イスラエル 忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「迷子の警察音楽隊」観た

 | コメディ  Comment(4) 
Tag:イスラエル フランス

迷子の警察音楽隊
製作:イスラエル・フランス’07
原題:ביקור התזמורת
監督:エラン・コリリン
ジャンル:★コメディ/ドラマ

【あらすじ】演奏を依頼され、イスラエルにやって来たエジプトの警察音楽隊。だが、出迎えの姿はなく、団長トゥフィークらは自力で行こうとして迷子になってしまう。辺境の町の食堂の女主人ディナの計らいで、彼らは分宿して一夜を過ごすが…。

淡々としていて、音楽もそこまで活躍はしないけど、なんか好きですね。カタコト言葉で、敵対していた国の人と心を触れ合わせる瞬間を繊細に描いています。
まず、彼らのうち3人を泊める事になった男と、相談もされなかった家族、そして今日が誕生日の奥さんらのエピソードが面白かったです。ピリピリした空気の中で居たたまれない様子の3人の表情といったら!
少しでも会話がはずむと笑顔が戻るんだけど、それが一瞬でしゅぅ~と消えてしまうシーンなんかほんとリアル。「小部屋で赤ん坊が眠るように」とアドバイスされ、協奏曲を完成させるくだりもジーンときました。

お次は、デートの相手を泣かせてしまった男に、恋のアドバイスをする若い隊員カーレド。実は迷子になった原因は、彼が口説くのに夢中になって目的地の名前を聞き間違えた事だったり。優しいところもあるじゃないかと見ていたら、彼女の隣りに男が座り、その隣りにカーレドが座り、彼女に気付かれないようにアドバイスしようとした結果、男の膝に手を置いて肩に手を回し…と手取り足取り教える事に。そのシュールな光景に思わず声をあげて笑ってしまいました。

また、プライドが高くお堅い楽団長と、美しい女主人ディナとのデートもロマンチック。ベンチで語り合い、指揮するのはどんな気持ちか尋ねられ、言葉ではなく指揮棒を振るジェスチャーで答える楽団長が可愛い。次第に表情が和らいでいくのがいいですね。
最終的にディナがやらかしてくれるんだけど、それを苦笑して寂しげに去っていった団長が切ない…。”ディナ”と呼べるようになっていたのが、朝になって”奥さん”呼びに戻ってるのも哀しいです。
ラストの公演では、驚いた事に指揮者である団長が歌ってくれました(エジプトでは普通?)。染みる!
原題はヘブライ語で”音楽隊の訪問”という意味。邦題もなかなか素敵です。

映画「ジェリーフィッシュ」観ました

 | ドラマ  Comment(4) 
Tag:イスラエル フランス

ジェリーフィッシュ
原題はヘブライ語でクラゲ。
製作:イスラエル、フランス’’07
原題:MEDUZOT(JELLYFISH)
監督:エトガー・ケレット、シーラ・ゲフェン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】浮き輪をつけた迷子の少女と出会ったウェイトレス・バティア。スイートに泊まる女性と部屋を交換する事になった新婚夫婦ケレンとマイケル。言葉の不自由なフィリピン人介護ヘルパーのジョイ。イスラエルの美しい海辺の街テルアビブを舞台に、不器用なために孤独感を抱える人々を描く。

一昨日、扇風機を出して寝る前に灯りを消したら、コードに足を引っかけて扇風機が倒れ、カバーが外れて羽が一枚バリーンと割れてしまいました。瞬間接着剤で直したけどね!
暑いしイラストで力尽きたので簡単に書きますが、それぞれの不器用さがほんと共感できて、終盤はなんてことない小さな出来事でうるうるしてしまいました。とくに、幻想的な展開を見せるバティアのエピソード。両親との思い出をほとんど持たない彼女が、他人の子供の頃の8ミリフィルムに見入ってしまうシーンでは涙が…。
詩人の最後はああでなきゃいけなかったのか疑問ですが、彼女に対抗して(?)新婦ケレンが書いた詩も良かったです。

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映画「シリアの花嫁」観ました

 | 社会派  Comment(6) 
Tag:イスラエル フランス ドイツ

シリアの花嫁
製作:イスラエル・フランス・ドイツ’04
原題:THE SYRIAN BRIDE
監督:エラン・リクリス
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】イスラエル占領下のゴラン高原、マジュダルシャムス村。そこで暮すドゥルーズ派の人々は、シリアへの帰属意識から無国籍を貫いていた。そんな中、境界線の向こうへ嫁ぐ日を迎えた花嫁モナは浮かない顔をしていて…。

忙しいのもそろそろ終わりそうですが、疲れてるので難しいことは省いてサクっと感想いっちゃいます。
とにかく、花嫁モナの姉アマルが格好いい!
自身も家庭の問題を抱えていて、ひとりの時に泣いていたりするんですが、何よりも家族の絆を大切にしています。モナが笑顔で嫁げるように、バラバラになった家族をひとつにしようと奔走するんですね。
というか、家族の絆をかろうじて保っていたのは彼女だったようで、ロシア人と結婚して絶縁状態にあった弟とも手紙のやり取りを続けていました。一人で泣いていたアマルのもとへやってきて、どうしてここがわかったのかという問いに、アマルの手紙の一節を諳んじる弟ハテム。僕もこの手紙が支えだったと語るシーンは涙腺が緩みます。
手紙という家族の絆が心の支えとなり、彼らが挫けず頑張れたように、モナにも強く生きてほしいから”決して消える事のない家族の絆”を感じさせてあげたい。そんな想いが伝わってきました。

やがて、アマルの頑張りも報われ、しきたりやプライドに縛られていた父親はハテムの肩を抱いて和解。家族の強く温かく絆に、モナの表情にもアマルのような凛とした強さが…。
ラスト、一人でシリアに向かって歩きだすモナの姿と、”希望”という意味の名を持つアマルの笑みが深い余韻を残します。