のリメイクを町の人たちが心から楽しんでいるところは、あの映画のままで感動しました。
やはり映画は多くの人を楽しませてこそですよね。お金を掛けてるとか、CGの凄さとか、質の高さだけじゃないんです。
ちょっとくらいちゃちでも愛がこもっていて、みんなを楽しませようという気持ちが伝わってくれば、それだけで観る人の気持を捉えるんでしょう。
「人生は悲しいことばかり。楽しいことなんてあまり無い。だから、みんなが笑える映画が作りたい」
町の映画館の館主で、趣味でハリウッド映画のリメイクを手がける監督さんの言葉が胸に迫ります。
メインの機材はデジカメとパソコン。あとはそこらへんにあるものを工夫して使って、ハリウッド映画を研究してよりダイナミックな映像を撮ろうと奮闘する姿は、熱いし面白い。
お金が足りない時は、「エド・ウッド」のようにスポンサーを探して映画に出演してもらったりもします。
スーパーマンなのにガリガリな俳優さんが楽しそうに演技していて、結婚式での幸せそうな姿など笑顔が印象的でした。
インド版スーパーマンの主題歌もいいんですよね~。
映画愛が伝わってくるドキュメンタリーです。

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第39回ブログDEロードショー「僕らのミライへ逆回転」
「エド・ウッド」観ました

映画「デリー6:DELHI-6」観た

 | 社会派  Comment(2) 
Tag:インド

デリー6
製作:インド’09
原題:DELHI-6
監督:ラーケーシュ・オームプラカーシュ・メヘラー
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】NY育ちのローシャンは、祖国に帰りたいという祖母に付き添いインドの首都デリーへ。彼が最初に目にしたのは、都市伝説の黒猿が人々を襲っているというニュースだった。初めてのインドに戸惑う彼だったが、美しい娘ビットゥーと出会い…。

インド映画らしい活気にあふれた作品でした。
ちょっと大雑把というか、ぶちぶち途切れて、はっきりいって上手い映画ではないんですけど、インドへの深い愛情が伝わってくるし、街の賑やかな雰囲気を味わえます。
インドの古典「ラーマーヤナ」や、実際にあった黒猿騒ぎがベースになっていて、宗教や差別、警察の腐敗、結婚の問題などを取り上げながら、それでも明るく生きていくインド人の魅力を描いていました。とくに仲良しでやんちゃな少年二人組みが、この明るさに一役買ってたかな。
あと、NY育ちの主人公目線でみていくのが入りやすかったです。

後半は暗雲が立ち込めてくるんですけど、最初はみんな楽しんでいた黒猿の噂がエスカレートし、宗教対決に発展してくのが滑稽で恐ろしい。そのなかで、彼らの本来の姿を信じる主人公が伝えた、狂人の言葉が良かった!
『どんな欠片にも神の光がある。自らを覗いて見よ、神はお前の近くにいる。
神を愛するなら、皆を愛せ。それがこの信仰の定めなのだ』

そう言って、暴徒と化した彼らに鏡を突きつけます。
そして、そのくだりを活かしたエンディングが本当に素晴らしいんですよ~!!!
例の鏡のなかに、街の人々がひとりづつ顔を出し、笑ったりはにかんだり、ふと罪悪感を覚えたような表情を浮かべたり、目をそらそうとするのを思いとどまったり…。それぞれが”自らを覗いて見る”のですね。中には腹が立つほど憎たらしい人物もいたんですが、それを見たら、ふっと笑いがこぼれました。
監督さんは、本当にインドとそこに生きる人々が好きなんだと思います。
ちなみに、タイトルの意味は、デリーの郵便番号「110006」が”デリー6”と呼び親しまれていることから。

映画「タハーン ~ロバと少年~」観ました

 | 社会派  Comment(8) 
Tag:インド

タハーン ~ロバと少年~
製作:インド’08
原題:TAHAAN: A BOY WITH A GRENADE
監督:サントーシュ・シヴァン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】カシミール地方。家族やロバのビールバルと共に暮していた8歳の少年タハーン。3年前から父親が行方不明だったが、父がくれたロバがいつも一緒だった。そんなある日、借金返済のためビールバルが売られてしまい…。

後半は嫌な汗をかく展開なんですが、ラストで予想外に感動してしまって一気に大好きになった作品です。
舞台は紛争中のインド北西部カシミール地方ということで、最初からきな臭さが漂ってきました。ちょっと村はずれに行けば銃声が聞こえてくるし、廃墟と化した町だってでてきます。
そんな中、幼いながら強く優しい心をもつ少年タハーンが、父親とのつながりでもある親友のロバを取り戻そうと奮闘するお話です。
前半は、だいたいロバの新しい持ち主である商人ダールに付いてまわるんですが、コイツがけっこう嫌な奴でした。仕事を手伝う青年ザファルの扱いが酷いんですよ。彼が質問に答えようとまごつくたび、”お前は馬鹿だから聞くだけ無駄だ”という態度で遮るので、私自身話すのがとろいのもあってムカついてしまいました。根はいい人だとわかっていても、約束は破るし、嫌な気分になることもしばしば…。

→以下ネタバレ注意!

映画「ガンジー」観ました

ガンジー
製作:イギリス・インド’82
原題:GANDHI
監督:リチャード・アッテンボロー
ジャンル:★歴史劇/伝記

【あらすじ】1893年、南アフリカ。有色人種という理由で列車から放り出された若き弁護士ガンジー。人種差別をなくすべく、彼はインド人移民が持つことを義務付けられた身分証を焼き捨てるよう呼びかける。彼の唱える”非暴力・不服従”はしだいに人々の心を動かし…。

学校では表面的なことしか習わなかったので、今回観れて良かったと思います。
わたしが歴史の授業を真面目に受けていなかったせいかも知れませんが、今まで”非暴力・不服従”がどんなに難しいことなのか理解できていなくて、どんな酷い目にあっても信念を貫き、なおかつ人々の心を動かした人物が実際にいたという事に驚きました。
差別されている彼らのなかにも当たり前のように”身分”は存在し、共通の敵がいなくなった途端に宗教対立が表れ…外だけではなく内にも存在する多くの問題に対し、悩みながらも身を削って人々にうったえる姿に感動させられます。
3時間という長さがまったく気にならない傑作でした。

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